橋本治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
知的6
かかった時間65分
国家について考える新書。ちくまプリマーは大好きだ。
さて、本書は国家の2つの定義や成立までの歴史、その浅さなんかを述べたのち、最後の部分でナショナリズムについて語る。曰く、国家の危機に国家主義が台頭して独裁的な体制が望まれ、生まれやすくなる、と。
また、憲法がほんらい君主や政治的代表者の独裁を防ぐものであるとし、憲法改正の危険についても述べている。もちろん、ちくまプリマーなので、むしろ国民国家の人間として、一人ひとりが考えて政治に参加する重要性を強調する形で、だけど。
正直、前半はどちらかといえば大人には冗長だったが、後半の「アツさ」のようなものは、たしかによか -
Posted by ブクログ
ネタバレ内田樹の「私の身体は頭がいい」つながりで読んでみた。本人が言うように確かに話がくどいが、結論はオイラの期待を裏切らないものだったのでホッとした。でも、まさか最後のページでまとめてくるとは思わなかった。下手したら結論はあとがきになるところだったのではないだろうか。身体と経験と友人。なるほどである。
脳味噌を過大評価しちゃいけないね。情報収集は全部身体がしてるんだし、現場のことは身体がいちばんよくわかっているというのは面白い。職場を例えにしたところも納得だ。
桃尻娘シリーズをきっかけにファンになったけど、もう30年くらい前のことだ。テレビドラマにもなっていたけど、もう一度観たいなぁ。ビデオに -
Posted by ブクログ
ひさびさの橋本治。相変わらずのらりくらり話と話をつなげていきます。テーマは反知性主義について。BREXIT、トランプ大統領、フランス大統領選、そして東京の都民ファーストの会の大勝…世界中そこかしこに溢れ出る傾向を主義主張ではなくて「かつて持っていた自分の優越を崩されたことによる不機嫌さ」という「気分」なのである、と指摘します。戦後昭和平成21世紀の時の流れに著者自身の実感を重ね合わせつつ思いつくままに話題を飛躍させながら、でも極めて誠実に論を積み上げてその気分を捕まえようとする試みが本書です。とても平明なのにかなり難解な本で「いま起こっていることはそういうことなんだろうな…」というやっぱり気分