朝井まかてのレビュー一覧
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お庭番と聞くと、隠密とか忍びとか物騒なほうを
思い出すが、この本の舞台はあの時代に唯一開かれた出島の地でシーボルト先生が作りたかった薬草園。
まだまだ庭とも呼べぬほどの敷地に
主人公である駆け出しの庭職人の熊吉が
試行錯誤しながら薬草や草花のお世話をし
やがて壮大な薬草園を作り上げ、守り
そしてシーボルト先生の望みを叶えるべく
強くなるまでの話。
薬草や、草花がたくさん出てくるので
想像の中さえも色とりどりで楽しい。
ときには雨に濡れた土の匂いさえ感じるようだった。
シーボルト事件がある以上、結末は見えているのに
熊吉や、奥方と同じようにシーボルト先生を信じたくなるような物語だった。 -
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実はラグーザお玉の話と間違えて手を出した。
明治時代・女性画家・渡欧…
経歴もちょっとかすってるっぽいですが
こちらはロシアに留学して
イコン制作で多くの作品を残した人でした。
山下りんさん、なかなかの気丈夫さんで
留学先の修道院でも
言葉もわからないのに納得するまで激論。
西洋絵画を学べると思って行ったはずが
模写させられるのはロシア正教のイコンばかり。
(教科書に載ってた、あの平面的なモザイク画?)
そりゃ腹も立ちますわ。
宗教画に美は不要、という修道女たちの考えもわかる。
逆に信仰心のない人間でも
心を込めて描かれた宗教画を見て
グッとくることもあるのが難しいところ。
帰国してから -
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ネタバレ滝沢馬琴の一代記。
忠義を尽くした父親への権力者・藩からの不義理、主君に虐げられる日々への憤りを年少時代に経験し、自身で生きていく道や家名復興を目指す姿に江戸時代らしさを感じる。
強くあろうと生きてきた中で、老齢になってから、病弱な実子に告げる悔恨や弱さを吐露する場面が生々しい。
八犬伝を描き終えた後の、話の中では南総に理想の国を作りたかったんだという言葉が、馬琴の紆余曲折の人生と作家感を締めくくる言葉にふさわしい。
稗史小説の執筆法と楽しみ方を
「史実の種を見出し、文章を耕して種を蒔き、大いなる虚を育てる。」
(稗史を通じて人々に遥けき世界を見せる。)
と表しているが、著者(朝井まかてさん -
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ネタバレ恋歌
著者:朝井まかて
発行:2015年10月15日
講談社文庫
初出:2013年8月発行単行本(講談社)
*第150回(2013年下期)直木賞受賞作
歴史検証をするノンフィクションの大書(「ラジオと戦争」)とか読んでいると、楽しめる小説が無性に恋しくなる。どれを読んでも面白い朝井まかての文庫を少し前に買ってあったので、貪るように読んだ。朝井まかて作品といえば、女性を主人公に、市井の生活感あふれる日常を描いたものが多く、平凡な人間なりの頑張りで、苦労をしながらも最後にはうまくいく、それも大成功ではなく、そこそこいい人生に落ち着く、といった趣の小説を期待する。ところが、この小説は珍しく結構き -
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ネタバレちゃんちゃら
著者:朝井まかて
発行:2012年12月14日
講談社文庫
単行本:2010年9月(講談社、書き下ろし)
一昨日読んだ「花競べ」に続く、朝井まかてのデビュー2作目長編。江戸期・文化時代の植木屋「植辰」の話。デビュー作は苗物屋、今回は植木屋であり、庭師。それにしても著者は植物に明るい。序章でシチュエーションの紹介、1章~5章で各プロットを展開しながら、全体で大きな話を描く。終章もあり。
序章
最もよいお得意である施主は、小川町の元与力でご隠居、是沢与右衛門。ちゃらは元浮浪児で、辰蔵が子供のように引き取って弟子にしている。娘の百合とはきょうだいのような仲だが、後にお百合はちゃら