橋本治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こんなタイトルの本、誰が買うんだろうか?
自分は、橋本治の新刊だからということで購入したけど、橋本治を知らない・興味ない層を除けば、後は「本気で」将来の日本を憂いている中年のおじさまくらいしか購入しないだろう。
それはさておき、「日本の行く道」。
個別に見ていけば、確かに具体的に「日本」というものを検討しているように見えなくもないが、総論として考えると、「日本の行く道」というよりも、「橋本治」の思考法を、「日本」という題材を通じて、披露しているだけのような気がしてならない。
それがどういう思考法なのかって説明するのはなかなか難しいけど。
まあこれが氏の文章の醍醐味なんだけど、非常に癖のあるくどい文章なので、何冊か読まないと慣れない。
前半の「いじめ」から発展させた考察はとても面白かった。今現在の「いじめ」と、1960年代あたりまでの「いじめ」との決定的な違いをうまく説明できるのは日本では橋本治くらいではないか。
産業革命あたりの話からは雲行きが怪しく、話がぶっ飛び過ぎているような気がして、読んでて多少苦しかった。
しかし、人文系の作家ならではとも言えるけど、氏が”ホントにこのままいけいけドンドンの進歩でいいのかよ?少しは頭使おうよ”と疑義を呈した意味は大きいとは思う。まあだからと言ってどうすりゃいいんだろう・・って感じですが。
(2008年01月06日) -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
この本はサラリーマン社会の閉塞を嘆じるものではありません。
「上司は思いつきでものを言う」ということが、なぜ起こってきたのかを、儒教の伝来まで遡り、とてもスリリングに解剖していく本です。
日本の男たちが、なぜ戦国時代と幕末維新の時代ものが好きなのか。
こんな「なぜ」も見えてきます。
そして、では日本はどうするのか―「現場」の声を聞く能力の復活に向けて、上司のみなさんにも、上司でないみなさんにも、懇切丁寧な今後の道中案内の書であります。
[ 目次 ]
第1章 上司は思いつきでものを言う(「思いつきでものを言う」を考えるために いよいよ「上司は思いつきでものを言う」 ほか)
第2章 会社というもの(誰が上司に思いつきでものを言わせるのか 上司は故郷に帰れない ほか)
第3章 「下から上へ」がない組織(景気が悪くなった時、会社の抱える問題は表面化する 「下から上へ」がない組織 ほか)
第4章 「上司でなにが悪い」とお思いのあなたへ(「上司はえらくて部下はえらくない」というイデオロギー 儒教―忘れられた常識 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
従うべき理論がなくなって、どう生きて行けばいいか分からなくなった日本人は、「勝ったか、負けたか」の結果で判断するしかなくなった―本書は、こんな “腑に落ちる”話から始まります。
そして、「生きることが幸福でありたいという感情。
これこそが経済という人間行為の本質ではなかろうか」と、一筋の光明に向かって、力強く語り始めます。
乱世の時代に対する、著者からの「解」がぎっしり詰まってます。
[ 目次 ]
第1章 乱世と勝ち組(「勝ち組・負け組」の原理 「乱世」を考える)
第2章 たった一つの価値観に抗する(隠されたトリック 「勝ち組」という基準を持ち出した人達 ほか)
第3章 悲しき経済(経済とはなにか 誰かが考えてくれる経済 ほか)
第4章 どう生きてったらいいんだろう?(なんにも出来ない構造 どう生きてったらいいんだろう? ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
実際に読んでみると、掴み所のない本だった。
何しろ、著者自身がまともな構想もないままに
書き始め、思いのままにわずか2週間で書き上げてしまった本なのだ。
しかも、著者は東大の文学部卒のバリバリの文型人間。
著書は何度も大学の入試問題に出題されてたりする。
そんな人が『勝ち組負け組』を論じるから、
全く一筋縄ではいかない。
一つ一つの文章は平易なんだけど、
結論ありきでなく、著者自身が考えながら書いているような文章なので、
話は二転三転し、結局この人はどういう立場で何を一番言いたかったのか
と言うのがよくわからなかった。
とはいえ、『わからない』を連発するには、
経済の本質的な部分をよく洞察しているし、
全く数字を使わない(使えなかったのかもしれないが)説明の割には、
説得力もあった。
経済とは何か。今の経済を動かしているのは何か。
恐らく、この人のようなアプローチは他にはあるまい。 -
Posted by ブクログ
誕生日プレゼントで頂きました、ありがとうございました。
包みから出した瞬間、タイトルを見て、じわーっと心が温かくなりました。それは多分、今の私が求めてたものだったからかもしれません。
橋本治の短編は『蝶のゆくえ』、『夜』に引き続いて、この『生きる歓び』。「日本に一億の人間がいれば、一億の物語があるはずである」という橋本の発言には共感しますが、これまで私は自分の物語を紡ぐことに精一杯で、橋本の指摘するその点に、あまりにも無自覚だった気がします。
『生きる歓び』なんて、大層な名前だけど、日常を丹念に描いた作品には、読者にページをめくらす力を確かに秘めているものでした。甲乙つけがたい作品群ですが、やはり自分に照らし合わせて読んでしまうものには、惹かれるものがあります。「オレンジにはなれないみかん」という表現が多発する20代のOLを描いた「みかん」。70歳になる女性が女でなくなっていく様子を自覚していく過程を振り返る「あんぱん」は何度もかみ締めたくなるような作品だ。女性の心理描写をこのように描ききる橋本治という人間には感心するばかり。
橋本作品には必ず1作、同性愛を主題にした作品が収録されるんですが、その場合の微妙な心の揺れは彼の体験からきてんのかなあと想像しながら読みます。今回の「きりん」もその類の作品でした。
総体的に、久しぶりに小説と分類されるものを読み、懐かしいような気持ちでいます。 -
Posted by ブクログ
(本文抜粋)
「大不況が収束したらどうするのか」と考える−「その時に我々はどう生きる
のか」を考える。
経済の第一義は「グルグル回ること」です。
「我が身のありよう」を考えるのも大事なら、現実生活を維持するために働く
『金稼ぎ』も大事です。
「豊かになったら貧乏のあり方を取り入れて理解しろ」
「データ化する」ということは、つまり現実を捨象してしまう。
「1度は豊かになった者の困惑」
農業は、「限界」の存在を前提として成り立つものです。
本を読む上で一番重要なのが、「行間を読む」ことです。
これまでのあり方を振り返って、未来を検討する。
本というものは、「時間あたりの単価」が安くつくのです。 -
Posted by ブクログ
タイトルはセンセーショナル、でフランク。
が中身は軽いとは決して言えない。
面白かった。発見が多かった。けど、自分の中で、これって
こういう本だったってまとめることができないのは何故。
せめてあと10ページ増やしてまとめて欲しかった。
一般人の脳みそじゃ、あの話を立体的に組み立てることは
ちょい難しいぞ。と思うのだが。
特に儒教の話辺りからギブアップ気味でした。
新書でこれは珍しいかもしれないけど、この作家っぽい
自分の世界観築きすぎました的な感じが私は好きだけど。
悔しいのでもう一度読んでみようかしら。
橋本治の本も他にあれば読んでみよう。 -
Posted by ブクログ
言葉の遊び手、言葉の実験人。橋本治ってそういう印象がある。
そんな人が、尊敬・謙譲・丁寧語がどうやって形成されてきたのかを非常にわかりやすく書いている。
読み始めてすぐ、どうして私がこんな本を読もうと思ったのか判った。
私って敬語が上手く使えない。
というのは、本当は使える、使えるんだけど、使わない。
会社の偉い人とか、目上の人とかでも、実際かなりフランクな話し方をしてしまう。そのフランクさは知り合ってからの時間がたてばたつほど増してゆくんだけど、まぁそれは友達とかだと当たり前だけども。
で、そんな自分がちょっとヤだったというか、なんでこんな友達に対する話し方みたいな言葉を常務さんあたりに使っちゃうんだろうと、我ながら不思議に思っていてそのことが頭に引っかかっていたのですね。
で、この本を読んだらそのことの意味がきちんとわかった。
それから、よく喧嘩をしたときなんかに「そうですか、わかりました」なんて普段では絶対につかわないような丁寧な言い方をしてしまうってことが誰でも思うんだけど、あれが不思議だった。喧嘩しているのにどうしてその相手に丁寧な言葉を使うんだろうって。
で、そのことの意味もちゃんとわかった。
非常に面白かったけど、内容的にはもう少し濃くてもよかったかな。