朝井まかてのレビュー一覧
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井原西鶴とその娘おあいの物語。
亡き母親から炊事洗濯を仕込まれた盲目の娘おあい。
見栄っ張りで威勢だけはよく、娘の気持ちを忖度しない父西鶴を嫌っているのだが――。
日常の音や匂い、人の声、季節の気配を繊細にとらえるおあいの一人称で書かれているため、あらゆる描写が新鮮に感じられます。
かたくななおあいの心。
近くにいるのに互いに伝わらない父と娘の気持ち。
物語が進むにつれて変わっていく様子が、温かくも切ない。
すべて読み終えて、帯にある「お父はんのお蔭で、私はすこぶる面白かった」という言葉を見ると、ぐっとくるものがあります。
大阪弁の会話、ってなんかいい。
感情とか情感が加味されて、表現と -
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若いころは「馬喰町の猪鹿蝶」と呼ばれ、ブイブイ言わせていた三人娘も、それぞれの人生や家庭に、鬱屈と閉塞感を感じる年齢になってきた。その三人がふとした思い付きと勢いから、伊勢参りに行くこととなり…
旅の醍醐味がいっぱいに詰まった小説です。旅先での様々な人との出会いは、クスリとさせることもあれば、しんみりとさせられるところも。だんご屋を営む老夫婦の家に居候したり、奥さんに尻を敷かれるご主人を叱咤したり、はたまたお金をだまし取られたり、危ない男との恋の予感があったり…
三人娘の個性の強さも読んでいて楽しく、旅先での様々な事件、出来事もどれも読ませます。それは三人娘以外のどの登場人物たちにも -
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2015年9月23日
女3人のお伊勢まいりは抜けまいり。
幼馴染の3人は長所短所を知り尽くし、気のおけない仲間で、ずけずけものは言うけど、放っておいてほしいと察することもうまくやる。 みすずちゃんにしてやられたときの団子屋の切り回しや朝顔尽くしの小間物屋、博打で稼ぐきっぷの良さが痛快。みすずちゃんへの仕返しもすごく良い。
でも今思い返すと3匹のおっさんシリーズと似たところあるかも。
博打で稼ぐのは結構いろんな本に出てきてた。
おしかちゃんがまたあの家に戻るのか。ようやくできた恋人から離れていくおいのもせつない。元の鞘に戻ろうとも心持ちはかわってる。成長物語だね。
すごく面白くて好きな本です。 -
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ネタバレチャペックのエッセイからこの小説を読むという順番、読書の神様もイキな計らいをしてくれるものである。
造園業を舞台にした時代小説。人情モンであり、推理モンであり、恋愛モンでもあり意外や意外に怪奇譚の一面も持った盛りだくさんな中身。盛り込みすぎかなと思いきや、庭・空仕事と言うしっかりした幹を据えているので意外と腰の据わりが良い読み心地。
主人公のまわりを囲む登場人物たちの人物像が爽快。出来すぎかと思うくらいのキャラ設定、江戸時代にそんな生き様するヤツおらんやろと思う部分も少々あるも、読み心地損なうには至らず。
朝井まかて、前から気になっている小説家だったけど、かなり好みの小説を書く作家のよう -
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ネタバレよかった!さらっと読めてしまうけれど、江戸の職人気質がささる。妙青尼の優しくも凛とした言動も心が洗われた。
人ってのはすごいもんだ。一度小さな失敗をしておくと軀が覚えちまう。・・・新セtが過ぎるとその機会を奪っちまう。もしかしたら俺が拵えようとしてた庭は、そういうことなんすか(P83)
→トレーニングの時には注意しないと!
あの人たちをいずれ世間に帰すのが私の務めです。ですが、この世は強い人間ばかりではないのですよ。何の希望も持てず辛苦に立ち向かえず、捨て鉢になってしまう人間の方がむしろ多いでしょう。そんな人々をお助けするのが仏の道であるはずなのに、何をして差し上げればよいのかが見いだせず -
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大阪自由亭も順調に行くかと思いきや、波瀾万丈で草野丈吉も亡くなり、娘の錦が跡を継ぎ、自由亭は大阪ホテルとなる。錦を支えた星丘が亡くなると、大阪ホテルは売却された。
上下巻纏めて、
草野丈吉の妻ゆきの視点で自由亭の誕生から繁栄、自由亭が草野ファミリーから手放されていくまでが描かれている。
人の一生を思うに、つくづく人は1人で生きているのではないと思わされる。草野丈吉も五代友厚、陸奥宗光らの支えがあってこそ、自由亭を大きく出来た。丈吉自身も星丘が災難に会った時に助けている。その星丘も丈吉が亡くなったあと、娘の錦を支え続けた。
それにしても昔の人は早くに亡くなっている、人生50年の時代。今は人生10 -
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朝ドラを思い返しながら読む。学者馬鹿、凄まじいわ。ドラマは神木隆之介のどこか小動物っぽい可愛らしさで救われたけど、実際裕福な家の財産食い潰して、とんでもない借金何度もこさえて、物好きな金持ちに返してもらう人生、他にある?祖母から始まり先妻後妻と女運がよっぽど良かったのか。スエを送ったあとの猶との会話がとても好き。誇りをもってあなたを支えた。あなたに夢中だった。そんな風にスエを語る猶も素敵。先妻と後妻がなかよしってすごいよ。学者だの文人だの、何か大仕事した人ってその分他がポンコツなんだろうなあ。そして、生家で死ぬほど貧乏したのに、せっかく結婚して人並みに暮らせたのに、二人揃って離縁ってなんでなの
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ネタバレ江戸に吉原という一大遊郭を作り、さらにはその遊郭の場所を移動するという、江戸前半風俗史を遊郭の女将視点で描いた小説。
日本堤の桜ってどっかで聞いたなぁ、と思ったら、朝井まかての以前の小説「花競べ」やったか。明らかな連作ではないがふわっとそこにつなげるあたりの技はさすが。オーラスのゲスト2名の登場もご愛敬。
花魁だの太夫だの言うても、いわばその身を売られてきた売春婦、悲惨な人生背負っているわけで、悲劇の陰が付きまとわざるを得ない。そこから目をそらすわけでもなく、言い訳がましく肯定するわけでもなく、「それはそうだがそれでも必死に生きていく」姿を描くのは、バランス感がとても大切だと思う。朝井まか