朝井まかてのレビュー一覧
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ネタバレ恋歌
著者:朝井まかて
発行:2015年10月15日
講談社文庫
初出:2013年8月発行単行本(講談社)
*第150回(2013年下期)直木賞受賞作
歴史検証をするノンフィクションの大書(「ラジオと戦争」)とか読んでいると、楽しめる小説が無性に恋しくなる。どれを読んでも面白い朝井まかての文庫を少し前に買ってあったので、貪るように読んだ。朝井まかて作品といえば、女性を主人公に、市井の生活感あふれる日常を描いたものが多く、平凡な人間なりの頑張りで、苦労をしながらも最後にはうまくいく、それも大成功ではなく、そこそこいい人生に落ち着く、といった趣の小説を期待する。ところが、この小説は珍しく結構き -
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ネタバレちゃんちゃら
著者:朝井まかて
発行:2012年12月14日
講談社文庫
単行本:2010年9月(講談社、書き下ろし)
一昨日読んだ「花競べ」に続く、朝井まかてのデビュー2作目長編。江戸期・文化時代の植木屋「植辰」の話。デビュー作は苗物屋、今回は植木屋であり、庭師。それにしても著者は植物に明るい。序章でシチュエーションの紹介、1章~5章で各プロットを展開しながら、全体で大きな話を描く。終章もあり。
序章
最もよいお得意である施主は、小川町の元与力でご隠居、是沢与右衛門。ちゃらは元浮浪児で、辰蔵が子供のように引き取って弟子にしている。娘の百合とはきょうだいのような仲だが、後にお百合はちゃら -
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明治の終わり、森鷗外の末子として生まれた類。愛情豊かな父と美しい母、ふたりの姉と、何不自由なく華やかに暮らした少年期。父の死という喪失を抱えながら画家を志し、パリへ遊学した青年期。戦後の困窮から心機一転、書店を開業。やがて文筆家の道へ。文豪の子という宿命を背負い、何者かであろうと懸命に生きた彼の、切なくも愛すべき生涯を描いた大作。著者による講演「鷗外夫人の恋」も載録。
森茉莉の大ファンとしては読まずにいられなかった。朝井まかてさんの作品は初めて読むけれど、すごい下調べしたんだろうなあと思う細やかな描写です。やや冗長な印象もあるけれどちょっとした植物や風景の描写があるから重厚な作品になるんだろ -
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歴史に悪名を残す将軍綱吉を彼の目線から描いた物語。
本書を読んで思うことは、たとえ崇高な思想をもって文治政治を目指したとしても、その意図を正しく伝えようとせず言葉少なに、かつ結論や指示だけを出したのでは上手く浸透するはずがなく、やはり彼は将軍としての資質に欠くということ。
更に桂昌院のような権力があるのに無邪気に欲望のまま振る舞う人をそのままにしたこと、彼と並んで悪名高い柳沢吉保を自分に忠実という理由で本質を見抜けなかったこと(伝聞が正しいとすれば)も罪が重い。
朝井さんの意図とは違うかもしれませんが、本書を読んで最後まで現実が見えていない最悪の将軍というレッテルに更に確信を持ってしまった。 -
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藤沢周平作品の次は、朝井まかて先生の作品にトライ。朝井さんなんて、今村翔吾先生の教養本触らなかったら一生知らなかったかも。時代小説って現代では使われていない独特の言い回しが沢山でてくる。勿論どれも知らない(なんなら初めて耳にする恥)なのでいちいち検索してはほーとかへーとかなってる。抜け参りとは、家族に黙ってふいっとお伊勢参りしちゃうこと。江戸時代に流行ってんですってよ。
主人公は幼なじみアラサー三人娘。10代で子供生んじゃう時代だから完全なるオバサン扱い(笑)その三人の抜け参りのハラハラドキドキの珍道中、恋あり、博打ありの痛快小説だ。
私時代小説いける口だわ、全然ハードル高くない!むしろ、AI -
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偉大な父鴎外没後、森一家の半生を末っ子「類」の目線で描いた作品です。主人公の類は、日がな一日を思うままに過ごせればそれで良しの、いわゆるおぼっちゃま。苦しみは遠ざけ、すべき苦労は周りに任せ、ピンチになれば「鴎外」と書かれた印籠を掲げてその場を凌ぐ。生活が困窮すれど変わることのないこのスタイル。本人に一切の悪気無し。そんな穀潰しのダメ男を支え続ける妻と姉、そして子供たち。あぁ、なんという人生。なんと腹立たしい所業の数々。だが、正直羨ましい。
検査入院した妻美穂との会話。病室で放つ美穂の言葉一つ一つが類の本質を的確に捉えて心を抉る。聞かされる方は逃げ場なくコーナーに追い詰められる。ノックアウト寸