朝井まかてのレビュー一覧

  • すかたん

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    武士の後家が生きていくために大坂の青物問屋に女中奉公に上がり、慣れない風習と仕事に戸惑いつつも市場構造の改革を目指す若旦那を支える話。
    一言で言えばこんな感じですが、若旦那は信念と人柄だけで暴走するタイプだし、主人公の知里も最初の頃は単なる使えない女子衆だし、お決まりの敵役もなかなか巧みで一筋縄ではいかないところに加え、御家さんや志乃さんといった格好いい女性達の存在が物語を引き締めている。
    当時の大坂の様子が窺えるところも良し。

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    2023年04月09日
  • 朝星夜星

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    日本初の洋食屋「自由亭」の誕生物語。
    料理人である草野丈吉の妻ユキの目線で描かれているところが、より物語に入りやすくさせているように感じた。
    明治時代の長崎、土佐、大阪の著名人もたくさん登場して、激動の時代の歴史がリアルに感じられる。
    しかし、この時代のユキのような生き方は、とてもじゃないけど出来そうにないなと思った。
    色んな意味でとても強い女性!

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    2023年04月05日
  • 落陽(祥伝社文庫)

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    明治神宮造営の物語。
    あの神宮の森が、実は人工の森で、しかも大正に作られたとは、にわかには信じられないような、そんな事実のお話。
    造園にも、明治大正の新聞記者にも、思い入れがなかったので、読み通すのに少し苦戦した。

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    2023年03月21日
  • 残り者

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    おお!! 5人の残り者各々が主人公の短編が、ストーリーとしては繋がっていて、非常に読み進めやすかった。大奥ってどうも興味をそそられる!! クセ強のキャラ揃い、なかでもふき殿最高(^^)最後の最後もいい終わり方だった!!

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    2023年02月24日
  • 先生のお庭番

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    長崎の出島でのシーボルト先生のお庭番熊吉の物語。熊吉の気持ちを所々切なく思った。

    江戸時代の奉公の様子、当時の日本人とシーボルト先生の考えの違い等を知る事ができて、面白く読めた。

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    2023年02月21日
  • 落花狼藉

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    遊女・遊廓モノでは珍しく、遊廓の経営者を描いた作品。吉原の創成期の話。終盤に菱川師宣や松尾芭蕉が登場するのはご愛嬌でしょうか。

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    2023年01月10日
  • 落花狼藉

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    吉原が好きだ。
    成り立ち、歴史、文化、とかく吉原という街そのものに興味がある。
    今では(も?)ソープランド立ち並び、「堅気」の女には入りにくい街ではある。
    道を歩けばまっすぐ歩いているはずなのに、大きくカーブして、何処にいるのかわからなくなる。
    昔の姿を伝える見返り柳は代替わりし、角に建てられたという稲荷神社がかつてを偲ばせる。
    吉原を行き来する人を見てきた大門もない。
    しかし、そこにある歴史に惹きつけられる。

    性産業そのものは、良いものとは思わない。
    必要悪とも思わない。
    今も昔も、女にとっての苦界が男にとっての楽園であるのなら、せめて、それが紛い物であったとしても華やかな誇りのある、そん

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    2023年01月09日
  • すかたん

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    主人公・知里は江戸っ子。藩主の大坂城代赴任に伴い、藩士の夫と共に大坂で暮らすようになるが、一年ほどで夫は病で亡くなる。ひょんなことから青物問屋「河内屋」の上女中となる。そこで遊び人で問題児の若旦那が起こす色んな問題に巻き込まれながらも、若旦那に惹かれていく。憎めない人柄の若旦那と知里がどうなっていくのかと終盤は一気読みでした。知った地名が沢山出てくるし、上方の言葉が心地良い。とても面白かったです。

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    2023年01月02日
  • 落陽(祥伝社文庫)

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    明治神宮鎮座百年というちょうど一年前の今頃、初めて明治神宮を参拝しました。原宿の喧騒が嘘のように、一歩足を踏み入れた瞬間に空気が変わるのを体感しました。この本に出会い、明治神宮創建のきっかけを知り、またあの素晴らしい森が自然ではなく、全国からの献木であったというのは驚きでしかない。もう一度、じっくり明治神宮を、神宮の森を歩いてみたい。そして、伏見桃山陵へも…。

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    2022年12月25日
  • 悪玉伝

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    ネタバレ

    非常に本格的。
    歴史と創作を極めてうまくミックスさせていて見事。
    見事だけれども
    これが好きかというと、すきではない。
    オチであるキリシタンの証拠には苦笑した。
    そうまでして固く信仰を守ったくせに、平然と他者に陰謀をなす唐金屋という設定は、あまりに矛盾していると思うが、この感想はキリスト教徒のみにしか思い浮かばないかもね。

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    2022年12月04日
  • 草々不一

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    身分やしきたりに縛られる武士。
    それでも彼らには彼らなりの生活があり苦労がある。

    そんなホロリとしながらくすっと笑える姿を描いた短編集。

    漢字の読めない隠居侍が亡き妻の手紙を読むために
    手習い所へ通う表題作がいちばん好き。
    妻の最後の1文が秀逸

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    2022年12月02日
  • グッドバイ

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    幕末の長崎、油商・大浦屋のあるじはお希以(けい)。自分の「やりたいこと」を見据えて突き進む。潤沢なエネルギーを存分に使いこなすその勢いがまぶしい。
    窮地でさえ蹴散らす感じがする。時にはあきれる事もあるけれど、他人の思惑など気にしないんだろうな。

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    2022年11月24日
  • 落花狼藉

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    吉原というと真っ先に花魁が道中を練り歩く様子が目に浮かびます。しかし、実際はどのような仕組みになっているのか、そこにいる人々はどのように過ごしているのか分からずにいましたが、この小説を読みその成り立ちも含め理解できました。
    江戸時代の初め、城下と隔られた日本橋のはずれの町に位置する場所、吉原で遊廓を営んでいる西田屋の女将、かよ。彼女は幼少期に迷子か捨子かもわからず育った素性の持ち主ですが、主人の甚右衛門に拾われ育ち、女房になって間も無い。ずっと年上の甚右衛門は、売色稼業の吉原を発展させるために様々な見世を一ヶ所にまとめた場所を造り、他の町では売色が出来ないように公儀から許しを貰う。ここから始ま

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    2022年11月16日
  • 落花狼藉

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    花街としての吉原を江戸初期の幕府に認めさせた実質的創始者である庄司甚右衛門の貰い子で後に女房となった花仍の一代記。

    売色御免(専売)の公許を受け、侍の世から商人の世に変わる中、幾度の大火事や公儀の命令による移転、裏で売色をする風呂屋や茶屋との争いなどの困難と戦いながら、太夫を擁する花街としての矜持を失わず、吉原を他と同格の「町」として築き上げた甚右衛門とそれを支えた花仍。

    町を支える大女将としての生を全うし、孫たちに見守られて迎える眠るような最期は、激動の生涯の末のご褒美だろうか。

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    2022年11月12日
  • グッドバイ

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    幕末、長崎の地で異人との交易を始めて時代を切り開いた女傑の波乱万丈。

    既得権と仕来りの中で細る家業に飽き足らず、世の流れを嘆くばかりで旧弊から抜け出せない同業者組合や家業大事の番頭に囲まれながらも世界を相手の交易に乗り出す大浦希以。わずかな絆と信義を手掛かりに、茶葉の輸出で一時代を築き上げる。

    詐欺に会わなければ、もっと胸のすく活躍をなさったのではないだろうかと思うと惜しくてならない。こずるい悪党、ホント嫌い。

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    2022年10月30日
  • 落花狼藉

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    江戸の初期、吉原を幕府公認の傾城街にしようと働きかけた者達がいた。大見世の女将の花よの一代記。幼い頃迷い子だったかよを引き取り、後に夫となった甚右衛門と共に吉原を造り、何人もの妓達をまとめて見世を切り盛りするかよ。だが生来の気の強さで周りとぶつかる事も多い。そんなかよを叱咤しつつ導いてくれるやり手婆や揚げ屋の女将、番頭など人に恵まれながら成長する。
    後の吉原の安定が、意外にもこんなに多くの苦労があってこそだったのだと知る事ができる。女郎を主人公にした物は多いけど、見世の女将を主人公にした話は珍しいのでは。それも吉原が出来たばかりの頃の話で読み応えあった。

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    2022年10月24日
  • グッドバイ

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    ネタバレ

    幕末の動乱が目の前で起きている感じ、ただし、通信手段が今のようでないなかでの時代の変化、すごい時を過ごした気分になった。

    ビジネスのために、勘を磨くこと、信を得ること、心に刻まれた。

    そして、この時代なのに女ではなく、大浦慶として生きていることがすごいと感じた。

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    2022年10月20日
  • 銀の猫

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    介護のことなんかがサラッと書かれているけど、じっくり読むとなるほどーということも多くて楽しめた。母親との確執もそれほどきわどくなくて読みやすい。

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    2022年10月14日
  • 阿蘭陀西鶴

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    大衆小説の創始者 井原西鶴と、盲目の娘 おあいの物語。
    ゴッホがそうであったように、創始者はなかなか時代に受け入れられず周囲の人に迷惑をかけつつ己の道を邁進するものなんですね。多くは朝井さんの創作でしょうが、父娘の関係が変わっていく様子は胸を打ちました。
    一方で研ぎ澄ますことで道を極める芭蕉のような存在も貴重だと思いますが、間口を狭めることで一部の人たちだけのものになったことが、いつくもの日本の伝統文化が細々としか継承されない結果を招いたのかな。

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    2022年10月01日
  • 落花狼藉

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    吉原が舞台なので、遊女たちの色恋沙汰が淡々と続く小説かとの思惑は、見事に外れた(良い方に)。
    主人公とも言うべき西田屋の女将花仍も夫の甚右衛門も狂言回しとも呼ぶべき役割で、主役は傾城町吉原そのものではないだろうか。
    著者は、江戸随一の遊郭となった吉原をその黎明期から緻密なタッチで描き出し、吉原の変遷や遊女たちの実態を、読者の目の前に開かせてくれた。

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    2022年09月23日