朝井まかてのレビュー一覧

  • 最悪の将軍

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    五代将軍綱吉と言えば、生類憐みの令で、評判が良くないのは広く知られているところ。
    その時代と、綱吉の真意は?
    新たな角度から描いた作品です。

    五代ともなれば世は穏やかで繁栄しているというイメージがありましたが。
    当初はそういう空気でもなく、過渡期だったのかもしれない。
    将軍になるとは思わずに育った綱吉は勉学好きで、理想主義者。
    戦国時代の荒々しさが残る世の中を憂い、命の大切さを説こうとしていた。
    動物愛護の精神まで先取りした先駆者だったのではないかという。
    そんな彼を理解していたのが正室の信子。公家の出で教養はあるが、大らかで形式ばってはいない女性。

    生類憐みの令は、跡継ぎに恵まれない綱吉が、母親の干支である犬を大切にすることで子が出来ると信じたという、今から見ればマザコンで、迷信に振り回されたという印象がありましたが。
    実は夫婦睦まじく、自立していたイメージに塗り替えられていて、感じよく読めます。
    ただそれが史実だったのかどうかは‥

    極端な政策に、人心を読めない面があったのは、否定できないところではないかと。
    その辺はガーッと通り過ぎていく描き方でした。
    御台所との関係も、仲がいい時期はあったかもしれないが、結末は悲劇に終わった説の方が説得力あるような気がします。

    ただ綱吉本人が本心目指したものは、高邁な理想だったのかもしれない。それはあり得ることでしょう。
    将軍の立場の難しさ、それは端からはわからないこと。
    政策も施行への段階のどこでどう歪んでしまうか。
    今も昔も、上に立つ者は意外と辛い?!

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    2024年01月20日
  • 福袋

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    久々に昨年末本屋さんに行って、お正月に読もうと思って買った「福袋」。
    朝井まかてさんは贔屓の作家なので、タイトルだけで...
    庶民の暮らしは切ないね、笑いのなかにも哀しさが溢れてる。

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    2024年01月13日
  • ボタニカ

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    牧野富太郎。すごい人がいたものだ。
    好きなことに情熱を注いで何もかも注ぎ込んで、周囲の犠牲的献身やサポートも吸い尽くしながらどんどん前進していく。誰もやらないことをやる人、偉人と奇人は紙一重だと思う。
    この人が自分の家族だったら、誇らしく思えるだろうか。嫌になってしまうかもしれない。
    彼を裏から表から支援して、彼の能力を発揮させてくれた人々に賛辞を送りたい。

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    2023年12月29日
  • 最悪の将軍

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    綱吉に対する見方が180度変わった。頭が硬すぎたのが悪かったのか。もっとABテスト回して良い悪い吟味しながら政策進められる世の中だったらなあ。

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    2023年12月03日
  • 朝星夜星

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    本格的な西洋料理店を起こした夫婦のお話。

    貧しい家に生まれたふたり。
    妻は幼い頃に女中奉公に出され。
    夫は酒に溺れた父親の代わりに少年の頃より、家計を支えた。
    外国船にのったり、下働きから文字も読めなかったが蘭語、英語、支那語を使えるようになり、料理を覚える。
    働き者で工夫をたやさない丈吉は、美味しい料理人となる。

    激動の幕末から明治の時代を、歴史の教科書に登場するような人々が客となり、友人となる。

    一代期。どちらかというと丈吉の妻である「おおおんな」のゆきが主人公。

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    2023年11月30日
  • ボタニカ

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    朝ドラの題材にもなった牧野富太郎の物語。好きなものに対してはどこまでもまっすぐで情熱的。でもそれ以外には無頓着。牧野博士の人間味あふれる人柄と粘りさと呆れ怒りながらも彼を見捨てない周りの人達の力強い人生に魅了されました。

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    2023年11月25日
  • 類

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    森鴎外の息子である類氏の生涯の物語である。
    父鴎外をパッパと呼んで愛し、なに不自由なく少年期を過ごし、父を失ったあと、画家を志してパリへ進学した青年期。そして戦争に終戦の昭和と、明治から平成の日本を生きた物語。
    類はずばぬけた画才も文才もないけれど、どちらの世界にも手を伸ばしたいと願い続けるけれども華々しい花が咲くことはない。けれどときどき原稿依頼などあるのであきらめきれずに生涯とりかかる。
    彼の生きた明治から令和まで。その克明な描写が全体をかたどった作品だ。
    キャラクターというより、その人が生きた背景を楽しむのに目がないかたにオススメです。

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    2023年11月12日
  • 朝星夜星

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    まかてが小説のネタにする人物と歴史にはいつも感嘆する。そして、その料理の仕方が格別だ。いい味を出して最後まで飽きさせず、一緒に時代を駆け抜けさせてくれる。

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    2023年10月30日
  • 朝星夜星

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    ネタバレ

    ボタニカを読んで
    頭で考えたりするミステリーや
    心が動かされてしまうほのぼの系や
    感動系の小説ではなく
    つらつらと文字と話だけを
    追いかけれる小説にはまってしまい、
    朝井先生のシリーズを手に取ってしまった。

    時代にもまれながら
    この人も一生を料理に支えた草尾丈吉さん。
    料理で日本を支え、そのうえ
    料理でたくさんの人を幸せにしてきた。

    妻のゆきも分からないながらも
    自分なりに夫と店を見事に支え、
    浮気にも肝の座った態度で受け流し
    さすがああああと
    ゆきをさらに好きになった。

    料理の描写も美味しそうで
    お料理系が好きな人は
    長いかもしれないけど
    ぜひ読んでみてほしいです

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    2023年10月25日
  • ボタニカ

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    ネタバレ

    植物そのものにまた世間の人が
    触れておらず名前の知らない草花が
    たくさんあった時代。

    これは何という名前だろう
    この花とこの花は似ているから
    同じ系統の花かもしれない
    それをこの牧野富太郎を筆頭に
    日本の植物図鑑がどんどん
    華やかに埋め込まれていった。

    植物を愛し、植物に愛された人
    己の探求心を生涯一度も止めることなく
    ただただ生えている草花を愛で
    解明を続けた人。

    私たちが今、花の名前を知ることができるのも
    すべてこの方のおかげだろう。

    この人の研究の裏で
    妻や子供が少しだけ犠牲に
    なってしまったのではないかなと
    母の目線で思わずにいられなかった。

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    2023年10月25日
  • ボタニカ

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    何かを成す人は何かに突き抜けている事が多いけれど、牧野富太郎さんはその最もたるものだなあ。と…笑
    自分勝手ともとれる行動の数々に、周囲の人の苦労を思って苦笑いしながら読んだ。私だったらこの人のそばにいるのは無理だなぁ。
    文体がとても読みやすい。

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    2023年10月21日
  • 類

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    中盤までなかなか読み進められず苦戦していましたが、類が困窮し、苦労し、人間味が増してからはスピードが急に加速。結論としてはとても面白かったです。

    結婚後、妻が老けたり、痩せたり太ったりするのは、夫の甲斐性のせい・・・ってことは逆も然り・・・

    いろいろ考えるところがありました。
    志げさん、好きです。茉莉さんも。美穂さんも。

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    2023年09月30日
  • 類

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    ああ、読み終わってしまった
    残りが少なくなるのを感じる度にあともう少しで終わってしまうと寂しくなった
    私は不勉強で、森鴎外氏も森類氏も詳しく知らない
    何となく、「椿姫」の人だったよなぁ位の知識だったため
    どんな人生だったのか、ネタバレもなく話しに入り込んでいった
    庭の描写では花が浮かび、食事の描写では色が浮かび
    パリの場面では一緒に歩いているような気さえした

    1人の青年の人生を読むというよりは
    近所で見ていた位の気持ち

    じっくりしっかりしみじみ読める一冊

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    2023年09月24日
  • 類

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    森鴎外の末子 類 を中心に、両親や兄姉が描かれる。雲の上の家族が少し近づいた感じ。
    今より”家”が重い時代、同じ家に生まれたいとは思わないなぁ私は。

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    2023年09月21日
  • グッドバイ

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    知人に薦めらめて初めて読む朝井まかてさんの作品。大浦慶の素敵な人生、幕末から明治の長崎での出来事、ワクワクしながら読み進みました、勘を磨け!の言葉は私にもビビッときた。他の作品も読みたい。

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    2023年09月19日
  • 類

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    森鴎外の家族のことは全く知りませんでした。父親の死後もお金には不自由なく生活していたのに戦争後は一転食うに困る困窮生活。こんな人もいたのかと驚き
    とともに晩年は苦労しながらも家族には恵まれてホッコリさせられる話でした。個性的な2人の姉の茉莉と杏奴の話も面白く、今度茉莉の本も読んでみたくなりました。

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    2023年09月18日
  • 類

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    なんだか先が気になって、読み進めてしまった。
    きっと、一人では生きてはいけないんじゃないかというくらい、頼りない主人公。
    でも不思議とどこかから手が差し伸べられて、手を引かれながら、歩んでいく感じ。
    類の考え方に「どうして〜」と歯痒く思いながらも、嫌な感じはなくついつい弟を見るような目で見守るように読んだ。
    どこまで史実に忠実なのかわからないけど、類の一番の幸運は、奥様の美穂さんと結婚して子宝に恵まれたことだろうなぁ、と思う。美穂さんはまさしく良妻賢母。自分も生まれの良いお嬢様のはずなのに、あの状況で家計をやりくりし(そもそもまともな収入ないのに…お金に無頓着な夫なのに…)家族に美味しいものを食べさせる努力を惜しまず、子供達を育て上げ、さらには夫が一人で贅沢をしていることを過度に咎めないなんて(一度本気で怒ってたけど)同じ主婦として尊敬しかない。と同時にこれがほんの数十年前までは、嫁に行った女性の当たり前の姿だったのかなぁ、とせつなくなり、「森類!もうちょっと美穂さんを気遣って!頑張って!」と声をかけたい気持ちになった。
    そして美穂さん亡き後は、子供達がかわりに父、森類を気にかけ、晩年まで支えている。
    どこか放っておけない人だったのかなぁ。

    あと、面白かったのは、そこかしこに出てくる草花の名前、昔ながらの色の呼び方、着物の柄など。
    全然わからないからネットで調べながら読んだんだけど、とても色彩豊かで楽しかった。

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    2023年09月14日
  • 類

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    森鴎外のことなんて何も知らなかったから凄く面白かった。
    類ちゃんの気持ち凄くよく分かる。
    お茉莉さんとは仲が戻って良かった。
    2人の書いた本読みたいな。

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    2023年07月31日
  • 福袋

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    時代小説短編集。暗い話はない。

    ① ぞっこん
     付喪神の話
    ②千両役者
     なかなか売れない役者と贔屓の唐辛子屋の話。
     これから…!って時に話終わっちゃう。
     なんかちょっと物足りない。
    ③晴れ湯
     目まぐるしく働く湯屋の一人娘の話。
     店の切り盛りと事件と家族関係と、みたいな
     朝ドラ的な話。綺麗な終わり方で良い。
    ④莫連あやめ
     女たちのファッションを絡めた争いの話。
     友情ファッション家族関係…いくつかの話が
     並行で進むけどどれもちょっと物足りなさがある。
    ⑤福袋
     大食い故に離縁され出戻った姉と欲深い弟の話。
     たくさん食べつつグルメの姉の食べっぷり楽しい。
     最後は弟に罰が降るし姉は大食を生かす職に就く。
    ⑥暮れ花火
     絵師と笑絵(春画)の話。
     今までの話とはちょっと雰囲気が違ってエロス。
     男に傷つけられた女が過去を乗り越えて
     誠実な男と新しい恋に進むみたいな話。
    ⑦後の祭
     江戸の大きな祭りを取り仕切る事になった町役人。
     祭りが始まるまでのドタバタと始まってからの
     賑やかなどんちゃん騒ぎ(一方運営は駆け回る)、
     そんな雰囲気に没入できて楽しい。
     最後には納得いかない。前半がいいだけに残念。
    ⑧ひってん
     自由気ままなその日暮らしの男の分岐点の話。
     ひょんなことから商売の才が芽を出し
     その日暮らしから立派な商人になる話だけど、
     なぜか寂しさや切なさみたいな、漠然とした
     もう戻らないあの日々を思わせる。
     貧しかったけどあの頃も楽しかったよねという。

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    2023年07月28日
  • 輪舞曲(新潮文庫)

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    今より女性が真っ直ぐに夢を追うのが難しい時代に女優という道を選んだ蘭奢と彼女を取り巻く男達の物語。
    世間の目も生活も厳しかったろうに、自分の才を信じて母や妻という肩書きを捨てた蘭奢のなんて強いこと、他の女性にはない輝きを持ってたからこそ、蘭奢と同じように才能や高い志を持った男達が彼女に惹かれていったんだろうなぁ。
    かなり脚色は加えられてると思うけど、かつての日本にこんな凛々しく強い生き方をしていた女性がいたのかという驚きとそれにも関わらず知名度が決して高いわけじゃないという驚き。
    個人的に夢声(敏雄)と蘭奢(繁)の関係性が1番すき。

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    2023年07月17日