朝井まかてのレビュー一覧

  • 青姫

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    ネタバレ

    江戸初期の隠れ里を桃源郷のような青姫の郷として,そこを束ねる満姫と朔の物語.武士と揉め事を起こして出奔して迷い込んだ杜宇の視点で語られる.このような理想的な村が江戸体制の中で存続できるとは思えないが,杜宇を敵と狙う久四郎の逆恨みの陰湿さが気持ち悪かった.

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    2024年12月10日
  • 青姫

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    なんの前情報もなく読み始めたこの本。
    江戸の歴史小説なのか、ファンタジーの世界なのか…ちょうどその間にあたるような不思議な世界だった。
    青姫の郷の人々は、それぞれが何らかの特技を持つ個性的な面々。
    米作りを命じられた杜宇に、その人たちは敵とも味方ともつかぬ距離感で関わってくる。
    全体的に世界観や人間関係がはっきりしない感じがした。それもこの本の面白さだと思うんだけど、私はイマイチ入り込めなかった。きっと夜に眠たい目を擦りながら読んだせいもある。

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    2024年11月26日
  • ボタニカ

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    植物学者・牧野富太郎の伝記的小説。朝ドラ『らんまん』を見ていたので大体の筋は同じかな。ドラマよりも史実の方が破天荒だね……。

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    2024年11月25日
  • 朝星夜星

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    夫婦で挑んだ「日本初の洋食屋」
    幕末の長崎で洋食屋を始め、明治の大阪でレストランとホテルを開いた料理人・草野丈吉と妻のゆき。
    日本の外交を支えた『自由亭』夫婦の奮闘を描く長編

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    2024年11月14日
  • ボタニカ

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    ネタバレ

    植物学者の牧野富太郎を描いた歴史小説。

    朝ドラ「らんまん」のモデルでもあるので、大筋はわかっていましたが、朝ドラの方がホワイトマキノだとするとこちらはブラックマキノという感じです。
    登場人物がほとんど朝ドラと被るので朝ドラの役者のイメージで読んでいましたが、牧野自身は学者馬鹿で人間関係構築力ゼロ、特に恩義などを感じないタイプの上に仕事以外の欲にも忠実で、さすがに朝ドラの爽やかさとはかけ離れているためちょっと違和感がありました。
    この小説の方が先なのですが、主人公に幻滅しないためにも朝ドラを先に見ておいてよかったです。

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    2024年11月09日
  • 落陽(祥伝社文庫)

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    若い時に故郷を離れた人でした。今までにいない唯一になるため。何百年と続いてきた中で。忘れてはならないのは感謝の思い。日本がひとつだったと思うために。

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    2024年11月06日
  • ボタニカ

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    流し読みの癖のある私が、らんまん神木君の土佐弁を思い浮かべてながらゆっくり読んだ
    え?佐久間ゆいちゃんが本妻でおスエさんは東京妻だったの?と、朝ドラとごっちゃにしてドラマの設定との違いに衝撃を受けつつも
    さいごはたった1人の牧野富太郎博士で一致した
    まったくもおしょうがなく一途なおのこじゃきに

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    2024年11月05日
  • 青姫

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    ネタバレ

    青姫

    著者:朝井まかて
    発行:2024年9月30日
    徳間書店
    初出:「読楽」2020年9月号~2021年1月号、2021年5月号~12月号

    時代小説の市井ものとしてはナンバー1の人気作家、朝井まかての新作。徳川の治世が始まって30年、寛永年間のある山里が舞台。おそらく日本海に面したエリア。新潟あたりであろうか?当初は市井小説かと思えたが、その特別な郷は一人の少女風の女性が頭領を務め、武家の出のものたちが側近に仕える。主人公は農民だが、皇族、武家なども絡む。単純な市井小説とは違う。このジャンルはなんと表現すれば?

    甲斐国の名主の四男、杜宇(とう)が主人公。次男と三男が若死にしているので、嫡

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    2024年10月22日
  • ボタニカ

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    朝ドラがはじまる前からの期待の書
    当時は予約いっぱいで何年かかる〜?って思ったけど読む事が出来た

    魅力的な人物像を期待したのが生物採取ドキュメントのような臨場感もあって面白かった

    支えた人々協力したチームや先生達もそれぞれの魅力があって時代の良さも感じました

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    2024年10月11日
  • 朝星夜星

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    日本で最初の西洋料理店を開いた草野丈吉の妻・ゆきの視点で描かれる長編小説。

    史実を基にしているので、歴史的文化的な観点からも楽しく読めました。

    自由亭が今に残っていないのが残念。
    ただ、長崎のお店の一部がグラバー園に移築保存されているようです。グラバー園は何度か行ったことがあるけど、その時には特に興味なかったので記憶にない。。

    ゆきの若い時からおばあちゃんになるまでの一代記。
    五代友厚、亀山社中、岩崎弥太郎、陸奥宗光などの有名人との親交もあり。

    NHKの朝ドラで見てみたいなぁと思いました。

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    2024年09月27日
  • 朝星夜星

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    江戸末期から明治の長崎と大阪が舞台。
    当時珍しかった洋食屋を長崎で開き、その後、大阪に進出してホテルを開業する丈吉と妻ゆきの話。

    当時の外国人と日本人との関係性や、苦難を乗り越えながら発展する大阪が興味深い。

    長編小説だが、丈吉の妻のゆきの視点で語られ、時には共感しながら、楽しく読み進められた。ゆきは長崎弁が愛らしく、力には自信があり、さっぱりした性格を持つ。彼女には料理の技術はないため、料理人として夫を手伝える義妹のヨシを羨むことがあり、疎外感を感じることもあった。しかし、晩年は彼女の役割を受け入れて、精一杯こなしているようで安堵する。

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    2024年09月21日
  • 最悪の将軍

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    ネタバレ

    タイトルから通説の綱吉像が見られると思いきや
    主人公に配慮した「理想の政治を想う将軍綱吉」
    つまり民は国の本、を実践している・・・御台所
    信子との穏やかな様が良い読後感になっている

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    2024年09月18日
  • 類

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    親の名と才能に押し潰されながらも、自分という存在をいつまでも探す姿だなと思った。

    親が偉大だからと言って子供の才能が開花するわけではない。
    でも、自分の姉妹達は親と一緒のように花開いていく。
    類はただ背中を見ていくだけだったんだろうなあ。

    書いても、描いても、うまくいかない。
    自分は何をしたいのだろう、どうしていくべきなのだろう。
    それを探すのに費やした人生だったのではないかな。

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    2024年09月08日
  • 類

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    森鴎外の第4子の生涯を描くお話。これまで知らなかった森鴎外の姿、後妻志げ、森於莵、茉莉、杏奴、類の家族像が垣間見られる本格的大著。ではあるがこれまでのまかてさんの諧謔にあふれた展開がみられないまま終わってしまった。研究者本であればそれも仕方がないだろうが、まかてさんならではの脚色がないのは残念だった。

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    2024年08月21日
  • 銀の猫

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    病人や老人の介抱を仕事にしているお咲。
    その仕事ぶりは仲立ちをしている鳩屋の中でも一番だ。そんなお咲の仕事ぶりを江戸の四季とともに描いた短編集。 
    お咲には我儘で自堕落な母親がいて、その母が作った借金を返す為に割りのいい介抱人の仕事をしている。そんなおさきの心の支えが元の舅がくれた小さな猫の銀細工だった。
    様々な人を介抱する中でお咲が気づく家族の在り様や生き方を丁寧に描いている。
    お咲が大変な仕事をしながらも色々な人の人生を垣間見て成長していくのがいい。

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    2024年08月08日
  • 朝星夜星

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    ネタバレ

    2024.8 少しづつ話が進む、みっちりつまった小説でした。読み応えというか、淡々とゆっくりというか…

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    2024年08月06日
  • 先生のお庭番

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    お庭番と聞くと、隠密とか忍びとか物騒なほうを
    思い出すが、この本の舞台はあの時代に唯一開かれた出島の地でシーボルト先生が作りたかった薬草園。
    まだまだ庭とも呼べぬほどの敷地に
    主人公である駆け出しの庭職人の熊吉が
    試行錯誤しながら薬草や草花のお世話をし
    やがて壮大な薬草園を作り上げ、守り
    そしてシーボルト先生の望みを叶えるべく
    強くなるまでの話。

    薬草や、草花がたくさん出てくるので
    想像の中さえも色とりどりで楽しい。
    ときには雨に濡れた土の匂いさえ感じるようだった。

    シーボルト事件がある以上、結末は見えているのに
    熊吉や、奥方と同じようにシーボルト先生を信じたくなるような物語だった。

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    2024年07月22日
  • ボタニカ

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    朝ドラのらんまんが好きで、こちらも読んでみたいと思っていました

    結果、全然違うやん笑

    朝ドラの場面を思い出す部分が多かったけれども

    おぉいっ!それはないだろう!

    と突っ込む部分も多々あって
    でも朝ドラのイメージと違いすぎるから嫌になった訳ではないので、読んで良かったと思ってます

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    2024年07月14日
  • 秘密の花園

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    南総里見八犬伝の著者滝沢馬琴の一生が綴られている。書いて書いて書かずにおれない馬琴と共にその時代に入り込んだような気持ちになって読んだ。歴史で聞いたことのある人物がいっぱい出てきて、こんなふうに交友していたのだろうかと思いを馳せたり、庶民がこれだけの文化の中で生きていた江戸は凄い時代だなぁと思ったりした。家族の大変さや武士としての家督へのこだわりなど、馬琴とはこう言う人だったのかもしれないと思わせる内容。読み応えがあった。

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    2024年07月03日
  • 白光

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    実はラグーザお玉の話と間違えて手を出した。
    明治時代・女性画家・渡欧…
    経歴もちょっとかすってるっぽいですが
    こちらはロシアに留学して
    イコン制作で多くの作品を残した人でした。

    山下りんさん、なかなかの気丈夫さんで
    留学先の修道院でも
    言葉もわからないのに納得するまで激論。
    西洋絵画を学べると思って行ったはずが
    模写させられるのはロシア正教のイコンばかり。
    (教科書に載ってた、あの平面的なモザイク画?)
    そりゃ腹も立ちますわ。

    宗教画に美は不要、という修道女たちの考えもわかる。
    逆に信仰心のない人間でも
    心を込めて描かれた宗教画を見て
    グッとくることもあるのが難しいところ。

    帰国してから

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    2024年06月28日