朝井まかてのレビュー一覧
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大奥最後の日に残った5人の奥女中の会話で彩られる本作。
一人称である「りつ」の目線で物語が描かれるが、1つの会話から枝が広がり話題がコロコロと転がっていく。テンポは良くないのだが、この感じが「りつ」の控えめでありながらも思慮深く武家ならではの芯の強い性格を色濃く反映しており、また話の流れを崩さずに史実を読者に伝えていく形式が非常に上手い。
大奥でしか生きてこなかった人が急に外の世界に出される。加えて逆賊の一味という刻印を背負っていく。歴史を学ぶ際に彼女らの立場に立って考えたことはなかったが、非常に残酷で恐怖の状況である。それでも前に進まなければならない、皆同じ立場なのだから、と対局的に場を -
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ネタバレ2020/9/21
私もしぼると先生がいい人なのか悪い人なのか結論を付けられぬまま本を閉じた。
うーん…と思ってたけどでも、人ってそうやんな。
いいとこばかりの聖人もおらんし、極悪人にもたぶんいいとこはあるんやろう。
いい悪いの判定も人によって違うし。
先生は確かに妻子を愛してたし、草木も愛してた。
自然は制圧するもんやし、虫の声は雑音やから殺してしまえと思ってても。
思ったよりドライにいろんなものを諦めて捨てて行っても。
みんな連れて行けばいいと思ってたけど、そんな簡単にはいかないんだな。
友人付き合いしていた人や教え子のような人たちが死んだり失脚したりしてたのはどう思ってたのかな。
やぱん -
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明治天皇崩御に際し、渋沢栄一ら政財界人は神宮を帝都に創建すべしと主張するが、林学者の本郷高徳らは風土の適さぬ土地に森を造るのは不可能と反論し、大激論となる。
大衆紙の記者瀬尾亮一は神宮造営を調べる同僚に助力するうち、取材にのめり込んでいく・・・。
明治神宮造営という観点から明治時代がどのような時代だったかを紐解いていく物語。
かなり堅苦しい主題ですが、さすがは朝井まかてさん。
一般市民の記者という神宮造営の「外」の視点から専門的なことも噛み砕いてやわらかく語られていくので、読み手も興味をつないでどんどん読み進めていくことができます。
しかもこの主人公の亮一という男、記者という立場を利用して -
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うだつのあがらない東都タイムス記者の瀬尾亮一から始まる明治天皇崩御から明治神宮建設の時代を描く。
なかなか中盤あたりまでは、非常に読み進めづらく何度も読むのをやめようかと思ったが、読後は心に残る一冊になった。
瀬尾亮一が、明治神宮建立に直接関わったわけではない。が、中盤から徐々に湾曲的に明治天皇の生き様、また関わってきた国民の気持ちの移り変わりの
さりげない描写が明治天皇のための人工林造営と重なりふわっとした優しい輪郭で“その時代”が描写されてあった。
人工林がゆっくりと150年後、自然林となるように明治天皇の存在も作中では、序盤から中盤、終盤に至るなかで自然に存在感を増していった。
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朝井まかてのデビュー2作目。
江戸時代の植木職人の世界を描くという点では、1作目と共通しています。
大名屋敷が集まっている江戸では、庭園づくりに熱が入り、庭園都市になっていたというのが面白く、言われてみればなるほど、と。
江戸は千駄木町の「植辰」の親方に拾われた浮浪児のちゃら。名前もなかったが、ふとしたいきさつで「ちゃら」に。
高いところを飛び回って逃げる浮浪児に辰蔵親方が笑いかけ、植木屋の仕事は空に近い「空仕事」だと言ったのだ。
ひょうひょうとしているが、腕はいい親方と、兄弟子たち。
親方の娘のお百合はまだ15だけど、男所帯をしっかり取り仕切っていて、ぽんぽんと威勢がいい。年齢の近いちゃら -
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Tさんのお勧め。
江戸を舞台としていても、
どったんばったん捕り物だったり、
おどろおどろした、またひょろひょろした妖し物だったり。
それはそれで良い話だったりするのだが、
やはり人情物を忘れるわけにはいかない。
ちょっと大人の江戸物。
貧乏くさいお贔屓がついた役者、
神田祭を差配することになった家主、
やたらと大喰いの出戻り女、
看板の文字を書く筆。
一番好きだったのは「莫連あやめ」かな。
流行らない古着屋の娘。
着物やその着方を見ただけで、人となりがわかってしまうが、
近頃兄に嫁できて、よく出来た義姉にちょっとひねている。
そんなあやめが思いついた莫連流は、
若い女の子が男物を粋に着