橋本治のレビュー一覧
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瀬戸内寂聴さんの無常ーどん底は続かないの中で、私たちはどんな不幸の中でも決して絶望してはならない。暗闇の空に希望の星を見出す力を人間は与えたれてこれまで生きてきた。被災者の皆様の御苦労と悲痛な体験を思うたび、いたたまれない。一年数ヶ月経ち、復興への思いやる気持ち、支援が薄くなっている状況に思われます。思いをこれからも被災地にもち続ける事が大切な一人一人の人生に繋がることだと思います。養老孟司さんの精神の復興需要の中では、生きていれば、さまざまな悪いことが起こる。悪いことがあると人は無理やりに色々なことを学べる。いいことというのは、その時点がピークで、そこから学ぶということはないと言っている。
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東日本大震災から1年4ヶ月が経った。震災直後は、関東に住む人間も、東北の痛みを分かち合い、譲り合って生きているように見えた。しかし、いまその風潮はなくなり、震災前と同じような風潮になっているのではないか。そんな疑問からこの本を読んだ。
この本は震災から3ヶ月後に出版された。茂木健一郎、養老孟司など9人が、当時の気持ちと復興に必要な精神性を述べている。
共通しているのは、私たち日本人が今までの概念を変えなければならないと主張している点だ。今まで、私たちは利便性を求め、経済を最優先し、進んできた。その結果が福島原発の事故につながっている。
未曾有の大震災を粛々と受け止め、譲り合い、分かち合う日本人 -
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【概要】
「わからないからやらない」は「わからない=恥」という認識や,一度「わかった」ゴールに辿り着いた経験から面倒臭さを感じているから.
しかし,「わからない」時,人はそれまでの肩書き・虚栄心を捨て,何事かに立ち向かわなければならない.「わからない」を方法にするとは,何も有効な方法がなく「仕方なし」の状態であって,つまり,「覚悟する」ということである.
「わからない→わかる」というプロセスは「わからない」を掘り起こし,「できない自分」を探し,「至るべきゴール」を明確かつ具体的に把握すること.決して「わかる・できる」を拾い集めることではない.
しかし,脳は「知っているができない」レベルま -
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ネタバレ「美しい」がわかる、ということを筆者は「美しい」を個人が発見することと定義する。つまりいろいろな「美しさ」を知識として知っているのではなく、物事を見たり触れたりしたときに「美しい」と個別にはっ発見する能力について考察している。
著者の幼体験からは青空ではなく台風のときの激しく動き続ける雲であったり、一日遊んだ後の夕焼けだったりする。
さらには「徒然草」が「枕草子」よりも圧倒的につまらないのは吉田兼好が「美しい」を自分で発見できないつまらない中年男だったから、と身も蓋もない分析を行う。このくだりが非常に面白い。
最後に杜甫の「春望」から冒頭の「国破れて山河在り」を引いて結んでいる。「世界は -
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ネタバレ大河に触発されて『双調平家物語』を読むつもりだったのだけれど手軽さに惹かれてまずこちらから。
読みかけの清張古代史と時代がかぶるので丁度よかった。
飛鳥・奈良時代は数多くの女帝が即位した時代である。
なぜこのような状況が生まれたのか。
そしてなぜこの状況はこの時代(孝謙天皇)以後女帝は絶えたのかと、現代日本の構図と照らし合わせて紹介するもの。
持統天皇=中小企業の社長夫人 とか
孝謙天皇=キャリア官僚目指して英才教育受けた東大エリートってくくりは非常にわかりやすい。
読んでいた『偽りの大化改新』を思い出した。
結局の所、平安時代の院政の基礎となるものは奈良時代に確立されていて、それが男達に