朝井まかてのレビュー一覧
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江戸を舞台の、人情溢れる庶民の生活を描く、8つの短編。
ぞっこん・・・お互いがぞっこんになった“筆”と文字職人の歩み。
お上の動向に左右されながらも強かに生きる、人々の姿。
千両役者・・・大部屋役者の花六と、贔屓で通う辛子屋の太之助。
迎えるのは大どんでん返し。そして、一か八かの大博奕へ。
晴れ湯・・・湯屋の娘・お晴。好きな稼業を手伝う中、知るのは、
客の皆に愛される湯屋の事。父母の関係と自分への想い。
莫連あやめ・・・出来の良い兄嫁に心乱される古着屋のあやめだが、
親友を貶めた高慢な娘たちとの諍いが。それを救ったのは・・・。
福袋・・・大食漢で離縁された乾物屋・濱屋のお壱 -
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ネタバレ学校で習った歴史上の人物で、その後大きく評価が変わったのが田沼意次とこの徳川綱吉だと思う。
人間より犬の方を大事にする法律を作った暗愚な将軍、と習いましたが、それは当時の江戸の庶民レベルの評価だったようです。
戦国時代はすでに過去のものとなり、太平の時代を迎えているはずなのに、武士の意識だけが変わらずにいる。
そんな世の中を変えようと、武よりも文(法律)で世の中を統べようとする綱吉。
しかし、世間はそんな綱吉の思いを一向に理解することはなかった。
学校で習ったのは暗愚な将軍。
その後、将軍になった当初は善政を布いたが、その後民衆を顧みることなく「生類憐みの令」を発して庶民を苦しめた、とした -
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「草どん」と呼ばれる一本の草が子狐に話をせがまれ、次々と昔懐かしい民話や昔話を語る。
浦島太郎やおむすびころりんとか傘地蔵、かぐや姫や桃太郎も。童話本などで記憶にある話とは少し違い、朝井まかて風昔話集。
かと思っていたら、章の三で、雲上と雲下が交錯し、俄然様相が一変する。
この小説は、お伽噺を題材に、それらの話が現代では歪められたり、忘れ去られていくことへの著者の危機感を著したものだった。
作中人物に語らせる。
「今どき、薪割りや草履編みなんぞと言うても通じねえもの。年寄りも結局、子らの喜ぶ新しいもんを与えて機嫌を取る。若い者らに合わせるので、精一杯だ」
さらに、現代の精神的に余裕のない世情を