橋本治のレビュー一覧
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ネタバレ民主主義の政治は、国民の頭のレベルをまともでかなり高いものと想定して、前提にしている。つまり、民主主義の社会に「バカな国民」は一人もいないことになっている。「その国の政治のレベルは、国民のレベルの反映」、愚かな政治家を選ぶのは国民の責任である。
「国家には二段階の歴史がある」
○国家を英訳 → 「nation」「state」
・「nation」(=国民)が表すのは、「国民国家」、すなわち「近代国家」。
・「state」(=「領土」) 国家は「領土の確保によって出来上がる」
○漢字でいうと
「國」… 「領地をぶきで守って、さらにこれを城壁で固める」 国防重視? -
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女の側からの視点で、
男の背中を描いた短篇集。
女性の側の心理がわからなくては、
この小説群は書けないです。
そして、愛憎が絡んでいるから、
なお、難しい表現なのでは?と思ってしまいますが、
著者の橋本さんはそんな苦労を一言もあとがきで発していない。
やっぱりこの小説を書いた50代の半ばになって、
わかることなのか、それとももっと若いころから
「わかっていた」ことなのか。
知りたいのはそのあたりでしたが、ようわかりまへん。
橋本さんは若い頃に『恋愛論』という本も書かれていて、
ぼくの本棚ににもたぶん復刻版なのかな、
それが積読になっています。
それを読めば、この謎は解き明かされるような気が -
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Posted by ブクログ
なんだかとりとめのない語りだなあと思って気乗りせずに読んでいたら、第六章「老いの貧苦」が驚きの内容。「余は如何にして貧となりしか」と題して億単位の借金を抱えることになった経緯が記されている。これだけでもすごいのだが、さらに、第七章「病気になる」では、免疫系の難病を発症し、それでもなお借金返済のために入退院を繰り返しながら働いていることが綴られていて、なんともまあ壮絶である。あるのだが、しかし、そこが橋本治であって、あっけらかんと、というか、飄々と、というか、形容に困るのだけれど独特の語り口なので、あらまあそうなの?という感じで読まされてしまう。
自分より十歳ほど年上の、いわゆる団塊の世代の方 -
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1991年におこなわれた、橋本治と中野翠の対談。昭和天皇の崩御から始まって、「昭和」という時代とそれを支えてきた世代に対する批評が展開されています。
本書の読み方は二つあって、一つは、中野の考えに橋本がえんえんと注釈をつけた本として読むやり方、もう一つは、橋本のえんえんと続く議論の結論を中野がスパーン! と明快に(若干キレ気味に)取り出して見せた本として読むやり方でしょう。個人的には、中野翠という人については「林真理子の亜流」というくらいの認識しかなかったので、橋本の手引きによる「中野翠入門」として読みました。
読者の目を引くポイントとしては、今の男の子の通過儀礼は「やっぱり男と寝るしかな -
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タイトルに惹かれて読んだ。
なるほどと思いつつも、話があちらこちらに飛んで、結局訳分からないメチャクチャな印象もある。ここまで頭がこんがらがるような本は、初めて読んだかもしれない。
・下=現場。上=会社
・会社は現場を収奪する。現場を痩せさせる。
会社は利潤を追求するために存在する組織。
現場と出会えなければ、会社は簡単に枯れる。
・最前線=現場=下からの風。
上司=組織のピラミッドの一部=下に部下、上に上司=現場と隔離=上からの風。
最大の問題は、現場と会社の分裂。最初は現場と会社は分裂していない。分裂すればするほど、官僚的な組織になる。
・会社には二つの風が吹 -
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あとがき(by橋本治)より
「今をときめく内田樹が橋本治と対談をしているのである。なにも知らない人がこれを聞いたら、「きっと、すごく重要なことを縦横無尽に語っているのだ」と勘違いしてしまうかもしれないが、この本には「重要なこと」なんかろくにない。なにしろ、この対談集の主たるテーマは、「橋本治」だからである。」
まさにそう、そう勘違いしてしまっていました。
基本的には、橋本治の盛大な自分語りの本。橋本治を大好きな内田樹に促されるままに、語る語る。そのための本だから良いんだけど、これを享受できるだけの橋本治愛は、いまの私にはまだなかった。読んだことのあるいくつかの本は全てとても面白かったのだけれ -
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漢文=難解なため知識階級
ひらがな=貴族女性文化
で、平安時代の衰退で武家社会になっていき、戦争ばっかりで漢文を解するがいなくなっちゃったから、仕方なくなく和漢混淆文が生まれた、と。論理的な文字である漢字を混ぜることで、比較的論理的な現代語に近づいたのね。平安時代の多義的で曖昧な仮名文化のまま発展しなくてよかったよ。
枕草子は現代的。
ファッション、上下あり。袴に。上は単衣、うちぎ、上着を着るもの。裾を出すのは最先端、今と同じ。それが、袴がなくなって、着流しとなる。
和漢混淆文は、愚管抄と平家物語から。平曲語りを言葉に直す。その分詳細が曖昧。勢い任せ。
和歌は多義性こそが重要。何を言いた -
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ネタバレ「美しい」と思う感覚はどこから来るのか。著者によると、「美しい」を感じるには「リラックスを実現させる人間関係」と、自分の所属するもの以上にいいものがあるという「外への憧れ」が必要とのこと。なんとなく分かる。そして、どういうわけか日本では「美しいが分かる人」は敗者との位置づけらしい。そうであれば、圧倒的な敗者にこそなりたいものだ。
橋本治はあまり読んだことがないので分からないのだけど、うねるような、伸縮するような文章が特徴なのか、思考の流れをそのまま文章にしたような感じと、言葉を多義的に使ったりしている部分とが少し読みにくかった。