朝井まかてのレビュー一覧

  • 朝星夜星
    極貧の家に生まれた丈吉は阿蘭陀船で調理を学び、幕末の長崎で本邦初の洋食屋を始める。
    長崎で若き五代友厚、岩崎弥太郎、陸奥宗光らの知遇を得、五代の勧めで大阪でホテルを開業し、大阪経済界の大立者となっていく。

    民間の立場で国家に貢献したいという熱意は時代の空気か。
    不平等条約を背景に、政治家、実業家た...続きを読む
  • ボタニカ
    別に朝ドラに触発されたわけではないのですが、昔からそのお名前しか知らない人が一体どんな人物なのか知りたくなって読みました笑
    さすがに稀代の人物だったようですネ!
    土佐の佐川村の裕福な造り酒屋兼商家に生まれた牧野富太郎、幼くして両親と死別した彼は生業に興味薄くてもっぱら植物に関心のある育ちをする。
    ...続きを読む
  • 朝星夜星
     12歳から13年、傾城屋の女中として働いてきたゆき、大女で力持ち、25歳の時、本当に美味しそうに食べてる姿に惚れられ、料理人の丈吉24歳に嫁ぐ。そのおゆきの生涯を、幕末から明治の時代の流れと相まって描いた大作、510頁。朝井まかて「朝星夜星」、2023.2発行。前半は、テンポも悪く、明治維新を辿っ...続きを読む
  • ボタニカ
    富太郎、なまじ生まれが裕福だったばかりに、金銭感覚がなさすぎだと思った(マリー・アントワネットか!)。お金があってもなくても、必要なものは買ってしまう。しかしそうでなければあれだけの成果は上げられなかった気がする。
    富太郎にの行動に対して、さまざまに心を乱された。
    ・実家のお金を湯水のように研究に使...続きを読む
  • ボタニカ
    よく生きられた‼︎

    感心せざるを得ない。

    いっぱい出てくる草花。
    たとえの表現も、美しい。

    また手に取りたい。
  • 落花狼藉
    吉原の西田屋の女将・花仍と、日本一の遊郭吉原の姿を描いた長編小説。鮮やかな筆致で遊女たちや吉原を創り上げた人たちの姿が描かれていて、歴史を学び直したくなった。
    歴史を学ぶことが今、そしてこれからを考える何よりのヒントになるんじゃないかなと思います。
    (歴史=暗記だと思ってしまってる学生、良い先生に出...続きを読む
  • 先生のお庭番
    「らんまん」関連ということで。シーボルト先生のお庭番が主人公の物語。どちらかというと淡々と進んでいくんだけど、最後に大事件が・・・。あまり史実を知らなかったけど、真実はどうだったのかね。
    ラストシーンで登場した「日本植物誌」が、翌朝の「らんまん」に登場してびっくりしたわ!オタクサの絵がきれいでした。...続きを読む
  • 最悪の将軍
    犬公方などとあだ名される江戸の五代将軍徳川綱吉の話。
    何となく知られた人物を、意外な側面から違った評価をら加えて描く手法、大好きです。
  • 鎌倉残影 歴史小説アンソロジー
    鎌倉殿の13人観てなかったし
    鎌倉時代ってそんなに興味がないんですけど
    さすがうまい人のアンソロジーなので
    どれを読んでも面白かったです

    読む前は 朝井先生目当てだったんですが
    武川佑先生の 「誰が悪」 
    和田義盛一族の凄惨な最期が哀しかったですね
    ドラマで見たら 辛くって泣いちゃったと思う
  • 朝星夜星
    江戸時代末期から明治時代、西洋食を提供し続けた自由亭の成り立ちから終わりまで。
    草野丈吉という実在した料理人兼経営者とその妻の奮闘記。
    有名な政治家なども登場して、大エンタテイメントを味わった感じ。
    新時代を築くという意気込みが心地良かった。
  • ちゃんちゃら
    江戸時代の庭師の話。悪役が出てきて、勧善懲悪の期待が高まっていく。ところが終盤に身内が黒幕だったことが判明するというまさかの展開。勧善懲悪の爽快感が無くなったと思ったら、主人公・ちゃらが、、、ところが最後は、、、終盤は話が大きく動きます。面白かった。
  • 朝星夜星
    時代の流れと翻弄されながらもつむぎあって行く自由亭の仲間たちや家族の細々が丁寧に書かれていてあっという間に読んでしまった。ご飯が出てくる本は好き。陸奥さんが良かったー。
  • すかたん
    武士の後家が生きていくために大坂の青物問屋に女中奉公に上がり、慣れない風習と仕事に戸惑いつつも市場構造の改革を目指す若旦那を支える話。
    一言で言えばこんな感じですが、若旦那は信念と人柄だけで暴走するタイプだし、主人公の知里も最初の頃は単なる使えない女子衆だし、お決まりの敵役もなかなか巧みで一筋縄では...続きを読む
  • 朝星夜星
    日本初の洋食屋「自由亭」の誕生物語。
    料理人である草野丈吉の妻ユキの目線で描かれているところが、より物語に入りやすくさせているように感じた。
    明治時代の長崎、土佐、大阪の著名人もたくさん登場して、激動の時代の歴史がリアルに感じられる。
    しかし、この時代のユキのような生き方は、とてもじゃないけど出来そ...続きを読む
  • 朝星夜星
    日本人初の西洋料理店スターシェフの草野丈吉と妻ゆきの評伝。全く知らなかったことばかりだったので大変面白く読んだが、まかてさんの小説の出来としては今一つかな。
  • 落陽(祥伝社文庫)
    明治神宮造営の物語。
    あの神宮の森が、実は人工の森で、しかも大正に作られたとは、にわかには信じられないような、そんな事実のお話。
    造園にも、明治大正の新聞記者にも、思い入れがなかったので、読み通すのに少し苦戦した。
  • 朝星夜星
    実在した日本最古の洋食屋・自由亭の主人・草野丈吉が主人公。
    長崎の貧農に生まれ、子供時代に異人のボーイとなり、 洗濯係、コック見習いを経て若くしてオランダ総領事の専属料理人に昇進、その後、自由亭を起こした草野丈吉。維新後は自由亭を大阪に移し、外国人を中心にしたホテル経営に拡張し、京都・神戸などの各所...続きを読む
  • 花競べ 向嶋なずな屋繁盛記
    苗物屋の新次・おりん夫婦の物語。304ページと中編だが、内容はたっぷり。序盤は悪役に嫌がらせをされ、中盤は理世との逢瀬、終盤は花魁吉野と染井吉野の話。もっと引っ張っても良さそうだが、まさかデビュー作とは。さすがは朝井まかて氏です。
  • 恋歌
     水戸藩の武士以徳に嫁いだ、江戸の商家の娘登世の物語。   
     恋歌を読むことによって、日本史の勉強をしていたのに忘れてしまった事柄を記憶に残せるように思う。例えば、桜田門外の変については、経緯や天狗党が関わっていたことは全く覚えていなかった。単語だけ覚えて、その由来まで学ばなかったからかもしれない...続きを読む
  • ボタニカ
    日本植物学の父と呼ばれた牧野富太郎の破天荒な生涯を描く。
    子ども時代が好きだなあ。
    自然豊かな土佐の情景が浮かんでくる。
    佐川の野山を巡り植物採集する富さん。草花に話しかける土佐弁が柔らかくて心地よい。小学校を自主退学し、独学で植物学を極めていくのだからやはり天才なのだろう。

    生涯をかけて"好き"...続きを読む