橋本治のレビュー一覧

  • 幸いは降る星のごとく

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    女芸人不毛の時代から、女芸人ブームがやってくるまで。
    その時代を生き延びていった女芸人たちの物語。

    帯に、椿鬼奴さんが
    「主人公の女性芸人に、あの芸人に似てるな、
    あの後輩こういうとこあるな、わかる!と
    フンフン共感しました。」
    とコメントを寄せています。
    で、読んでいると、最後の方に
    「阿蘭陀おかね」という女芸人が登場するんですけれども、
    これは椿鬼奴さんをベースにして書いているんじゃないのかな、
    というキャラクターでした。

    主人公コンビのモンスーンパレスにしても、
    なんとなくですが、オアシズの二人が連想されて、
    まあ、もっと過剰にキャラクターを作り込んでいる感じですが、
    現実のお笑い業

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    2020年01月07日
  • 雨の温州蜜柑姫

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    シリーズ最終巻。今回の主人公は醒井凉子で、彼女の人生を逆にたどることによって、「自由」を求めて格闘する彼女の「青春」がえがかれています。

    第2章は、26歳の凉子がお見合いで高階悠吉という男性に出会い、一目見たときから彼に強く魅かれながらも、母親の縫子によってセッティングされたお見合いという様式のもとで人生の一大事である結婚相手をきめてしまうことへの葛藤をおぼえる凉子の姿がえがかれます。

    第3章は、23歳の凉子がイギリスのオックスフォードに留学し、デビッド・ブラウニングという男性に出会うとともに、大学で学ぶことが自分にとってどのような意味をもつのかという問いに直面する凉子の苦闘が示されていま

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    2019年12月18日
  • 帰って来た桃尻娘

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    シリーズ第三弾。

    一年の浪人生活を経て、みごと早稲田大学に入学した玲奈が、ふたたびメイン・キャラクターを務めることになります。

    短い交際期間を経て破局となった松村唯史や、滝上圭介との恋によって高校時代とはまったくちがう女になった醒井凉子に対する玲奈の容赦のない啖呵は、著者のそれを思わせます。そんな彼女も、源一と磯村の関係を知ってショックを受け、その余波も収まらないあいだに大学で出会った「野草の会」というサークルの美少年・田中優の心の闇をのぞき込むような出来事に巻き込まれてしまいます。

    はじめはすこし読みづらいと感じた文体でしたが、さすがに三巻にもなるとすっかり慣れて、スピーディでアクロバ

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    2019年11月28日
  • 桃尻娘

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    シリーズ第一弾。

    橋本治のデビュー作で、女子高生の「桃尻娘」こと榊原玲奈をはじめ、「無花果少年」磯村薫、「瓜売小僧」木川田源一、「温州蜜柑姫」醒井凉子といった登場人物たちのリアルな語りと思考をトレースした文章でつづられており、著者の奇才っぷりがいかんなく発揮されている作品です。

    同時代の風俗をあつかった作品は賞味期限が短いのがつねで、本書も「だってサァ」「ほんとにィ」といった表記と登場人物のキャラクター造形に、ややつらいものを感じてしまうのも事実です。ただし、著者のエッセイでもしばしば語られる発想がゲイの源ちゃんの口から語られたり、高校三年生の文化祭での出来事に著者の実現できなかった夢を見

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    2019年11月28日
  • 勉強ができなくても恥ずかしくない

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    小学校に入学したケンタくんという少年が、学校での勉強や体育の授業になじむことができず、悩み苦しみながらも、自分で考えて自分の居場所を見つけていく物語です。

    著者の自伝的小説であり、著者の本をある程度読んでいる読者にとってはなじみのあるエピソードを多く見つけられるのではないかと思います。もちろん本書は小説であり創作ではあるものの、「橋本治」という知性がどのようにしてつくられたのかということに関心のある読者にとっても、おもしろい本です。元来は「ちくまプリマ―新書」で刊行された本なので、学校にどこかなじめないでいる中学生や高校生の読者にとってもたのしんで読める作品だと思います。

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    2019年11月28日
  • 古典を読んでみましょう

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    「あとがき」には、「この本は、すでにちくま文庫から出ている『これで古典がよくわかる』という私の本の続篇というか、別ヴァージョンのようなものです」と書かれています。

    『これで古典がよくわかる』のほうは、古典文学を読むさいに留意しておくべき基本知識を、著者らしい軽妙な語り口で解説している本で、おもしろく読んだのですが、本書はそこまで親切ではありません。「まえがき」には、「私は、ただ「読んでみましょう」と言っているだけです」と述べられています。さらに次のような文章もみられます。「読んでみたら、意外とおもしろいかもしれません。なにかの形で、役に立つかもしれませんし、心を癒してくれるものと出会うかもし

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    2019年11月07日
  • いつまでも若いと思うなよ

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    橋本治流の「老いのリアル」についての報告と考察です。

    著者は以前『橋本治の思考論理学―考えるワシ』(マドラ出版)で「ハゲ」についての思索を展開しており、そこでは著者の「中年」論をうかがうことができましたが、本書はそれにつづく「老人」論というべき内容です。
    著者がバブル期に多額の借金を抱え込むことになり、その後仕事に追われつづけてきたということは、あちこちで書かれていますが、本書でもその経緯が振り替えられるとともに、その後難病に罹患し、老いに向きあわなければならなくなったこと、そのなかではじめて気づいたことなどが綴られています。

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    2019年10月31日
  • 知性のテン覆 日本人がバカになってしまう構造

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    橋本治流の「反知性主義」についての考察です。ただし「あとがき」に「反知性主義を対象とする一本道のようではありながら、結局そうではありません。そうであるのかもしれませんが、書き手である私は素直な一本線を用意していません」と書かれているように、著者独自の視点からさまざまな議論が縦横無尽に繰り出されており、『「わからない」という方法』(集英社新書)以来比較的リーダビリティの高い書き方にシフトしていたように見える近年の著者の作品のなかでは、その意とするところをつかみにくいものに含まれるように感じました。

    本書がむずかしいと感じてしまう理由のひとつに、本書における「反知性主義」ということばが一般的な意

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    2019年10月31日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    季節の生江を表す二十四節気七十二候のうち春から夏の十二の候を題にして、十二人の作家の掌編集。
    七十二候のとらえかたが様々で、面白い。

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    2019年10月02日
  • 父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない

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    父権というけれど、必ずしも父親もしくは組織の統率者的ポジションにある人だけでなく、誠心誠意言葉を尽くして理解を求めることの難しさを考えさせられた気がした。人の集団って、空気や気分、なんとなくで動いてしまいがち。だから、そこの長みたいなエライ人は説明しなくていいし、そもそもできない。でも、今の社会を見ると、その説明できないことによってさまざまな軋轢を生じている。モリカケ問題とか、日大アメフト事件とかボクシング協会会長の件とかね。俺自身、説明って苦手だからなぁ。他人事としてではなく、自分事としてあれこれ考えた。

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    2019年09月27日
  • 思いつきで世界は進む ──「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと

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    橋本さんの本は久しぶりです。小冊子へのコラムをまとめたものなので、読みやすい反面、ちょっとウケを意識したような筆致のところもあるように感じられて・・・少々残念でした。とはいえ、橋本さん一流の着眼や発想はやはり勉強になります。

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    2019年08月31日
  • 橋本治と内田樹

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    橋本治と内田樹の対談を収録しています。

    もっぱら橋本を深く敬愛する内田が、橋本のすごさを引き出そうとしていますが、話をまとめようとする内田を振り切って、橋本が思いもかけない方向へと議論を拡散させていくために、けっきょくまとまりのつかないかたちで話がどんどん進んでいってしまうという印象があります。それをおもしろいと思うか、それとも散漫だと思うかで、評価が分かれそうです。

    橋本治を批評するひとがいないことを問題視する内田の主張は、おなじことを強く感じていた読者としては、あの内田ですら橋本治をつかまえることができずにいる本書の対談を読んで、いささか絶望的な気分にもなってしまいます。それでも、橋本

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    2019年08月13日
  • 「わからない」という方法

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    哲学めいた内容。前半は手編みのセーターの編み方の本をだしたことを引き合いに出している。後半は少し難しくなっている。

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    2019年08月12日
  • 父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない

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    世の中のどうしてこうなるんだ?というもやもやをわかりやすい言葉で解説してくれる方でした。この本もそう。亡くなられて、この先誰が私の疑問に答えてくれるのだろうと途方に暮れています。安らかにお休みください。

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    2019年07月18日
  • 橋本治のかけこみ人生相談

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    橋本治氏が人生相談に答えている。

    人生相談の本というのは,相談内容の中に突拍子もない相談が含まれているのが面白くて私の好きなジャンルでもあるのだけれど,この本も例外ではない。

    共感を呼ぶ相談もあるし,相談者が何を悩んでいるのかよくわからない相談もあるが,橋本はこれらひとつひとつに正面から向き合って回答をしている。彼の回答には人間に対する温かさと優しさがある。そのことが,この本の救いになっている。

    時を経て再び読み返したい本である。

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    2019年06月08日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    村田沙耶香さんがやっぱ面白かった。どうやったらこんな不思議で面白いこと思いつくんだろう。
    私は野生に返るといって家を出た姉と、女3人で暮らし人工授精で子どもを持とうとしている妹の話。ぽうという声。
    村田さんの作品が読めたので大満足です。

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    2019年05月29日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    二十四節気、七十二候テーマの12作。
    日々の変化や季節の移ろいを表す、その言葉の意味の楽しさにはっとする瞬間。
    流されるままの同じ日々だと見誤っているわたしへの気づきになればいいな。

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    2019年05月21日
  • 掌篇歳時記 春夏

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    12人の作家さんが旧暦の七十二候をテーマに執筆した小説集。春夏編。
    気になる作家さんが書いているので読んでみたかったのです。それに12人! 豪華執筆陣。装丁も綺麗ね。季節を表す言葉、日々の生活で変化を感じたこと、素敵で、自分の生活も日々に流されるだけでなく、自然の声に目を向けたくなりました。それぞれ短いですが、作家さんの色が出ていて楽しめました…際立っていたのは村田沙耶香さん、好み的には前半の方。

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    2019年05月17日
  • 上司は思いつきでものを言う

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    話が深く、能力のない私には理解できない文章だったかもしれない。読者が理解する能力がないかもしれないことをもう少し考えて書いてもらいたかったかな。
    上司が思いつきでものをいうときは呆れるといいというが、あくまでそれは部下が絶対的に正しいという前提だろうな。全て思いつきではないし、検討外れなことをいうのが上司というわけではないだろう。上司に期待して、上司ならおれの考えわかるだろうという態度で物事を進めるとこういうことが起こるのだろうな。上司は上司の役割があり、担当からすればおそらくお客さまなんだろうから、上司が判断しやすいように説明する必要はあるんだろうな。んー、よくわからなくなってきた。とりあえ

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    2019年04月21日
  • 橋本治のかけこみ人生相談

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    20190325 回答がすっきりしていて楽しい。相談相手の悩みを細かいところまで読み込んだ上での回答だからだと思う。残念ながらもう相談することはできないが自分の悩みにはきっとこんな風に回答してくれるだろうと思うのも楽しい。

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    2019年03月25日