朝井まかてのレビュー一覧

  • 阿蘭陀西鶴

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    井原西鶴とその娘おあいの物語。

    亡き母親から炊事洗濯を仕込まれた盲目の娘おあい。
    見栄っ張りで威勢だけはよく、娘の気持ちを忖度しない父西鶴を嫌っているのだが――。

    日常の音や匂い、人の声、季節の気配を繊細にとらえるおあいの一人称で書かれているため、あらゆる描写が新鮮に感じられます。
    かたくななおあいの心。
    近くにいるのに互いに伝わらない父と娘の気持ち。
    物語が進むにつれて変わっていく様子が、温かくも切ない。
    すべて読み終えて、帯にある「お父はんのお蔭で、私はすこぶる面白かった」という言葉を見ると、ぐっとくるものがあります。

    大阪弁の会話、ってなんかいい。
    感情とか情感が加味されて、表現と

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    2017年05月29日
  • 阿蘭陀西鶴

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    井原西鶴の娘の視点で書かれてあるので、西鶴の俳句に対する思いや取り組み方などが新しい角度で読む事ができたと思います。
    あいという娘に対する気持ちや扱い方で西鶴の愛情の示し方も独特のものがあると思いました。

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    2017年05月01日
  • 阿蘭陀西鶴

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    正直なところ、あまり面白いと感じずに早く読み終わりたいと思いながら読んでいましたが、最後の1ページから巻外にかけて、ジーンと来ました。
    読んで良かった。

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    2017年03月11日
  • 阿蘭陀西鶴

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    歴史の教科書では井原西鶴に関する記述はたったの数行だが
    その数行が実に生き生きと膨らんだ。江戸時代に市井の人々が何を食べどのように暮らしていたのか西鶴の盲目の娘を通して語られる。久しぶりに読んで楽しかった。井原西鶴の好色5人女など現代語版があれば読んでみたい。

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    2017年01月19日
  • ちゃんちゃら

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    植物や庭師の仕事へのアプローチがとても詳しくて面白い。
    主役のちゃらが良い。お百合も可愛い。師匠がかっこいい。敵役が悪い。
    意外な人が意外な動機でそういう結果になるどんでん返し。ひどいことになるけど、そうか、と思ってしまう。憎めない!
    人情もあり、伝奇的でもあり、お仕事小説でもあり、可愛い恋模様もあり。江戸時代後期ならではの葛藤もあり。
    とても贅沢な時代小説。

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    2016年09月11日
  • ぬけまいる

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     若いころは「馬喰町の猪鹿蝶」と呼ばれ、ブイブイ言わせていた三人娘も、それぞれの人生や家庭に、鬱屈と閉塞感を感じる年齢になってきた。その三人がふとした思い付きと勢いから、伊勢参りに行くこととなり…

     旅の醍醐味がいっぱいに詰まった小説です。旅先での様々な人との出会いは、クスリとさせることもあれば、しんみりとさせられるところも。だんご屋を営む老夫婦の家に居候したり、奥さんに尻を敷かれるご主人を叱咤したり、はたまたお金をだまし取られたり、危ない男との恋の予感があったり…

     三人娘の個性の強さも読んでいて楽しく、旅先での様々な事件、出来事もどれも読ませます。それは三人娘以外のどの登場人物たちにも

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    2016年08月20日
  • ぬけまいる

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    2015年9月23日
    女3人のお伊勢まいりは抜けまいり。
    幼馴染の3人は長所短所を知り尽くし、気のおけない仲間で、ずけずけものは言うけど、放っておいてほしいと察することもうまくやる。 みすずちゃんにしてやられたときの団子屋の切り回しや朝顔尽くしの小間物屋、博打で稼ぐきっぷの良さが痛快。みすずちゃんへの仕返しもすごく良い。
    でも今思い返すと3匹のおっさんシリーズと似たところあるかも。
    博打で稼ぐのは結構いろんな本に出てきてた。
    おしかちゃんがまたあの家に戻るのか。ようやくできた恋人から離れていくおいのもせつない。元の鞘に戻ろうとも心持ちはかわってる。成長物語だね。
    すごく面白くて好きな本です。

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    2015年09月23日
  • ちゃんちゃら

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    ネタバレ

    チャペックのエッセイからこの小説を読むという順番、読書の神様もイキな計らいをしてくれるものである。

    造園業を舞台にした時代小説。人情モンであり、推理モンであり、恋愛モンでもあり意外や意外に怪奇譚の一面も持った盛りだくさんな中身。盛り込みすぎかなと思いきや、庭・空仕事と言うしっかりした幹を据えているので意外と腰の据わりが良い読み心地。

    主人公のまわりを囲む登場人物たちの人物像が爽快。出来すぎかと思うくらいのキャラ設定、江戸時代にそんな生き様するヤツおらんやろと思う部分も少々あるも、読み心地損なうには至らず。

    朝井まかて、前から気になっている小説家だったけど、かなり好みの小説を書く作家のよう

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    2015年03月30日
  • ちゃんちゃら

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    ネタバレ

    よかった!さらっと読めてしまうけれど、江戸の職人気質がささる。妙青尼の優しくも凛とした言動も心が洗われた。

    人ってのはすごいもんだ。一度小さな失敗をしておくと軀が覚えちまう。・・・新セtが過ぎるとその機会を奪っちまう。もしかしたら俺が拵えようとしてた庭は、そういうことなんすか(P83)
    →トレーニングの時には注意しないと!

    あの人たちをいずれ世間に帰すのが私の務めです。ですが、この世は強い人間ばかりではないのですよ。何の希望も持てず辛苦に立ち向かえず、捨て鉢になってしまう人間の方がむしろ多いでしょう。そんな人々をお助けするのが仏の道であるはずなのに、何をして差し上げればよいのかが見いだせず

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    2014年02月26日
  • 眩(新潮文庫)

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    女性主人公・女性作家の時代小説が読みたくて。
    朝井まかて作品は初めてでしたが、するすると読めました。
    葛飾応為という実在の絵師の生涯を描くにあたり、作品が沢山出てきて、どのように生まれたか(創作だけど)が書かれていて楽しいです。
    「三曲合奏図」の格好良さ。
    花魁、町娘、芸者のそれぞれの生き様がぶつかり合うセッションが聴こえてくるようです。
    宮崎あおいと松田龍平でドラマ化してたんですね。
    時坊マジでしばきたい。

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    2026年06月28日
  • 豆は煮えたか

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    実は、占い師である団子屋の女主人公、彼女を取り巻くご隠居さん、役者、庭職人と登場人物たちが魅力的。亡きダンナの味を継いで作る団子が、不味いという設定が、親近感があっておもしろかった。
    読後もいい。

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    2026年06月24日
  • 朝星夜星(下)

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    大阪自由亭も順調に行くかと思いきや、波瀾万丈で草野丈吉も亡くなり、娘の錦が跡を継ぎ、自由亭は大阪ホテルとなる。錦を支えた星丘が亡くなると、大阪ホテルは売却された。
    上下巻纏めて、
    草野丈吉の妻ゆきの視点で自由亭の誕生から繁栄、自由亭が草野ファミリーから手放されていくまでが描かれている。
    人の一生を思うに、つくづく人は1人で生きているのではないと思わされる。草野丈吉も五代友厚、陸奥宗光らの支えがあってこそ、自由亭を大きく出来た。丈吉自身も星丘が災難に会った時に助けている。その星丘も丈吉が亡くなったあと、娘の錦を支え続けた。
    それにしても昔の人は早くに亡くなっている、人生50年の時代。今は人生10

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    2026年06月21日
  • 朝星夜星(上)

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    日本初の洋食屋自由亭、長崎から大阪へ、料理人・草野丈吉と妻ゆきの奮闘の物語。
    妻ゆきの視点から描かれる。幕末の頃、使われた知らない言葉が出てくる。その都度、調べながら読んだ。五代友厚、陸奥宗光、岩崎弥太郎など、歴史上の人物も出てくる。やっと大阪の自由亭が軌道にのって、妻ゆきも一線から外れ、犬を飼おうとするところで上巻は終わる。

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    2026年06月21日
  • ボタニカ

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    朝ドラを思い返しながら読む。学者馬鹿、凄まじいわ。ドラマは神木隆之介のどこか小動物っぽい可愛らしさで救われたけど、実際裕福な家の財産食い潰して、とんでもない借金何度もこさえて、物好きな金持ちに返してもらう人生、他にある?祖母から始まり先妻後妻と女運がよっぽど良かったのか。スエを送ったあとの猶との会話がとても好き。誇りをもってあなたを支えた。あなたに夢中だった。そんな風にスエを語る猶も素敵。先妻と後妻がなかよしってすごいよ。学者だの文人だの、何か大仕事した人ってその分他がポンコツなんだろうなあ。そして、生家で死ぬほど貧乏したのに、せっかく結婚して人並みに暮らせたのに、二人揃って離縁ってなんでなの

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    2026年06月20日
  • 残り者

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    江戸城明渡しの陰であったかもしれない話。
    女性が伴侶に頼らず生きて行く事が今よりもずっと難しかった時代に、自分の足で立って生きる矜持。
    「そんな事してる場合じゃないでしょ!?」とハラハラ、イライラしながらも、一緒に一晩を明かした仲間意識とすっきり感を味わえました。

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    2026年06月19日
  • 豆は煮えたか

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    時代物の、不思議なヒューマンドラマ。
    ふんわり包むような表現が多く、そこから推察してね、という終わり方から、次に繋がっていく感じ。
    続編がありそう。

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    2026年06月17日
  • すかたん

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    登場人物が魅力的。章立てで読みやすく、テンポもいい。最後にはスカッとする。面白い本の要素がすべて入った作品でした。このまま朝の連続小説になってもおかしくない。

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    2026年06月08日
  • 朝星夜星(上)

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    しゃぼん/ぶたのらかん/自由亭/来訪者たち/明治の子/肩の荷/大阪開化/天皇の午餐会(下巻へつづく)

    幕末から明治へ
    社会が激動する時期の夫婦
    何でも出来る男と力自慢の女
    う〜〜ん 上手く行くのだろうか??

    世情も人も目まぐるしい 
    けど ドキドキする ワクワクする
    次は何が起きるのか……

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    2026年06月03日
  • ぬけまいる

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    「抜け参り(ぬけまいり)」とは、江戸時代に庶民が仕事や家庭を一切忘れ、なかば無断で伊勢神宮へ参詣した風習とのことで、お以乃(いの)、お志花(しか)、お蝶のアラサー3人組が、いざ伊勢神宮へ。いろんな宿場町で騒動を巻き起こしたり巻き込まれたりのドタバタぶりは、涙と笑いを誘います。道中でお以乃が一目ぼれする相手は一瞬であの有名人だと気づき、終盤で正解とわかりやっぱりなと大満足。猪・鹿・蝶の女子3人組は威勢はいいがなんだかんだいって優しいのが良い。読後感も良好。

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    2026年06月01日
  • 落花狼藉

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    ネタバレ

    江戸に吉原という一大遊郭を作り、さらにはその遊郭の場所を移動するという、江戸前半風俗史を遊郭の女将視点で描いた小説。

    日本堤の桜ってどっかで聞いたなぁ、と思ったら、朝井まかての以前の小説「花競べ」やったか。明らかな連作ではないがふわっとそこにつなげるあたりの技はさすが。オーラスのゲスト2名の登場もご愛敬。

    花魁だの太夫だの言うても、いわばその身を売られてきた売春婦、悲惨な人生背負っているわけで、悲劇の陰が付きまとわざるを得ない。そこから目をそらすわけでもなく、言い訳がましく肯定するわけでもなく、「それはそうだがそれでも必死に生きていく」姿を描くのは、バランス感がとても大切だと思う。朝井まか

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    2026年05月20日