朝井まかてのレビュー一覧

  • すかたん

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    とってもよかった~!
    夜更けに読み始めて、そのまま読んでしまった。軽快な恋愛ものでありつつ、舞台である大阪の人たちが好みそうな勧善懲悪ものでもある。
    かっこつけたキラーフレーズとか、取り澄ました一文とかがあるわけじゃないのに、ああすきだなあと思わされる文章だ。朝井まかて、やはりとてもすき。

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    2020年12月30日
  • 阿蘭陀西鶴

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    教科書に出てきた江戸時代の文化人…ほどの知識しかなかったが、テレビで井原西鶴について知り興味を持ってたどり着いた本。
    よくありがちな調子のいい道楽者で豪傑みたいな人物像を想像してたけど、物語の主人公である盲目の娘と同様にページが進むにつれ西鶴の情の深さやユーモアのある生き様に魅せられた。
    また読みながら家の中の様子、台所風景が目に浮かぶ美しい文章だった。
    西鶴のみならず江戸時代の文芸をもっと知りたいと思った。

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    2020年12月29日
  • 福袋

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    ラジオ深夜便 ラジオ文芸館
    暮れ花火
    ガッテンの小野さん朗読(^_^;)
    なんか変だなぁって思ったのは一瞬
    たちまち登場人物が生きて語り出します

    以前に読んだ「百日紅」を思い出す
    北斎の娘も絵師だったもんね
    カッコいいですね
    江戸の人々って魅力的です


    2022/4
    前回は朗読で一部を↑今回は改めて文字で全体を
    生き生きとした江戸の人々がいい感じ
    現在もこんな時間が何処かで流れてるかもしれないけど
    やっぱり江戸という時代が面白い
    人間じゃない筆が語る話よかったな

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    2022年04月24日
  • 銀の猫

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    江戸時代の介護のお話。当時は長男が親の世話を最後までみるから家督を譲られるということを知った。お金持ちは介護を今でいうヘルパーさんに頼み、彼女がやさしく対処するなかでのお話。人に優しくできる人は何らかの痛みを知っている人だということも描かれている。

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    2021年08月22日
  • 落陽(祥伝社文庫)

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    明治天皇の崩御後
    その「御霊」を祀るために東京に作られた「神宮」

    150年後の「杜」のために尽力する人々。
    それを見守る新聞記者

    武士の時代であった江戸時代から、文明開化の明治へ。
    明治とはどんな時代だったのか
    そして明治天皇はどんな思いで時代を過ごしたのか

    今まで考えてみたこともなかった内容で
    いろいろ調べてみたくなりました。

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    2020年09月22日
  • 先生のお庭番

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    ネタバレ

    2020/9/21
    私もしぼると先生がいい人なのか悪い人なのか結論を付けられぬまま本を閉じた。
    うーん…と思ってたけどでも、人ってそうやんな。
    いいとこばかりの聖人もおらんし、極悪人にもたぶんいいとこはあるんやろう。
    いい悪いの判定も人によって違うし。
    先生は確かに妻子を愛してたし、草木も愛してた。
    自然は制圧するもんやし、虫の声は雑音やから殺してしまえと思ってても。
    思ったよりドライにいろんなものを諦めて捨てて行っても。
    みんな連れて行けばいいと思ってたけど、そんな簡単にはいかないんだな。
    友人付き合いしていた人や教え子のような人たちが死んだり失脚したりしてたのはどう思ってたのかな。
    やぱんでは余裕綽々でも本国では生き残りに必死やったんかな。
    ままならぬのだな。と思うと涙出そうになってきた。
    熊吉も奥方も娘もなんだかんだで幸せでよかったよ。
    おるそんは幸せに暮らしたかな。そうだといいな。

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    2020年09月21日
  • 落陽(祥伝社文庫)

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    明治天皇崩御に際し、渋沢栄一ら政財界人は神宮を帝都に創建すべしと主張するが、林学者の本郷高徳らは風土の適さぬ土地に森を造るのは不可能と反論し、大激論となる。
    大衆紙の記者瀬尾亮一は神宮造営を調べる同僚に助力するうち、取材にのめり込んでいく・・・。

    明治神宮造営という観点から明治時代がどのような時代だったかを紐解いていく物語。
    かなり堅苦しい主題ですが、さすがは朝井まかてさん。
    一般市民の記者という神宮造営の「外」の視点から専門的なことも噛み砕いてやわらかく語られていくので、読み手も興味をつないでどんどん読み進めていくことができます。

    しかもこの主人公の亮一という男、記者という立場を利用して、醜聞をネタに金持ちから金を巻き上げるチンピラみたいな奴なのです。
    帝大を中退し大手新聞社をトラブルで辞め三流紙に落ちぶれたという経歴のせいか、仕事のモチベも失い何だかやさぐれている。
    そんな亮一が、同僚の活発な女性記者に触発され、神宮造営を取材していくうちに記者魂が目覚めていく。
    次第に激動期の日本を支えた明治天皇の生涯に思いを馳せ、独自取材を進めていくようになります。
    このへんの描写が非常に巧みで、亮一の心情変化には違和感なく自然に納得できました。

    天皇を精神的支柱として敬い親しんできた民衆の思い。
    そして、近代国家へと変貌する時代の流れに添い、前例のない天皇としての役割を課され、苦悩しながら模索していく明治天皇の姿。
    天皇とは何か、日本人にとって天皇の存在はどういうものなのかという、現代においても問いかけられる命題に真正面から取り組み、その正体をあらわにしていく作者の手腕には鳥肌が立ち、言葉にならないほどの感銘を受けました。

    明治神宮という美しい森が歴代の人々の努力と熱意によって作り上げられた事と同じように、今の日本人の根幹も同じ経緯でを築かれたのだと、気づかされました。

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    2020年08月24日
  • 落陽(祥伝社文庫)

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    うだつのあがらない東都タイムス記者の瀬尾亮一から始まる明治天皇崩御から明治神宮建設の時代を描く。

    なかなか中盤あたりまでは、非常に読み進めづらく何度も読むのをやめようかと思ったが、読後は心に残る一冊になった。

    瀬尾亮一が、明治神宮建立に直接関わったわけではない。が、中盤から徐々に湾曲的に明治天皇の生き様、また関わってきた国民の気持ちの移り変わりの
    さりげない描写が明治天皇のための人工林造営と重なりふわっとした優しい輪郭で“その時代”が描写されてあった。

    人工林がゆっくりと150年後、自然林となるように明治天皇の存在も作中では、序盤から中盤、終盤に至るなかで自然に存在感を増していった。

    これまで明治神宮とは、単に“名所”としての認識だったが、全国から献木が集まってきたあたりから静かに感動した。

    読後は、とにかく『明治神宮に行きたい!』これに尽きる。

    また読み終わってから、冒頭の明治天皇が東幸する冒頭シーンを読み返すとさらに感動する!

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    2020年07月26日
  • 残り者

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    幕末の江戸城明け渡しのなか、大奥に留まる5人の「残り者」がいた。
    明け渡しの際でそれぞれの立場、過去を絡ませながら大奥で勤めてきた誇りや大事にしてきたものを再確認する。大奥のドロドロしたイメージではなく、よもや現代に設定を置き換えてもすらすら読めるほど5人の勤め人としての矜恃を軽やかに描ぐ。

    最後の終わり方もほっこりとして、とても気持ちの良い終わりかた

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    2020年05月22日
  • 先生のお庭番

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    ネタバレ

    先生(=シーボルト)のお庭番になった
    熊吉が主人公。

    植物の描写がとても良かったです。
    主人公が日本の植物を海外に送ろうと
    試行錯誤する場面は学がなくても
    やれる人は存在するなぁ…としみじみ
    感心しました。私は怠け者なので…。

    シーボルト自体はうっすらとしか記憶して
    いなかったけれどなかなか色々な面を持つ
    人物だったようで、日本史は非常に苦手な
    勉強でしたが、シーボルトが来日していた
    時代の歴史を振り返ることができて面白かったです。

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    2020年04月09日
  • 福袋

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    面白かった。時代小説をこんなに身近に感じて読んだのは初めて。まるで自分もその場にいて、事の成り行きを見ているような感覚に…。
    特に、暮れ花火は切なくて泣けました。眩を読んで間もなかったせいなのか、主人公がお栄と重なって、もう1人のお栄を見ている気がした。

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    2020年03月29日
  • 残り者

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    江戸城開城の時、大奥に残った女性が5人いた。
    夫々の思いがあり、城を出ることが出来なかった。
    その5人の江戸城での勤めや開城の時何が起こったかをそこに居たかのように、また女性という立場から捉えていて、
    興味深く面白かった。最後にその後話もあり、こうやって江戸は終わっていったのだなあと感慨深い。

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    2020年03月28日
  • 藪医 ふらここ堂

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    藪?実は名医の三哲とその娘おゆんを中心に、患者たちとの交流を描いた下町情緒たっぷりの医療時代小説。
    解説によると、実在のモデルがいるとか。
    書中、医者を評して、「その医者が名医かどうかは、患者が、世間が決めることです。目指せば目指すほど、多分医者の本分からははずれましょう。・・・人は何者になるかではなく、何をするかが肝心ではないでしょうか」と語る。
    もちろん、医者ばかりでなくほかの分野にも言えることだろう。

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    2020年03月24日
  • ちゃんちゃら

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    朝井まかてのデビュー2作目。
    江戸時代の植木職人の世界を描くという点では、1作目と共通しています。
    大名屋敷が集まっている江戸では、庭園づくりに熱が入り、庭園都市になっていたというのが面白く、言われてみればなるほど、と。

    江戸は千駄木町の「植辰」の親方に拾われた浮浪児のちゃら。名前もなかったが、ふとしたいきさつで「ちゃら」に。
    高いところを飛び回って逃げる浮浪児に辰蔵親方が笑いかけ、植木屋の仕事は空に近い「空仕事」だと言ったのだ。
    ひょうひょうとしているが、腕はいい親方と、兄弟子たち。
    親方の娘のお百合はまだ15だけど、男所帯をしっかり取り仕切っていて、ぽんぽんと威勢がいい。年齢の近いちゃらとは幼馴染のようでもあり、今もよくケンカになってしまう。

    山猫のようだったちゃらも次第に腕を上げ、作庭の仕事が面白くなってきます。
    趣の違う庭を作り上げていく実例が面白く、それぞれの家の事情も思いやる様子がわかって、前半は人情噺。
    ほのかな初恋なども絡みつつ。

    「植辰」に思わぬ災いが降りかかり、それが最近江戸で評判の人物と関わってのことでした。
    後半はミステリー?冒険もの?
    どんどん読めるので筆力は感じますが、やや驚きながら読んでました。
    その間、お百合がちょっとほったらかしな感じだし。
    江戸時代は10代半ばで適齢期にもなりますからねえ。どう転ぶのか?と…

    結末はややあざといけど、まあそうなるだろうと思っていたし~(笑)
    たっぷりした読みごたえに満足でした☆

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    2020年03月19日
  • ぬけまいる

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    非日常に飛び出したくなるよね!わかる!!!
    って共感しながら読んだ。
    今まで人生なんだったんだろうって思いながらも、培ってきたことに助けられてる。けしてムダじゃないんだよねどんなことも。
    江戸に帰った三人のその後が知りたいな。

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    2020年02月16日
  • 恋歌

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    初めて時代小説を読んだ
    今までこういったジャンルは苦手だと思って手を出せなかった
    次に本屋に行く時は朝井まかての書籍をチェックするようになるだろう

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    2026年02月04日
  • 最悪の将軍

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    最悪の将軍犬公方綱吉を文治の治世を行った将軍として捉えなおす時代小説。もともと話の展開、心をつかむ挿話の見事さなど筆力のある作家だが、災厄の世を治める権力者を描き切ろうと力が入っている。最後に「我に邪なし」と言い残したと書くあたりに作者の権力者像が買い切られていると感じた。

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    2020年02月02日
  • 福袋

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    Tさんのお勧め。

    江戸を舞台としていても、
    どったんばったん捕り物だったり、
    おどろおどろした、またひょろひょろした妖し物だったり。
    それはそれで良い話だったりするのだが、
    やはり人情物を忘れるわけにはいかない。

    ちょっと大人の江戸物。
    貧乏くさいお贔屓がついた役者、
    神田祭を差配することになった家主、
    やたらと大喰いの出戻り女、
    看板の文字を書く筆。

    一番好きだったのは「莫連あやめ」かな。
    流行らない古着屋の娘。
    着物やその着方を見ただけで、人となりがわかってしまうが、
    近頃兄に嫁できて、よく出来た義姉にちょっとひねている。
    そんなあやめが思いついた莫連流は、
    若い女の子が男物を粋に着こなす流行りになる。
    でも実は本物の「莫連」が近くにいた…。
    ファッションに一喜一憂する女の子たちはかわいい。

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    2020年01月28日
  • 最悪の将軍

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    徳川幕府の将軍で、評判の悪い筆頭に挙げられるのが「犬公方」と称される五代将軍綱吉だろう。
    その綱吉を主人公にした歴史長編。
    心ならずも将軍となった綱吉は、己の理想を実現せんと、「武」ではなく「文」で治める世の中にと、改革を断行する。
    赤穂浪士の討ち入りも、彼にしてみれば暴挙としか見做しえない。
    時代は大地震や富士山の噴火が相次ぎ、綱吉は民の安寧を一身に祈る。
    正室の信子は、「断じて、最悪の将軍にあらず」と断言する。彼女との仲睦まじい関係は、良き家庭人として、現代の理想の夫婦像にも匹敵。
    そんな綱吉の姿勢は、「我に邪無」という言葉に集約される。
    綱吉の死後、彼の政の評価について問う信子に対して、側用人の吉保が答える。
    「それを判ずるには時を要します。・・・5年、10年。あるいは、100年かかるやもしれませぬ」。
    視点を変えれば、人物評価も変わる。
    読者にとって、従来の評価を一変する鮮烈な魅力にあふれる綱吉を、著者は生み出してくれた。

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    2020年01月21日
  • 最悪の将軍

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    徳川綱吉、徳川五代将軍、生類憐みの令、犬公方……
    単語でしか知らなかった一人の将軍の生き様を見せてもらった。
    こんな人だったかもしれない、こんな人だったらいいなと思える。そして 側近の二人は仕事上の、妻 信子は心を支えてくれる強力な味方だったのだろう。
    特に 姑や側室にも気持ちを寄せながら夫との気持の繋がりを豊かにしている信子の在り様に惹かれた。

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    2019年12月16日