朝井まかてのレビュー一覧

  • 雲上雲下

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    「草どん」と呼ばれる一本の草が子狐に話をせがまれ、次々と昔懐かしい民話や昔話を語る。
    浦島太郎やおむすびころりんとか傘地蔵、かぐや姫や桃太郎も。童話本などで記憶にある話とは少し違い、朝井まかて風昔話集。
    かと思っていたら、章の三で、雲上と雲下が交錯し、俄然様相が一変する。
    この小説は、お伽噺を題材に、それらの話が現代では歪められたり、忘れ去られていくことへの著者の危機感を著したものだった。
    作中人物に語らせる。
    「今どき、薪割りや草履編みなんぞと言うても通じねえもの。年寄りも結局、子らの喜ぶ新しいもんを与えて機嫌を取る。若い者らに合わせるので、精一杯だ」
    さらに、現代の精神的に余裕のない世情を、現状の雲下の雑音として挙げている。
    「サッサト、シテヨ」「ボヤボヤスルナ」「モット効率ヲ考エロ」等々。
    「物語こそが、雲上と雲下をつなぐものであったのに」
    登場人物の悔いは、作者の悔いでもある。

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    2021年07月13日
  • 福袋

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    売れない役者、湯屋の娘、絵描き・・・等々
    江戸の市井に生きる人々を描いた短編集

    どの登場人物も懸命に生きていて
    その懸命さが可笑しみを誘う

    じみじみと楽しい1冊

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    2021年06月24日
  • 雲上雲下

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    草どんの語る話はいずれも魅力たっぷり。

    福耳彦命の話はイマイチ乗れなかったですが、天上界に既に神はいないということは、何となく得心出来てしまった。
    明日彦は今、何をしているのだろうか。

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    2021年06月06日
  • 雲上雲下

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    章ノ一・小さき者たち
    草どんと、子狐/団子地蔵/粒や/亀の身上がり/猫寺
    章ノ二・勇の者たち
    通り過ぎる者/お花/湖へ/小太郎
    章ノ三・物語の果て
    草どんと、子狐と山姥/神々の庭/空の下

    長い年月、何をすることもなく目の前の景色を眺めて時を過ごしていた草どん。「お話し」を語り始めれば、次々と想いの底から浮かんでくる。
    まさかのファンタジーを楽しく懐かしく読んでいたのに、もう終わってしまった。
    世界は少しずつ変わっていくけれど、変わらないものが一つでもあれば、それはとても嬉しいことでした。

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    2021年04月16日
  • 雲上雲下

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    どこかのランキング企画で目に留まって、文庫化待ちでチェックしていたもの。本作者の”~西鶴”も面白かったし、ってことで。最初は、良く知られた昔話をちょっとアレンジして、それを作中作風に語り聞かせという体で紡いでいくのかと思っていたら、途中からだいぶ雰囲気が変わっていくことに。語り手自らの物語が最後に描かれて、ラスト、語り継がれるべき童話が失われつつあることに対する警鐘が鳴らされる。壮大な結構。身につまされるものもあった。

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    2021年04月05日
  • 御松茸騒動

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    主人公の上から目線 見下した感 
    清く正しくが 必ずしも歓迎されない社会

    コミュニケーション下手で頭脳明晰な主人公が
    人間味ある成長をしてく

    幸せって地位でも名誉でもなく
    他人ではなくその人自身が幸せと思うことやなー

    大殿 素晴らしい。
    もっと大殿の考えを聞きたかった

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    2021年03月26日
  • 悪玉伝

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    これは・・・忖度。

    そりゃご政道は綺麗ごとでは済まないでしょうし、忠相の推察通りならそれは私利私欲ではないのだろうけど、吉兵衛の立場に立ってみれば何たる理不尽、不正義、悪逆非道。色々あっても概ね評価の高い将軍吉宗や大岡越前が何故に?と悲嘆にくれる思いです。(それだけ面白かった、と言うことです。念のため。)

    唐金屋の大義は何だったんでしょうかね。商人のメンツとありますが、もしや単なる親馬鹿ではないのでしょうが。。。都市再開発のための地上げですか?


    とっても不思議ちゃんのお瑠璃が最後に少し、救いになりました。

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    2021年03月17日
  • 悪玉伝

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    第一章 満中陰 第二章 甘藷と桜 第三章 白洲
    第四章 鬼門 第五章 依怙の沙汰 第六章 辰巳屋一件
    第七章 波紋 第八章 弁財天

    悪玉の一代記と思っていたら、もっと悪い奴がいっぱい出てきた。吉兵衛は「悪玉で無い」と言えないとは思うけどね。

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    2021年01月25日
  • 悪玉伝

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    大阪商人の跡目争い。
    大阪東町奉行の裁きで一件落着した…はずだったが・・。

    何故か将軍・吉宗直々の声がかりで、江戸にて再審の運びとなる。

    背後で蠢く大きな力、
    そして、
    それぞれの思惑とは…



    大阪、京を股にかけ、湯水の如く銀子を使い放蕩の限りを尽くし、己の身代を食いつぶす主人公・木津屋吉兵衛は、生家である薪問屋・辰巳屋を継いだ実兄・久座衛門の急死の知らせを受け駆けつけるが、かねてより反りの合わない辰巳屋大番頭・与兵衛が全てを取り仕切り、吉兵衛を蚊帳の外へ追いやる。

    兄の娘・伊波の婿にと養子に迎えていた乙之助を操り、辰巳屋の身代を我が物にすべく策を弄する与兵衛だったが、吉兵衛によって全て封じられ、乙之助は行方を晦まし与兵衛は辰巳屋を追放される。

    辰巳屋の跡目を継いだ吉兵衛は心を入れ替え、遊ぶ間も惜しんで兄亡き後の始末に奔走するが、実は莫大な武家への貸し付けで辰巳屋の身代も傾いている事が判明する。

    そして、
    ある日突然、大阪東町奉行に訴状が出され、吉兵衛は辰巳屋乗っ取りの嫌疑で裁かれる事になる。
    訴人は、あの乙之助だった。

    兼ねてから、同好の士として深く関わってきた馬場源四郎(大阪東町奉行・稲垣淡路守の用人)との関係もあり、無事お咎めなしの裁定が下るが、この事が後々想像を絶する大きな禍根となる。

    社会の、理不尽極まりない力に翻弄される一人の男の凄まじい意地…矜持



    ◯木津屋(辰巳屋)吉兵衛…辰巳屋の次男坊。十三歳で木津屋に養子に入る。放蕩三昧で木津屋の身代は潰える寸前。

    ◯三郎太…吉兵衛の二十歳の頃からの遊び仲間。道頓堀の格式高い芝居茶屋・升屋の主人。異国の珍しい食べ物や、酒、品物にら通じている。武家と商人との「お手つなぎ」で小遣い稼ぎ。

    ◯大和屋惣右衛門…同じく吉兵衛の遊び仲間。中之島指折りの両替商。

    ◯馬場源四郎…大阪東町奉行・稲垣淡路守の用人。吉兵衛の文人仲間。

    ◯唐金屋与茂作(右衛門佐政則)…泉州佐野浦の廻船問屋の主人。乙之助の父親。
    諸国大名への貸付を始め、岸和田藩の財政まで握り、将軍・吉宗とも昵懇。

    ◯大岡忠相…江戸町奉行から寺社奉行へ出世し大名格となった。大岡越前。

    ◯伊波…吉兵衛の姪。乙之助とは反りが合わず、吉兵衛の次男・綱次郎に想いを寄せるが…

    ◯乙之助…伊波の婿として辰巳屋に養子に入った唐金屋与茂作の息子。実は男色。

    ◯辰三…吉兵衛が江戸で勾留された牢の添役。切れ者で何かと吉兵衛にアドバイスをくれる。

    ◯お瑠璃…親娘ほど歳の離れた後妻。島原の遊郭で禿をしていたのを一目惚れし、前代未聞の額で落籍た。

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    2021年01月16日
  • 最悪の将軍

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    綱吉の小説を初めてしっかり読んだ。愚かな将軍として描かれているものにしか触れたことがない分、新鮮だった。綱吉の思いや賢さに周りの理解が届かなかったのか。今の世の中なら当たり前に通用する考えが通用しない時代だったのか。

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    2021年01月15日
  • 残り者

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    大奥最後の日に残った5人の奥女中の会話で彩られる本作。

    一人称である「りつ」の目線で物語が描かれるが、1つの会話から枝が広がり話題がコロコロと転がっていく。テンポは良くないのだが、この感じが「りつ」の控えめでありながらも思慮深く武家ならではの芯の強い性格を色濃く反映しており、また話の流れを崩さずに史実を読者に伝えていく形式が非常に上手い。

    大奥でしか生きてこなかった人が急に外の世界に出される。加えて逆賊の一味という刻印を背負っていく。歴史を学ぶ際に彼女らの立場に立って考えたことはなかったが、非常に残酷で恐怖の状況である。それでも前に進まなければならない、皆同じ立場なのだから、と対局的に場を観察し、行動できる「りつ」は本作の主人公たる理由があると感じた。

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    2021年01月09日
  • すかたん

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    とってもよかった~!
    夜更けに読み始めて、そのまま読んでしまった。軽快な恋愛ものでありつつ、舞台である大阪の人たちが好みそうな勧善懲悪ものでもある。
    かっこつけたキラーフレーズとか、取り澄ました一文とかがあるわけじゃないのに、ああすきだなあと思わされる文章だ。朝井まかて、やはりとてもすき。

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    2020年12月30日
  • 阿蘭陀西鶴

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    教科書に出てきた江戸時代の文化人…ほどの知識しかなかったが、テレビで井原西鶴について知り興味を持ってたどり着いた本。
    よくありがちな調子のいい道楽者で豪傑みたいな人物像を想像してたけど、物語の主人公である盲目の娘と同様にページが進むにつれ西鶴の情の深さやユーモアのある生き様に魅せられた。
    また読みながら家の中の様子、台所風景が目に浮かぶ美しい文章だった。
    西鶴のみならず江戸時代の文芸をもっと知りたいと思った。

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    2020年12月29日
  • 福袋

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    ラジオ深夜便 ラジオ文芸館
    暮れ花火
    ガッテンの小野さん朗読(^_^;)
    なんか変だなぁって思ったのは一瞬
    たちまち登場人物が生きて語り出します

    以前に読んだ「百日紅」を思い出す
    北斎の娘も絵師だったもんね
    カッコいいですね
    江戸の人々って魅力的です


    2022/4
    前回は朗読で一部を↑今回は改めて文字で全体を
    生き生きとした江戸の人々がいい感じ
    現在もこんな時間が何処かで流れてるかもしれないけど
    やっぱり江戸という時代が面白い
    人間じゃない筆が語る話よかったな

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    2022年04月24日
  • 銀の猫

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    江戸時代の介護のお話。当時は長男が親の世話を最後までみるから家督を譲られるということを知った。お金持ちは介護を今でいうヘルパーさんに頼み、彼女がやさしく対処するなかでのお話。人に優しくできる人は何らかの痛みを知っている人だということも描かれている。

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    2021年08月22日
  • 落陽(祥伝社文庫)

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    明治天皇の崩御後
    その「御霊」を祀るために東京に作られた「神宮」

    150年後の「杜」のために尽力する人々。
    それを見守る新聞記者

    武士の時代であった江戸時代から、文明開化の明治へ。
    明治とはどんな時代だったのか
    そして明治天皇はどんな思いで時代を過ごしたのか

    今まで考えてみたこともなかった内容で
    いろいろ調べてみたくなりました。

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    2020年09月22日
  • 先生のお庭番

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    ネタバレ

    2020/9/21
    私もしぼると先生がいい人なのか悪い人なのか結論を付けられぬまま本を閉じた。
    うーん…と思ってたけどでも、人ってそうやんな。
    いいとこばかりの聖人もおらんし、極悪人にもたぶんいいとこはあるんやろう。
    いい悪いの判定も人によって違うし。
    先生は確かに妻子を愛してたし、草木も愛してた。
    自然は制圧するもんやし、虫の声は雑音やから殺してしまえと思ってても。
    思ったよりドライにいろんなものを諦めて捨てて行っても。
    みんな連れて行けばいいと思ってたけど、そんな簡単にはいかないんだな。
    友人付き合いしていた人や教え子のような人たちが死んだり失脚したりしてたのはどう思ってたのかな。
    やぱんでは余裕綽々でも本国では生き残りに必死やったんかな。
    ままならぬのだな。と思うと涙出そうになってきた。
    熊吉も奥方も娘もなんだかんだで幸せでよかったよ。
    おるそんは幸せに暮らしたかな。そうだといいな。

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    2020年09月21日
  • 落陽(祥伝社文庫)

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    明治天皇崩御に際し、渋沢栄一ら政財界人は神宮を帝都に創建すべしと主張するが、林学者の本郷高徳らは風土の適さぬ土地に森を造るのは不可能と反論し、大激論となる。
    大衆紙の記者瀬尾亮一は神宮造営を調べる同僚に助力するうち、取材にのめり込んでいく・・・。

    明治神宮造営という観点から明治時代がどのような時代だったかを紐解いていく物語。
    かなり堅苦しい主題ですが、さすがは朝井まかてさん。
    一般市民の記者という神宮造営の「外」の視点から専門的なことも噛み砕いてやわらかく語られていくので、読み手も興味をつないでどんどん読み進めていくことができます。

    しかもこの主人公の亮一という男、記者という立場を利用して、醜聞をネタに金持ちから金を巻き上げるチンピラみたいな奴なのです。
    帝大を中退し大手新聞社をトラブルで辞め三流紙に落ちぶれたという経歴のせいか、仕事のモチベも失い何だかやさぐれている。
    そんな亮一が、同僚の活発な女性記者に触発され、神宮造営を取材していくうちに記者魂が目覚めていく。
    次第に激動期の日本を支えた明治天皇の生涯に思いを馳せ、独自取材を進めていくようになります。
    このへんの描写が非常に巧みで、亮一の心情変化には違和感なく自然に納得できました。

    天皇を精神的支柱として敬い親しんできた民衆の思い。
    そして、近代国家へと変貌する時代の流れに添い、前例のない天皇としての役割を課され、苦悩しながら模索していく明治天皇の姿。
    天皇とは何か、日本人にとって天皇の存在はどういうものなのかという、現代においても問いかけられる命題に真正面から取り組み、その正体をあらわにしていく作者の手腕には鳥肌が立ち、言葉にならないほどの感銘を受けました。

    明治神宮という美しい森が歴代の人々の努力と熱意によって作り上げられた事と同じように、今の日本人の根幹も同じ経緯でを築かれたのだと、気づかされました。

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    2020年08月24日
  • 落陽(祥伝社文庫)

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    うだつのあがらない東都タイムス記者の瀬尾亮一から始まる明治天皇崩御から明治神宮建設の時代を描く。

    なかなか中盤あたりまでは、非常に読み進めづらく何度も読むのをやめようかと思ったが、読後は心に残る一冊になった。

    瀬尾亮一が、明治神宮建立に直接関わったわけではない。が、中盤から徐々に湾曲的に明治天皇の生き様、また関わってきた国民の気持ちの移り変わりの
    さりげない描写が明治天皇のための人工林造営と重なりふわっとした優しい輪郭で“その時代”が描写されてあった。

    人工林がゆっくりと150年後、自然林となるように明治天皇の存在も作中では、序盤から中盤、終盤に至るなかで自然に存在感を増していった。

    これまで明治神宮とは、単に“名所”としての認識だったが、全国から献木が集まってきたあたりから静かに感動した。

    読後は、とにかく『明治神宮に行きたい!』これに尽きる。

    また読み終わってから、冒頭の明治天皇が東幸する冒頭シーンを読み返すとさらに感動する!

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    2020年07月26日
  • 残り者

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    幕末の江戸城明け渡しのなか、大奥に留まる5人の「残り者」がいた。
    明け渡しの際でそれぞれの立場、過去を絡ませながら大奥で勤めてきた誇りや大事にしてきたものを再確認する。大奥のドロドロしたイメージではなく、よもや現代に設定を置き換えてもすらすら読めるほど5人の勤め人としての矜恃を軽やかに描ぐ。

    最後の終わり方もほっこりとして、とても気持ちの良い終わりかた

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    2020年05月22日