朝井まかてのレビュー一覧

  • グロリアソサエテ

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    しっかり者の節子と女中のサチ。日本の民藝運動を支えた女性の姿が素晴らしい。出てくる料理がどれも美味しそうで、どんな器で出されているのか想像するのも楽しかった。

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    2026年05月12日
  • 朝星夜星

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    『すかたん』や『眩』『阿蘭陀西鶴』などで朝井まかてさんの作品が好きになり、今回はこの500ページ超の本作を手に取りました。読み応えありの一冊でした。

    幕末から明治にかけて洋食屋・ホテルを開業し、日本の外交を支えた料理人・草野丈吉の妻ゆきの物語。体力はあるが読み書きには疎い彼女が、丈吉を支えながら様々な苦難を乗り越えていく展開に、朝ドラを継続視聴しているような感覚になりました。

    岩崎弥太郎や後藤象二郎、五代友厚、陸奥宗光といった時代の寵児たちが丈吉・ゆき夫婦とかかわりを深めていただけでなく、文明開化や不平等条約など教科書で学んだ国内外の史実が、市井の人々にどんな影響を及ぼしていたのかがリアル

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    2026年05月11日
  • 福袋

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    朝井さんには珍しい短編集。
    江戸の市井の人たちが伸び伸びと描かれており、読んでいてとても楽しい作品でした。
    これまで持っていた作風に対するイメージからすれば、良い意味で意外な一面を見た気がします。

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    2026年04月26日
  • グロリアソサエテ

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    日本民藝運動の創設者、柳宗悦と、
    妻で声楽家の兼子や夫妻の子どもたちと暮らす
    日々を、住み込みで働く女中のサチ(ねえや)
    の目を通して描いた物語。

    宗悦達が買い付ける、古い日用品の器や、汚れた布などは「下手物」扱いとされ、誰も買わない。
    それを影で店主達に笑われていた。だが、宗悦達はそれら品々の中に美しさを見出し、価値あるものとして考え、光を当ててゆく。新しい美の基準として
    「民藝」と呼び、確立し、活動していく過程が興味深かった。
    柳宗悦さん、物静かな人を想像していたが、
    意外と癇癪持ち笑 もちろん彼はすごい人だと
    思うが、この物語の中で私が一番魅了されたのは、
    宗悦の妻、兼子さんだ。
    とに

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    2026年04月25日
  • 朝星夜星

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    大阪初のホテル「自由亭」の創設者と、その妻ゆきの物語。 朝ドラを一気観したような、スッキリした読後感があった。幕末から明治へ時代が移りゆく姿を自由亭の人たちをを通した目線で追う中で、綺羅星のように現れる幕末の偉人たち。激動の時代だったのだなあ…と改めて感じる。その時代のうねりの中、1日1日をたくましく、大切に生きる市井の人達の姿が生き生きとしていて良かった。

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    2026年04月13日
  • グロリアソサエテ

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    柳宗悦・兼子や民藝運動の物語として、特に、宗悦の奔放ぶりと兼子の女性立身の格闘として、面白い題材で、それを架空のお女中のサチの視点で描き、彼女の恋が切なく、とても楽しく読めた。琉球かぁと最後に辿り着くが、ちょっと最後の展開に、伏線があまり読めておらず、戸惑う。

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    2026年04月12日
  • 類

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    ネタバレ

    森鴎外の子どもたちの物語。
    鴎外の子である喜び、苦しみが表現されている。
    奮闘する母志げ、天真爛漫な長女茉莉、しっかり者の次女杏奴、平凡な末っ子類と
    それぞれの良さと悪さが出ている作品でした。
    各人の作品も読んでみたいと思いました。

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    2026年04月10日
  • ボタニカ

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    とても読み応えがある。高知市にある牧野植物園を訪ねたのをきっかけに本書を手に取った。博物館にあった、高齢になってもなお屈託のない少年のような笑顔を見せる牧野の写真を重ねながら読み進めた。

    東大研究室を出禁にされるのも、借金を全て片付けてくれた孟との確執も、そりゃそうなるだろうと思う。そうなってもなおわが道を行き続け、自分のやり方、自分のペースで研究を進める富太郎には何も言えない気分になる。

    子だくさん、30回以上の引越し、莫大な借金とその取り立て、家の中には山のような標本と書物。研究者としては間違いなく超一流だが、こんな人が夫だったら本当にたまらない。ただただスエさんに頭が下がる。

    そう

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    2026年04月05日
  • グロリアソサエテ

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    あー粋だなー。粋ってこういうことなんだろうなー。登場人物それぞれの粋。
    ねえやの今後も奥様と重ね合わせたりしてみたり。
    柳宗悦、気難しそうだなと勝手に思い込んでいたけど、人間らしい人なんだなと時代の人なんだと見方も変わってみたり。
    民藝が出てきたときはぞわっとした。
    民藝って言葉が昔からあると思ってたーそうかー。

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    2026年04月05日
  • 朝星夜星(上)

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    訛りなのか、当時の発音なのか、現代と違う表記で少々混乱する。
    後からあの人の事か、とか、あのメニューの事か、などわかった事も多々あった。

    それにしても主人公のおゆきさんがいい味出してる。心の中で(たまに洩れてるけど)大分文句言ってるけれど、どこかおかしみがあって可愛らしい。

    幕末、明治の話なので有名人がいっぱい出てくるのも楽しい。

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    2026年04月01日
  • 朝星夜星(下)

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    シゴデキ料理人の丈吉とその周囲の出来事に翻弄されながらも力強く生きた女性“ゆき”…

    星はこの世に降りて集い、巡り、そしてまた空へと散る

    この言葉が響きました。

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    2026年03月26日
  • グロリアソサエテ

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    大正から昭和初期に「日用の美」「下手ものの美」を提唱する民藝運動を立ち上げた柳宗悦、河井寛次郎、濱田庄司(作者は彼らを「奇跡の3人」の呼ぶ)らの交わりと宗悦一家の生活をねえやサチの目を通して描く。

    それまでの美術界からは見向きもされなかった朝鮮の陶磁器や木喰仏、無名の職人によって作られた下手物に日用の美を見出した宗悦。
    河井、濱田たちも宗悦の影響を受け、自ら作陶に打ち込む。
    美を追求しながら邪念を持てば台無しになる、無我無欲の境地を得ることの難しさ。
    既に高名を得ながらも納得できる作品群を作るのに、河井は数年を要した。

    一家の大黒柱で、自ら傑出した声楽家でもあった、宗悦の妻兼子。
    収集と執

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    2026年03月18日
  • ぬけまいる

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    舞台は江戸。共に三十路(みそじ)を迎え、私生活で行き詰まりを感じていた幼馴染の女子三人が主人公。ある日、彼女たちは突如として日々の鬱屈を爆発させ、家族や仕事に何も告げず、着の身着のままで江戸を飛び出す。目指すは伊勢神宮。いわゆる「抜け参り」。金も計画もない行き当たりばったりの旅だが、東海道を西へ進む中で、さまざまなトラブルや出会いを経験する。彼女たちは笑い、怒り、食べ、泣きながら、「女としての自分」と「これからの生き方」を見つめ直していく。辿り着いた伊勢の町で迎えた結末は。。。最強の「女子旅」エンターテインメント作品。「アラサー女子の弾丸旅行」のような疾走感満載。三人の軽妙な掛け合いが最大の魅

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    2026年03月18日
  • 恋歌

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    水戸天狗党の話しは知っていたけれど、これ程とは知らず、小説の形で留守を守った女性の視点でつぶさに語られると、いたたまれなくなった。敵を根絶やしにするという人間の業は、今でも世界のどこかで起きているし、日本で起こってもおかしくない。

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    2026年03月17日
  • グロリアソサエテ

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    「民藝」を生み出した柳宗悦とその仲間、生活ぶりを、女中のサッちゃんが語る物語。当時の日本の空気が伝わってくる情景描写はまかて氏ならでは。サラダを「サラド」等、より実際の発音に近いカタカナ表記がモダンさを一層感じさせる。あるものでサッとこしらえる料理の描写も素晴らしい。

    家中物で溢れようが、お金をどれだけ注ぎ込もうが、一般の民がつくり使った物の価値を広めようとする姿に、宗悦の一途さを感じる。併せて、宗悦らを応援しつつも自らの夢も貫き通す強さ、同時にセッちゃんに対する温かさも併せもった「奥様」がとても魅力的だった。

    本書の記憶の新しいうちに「民藝美術館」に足を運びたい。

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    2026年03月16日
  • 藪医 ふらここ堂

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    久坂部先生の解説、よかった。
    医療の本質というか、大事なことが江戸の時代の言葉でもきちんと書かれている。朝井まかてさんの物語を紡ぐ力に恐れ入る。
    物語の三哲さんのモデルが実際にいたとのこと、改めて小説家ってすごいなと思った。

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    2026年03月15日
  • 恋歌

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    読み応えのある作品でした。幕末から明治維新の女性の生活風景から始まり、恋の話に温かい気持ちにもなるが、水戸藩の天狗党など物騒な事件に巻き込まれていく。悲惨な立場に追い込まれた時の描写は壮絶。最後は色々と繋がっていき読後はいい感じ。幕末の歴史は大枠は知っているが、登場した女性達や水戸藩の実態は知らなかった事が多く勉強になった。

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    2026年03月12日
  • グロリアソサエテ

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    ネタバレ

    今回は、民藝という運動が多くの芸術家と関わっているためだろうか、経緯を登場人物の台詞で説明することが多いのが気になった。一人称ではないのだから、客観的に描かれてもよかったのではないかと思う。

    それにしても、まかてさんの描く女性は相変わらず素敵だ。
    男たちは物事を成し遂げてはいるが、なんとなく印象が薄い。時代の影響もあって、まだ女性の地位は低く、男性優位な社会にも関わらず。
    中島兼子という声楽家の存在感が素晴らしい。彼女は、芸術家として自分を表現する欲求と、家庭の主婦のタスクの間で苦しむ。しかも、柳の活動を金銭面で支えなければならず、そのためには公演会を催して稼がなければならない。
    芸術家とし

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    2026年03月13日
  • グロリアソサエテ

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    日々の暮らしを飾る、美しい手仕事から稼業として生み出された民藝の品々。その目利きの親分が、こんなにわがままで銭勘定ができない、やりたい放題の家長だったとは。奥さんに同情してしまうが、余計なお世話だろうな。
    「なぜ日本は、よその国を自分の国にしてしまったの?」「それは欲しかったからでしょう。」「なぜ、よその国が欲しいの?」「欲望は大きくなるの。大義名分を餌にして肥え太ってしまうの」「あんたたちを守ってやるとか、平和のためとか」ウクライナ侵攻から、明日で早4年…。

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    2026年02月23日
  • 眩(新潮文庫)

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    これまで葛飾応為はさまざまな作品で描かれてきたけれど、この物語の応為像が一番好き。出戻りであったり、炊事や洗濯といった日々の暮らしに不器用だったりと、男社会で理想とされる“良妻賢母”の女性像には収まりきらない存在でありながらそんな価値観に縛られることなく、ただ絵筆一本を頼りに自分の人生を切り開いていく、その揺るがない生き方は凛としていて、とても格好良かった。
    父である葛飾北斎と滝沢馬琴の関係性も魅力的。特に北斎が病に伏した際、馬琴があれこれと助言を与える場面は、健康オタクの側面があったとされる馬琴の人となりがよく表れていて面白かった。
    自分の技ひとつで世の中を渡り自らの道を切り開いていく応為の

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    2026年02月22日