朝井まかてのレビュー一覧
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植物学の父、牧野富太郎の話。
朝ドラらんまん面白かったし、と思って読んだらドラマとの違いにガッツリ殴られる。途中で一旦閉じ「私の知ってる綾ちゃん(猶さん)はいない、ドラマと現実は違う」と落ち着けてからまた読み始める。
いやまぁそりゃ、現実(小説)はこうよな。酒と家が大好きで跡を継いで酒造りをしたいと気高く美しい綾ちゃんも万太郎と家族を思い気高く自分の選択で生きて行くスエちゃんも、ドラマの中よなぁと当然のことを思う。
さて、実際の万太郎いや富太郎はどんな人物だったのか。予想以上の破天荒な人たらし、いやもう周りの人の立場になったら殴りたいとか思う時もあるんやけど、一途に草花を想う姿に絆されてしまう -
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長崎の「あきない正伝」だ!
油商家の女将で、幕末の動乱期
外国に茶葉を売り込み富を築くも
詐欺事件に巻き込まれて財も信用も失い
それでも最後はまたひと花咲かせた
剛気な大浦慶の一代記。
朝ドラいけそうやん。
慶も魅力的だけど
彼女の意気に賛同してくれる
船員テキストルや商人ヲルトや
ガラバアといった異国の人々がまた
なんとも魅力的です。
あと、父親の代からの番頭さんが
目の上のたんこぶ的な存在なのだけど
後半、彼が店のことを大切に想い
慶のことも考えていたことがわかって(T_T)
昔読んだ漫画『ニュクスの角灯』にも
大浦慶が出てたな〜。
ああ、また長崎に行きたくなった。 -
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ネタバレ「草を褥に」に続けて牧野富太郎を読む。こちらはきちんと「小説」であり、読みやすい。
冒頭の、植物の声に耳を傾け話しかける富太郎少年が良い。この様子は小説全体を通じて折々に顔を出すのだが、純粋さの発露のようなこんな部分があったからこそ、他が傲岸で破天荒であっても彼を愛する人が絶えなかったのかもしれないと思わされる。
とはいえ、いろいろめちゃくちゃである。まず謙遜という言葉がなさすぎる。知っていることしか教えないと言って学校は辞めるし大学にすら入らない。既存の権威に屈しないと言えば格好いいが、ではなんでも自力でできるかと言えばその才覚はなく徒に金を遣って家を潰しその後も分以上の支払いをし続けて借金 -
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読書備忘録764号。
★★★。
幕末から維新、明治にかけて、鎖国状態から一気に世界との外交に晒された日本。不平等条約のオンパレード。その外交を食で支えた男がいた。草野丈吉。
日本初の洋食屋「自由亭」を長崎で開き、大阪に拠点を移し、レストラン、ホテルを開業し大きくしていった男。
それを支えた偉人達。陸奥宗光、五代友厚、後藤象二郎、岩崎弥太郎。
特にうちの企業グループの礎を作った弥太郎さま。
土佐藩出身。国に期待し、裏切られ、だったら企業で世の中を動かしてやろう。どんだけ凄いの!あなた様は!息遣いが聞こえてくるような弥太郎さんを感じられたのは凄く嬉しかった。
なので、どんだけワクワク感満点で、 -
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ネタバレ朝井まかて作品 2冊目 植物学者 牧野富太郎を題材にした作品
朝ドラ「らんまん」にも題材にされた 「植物学の父」牧野富太郎
高知県の酒蔵の息子は 小さいときから植物が好きで、頭も切れる風変わりな子どもだった。小学校を中退して植物採集に明け暮れる「岸屋の坊」
15歳の時 時間と知識のある富太郎に地元の小学校の臨時講師としての声がかかる。
そして従妹 猶(なお)との祝言。
妻に酒屋と祖母を任せて 植物学の研究の為上京する富太郎。
そして菓子屋の娘 スエと出会い 高知と東京の2重生活を送る。
ドラマの中でも相当 破天荒で 周りの意見や状況は二の次、植物一筋で 身近にいたら巻き込まれそうな危険人物 -
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ネタバレ本作は、長崎の三女傑の一人、茶葉商人の大浦慶を描いた歴史小説です(ちなみに残りの二人はシーボルトの娘で医師の楠本イネ、ロシア語を極めロシア人専用ホテルなどで繁盛した道永栄)。
・・・
で、やはり人物がダントツに面白い。
幕末に商家の一人娘として生まれたものの、祖父が跡継ぎたる父を見限り、孫の慶へ英才教育を施すという背景もあります。この慶が、落ち目の家業である油商ではなく、当時藩の直轄だったオランダとの交易にどうにかして食い込もうと奮闘します。
ちなみに、お慶さん、驚きのどストレート発言が信条。
せっかく婿をとったのに、数日で離縁したいと周囲に漏らす。それも、「これはダメな男」だとの勘。 -
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江戸幕府開闢後間もなく、幕府の許しを得て吉原遊郭を創設した庄司甚右衛門の妻として妓楼西田屋の女将となった花仍の目を通して語られる、吉原とそこに生きる遊女たちの物語。
江戸歌舞伎の始まり、猿若勘三郎や伊達騒動の殿様なんかも登場するし、明暦の大火にも見舞われて、なかなかダイナミックな時代の動き、変わり目を感じる話でした。
ちょっと終盤の展開が飛ばし過ぎなのが勿体ない感じもありますが、遊女若菜とその忘れ形見の鈴、その娘菜緒、菜緒の子の小吉と、血は繋がらないけど、心の葛藤を越えた絆に結ばれた家族に囲まれて、花仍の賑やかな晩年は安らいで見えました。