朝井まかてのレビュー一覧

  • 恋歌

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    朝井まかてさんのお話を読むのは2作目。

    実在する歌人の中島歌子さんを主人公にした物語。
    生来の純粋さを持ちながらも、時代に振り回されながら生きてきた彼女が、どうして歌人として生きることになったか。

    登世の物語に引き込まれて読み進めるなかで、知らず知らず緻密に張り巡らされていた一つ一つが一気に回収される最後に圧倒された。登世と以徳さまとを結びつけた歌のことと思っていたけれど、手記に書かれる最後の歌を読んだ時に、このタイトルがぐっときた。

    全て知った後に、また歌人として生きたパートも含めて改めて読み返したい。

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    2025年11月09日
  • どら蔵

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    面白かった!
    上方で勘当された陽キャなボンの江戸での道具屋修行。
    主人公のどら蔵が気持ちのいい人物で、読んでると胸がスカっとした。
    最後の方は大塩平八郎の乱が描かれ、政治に翻弄される町人の姿に、現代を重ねる部分があったが、しっかりと身を立てて世間を渡るどら蔵に力をもらえる。すらすら読めて読後感もよき。

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    2025年11月03日
  • どら蔵

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    ネタバレ

    どら蔵

    著者:朝井まかて
    発行:2025年9月8日
    講談社
    初出:2023年3月~2025年2月新聞掲載(陸奥新報ほか)

    朝井まかてによる時代小説の新刊本。地方紙9紙に順次連載した作品。大阪は船場・北久太郎町にある道具商「松仙堂」の長男・松井寅蔵が主人公。舞台は主に江戸、時代は幕末に近い天保年間(主に1830年代)。寅蔵は船場・高麗橋にある骨董商「龍仙堂」で丁稚として修業の身だが、すでに18歳になっている。松仙堂は龍仙堂の別家筋で、何代か前がのれん分けされて開業した店。血のつながりがない「別家筋」。

    血のつながりがないので、何代を経ても家臣のごとき身分で、盆暮れには音物(いんもつ)を携えて挨拶し、龍仙堂の主人・平河惣右衛門に平伏する。松仙堂の跡取りは主家たる龍仙堂で7年間丁稚奉公を勤めねば跡目を襲うことを許されない。ところが、寅蔵は故あって丁稚奉公に上がるのが遅く、一昨年天保3年、16歳になって修業を始めた。母親は根っからの道具商だったが、早逝し、その妹である静江が我が子のように可愛がってくれ、修業に出るときにちょっとしたお金を握らせてくれた。そのお金で、寅蔵は高麗橋近くの遊里・蟹島通い。寅蔵はどら蔵と呼ばれている。

    ある日、朝帰りの寅蔵を龍仙堂の主人はじめ店の面々が待ちかまえていた。バレていた。寅蔵は丁稚風情ではあったが、見る目にはどこか鋭い物があり、それは主人も内心、一目置いていた。しかし、生意気な口を叩く。結局、追い出された。帰るところがないが、家に戻ると、父親にも勘当された。跡継ぎは腹違いの弟に。それは別に構わない。とりあえず、高津の種樹屋(うえきや)「梅治」へ転がり込む。叔母の静江がよくしてくれる。叔父は二本差しで学者の中斎先生と通じている。

    江戸へ下ることにした。そこからが話の本筋となっていく。わらしべ長者的な展開、偶然に出会った悪連中が実は心眼するどい商人や職人だったり、人情家だったり。どら蔵と呼ばれた寅蔵の道具に対する見る目を内心で評価し、受け入れて一人前に育て上げていく。そうした登場人物たちとの交流の心地よさ、前半の布石が後半に生きてくる構成のよさ、豊富な歴史的語彙など、朝井まかての腕は益々上がってきたように感じる。朝井まかては、連作短編形式より長編の方がはるかに面白いと思う。とくに商売ものは、商売に関するアイデアが商魂ものにも通じる要素ありで実に楽しい。今回も最後の締めくくり(の弱さ)以外は満点。

    話を戻せば・・・
    江戸へ下る際、中斎先生から伊勢のある酒問屋に文を届けてくれと頼まれる。叔母の静江からお金を渡されたが、期待した大金は入っておらず、江戸までの旅費にはならない。宿先で薪割りなどを手伝いながら行くしかない。しかし、伊勢の酒問屋に文を届けると、駄賃として古丹波の小壺をもらう。これが、わらしべ長者のような話に展開していくことになる。

    江戸につくと、通行人とトラブルになり、ぶつかられて小壺が箱の中で割れてしまっていた。相手の男とその子分達はそれを見て驚き。自分たちが作った贋古丹波だと。火を入れて古いものに上手に見せかけた傑作だった。男の名は権兵衛。白浪屋という道具商だが、陶工や絵付師を率いる直し屋であり、屑拾い、すなわちリサイクル業者でもあった。割れた〝古丹波〟を取り上げられ、屑拾いをさせられるが、屑が別のことに生かされたり、お金になったりすることを学んでいく。

    そんな白浪屋に連れられ、ある蔵の入札に参加した。蔵の中は見せずに札を入れるという博打のような入札。寅蔵が担当することに。そこで「鍋善」の若旦那と出会い、競い合うことになり、寅蔵が落札した。蔵に入ると、大した物はないが、一つだけ超値打ちもの、一休宗純師の書があった。ところが、なんとその入札は白浪屋として参加したのではなく、寅蔵の個人参加扱いだった。41両の借金が白浪屋の権兵衛に出来た。書は担保として取り上げられた。

    〝古丹波〟が返還された。修繕され、繋ぎ合わさった形で返される。またも見事な道具になっていた。

    白浪屋一家で修業し続けようとしていたら、突然、富山の薬売りのもとへと追い出される。訪ねて来た久太郎についていけ、そこで修業をしろという。関東組の定宿暮らしになる。久太郎は重い荷物を背負わされて、ついていくだけ。客の前では喋るな、聞いておけと言われる。ここでも、いろいろと学び、人脈を拡げていくことになる。久太郎の客の一人、浄瑠璃の女義太夫の桃之介もその一人。久太郎が国に帰って百姓をすることになり、寅蔵は桃之介が買った道具の処分を蔵一つ分、任されることになる。これが商売のものにもなる。

    久太郎の引退にともない、白浪屋に戻ったが、今度は道具屋の師匠で町人学者でもある田端棭斎のもとで修業させられる。やっと、本当の師匠に出会う。師匠宅で居候しながら、店舗を持たない道具屋として独り立ちを目指す。露店での販売や無店舗営業に限界を感じる中、手紙商いを思いつく。今でいう通販である。カタログを印刷し、全国にばらまいて購入希望を募る。基本的には早い者勝ち。富山の薬売りルートでばらまいてもらうようにもした。鍋善の若旦那と一緒にスタート、これが当たって順調に稼ぎ始めた。

    そんな中、大阪で焼き討ちがあったと読売で知る。大塩平八郎の乱だった。中斎先生が反乱を起こした。実家は焼けたのか?幼馴染みが継いだ近所の書肆はどうなった?いてもたってもいられず、大坂に帰ることにした。手紙商いは鍋善の若旦那にバイアウトした。

    帰ると、焼けていた。しかし、家族はどうやら無事だった。弟を引き連れ、一面の焼け野原を回って拾いものをする。白浪屋で学んだ屑拾いのノウハウが生きる。少しずつよくなり、家を建てるべく頑張る。そして、死んだ母親が過去に売った道具とも出会い、それを取り扱うことにもなる。自ら売り立て会を開催して、道具を販売。江戸で学びの場となった売り立て会は玄人ばかりの参加だったが、彼が開催したのは素人も含めて参加できる会だった。江戸で学んだ商売が、大坂で人情や愛のフィルターにかけられつつ生かされていく。

    **********************

    大坂
    松井寅蔵:骨董商「龍仙堂(高麗橋)」の丁稚、18歳
    松井弥兵衛:寅蔵の父、道具商(北久太郎町)「松仙堂」の経営者、龍仙堂の別家筋(血のつながりがない)、入り婿、四代目弥兵衛
    君江:死んだ母
    静江:叔母(死んだ母の妹)
    治兵衛:静江の夫、種樹(うえき)商「梅治(うめじ)」五代目
    田鶴:義母、天満の同心の姉
    佐次郎:腹違いの弟、12歳
    おせい:女中

    るう:幼馴染み、書肆河忠(かわちゅう)の一人娘
    中斎:大塩平八郎、梅治と付き合いがあった

    龍仙堂関連
    平河惣右衛門:龍仙堂当主
    鮎川:中番頭の馴染み、蟹島の遊女、海老兆
    鯉菊:鮎川と仲良し、寅蔵の贔屓
    花鯛太夫:蟹島で1,2の人気

    東下の途中
    三左衛門:伊勢・河崎の酒問屋
    *駄賃に古丹波の真物(と思った)をもらう

    白浪屋一家
    権兵衛:権兵衛長屋、直し屋親分、屑拾い
    おれん:絵付師、娘
    金助:陶工
    末吉:陶工仲間

    道具屋「鍋善」
    鍋善貫太郎:寅蔵初の入れ札蔵、若旦那
    鍋善嘉兵衛:若旦那の父
    さつき:中を非公開で入札させた蔵の持ち主の寡婦、貫太郎と出来ている、長男、次男、赤児の子持ち

    富山の薬売り
    久太郎:廣斎堂、富山の薬売り
    重兵衛:廣斎堂関東組頭
    鶴吉:江戸の薬種商手代

    久太郎の客
    竹本桃之介:浄瑠璃語りの女義太夫
    染太夫:かつては義太夫だった婆さん、桃之介と同居

    師匠
    田端棭斎(えきさい):彦左衛門、有名道具商「温古堂」、町人学者

    道具屋「鱗屋」
    浦沢銀四郎:日本橋の道具商「鱗屋」三代目
    おりょう:受付の娘、銀四郎の妹(腹違)、貫太郎(若旦那)の許嫁
    正吉:鱗屋の手代、おりょうといい仲に

    吉原・玉屋での遊興
    玉屋山三郎(さんざぶろう):吉原名うての大見世、玉屋の主人
    伊右衛門:「京屋」主人、光悦の旦那
    鱗屋、美濃屋、京屋、炭屋、松仙堂

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    2025年10月10日
  • どら蔵

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    2018年のニッポンのファンタジー『雲上雲下』を最後に、それ以降はずっと市井の人物を主人公にした歴史小説を書いてきた朝井さん。久しぶりのエンタメ系の長編時代小説です。
    大坂の道具商の放蕩息子の寅蔵(どら蔵)は、ひょんなことで奉公先に大損害を与えてしまって勘当されます。江戸に流れ着いたどら蔵は、自慢の目利き力を生かして骨董屋として一旗上げようと目論むも、拾ってくれた親方やその仲間、どら蔵が預けられた師匠も一癖も二癖もある連中で・・・。
    全6章。2章目当たりで「これは良い」と思ったのですが、その後はあまり盛り上がらず。次から次に登場するキャラクターの濃い登場人物たちを朝井さんが廻し損ねたのか、私が付いて行き損ねたのか。それでも最終章はちゃんと盛り上げて終わりましたが。
    すっかり幼馴染と所帯を持つのかと思えば、またまた放浪の旅に出た主人公。これは続編アリという事ですかね。
    主人公の大阪弁と放埓さから司馬遼太郎の『俄―浪華遊侠伝』をちょっと思い出した作品でした。

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    2025年10月05日
  • 御松茸騒動

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    HCUで暇していたら、母が鞄に入れていた文庫を貸してくれた。初めて読む作家だったけど、面白くて一気に読み終わってしまった。
    どの人物もいいキャラクターで、読み終わるのが惜しかった。

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    2025年10月04日
  • 朝星夜星

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    中華街で今はない中華料理屋二代目の娘に生まれた。二代目のボンボン、中国人に嫁いだ日本人の母。昭和一大観光地に成長すり横浜の日々を重ねて読み終えた。

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    2025年10月01日
  • 白光

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    ネタバレ

     文明開化、下級武士の娘が絵画を学ぶ苦労が読み取れる。お雇い外国人の表と裏、「先進国」での日本人の扱われ方、日本での女性の地位など、さまざまなことが書かれている。

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    2025年09月21日
  • 残り者

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    あまりに平凡な感想になってしまうけれど、まず思い浮かぶのはやはり大奥版 黒書院の六兵衛かな。
    徳川家の家臣としての最後の矜持という芯は似ているけれど、行動や知識が非常制限されていたであろう当時の女性の限界と、その中でも力強く生きる姿がとても朝井作品らしいです。
    また、最後に維新後の様子が少しだけ入っていたのも、まるで外伝を読んでいるようで良かったです。

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    2025年09月20日
  • 落陽(祥伝社文庫)

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    明治神宮の創建をテーマにした本。杜や社殿をつくる話が中心かと思ったが、そうではなく日本人にとっての明治という時代とは何か、そして明治天皇や昭憲皇太后の人物像について迫るストーリーに引き込まれる。

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    2025年09月13日
  • 眩(新潮文庫)

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    葛飾北斎の娘、お栄(葛飾応為)が光を求めて生きていく物語。面白かった。


    「たとえ三流の玄人でも、一流の素人に勝る。なぜだかわかるか。こうして恥をしのぶからだ。己が満足できねぇもんでも、歯ぁ喰いしばって世間の目に晒す。やっちまったもんをつべこべ悔いる暇があったら、次の仕事にとっとと掛かりやがれ」
    オランダ商館の依頼で取り組んだ西洋画の出来に満足できていない弟子達に、親父どのがかけた言葉。一番印象に残っている。
    もともと北斎についてそんなに知識があるわけではなく、「変わった人」というくらいのイメージしかなかったが、読み進めるうちに絵や仕事に対する凄まじい情熱を感じて熱くなった。


    登場する絵にもストーリーを感じられてとても良い。
    「大きな波が天に届かんばかりにうねり、今、まさに砕け散らんとしている。その波頭は飛沫を上げ、お栄は己の顔に潮を浴びたような気さえする。
    荒波に揉まれているのは、江戸に向かって懸命に繰る三杯の荷舟だ。それぞれの舟には何人もの男たちが身を伏せ、波の勢いにただひたすら身をまかせているようにも見える。
    ふだんは穏やかで、江戸と気軽に行き来できる神奈川沖なのだ。魚や薪炭を運んで、それを暮らしの生計にしている。
    けれどいざとなれば海はかくもそびえ立って、襲いかかってくる。波に舟ごと呑まれて死ぬか、それとも乗り切れるかの瀬戸際がここには描かれていた。だが人々は、これらの舟は決して沈まぬと信じるだろう。
    絵の中心に、富士の山が描かれているからである。
    ふだん、江戸のそこかしこで見上げ、霊山として拝みもしてきたその山があることで、人は希みを見出すのだ。己ではどうしようもない境涯であっても、富士の山はいつも揺るぎなく美しい。
    死んじまうその刹那まで、生き抜こうじゃねぇか。
    親父どのの呟きが響いたような気がした。深刻な声じゃない。いつものように肩の力が抜けた、洒落のめすような物言いだ。
    紙の左上には「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」と画題が刻まれ、北斎改為一筆と落款が記されていた。」
    お栄から見た神奈川沖浪裏の描写だ。己丑の大火(文政の大火)で大きな被害を受けながらも、富嶽三十六景の大勝負で再起を図る西村屋や北斎たちそのもののを見ているような気にもなってくる。これは希望の絵だ。


    さて、当のお栄。
    父北斎に似て絵以外の事には頓着しない性格。親父どのとの日常のやり取りは、常識を欠くが見ていて面白い。特に西瓜をもらった時の下りが印象的だった。
    絵については親父どのの信頼も厚いが、父と同様にどれだけ描いても満足せず、自分の絵を求めてもがいていたように思う。その中でお栄が見出したのが光だ。西洋画っぽい色彩を取り入れつつも、日本画っぽい構図という独特の世界観を感じる。オランダ商館の仕事がとてもいい伏線になっている。夜桜美人図や吉原格子先之図を見ると、光の陰影とそこから伝わる温もりを感じる。とても素敵な絵だと思う。
    そしてお栄自身も絵に人生の光を見出して、齢60にして旅に出るのだ。



    太田記念美術館(原宿)
    **葛飾応為 吉原格子先之図
    **葛飾北斎 富嶽三十六景 神奈川沖浪裏

    北斎館(小布施)
    **葛飾北斎 富士越龍図

    メナード美術館(愛知県小牧市)
    **葛飾応為 夜桜美人図

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    2025年09月08日
  • 眩(新潮文庫)

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    葛飾北斎という偉大な父であり師匠を持つお栄。
    波瀾万丈な人生の中で、筆を置くことはなく、ひたすらに描き続けた。絵そして己に向き合い、力強く歩む姿が目に浮かぶようでした。
    蔦屋とか西村屋の名前が出てくるのも熱い(べらぼう)歴史に関する小説も色々と読んでいきたいな。

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    2025年08月30日
  • 残り者

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    江戸城明け渡しにまつわる話で、読みやすく、こんなことがあったかもしれないなと思わせる話。大奥や、天璋院苦手意識があったが、その時代について興味がわいた。

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    2025年08月28日
  • 雲上雲下

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    日本昔話や民話が好きな方には、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

    解説では、朝井まかてさんが民話に独自のエッセンスを加えることに
    苦悩されたとありましたが、どれも面白く読ませていただきました。

    田畑が広がる風景や雲の上の神々の世界が、ありありと想像できました。
    もっと朝井まかてさんバージョンの昔話が読みたいです。

    解説の最後にあった中央公論文芸賞受賞時のコメントがとても良く、あたたかい気持ちになりました。

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    2025年08月20日
  • グッドバイ

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    坂本龍馬関連の作品などで登場するので名前だけは知っていた大浦慶さんの物語。
    幕末から明治にかけての激動の時代に、女性ながらにして海外との交易を手探りで始め、憂国の志士たちを支え、グラバーなオルトなどの海外商人、ひいては岩崎弥太郎や大隈重信などとも交流していた彼女の生涯を一人称で語る本作は、まさに朝井さんならではのものです。
    それにしても現在でも名を残している人達の、野心だけはあるものの品性や信義に欠けている様を読むと、一歩間違えは法螺吹きの山師がたまたま運が良かっただけじゃないかと思えてくる。

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    2025年08月13日
  • グッドバイ

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    時代物は読んだ事がなかつたので、慣れるまで読むのに時間がかかった。読んでる間は影響されて、つい長崎弁を交えて話したくなってしまった。大浦慶は江戸末期から明治の正に時代が変わる時に茶葉の商いで奔走した。女性があまり前に出る事がない時代に堂々と外国人と交流し、商売を成功させ富を築いた。慶との関わりの中で後の偉人達が出てくる。彼らも出会った頃よりどんどん出世して活躍していく。すごい時代を生きた人だったんだなぁ。

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    2025年07月12日
  • 秘密の花園

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    ネタバレ

    曲亭馬琴の一生、読み終えて「秘密の花園」という表題がふさわしいか疑問だが内容は多くの先行研究に基づき丁寧に事実を拾いつつも「人間馬琴」を描きつくす事に成功
    歴史を楽しむポイントは人と人が意外なつながりがある事で、特に南総里見八犬伝が多くの人に読まれ愛好家が作家と交誼を結ぶ事も増えた
    松前道広は馬琴の書を好み、息子の宗伯を医師として家臣となした、また宗伯は渡辺崋山とも友誼を結び肖像画まで残されている、この辺りの親交は小説の方が楽しめる

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    2025年06月27日
  • 実さえ花さえ

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    江戸向嶋の苗物屋「なずな屋」をめぐる物語。

    普段は時代小説をあまり読まないけれど、完全に掴まれた。新次、おりん、雀は勿論、その周りの登場人物が挙げたらきりがないほどみんな魅力的。

    それぞれの章で起きる出来事とそこに流れる日常。桜の謎からの吉野でクライマックスかと思いきや、一気に思いも寄らない展開とその後の軽やかにすべてが回収される終章に痺れた。花火を取ってきてあげる場面が一気に蘇ってきた。

    自然に流れていたそれぞれのお話が、すべて緻密に巡らされていたことに気づいたうえで、もう一度振り返りたい。

    粋という言葉がぴったりの、じんわりと心に残るお話でした。

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    2025年06月26日
  • すかたん

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    生粋の大阪の商人さんの言葉は、そこいらの関西弁の関西人とは違って、品があっていいなと思ってます。江戸っ子もいいけど、大阪商人さんもいいなーって会話の節々から思いました。

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    2025年06月19日
  • 先生のお庭番

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    人の書き方が好き。
    人のずるいところや真摯なところが上手く調和され、読みやすく全体を描いている。
    没頭=ついつい辞められなくてひとつの事に尽くしているうちに、気がつけばご飯も食べてなくて寝る時間も忘れていた、そしていつの間にか自分でも思いもよらない高いレベルに達していた、そんな経験がある人は、そのときの感覚を思い出すと思う。若さがなせる技。

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    2025年06月11日
  • 実さえ花さえ

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    朝井まかてさんのデビュー作

    隅田川のほとり、向嶋で種苗屋「なずな屋」を営む
    花師「新次」と妻「おりん」の商売繁盛記。

    商売を営む傍らで、品評会、宴の庭造りなどの難題に取り組む新次とおりん。
    2人の元に預けられている子供「しゅん吉」や
    いつも温かい手を差し伸べてくれるご隠居の「六兵衛」、何かと人騒がせな夫婦「留吉とおそで」たちと力を合わせ、知恵を合わせ乗り気って行く。

    横槍をいれてくる老舗「霧島屋」はかつて新次が修行をした店だが、こちらとのやり取りも清々しい。

    江戸の職人物語なので商売への心意気や、人情味あるやり取りも気持ちが良い。

    そして題名にもなっている「実さえ花さえ」とは
    桓武天皇の「橘は 実さえ花さえ その葉さえ…」という和歌がもとになっているようだがこの表題が付いた第3章は新次の心の揺らぎの描かれ方が素晴らしくとても胸が痛んだ…。

    朝井まかてさんの植物が出てくる作品はいつも
    土の香りまで漂ってくるようで瑞々しいが、今作の「ソメイヨシノ」までのくだりについては親しんだはずの桜の花が悲しくも美しく目に浮かび、春に読んでいたらとため息が出るようだった。

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    2025年06月07日