【感想・ネタバレ】窯変 源氏物語1のレビュー

あらすじ

千年の時の窯で色を変え、光源氏が一人称で語り始めた――
原作の行間に秘められた心理的葛藤を読み込み、壮大な人間ドラマを構築した画期的現代語訳の誕生。

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Posted by ブクログ

友人から「源氏供養の、ここの場面間違ってない?!」と問われ、初心者ながら源氏好きを公言し、尚且つ橋本治先生は大好きなのになんと!源氏供養を読んでなかったと今更気が付く私・・・
日々、友人にお勧めされた本やミーハー本に追われて最近源氏関連本読んでいなかったなあと反省しました。
源氏供養を読むならその前に窯変再読せねば!と小さな一念発起、久々に全14巻窯変源氏に手を出すことを決意しました(大げさ・笑)。

久々に読んだ橋本源氏、やっぱり異質ですごいわ。
未だにこれを超える訳本は出てないと思っています。そもそも訳本という枠を超えている。

普通の源氏物語は、誰が訳していても光源氏が主役でありながら彼をめぐるまわりの女達にスポットをあてた物語に仕上がっていて、原文も、紫式部という女房の客観目線が主軸です。
そんな中本書は、一貫して光源氏の主観で物語が進みます。
何もかももってる光り輝く主人公ではなく、奪われたものに焦点を当て、それに対する不満や闇を抱え苦悩する、冷徹だけどまだ幼い光君が登場した時のインパクトは、何度も再読したはずなのにやっぱり衝撃的でした。
紫式部が描かなかった男目線の平安貴族の世界を再現し、ねちねち、くどくど、でも、これこそが当時の人間のありようだ!と私は信じています。。

1巻は桐壷~夕顔まで。
ゆっくり読んでいこうと思います。。

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2019年06月06日

Posted by ブクログ

全巻大人買いしちゃいました。まずは一冊目。とてもおもしろかったです。この本を初めて知ったのは遥か昔「小学六年生」という雑誌の付録小冊子で、荒俣宏さんが選ぶ百冊みたいな企画でした(チョイスがものすごく大人向けだった。「日々の泡」や「楢山節考」など。辛口チョイスで実に渋いです)。

手に取るまでには実に二十年(…)くらいかかりましたが、本当いいですね〜。原文は語り手不明ですが、この橋本源氏では光君の一人称という明快さです。何だか光君がとても著者に愛されてると思いました。橋本さん光君に萌えすぎというか。「雨夜の品定め」のシーンでは光君の少しシニカルなものの見方が女性的で興味深いです。

あと小君とのシーンが少女漫画的でいいですね。BLです(?)。空蝉の凡庸なれども頑なな存在感がリアルだなーと我が身に重ねて思いました。一般職の地味系OLさんみたいな。夕顔はかわいそうですが…。個人的には頭中将が大好きなので、彼が今後どれだけ活躍してくれるかを期待したいです。私は非常に好きな訳(?)ですね。源氏物語は女たちを通じて男たちが結びついている物語のように常々感じていたのですが、この本でも「頭中将は(中略)女から女へと渡り歩き、しかしその実、暗闇の中で女達の父親達と手を握る」という比喩があり唸りました。この時代、女性との付き合いは戦略的なものがありますね。続きが楽しみです。

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2012年05月19日

Posted by ブクログ

内容紹介:絢爛豪華で重てく難解で、でもやっぱりそこにあるのは人間のドラマで、千年前に、人はこんなにも豪華に現代の悲惨を演じていたという、そんな話。(「BOOKS」データベースより)

資料番号:011220944
請求記号:F/ ハシモ/ 1
資料区分:文庫・新書

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

文体に酔った。酔って最後まで読みきってしまった。深く考え込んでいるのでなければ人はシンプルに生きているもの。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

長いので一巻だけとりあえず。
源氏の現代語訳でも特殊なものの中のひとつですが、これが一番好きです。
光の君視点の、源氏。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

日本が誇る長編古典小説を、豪華絢爛にして残酷なまでに美しく蘇らせた『橋本版 源氏物語』
 幾多の『現代語訳』や、手を替え品を変えて描こうとも<橋本源氏>には及ばないとさえも思ってしまう。
紫式部が紡いだ<源氏物語>と、橋本治によって我々に語りかけてくる光の君によって語られる<源氏物語>、巧妙な舞台に圧倒される快感は麻薬的。 
ヒトが生み出すドラマの容赦なさを、確信的な微笑みで…抗うことの敵わない魅力ともに「如何?」と、優雅に差し出されて…迂闊にも、わたしはしっかりと彼の手を掴んでしまったのだ。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

紫式部の源氏物語の筋は変えず、物語はすべて光源氏の一人称で語られるという、珍しいタイプの源氏物語です。この作品は、それだけで現代小説として成立しており、古文を忠実に訳した文章のような違和感がありません。源氏物語の現代語訳を読むのに挫折した人にもおすすめです。

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2019年01月19日

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今更ながら源氏物語にチャレンジすることにしたが、潤一郎
訳の前に、読み易さの点からこちらのシリーズからスタート。

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2016年05月29日

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気障でいけすかない源氏。ほぼ中二病です。橋本源氏は源氏の一人語りでお話が進行しますが、文末全てに「フッ、参っちゃうよなァー!」を付け足して読むのがお約束。

危うさを感じさせる程の美貌、全ての才に秀で、帝の子でありながら愛ゆえに臣下に降された境遇。潔癖だった思春期には、最低野郎としか思えなかった光の君ですが、今読むとなかなかに痛くて宜しい。

なにより、当時の「通い婚」文化が案外魅力的に思えてくるから不思議。
この巻には桐壺、帚木、空蝉、夕顔が収録されております。源氏出生から17歳まで。

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2013年08月16日

Posted by ブクログ

桐壷、帚木、空蝉、夕顔が収録さるています。
光源氏の一人称で読みやすかったです。藤壷との恋が切なくてグッときます。

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2010年10月31日

Posted by ブクログ

新しい切り口の『源氏物語』。
いやこれエロいだけ…

寂聴源氏は女性の、それも年のいった女性によるものなので、
若くてギンギラギンしたナイスガイにはこっちのが向いています。
ヘンタイならより効果的です

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2009年11月12日

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「女人」を入れたのでこちらも。「女性の物語」である源氏物語に男性視点で切り込んだ斬新な解釈が面白い。

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2009年10月04日

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「美とは、この貴族社会をも揺るがす力にございます」ってグ伝の光源氏が言ってた!
しかし13巻もあるのか。

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2024年02月15日

Posted by ブクログ

橋本治氏は70年代の「桃尻娘」、80年代の「桃尻語訳枕草子」で話題になった。特に後者の作品が出たときには、ちょっとした日本古典ブームも起きたと思う。
そして90年代には「窯変源氏物語」が出た。
この作品が出た頃、新刊の1巻を購入して読もうとしたのだが、数ページを読んで挫折した記憶がある。
今回はそのリベンジ。歳をとると(?)、昔挫折してしまった本に改めて挑戦したくなってしまう。
実は学生時代は古典が嫌いで、源氏物語も枕草子も徒然草もほとんど読まなかった。源氏物語といえば「あさきゆめみし」という大和和紀さんの漫画が有名だが、それも読まなかった。なので全くの初見でよむ橋本治版「源氏物語」。
他を読んでいないから、橋本版の特徴として知っているのは、光源氏の一人称として語られていること。確かに出だしから光源氏のモノローグがすごくて、これって本当に古典?という感じが強い。ちょっとそれに圧され気味。本当にこの勢いで最後まで読み続けられるのか?怖気付きそうな予感も感じつつ、今年1年かけて最後まで読んでいきたい。

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2021年03月28日

Posted by ブクログ

 与謝野源氏、円地源氏、瀬戸内源氏、田辺源氏・・・どれも面白くなかった。どれもできるだけ正確に現代語訳しようとしているから無理が出る。
 この本は橋本の「印象」で描かれているので実に読みやすい。
 完全読破できる自信はないけど・・・

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2018年11月04日

Posted by ブクログ

無学で恥ずかしいけど、間違って殺してしまったの?まさかそんな話があるとは思わなかった。古文でむずかしいのかと思っていたけど、生身の人間の話だったんだと今更びっくり。

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2018年03月07日

Posted by ブクログ

源氏物語を光君という『男性の視点』で書いている。今まで読んだ源氏物語の中では一番好き。4巻までしか持ってない(´・ω・`)

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2010年04月03日

Posted by ブクログ

華麗で豪華で悩ましい日本語の洪水に飲み込まれその勢いに圧倒されて中途挫折した『橋本源氏』

悔しい。いつか挑戦してやると思いつつ。

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2009年10月04日

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