橋本治のレビュー一覧

  • たとえ世界が終わっても その先の日本を生きる君たちへ

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    序章,第一章まで読んだ.面白い!(2007年)再度読み始める.第6章にまとめの部分があり、全体の把握に最適だ.この先、どうしたらいいのか? の解答として、"まずは日本人が天動説から地動説に戻って、「自分たちが社会の上に乗っかって動いている」という謙虚な意識を取り戻さないと「心のある論理」は生まれてこない.(p217)" がエッセンスだと感じた.ここでいう天動説は、80年代以降の現象を要約した概念だ."もう豊かな社会が出来上がってしまっている.それが当然の環境で育った若い人は、自分たちが汗水垂らして社会を作ろうなんて意識はなくなる.自分の幸せのために社会があるってい

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    2019年08月16日
  • いま私たちが考えるべきこと(新潮文庫)

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    私達が瞬間的にたびたび考えることを言葉にしました、というような内容。これだけ巧みに言葉をつないで論理を形成していけるということに脱帽しました。

    後ろの方にある、「個性を伸ばす教育」のあたりは自分とほとんど考えていることが同じでびっくりしました。

    本当は「前から思っていたこと」なんじゃなくて、「「前から思っていた」と思っていたこと」なんでしょうね。優れた作家には「おれも同じこと考えていたよ」というような錯覚を促す力があります。

    他のレビューにあるように、確かに回りくどくて、抽象的な表現も多いのですが、自分の場合は橋本治に対する信頼が強いので、無理なく楽しく読めました。

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    2017年11月01日
  • いつまでも若いと思うなよ

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    これは、若い女性に向かって言った言葉ではなく、老いに向かっていく自分に対しての言葉。
    体は確実に老いていくのに、そして体は何度もその信号を送っているのに、脳がそれを認めない。

    人間というのは幼いころから成長曲線が右肩上がりで、いざ下り始めると、新しい出来事を記憶しにくくなってしまう。
    だから、若かったころの、できたときの自分の感覚で考えるから、齟齬を生じるらしい。
    子どもの運動会に参加して転ぶのは、若いころにスポーツをしていたお父さんが多いのもそのせいだと聞いたことがある。
    頭は若い時の感覚で指令を出すけれど、体は全然追いつかないのだそうだ。

    “「自分」とは、アクのようなものだ。
    アク

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    2017年10月27日
  • いとも優雅な意地悪の教本

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    ネタバレ

    前著「知性の顛覆」で知性とモラルの関係について語り、今回も「暴力」と「意地悪」の違いから始まり、いつもの通りどんどん脱線しながら簡単に結論に行き着かない。この過程そのものが「巨大なる知性・思索」の結晶なのだけれど、自分にとっても、発達障害などの外来で子どもの行動分析にもとても役に立つ考察になっている。

    「言葉がなくなるとキレて暴力に走る」はその通りで、学校で友達に手を出してしまう子の多くは、言語性のIQが低い。人を罵倒する言葉は得てして2文字で、短い言葉の方が衝撃度が高いからなんてのは独特の思考回路で面白い。だから、暴力を避けるための知恵は、なるべく言葉を長くすること、なるほど! 「死ね」→

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    2017年09月24日
  • 知性のテン覆 日本人がバカになってしまう構造

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    ネタバレ

    とても大事なことが書かれている一冊である。
    一読では消化できないので、メモとする。

     日本の伝統芸能では自分を「消す」ものなのに対し、SNS時代の自分とはまず「出す」ものであるという変化。この変化が石原慎太郎の太陽の季節による「肉体=性欲の肯定」あたりにあるという話を見ると、今の後期高齢者の「マッチョな思想」が見えてくる。一方で、アプレゲール以前の近代日本文学は「自己主張できない」という現実を前にした苦悶を描いた。

    みんなが自己主張する時代に、自分のあり方が揺らいでしまうと、人は不機嫌になる。上昇志向はないが、優越性が「崩される」と考える。中流こそが差別を生む。自己主張を肯定する共和制はエ

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    2017年09月15日
  • 性のタブーのない日本

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    明治以前の日本社会には、性的モラル(道徳的規範、価値観)はあったが、性的タブー(許されない、非難されるべきこと)はなかった。

    題材として、『古事記』『源氏物語』や絵巻物、春画などが取り上げられ、それらが今風の言葉で冗談交じりに解説される。

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    2017年09月01日
  • 大江戸歌舞伎はこんなもの

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    歌舞伎だけでなく、「物語」を考える上で重要ですね。『江戸にフランス革命を』と共に考察したいがところですね。著者の作品に通していえることですが、読んでいる時は、わかった気がするのですが、深いので何回も読まないと残ってこないのが、現在の素直な感想ですね。知識、知見があればなとつくづく反省しますよ。

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    2017年02月23日
  • これで古典がよくわかる

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    源実朝のくだりが面白かった。
    古典というとどうしても私達とは遠い存在に思うけれど、当時の人々も同じように悩んだり喜んだりしながら書いていたのか、という当たり前だが見落としがちなことを再発見できた。
    とても読みやすい。
    入門に最適。

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    2017年02月04日
  • これで古典がよくわかる

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    平安時代の古典が現代日本人にわからないのは当たり前。かな漢字混じりの文章表現は長い年月をかけて男女の役割の垣根を超えて作り上げられてきたもので、ようやく鎌倉時代に徒然草で形になってきたもの。その途上で和歌はものすごく退廃的なまでの美を表現してみたり(新古今集)それを自己否定して万葉ぶってみたりする。

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    2017年01月01日
  • 巡礼(新潮文庫)

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    最初はゴミ屋敷の主人と近所の住民とのトラブルの話かと思ったら、ゴミ屋敷の一家の歴史が描かれていく。どんな人間にもそれまでに至る当然の過程があるのだが、普段見えない部分を掘り下げて、読者もそのストーリーに引きずり込まれていく。読み終わった後で読む前とは違う自分に気づかされる。

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    2016年12月22日
  • あなたの苦手な彼女について

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    自分はどこかに所属している。だからこそ自分の思いは受け入れられるはずだと思うからこそ、人は孤独を感じるのです。
    孤独とはつまり、自分はどこかに所属しているはずなのに、その所属が見つからないという思いだからです。
    我こう思うゆえに我あり。お前こう思うゆえに我なし

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    2016年11月10日
  • 国家を考えてみよう

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    国家とは、国民である。
    国家とは、領土である。
    国家について2つの考え方がある。
    言われてみれば、確かに。
    国家=国民とばかり思っていたが、過去の歴史を振り返れば、当時は領土という考えが当たり前であった。
    そればかりか、国家という概念さえなかったのである。
    国家とは何ぞやと著者の持論が展開される。
    まどろっこしさも感じてしまったが、国家について考えるというのはそういうことなのだろう。
    一種の哲学なのだ。
    国家について考えた後は、憲法につながっていく。

    紆余曲折を経てきた日本の歴史だが、現在は国家=国民である。しかし、現政権においてはむしろ国家=為政者というような状況が散見される。
    そんなこと

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    2016年07月17日
  • 蝶のゆくえ

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    6小品から成る短編集。一番最初の虐待の話がインパクト大きくて、これが全編にわたるようなら物凄い出来かも!?と思ったけど、最終的にはそれ以上の出会いはありませんでした。作者の小説は初体験だったけど、いわゆる”小さい声”に注目されているような、なかなか焦点の当たりにくいところがテーマとして取り上げられているように感じたし、好感の持てる内容でした。

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    2016年06月22日
  • 窯変 源氏物語1

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    今更ながら源氏物語にチャレンジすることにしたが、潤一郎
    訳の前に、読み易さの点からこちらのシリーズからスタート。

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    2016年05月29日
  • 性のタブーのない日本

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    日本人は性におおらかだと思う
    タブーはないがモラルはある
    恥の文化が熟成されていく過程である

    古代において子孫繁栄は願いであった
    性が生理生活だった
    政治組織が出来上がり直接表現する時代になっていく

    言葉の解釈表現が現代的でわかりやすい

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    2016年05月24日
  • 性のタブーのない日本

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    浮世絵の乳房の表現方法から,江戸時代の男はおっぱいは赤ちゃんが吸うもので性的な対象とみていなかったという説を唱えている.面白い視点だ.源氏物語に出てくる「女にて見ばや」という語句をベースに平安時代の男女関係を解説している第3章が面白かった.美男を見て"女だったらいいな.やっちゃうんだけど」と書く紫式部の茶目っ気もうなずけるが,男色が一般的だった時代があったことも驚きだ.西洋文化が入ってくる前の日本は性的におおらかだったことは確かだ."

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    2016年05月12日
  • その未来はどうなの?

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     橋本先生独特のトーンで、いつものような感じの評論?集。いつもどうもです。経済に関してのコメントが氏は特に秀逸ではないか、と感じる。
     200pくらいでちょっと物足りなさが残るが、また続編を読みたい。

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    2016年03月03日
  • 復興の精神

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    この本の企画がいいなと思った。
    有事のあとに、我々は何をするべきか、どう考えるか、、、ということを、新潮新書編集部が発したいというに対して著名人が正面から応えた…ものとなっています。

    養老孟司氏の著書は何冊か読んできていますが、この原稿だけでも氏の集大成のような感じさえしてしまうほど、明確で深みのある言葉だと感じました。

    また、普段のモヤモヤを南直哉さんの言葉によってスッキリできました。
    この両名が個人的にはとても面白かった。

    軽い気持ちで借りたけどすごく重みのある書だった。
    本当に、悩める学生たちに読んでほしい。

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    2015年11月17日
  • 上司は思いつきでものを言う

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    一章のみ読んだ。笑劇的だ。サラリーマン的にあるある満載。一体上司は俺に何を期待してるんだ!?と叫びそうになった経験がある方、必読です。

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    2015年09月22日
  • 大不況には本を読む

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    何とも不思議な本だ。読み始めの頃は『経済に明るくないないならこんな本書かなきゃいいのに』と感じたのだが、次第にこの著者は経済について書きたい訳ではないことがわかってきた。経済成長を前提とした社会システムや人々の思考様式では地球も経済活動ももたなくなっていて、ではどういう世の中にしたらいいのかを考えるために本でも読んでみましょうよ、ということらしい。特に共感を覚えたのは、生産量が地球に降り注ぐ太陽エネルギー量に制約される農業こそが経済活動のペースを決める基準となるべき、という点。sustainabilityの本質は農業だったのだ。
    ではどうしたらいいのか、という疑問には『本を読んで考えろ』としか

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    2015年09月20日