朝井まかてのレビュー一覧
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若いころは「馬喰町の猪鹿蝶」と呼ばれ、ブイブイ言わせていた三人娘も、それぞれの人生や家庭に、鬱屈と閉塞感を感じる年齢になってきた。その三人がふとした思い付きと勢いから、伊勢参りに行くこととなり…
旅の醍醐味がいっぱいに詰まった小説です。旅先での様々な人との出会いは、クスリとさせることもあれば、しんみりとさせられるところも。だんご屋を営む老夫婦の家に居候したり、奥さんに尻を敷かれるご主人を叱咤したり、はたまたお金をだまし取られたり、危ない男との恋の予感があったり…
三人娘の個性の強さも読んでいて楽しく、旅先での様々な事件、出来事もどれも読ませます。それは三人娘以外のどの登場人物たちにも -
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2015年9月23日
女3人のお伊勢まいりは抜けまいり。
幼馴染の3人は長所短所を知り尽くし、気のおけない仲間で、ずけずけものは言うけど、放っておいてほしいと察することもうまくやる。 みすずちゃんにしてやられたときの団子屋の切り回しや朝顔尽くしの小間物屋、博打で稼ぐきっぷの良さが痛快。みすずちゃんへの仕返しもすごく良い。
でも今思い返すと3匹のおっさんシリーズと似たところあるかも。
博打で稼ぐのは結構いろんな本に出てきてた。
おしかちゃんがまたあの家に戻るのか。ようやくできた恋人から離れていくおいのもせつない。元の鞘に戻ろうとも心持ちはかわってる。成長物語だね。
すごく面白くて好きな本です。 -
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ネタバレチャペックのエッセイからこの小説を読むという順番、読書の神様もイキな計らいをしてくれるものである。
造園業を舞台にした時代小説。人情モンであり、推理モンであり、恋愛モンでもあり意外や意外に怪奇譚の一面も持った盛りだくさんな中身。盛り込みすぎかなと思いきや、庭・空仕事と言うしっかりした幹を据えているので意外と腰の据わりが良い読み心地。
主人公のまわりを囲む登場人物たちの人物像が爽快。出来すぎかと思うくらいのキャラ設定、江戸時代にそんな生き様するヤツおらんやろと思う部分も少々あるも、読み心地損なうには至らず。
朝井まかて、前から気になっている小説家だったけど、かなり好みの小説を書く作家のよう -
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ネタバレよかった!さらっと読めてしまうけれど、江戸の職人気質がささる。妙青尼の優しくも凛とした言動も心が洗われた。
人ってのはすごいもんだ。一度小さな失敗をしておくと軀が覚えちまう。・・・新セtが過ぎるとその機会を奪っちまう。もしかしたら俺が拵えようとしてた庭は、そういうことなんすか(P83)
→トレーニングの時には注意しないと!
あの人たちをいずれ世間に帰すのが私の務めです。ですが、この世は強い人間ばかりではないのですよ。何の希望も持てず辛苦に立ち向かえず、捨て鉢になってしまう人間の方がむしろ多いでしょう。そんな人々をお助けするのが仏の道であるはずなのに、何をして差し上げればよいのかが見いだせず -
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『すかたん』や『眩』『阿蘭陀西鶴』などで朝井まかてさんの作品が好きになり、今回はこの500ページ超の本作を手に取りました。読み応えありの一冊でした。
幕末から明治にかけて洋食屋・ホテルを開業し、日本の外交を支えた料理人・草野丈吉の妻ゆきの物語。体力はあるが読み書きには疎い彼女が、丈吉を支えながら様々な苦難を乗り越えていく展開に、朝ドラを継続視聴しているような感覚になりました。
岩崎弥太郎や後藤象二郎、五代友厚、陸奥宗光といった時代の寵児たちが丈吉・ゆき夫婦とかかわりを深めていただけでなく、文明開化や不平等条約など教科書で学んだ国内外の史実が、市井の人々にどんな影響を及ぼしていたのかがリアル -
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日本民藝運動の創設者、柳宗悦と、
妻で声楽家の兼子や夫妻の子どもたちと暮らす
日々を、住み込みで働く女中のサチ(ねえや)
の目を通して描いた物語。
宗悦達が買い付ける、古い日用品の器や、汚れた布などは「下手物」扱いとされ、誰も買わない。
それを影で店主達に笑われていた。だが、宗悦達はそれら品々の中に美しさを見出し、価値あるものとして考え、光を当ててゆく。新しい美の基準として
「民藝」と呼び、確立し、活動していく過程が興味深かった。
柳宗悦さん、物静かな人を想像していたが、
意外と癇癪持ち笑 もちろん彼はすごい人だと
思うが、この物語の中で私が一番魅了されたのは、
宗悦の妻、兼子さんだ。
とに -
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とても読み応えがある。高知市にある牧野植物園を訪ねたのをきっかけに本書を手に取った。博物館にあった、高齢になってもなお屈託のない少年のような笑顔を見せる牧野の写真を重ねながら読み進めた。
東大研究室を出禁にされるのも、借金を全て片付けてくれた孟との確執も、そりゃそうなるだろうと思う。そうなってもなおわが道を行き続け、自分のやり方、自分のペースで研究を進める富太郎には何も言えない気分になる。
子だくさん、30回以上の引越し、莫大な借金とその取り立て、家の中には山のような標本と書物。研究者としては間違いなく超一流だが、こんな人が夫だったら本当にたまらない。ただただスエさんに頭が下がる。
そう -
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大正から昭和初期に「日用の美」「下手ものの美」を提唱する民藝運動を立ち上げた柳宗悦、河井寛次郎、濱田庄司(作者は彼らを「奇跡の3人」の呼ぶ)らの交わりと宗悦一家の生活をねえやサチの目を通して描く。
それまでの美術界からは見向きもされなかった朝鮮の陶磁器や木喰仏、無名の職人によって作られた下手物に日用の美を見出した宗悦。
河井、濱田たちも宗悦の影響を受け、自ら作陶に打ち込む。
美を追求しながら邪念を持てば台無しになる、無我無欲の境地を得ることの難しさ。
既に高名を得ながらも納得できる作品群を作るのに、河井は数年を要した。
一家の大黒柱で、自ら傑出した声楽家でもあった、宗悦の妻兼子。
収集と執 -
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舞台は江戸。共に三十路(みそじ)を迎え、私生活で行き詰まりを感じていた幼馴染の女子三人が主人公。ある日、彼女たちは突如として日々の鬱屈を爆発させ、家族や仕事に何も告げず、着の身着のままで江戸を飛び出す。目指すは伊勢神宮。いわゆる「抜け参り」。金も計画もない行き当たりばったりの旅だが、東海道を西へ進む中で、さまざまなトラブルや出会いを経験する。彼女たちは笑い、怒り、食べ、泣きながら、「女としての自分」と「これからの生き方」を見つめ直していく。辿り着いた伊勢の町で迎えた結末は。。。最強の「女子旅」エンターテインメント作品。「アラサー女子の弾丸旅行」のような疾走感満載。三人の軽妙な掛け合いが最大の魅