朝井まかてのレビュー一覧
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なんとなく購入。
西鶴と芭蕉は同じ時代を生きた俳人で互いに意識しあっていた…というようなドラマを見たことがあったなぁなんてぼんやり思いだしました。
この小説は西鶴の盲の娘視点で描かれた西鶴の姿、ですがいやあ、父娘の確執あるあるだな(笑)娘の気持ちをとんと理解しない父親と父の気持ちがまるでわからない娘。近いから故にわからないことってあるよなぁ…なんて思いました。(まあ実際こういう父娘関係だったかどうかはわかりませんが…)でも閉じ込められないだけマシ、という辺りで父の気持ちをわかるというのもなんだかちょっと違うかなぁ…なんて自分は思いました。
矢数俳諧、大衆小説と新しいものを作られた西鶴という -
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修行中の庭師・熊吉は、長崎の出島への奉公を命じられ、シーボルトの元で薬草園の園丁を勤めることになる。
初めての仕事にとまどう熊吉だったが、工夫を重ねて見事な薬草園を仕上げていく。
シーボルトや愛妾のお滝、黒人の使用人おるそんの信頼を得、熊吉は幸福な日々を送っていたが、シーボルトの帰国が決まってからその日常は少しずつ陰りを見せ始めた・・・。
シーボルトを題材にした小説は数多くありますが、このお話は15歳の園丁の視点から描かれています。
使用人の目から見るシーボルトと歴史的事件というものを生き生きと描いており、とても新鮮でした。
圧巻なのは、美しい自然の情景を写し取った芳醇な描写。
最初は共 -
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全1巻。
三十路前の女三人が急に伊勢参りに旅立つ話。
直木賞作家・朝井まかて版、東海道中膝栗毛。
いや面白い。
江戸→伊勢までの道すがら、
数々の事件に巻き込まれていく、
痛快(元)ずっこけ三人組。
主人公達の設定が秀逸。
女の曲がり角、
青春の終わりを自覚しだす三十路前の女三人。
それなりに背負った人生の哀しみと
センチメンタリズムが、
物語を単純な痛快コメディじゃなくしている。
妙にリアルに胸に沁みる。
惜しむらくはクライマックスのアッサリ感。
他作品でもそうだったけど、
最期に全部の謎が集約して盛り上がるんじゃなくて
駆け足で消化してる感がちょっとある。
結果、女達のそれぞれの哀し -
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長崎出島でシーボルトの薬草園の園丁として働く少年を主人公にした歴史小説。
最近、こういう植木職を主人公にした歴史・時代物を続けて読んだ気がすると思ったら、『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』と『ちゃんちゃら』でいずれも朝井さんの作品でした。
時代小説と言えば、以前は侍、あるいは商人ものが中心だったような気がしますが、こうした職人物が増えてきて、例えば料理人関係もブームみたいに出てますし、それはそれでなかなか楽しいものです。
やや軽めな印象は受けますが、主人公の少年のひたむきさが心地良く。また、主人公を取り巻くシーボルトの妻のお滝、従僕のオルソンなどの人物像も良く出来てます。ただシーボルト本人はどこ -
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時代小説には(普通の小説もかもしれないけれど)三人組の主人公という設定が多く、大抵の場合、知性派、武闘派、癒し系の組み合わせです。
この話も主人公が女性達というのは珍しいですが、武闘派のお以乃、知性派のお志花、癒し系のお蝶という役割。やはり安定感があるのでしょうね。
ただ、お蝶のキャラが、完全に癒し系という訳では無く、むしろ愚痴系というか、わがまま系というか。。。グズグズしていてどうも好きになれず一旦投げ出しかけました。
ただ、行く先々の宿場町のトラブルを3人で解決し始め、人情話になっていく頃から面白くなってきました。最後に次郎長が出てきたのはどうかと思いますが。
軽い時代物の活劇です。 -
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全一巻。
今年の直木賞を受賞した人。
庭師の話。
ただ、専門的な話はあるものの、
先日惜しくも、本当に惜しくも亡くなられた
山本兼一的職業小説ではなく、
どちらかというと庭師が舞台の市井ものって感じ。
軽快なテンポと個性的な登場人物たちが魅力的で
世界を好きになるタイプの物語。
最後まで一気に読まされたけど、
少し話を盛り込みすぎた印象。
一つ二つ要素を抜いたらスッキリ分かりやすくなるのに。
主人公の庭師としての葛藤とか、
「何か知らんけど、何となくすごい才能が隠されてそう」
って曖昧な感じとか、
クライマックスに収束しなかったのが残念。
結果、庭師の物語なのか、人情ものなのか、
少しど