朝井まかてのレビュー一覧
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森鴎外の息子である類氏の生涯の物語である。
父鴎外をパッパと呼んで愛し、なに不自由なく少年期を過ごし、父を失ったあと、画家を志してパリへ進学した青年期。そして戦争に終戦の昭和と、明治から平成の日本を生きた物語。
類はずばぬけた画才も文才もないけれど、どちらの世界にも手を伸ばしたいと願い続けるけれども華々しい花が咲くことはない。けれどときどき原稿依頼などあるのであきらめきれずに生涯とりかかる。
彼の生きた明治から令和まで。その克明な描写が全体をかたどった作品だ。
キャラクターというより、その人が生きた背景を楽しむのに目がないかたにオススメです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレボタニカを読んで
頭で考えたりするミステリーや
心が動かされてしまうほのぼの系や
感動系の小説ではなく
つらつらと文字と話だけを
追いかけれる小説にはまってしまい、
朝井先生のシリーズを手に取ってしまった。
時代にもまれながら
この人も一生を料理に支えた草尾丈吉さん。
料理で日本を支え、そのうえ
料理でたくさんの人を幸せにしてきた。
妻のゆきも分からないながらも
自分なりに夫と店を見事に支え、
浮気にも肝の座った態度で受け流し
さすがああああと
ゆきをさらに好きになった。
料理の描写も美味しそうで
お料理系が好きな人は
長いかもしれないけど
ぜひ読んでみてほしいです -
Posted by ブクログ
ネタバレ植物そのものにまた世間の人が
触れておらず名前の知らない草花が
たくさんあった時代。
これは何という名前だろう
この花とこの花は似ているから
同じ系統の花かもしれない
それをこの牧野富太郎を筆頭に
日本の植物図鑑がどんどん
華やかに埋め込まれていった。
植物を愛し、植物に愛された人
己の探求心を生涯一度も止めることなく
ただただ生えている草花を愛で
解明を続けた人。
私たちが今、花の名前を知ることができるのも
すべてこの方のおかげだろう。
この人の研究の裏で
妻や子供が少しだけ犠牲に
なってしまったのではないかなと
母の目線で思わずにいられなかった。 -
Posted by ブクログ
なんだか先が気になって、読み進めてしまった。
きっと、一人では生きてはいけないんじゃないかというくらい、頼りない主人公。
でも不思議とどこかから手が差し伸べられて、手を引かれながら、歩んでいく感じ。
類の考え方に「どうして〜」と歯痒く思いながらも、嫌な感じはなくついつい弟を見るような目で見守るように読んだ。
どこまで史実に忠実なのかわからないけど、類の一番の幸運は、奥様の美穂さんと結婚して子宝に恵まれたことだろうなぁ、と思う。美穂さんはまさしく良妻賢母。自分も生まれの良いお嬢様のはずなのに、あの状況で家計をやりくりし(そもそもまともな収入ないのに…お金に無頓着な夫なのに…)家族に美味しいものを -
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時代小説短編集。暗い話はない。
① ぞっこん
付喪神の話
②千両役者
なかなか売れない役者と贔屓の唐辛子屋の話。
これから…!って時に話終わっちゃう。
なんかちょっと物足りない。
③晴れ湯
目まぐるしく働く湯屋の一人娘の話。
店の切り盛りと事件と家族関係と、みたいな
朝ドラ的な話。綺麗な終わり方で良い。
④莫連あやめ
女たちのファッションを絡めた争いの話。
友情ファッション家族関係…いくつかの話が
並行で進むけどどれもちょっと物足りなさがある。
⑤福袋
大食い故に離縁され出戻った姉と欲深い弟の話。
たくさん食べつつグルメの姉の食べっぷり楽しい。
最後は弟に罰が降るし