橋本治のレビュー一覧

  • 国家を考えてみよう

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    国家とは、国民である。
    国家とは、領土である。
    国家について2つの考え方がある。
    言われてみれば、確かに。
    国家=国民とばかり思っていたが、過去の歴史を振り返れば、当時は領土という考えが当たり前であった。
    そればかりか、国家という概念さえなかったのである。
    国家とは何ぞやと著者の持論が展開される。
    まどろっこしさも感じてしまったが、国家について考えるというのはそういうことなのだろう。
    一種の哲学なのだ。
    国家について考えた後は、憲法につながっていく。

    紆余曲折を経てきた日本の歴史だが、現在は国家=国民である。しかし、現政権においてはむしろ国家=為政者というような状況が散見される。
    そんなこと

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    2016年07月17日
  • 蝶のゆくえ

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    6小品から成る短編集。一番最初の虐待の話がインパクト大きくて、これが全編にわたるようなら物凄い出来かも!?と思ったけど、最終的にはそれ以上の出会いはありませんでした。作者の小説は初体験だったけど、いわゆる”小さい声”に注目されているような、なかなか焦点の当たりにくいところがテーマとして取り上げられているように感じたし、好感の持てる内容でした。

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    2016年06月22日
  • 窯変 源氏物語1

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    今更ながら源氏物語にチャレンジすることにしたが、潤一郎
    訳の前に、読み易さの点からこちらのシリーズからスタート。

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    2016年05月29日
  • 性のタブーのない日本

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    日本人は性におおらかだと思う
    タブーはないがモラルはある
    恥の文化が熟成されていく過程である

    古代において子孫繁栄は願いであった
    性が生理生活だった
    政治組織が出来上がり直接表現する時代になっていく

    言葉の解釈表現が現代的でわかりやすい

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    2016年05月24日
  • 性のタブーのない日本

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    浮世絵の乳房の表現方法から,江戸時代の男はおっぱいは赤ちゃんが吸うもので性的な対象とみていなかったという説を唱えている.面白い視点だ.源氏物語に出てくる「女にて見ばや」という語句をベースに平安時代の男女関係を解説している第3章が面白かった.美男を見て"女だったらいいな.やっちゃうんだけど」と書く紫式部の茶目っ気もうなずけるが,男色が一般的だった時代があったことも驚きだ.西洋文化が入ってくる前の日本は性的におおらかだったことは確かだ."

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    2016年05月12日
  • その未来はどうなの?

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     橋本先生独特のトーンで、いつものような感じの評論?集。いつもどうもです。経済に関してのコメントが氏は特に秀逸ではないか、と感じる。
     200pくらいでちょっと物足りなさが残るが、また続編を読みたい。

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    2016年03月03日
  • 復興の精神

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    この本の企画がいいなと思った。
    有事のあとに、我々は何をするべきか、どう考えるか、、、ということを、新潮新書編集部が発したいというに対して著名人が正面から応えた…ものとなっています。

    養老孟司氏の著書は何冊か読んできていますが、この原稿だけでも氏の集大成のような感じさえしてしまうほど、明確で深みのある言葉だと感じました。

    また、普段のモヤモヤを南直哉さんの言葉によってスッキリできました。
    この両名が個人的にはとても面白かった。

    軽い気持ちで借りたけどすごく重みのある書だった。
    本当に、悩める学生たちに読んでほしい。

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    2015年11月17日
  • 上司は思いつきでものを言う

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    一章のみ読んだ。笑劇的だ。サラリーマン的にあるある満載。一体上司は俺に何を期待してるんだ!?と叫びそうになった経験がある方、必読です。

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    2015年09月22日
  • 大不況には本を読む

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    何とも不思議な本だ。読み始めの頃は『経済に明るくないないならこんな本書かなきゃいいのに』と感じたのだが、次第にこの著者は経済について書きたい訳ではないことがわかってきた。経済成長を前提とした社会システムや人々の思考様式では地球も経済活動ももたなくなっていて、ではどういう世の中にしたらいいのかを考えるために本でも読んでみましょうよ、ということらしい。特に共感を覚えたのは、生産量が地球に降り注ぐ太陽エネルギー量に制約される農業こそが経済活動のペースを決める基準となるべき、という点。sustainabilityの本質は農業だったのだ。
    ではどうしたらいいのか、という疑問には『本を読んで考えろ』としか

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    2015年09月20日
  • 上司は思いつきでものを言う

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    橋本治で感心するのは、オリジナリティだ。自分のアタマでひねりだした文章であって、偽物くささがない。
    作家は出版社の仕出し業者であるから、会社の意思決定を行う組織の動力学についてもわかる、というのは腑に落ちた。

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    2018年10月21日
  • これで古典がよくわかる

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    どうして古典文学をむずかしいと感じてしまうのか、その理由を解き明かすことで、古典にアプローチする方法を語った本です。

    漢字かな交じりの日本語が、鎌倉時代、とくに兼好の『徒然草』あたりになってはじめて生まれたと、著者はいいます。それまでの日本語は、男性のための漢文と、女性のためのひらがなに、はっきりと区別されていました。漢文は「教養」であり、ひらがなは「感情を伝えるもの」であって、このニつは明確に分けられていました。日本人がふつうに「日本語の文章」を書き、それがじゅうぶんに自分の考えを伝えられるという事態は、まだ生まれていなかったのです。『源氏物語』に、玉蔓が物語を読んでいるのを見た源氏がフィ

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    2021年12月25日
  • 「三島由紀夫」とはなにものだったのか(新潮文庫)

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    誰かの言葉を借りない、筆者独自の三島論はとても説得力がある。
    切腹事件に振り回されて(幻惑されて)いないことも、当然なのですが爽快。

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    2015年05月26日
  • 失楽園の向こう側(小学館文庫)

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    「貧乏は正しい!」シリーズ(全5巻、小学館文庫)の続編とも言えるような内容の本です。

    バブル後の不況を「失われた十年」と呼ぶことがあります。しかしこの言葉には、本来あるべきものが「失われた」のであり、どこかに「奪って行った」犯人がいるかのようなニュアンスがあります。著者は、そうした考え方そのものを批判します。

    これまで多くの人びとは、「カイシャ」の中で生きていくことを当たり前のように考えていました。彼らは往々にして、同僚や上司という「身内」だけしか見ておらず、「カイシャ」の外にいる「他者」に目を向けようとしません。著者は、グローバル化によって「カイシャ」の外に貧困が広がりつつあるにもかかわ

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    2015年04月29日
  • 恋愛論 完全版

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    男性と女性を超えた存在、橋本治さんの恋愛論。自身の体験から、恋とは何かを語っています。恋愛はやっぱり個人的なものだと思うので、共感できたりできなかったりですが、ひとりの人の考え方が赤裸々に見えて、こういう考えもあるのかと興味深く読めます。男性でも女性でも書けなくて、橋本治にしか書けないであろう、恋愛論。

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    2015年03月01日
  • 人はなぜ「美しい」がわかるのか

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    同年代、というか、僕より年下の小説家さんで、津村記久子さんという人がいます。
    もう6年くらい前に友人に本を勧められたのがきっかけで、新刊が出るたびに愉しみに読んでいる、大好きな小説家さんです。
    その津村記久子さんが、橋本治さんの「人はなぜ「美しい」がわかるのか」について、
    「最近読んでとても面白かった」と昨年おっしゃっておられたのがきっかけで、この本、読んでみました。

    橋本治さんの、2014年の本。
    いわゆる新書本ですね。
    表題通り、どうして「美しい」という想いをひとは抱くのだろうか?というのがお話のはじまりです。
    なんですが…まあ、65歳も過ぎて、橋本治さん、知とことばの地平線を自由わがま

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    2015年01月07日
  • 巡礼(新潮文庫)

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    戦後の雰囲気で、語られなかったことが実はたくさんある。「3丁目の夕日」のようにいいところばかり語られているが、そうじゃないこともありる。3.11のことも片付いていないまま走っている今を見ているのかもしれない。
    自分のしていることが無意味であるかもしれないということをどこかで理解している。しかしそれを認めてしまったら一切が瓦解してしまう。それが抑圧された絶望。

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    2014年11月02日
  • ちゃんと話すための敬語の本

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    「敬語」は目上の人を尊敬するための言葉ではなく、人と人との間にある距離を確認して、人間関係をきちんと動かすための言葉であるという観点で書かれた本。
    特に、敬語というと、相手を敬う”尊敬語”と、自分をへりくだる”謙譲語”の使い方ばかり取り上げられてしまうが、実は相手のランクと関係ない”丁寧語”がきちんと使えることが必要だということに、改めて気づかされる。
    2人称呼称の歴史的変遷にもふれてあり、違った観点で敬語を考えるのには面白い本だと思う。

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    2014年10月21日
  • 虹のヲルゴオル

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    13人の映画女優の魅力を語る映画評。
    読み終わったあとは、橋本説にそって取り上げた映画を観たいと思う気持ちがわき上がってくる。
    もちろん橋本説は映画評のひとつであり、それだけが正しい見方とはならないんだけど、きっと映画を観ればそれぞれのヒロインの美しさが感じられ、それはこれまでに語ってこられた魅力とは違っていて、「美しい女性」というものの存在がオッサンである自分にも理解出来るんじゃないのかと思えるんだな。
    本当のところは知らないけれど、映画というものには、監督にも女優にも自分の背景を込めた思惑があって、だからこの映画を作った、この映画に出演したという「物語」を著者は書く。
    だから本書は橋本治が

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    2014年10月13日
  • 大不況には本を読む

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     タイトルからすると「読書のススメ」のようにも思えるが、内容としては橋本さんの思想を数年前の経済に当てはめたもの。「不況」を議論の端緒として「読書」をはじめとした教養論へと発展していく。

     現状、とくに政治や経済に対するアンチテーゼを産業の発展や歴史を絡めて論じている。よくありがちな「このままいくとヤバイよ」という指摘が主だったものだが、その過程で今の世の中の仕組みを解りやすく説明してくれているので、経済至上主義を肯定するにしても否定するにしても非常に有益な知識を得られる。出版時の2009年の状況よりも、選択肢がある程度変化している2014年現在のほうが実感を持ちやすいように思う。

     次々

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    2014年09月20日
  • 権力の日本人 双調平家物語ノート1

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    清盛は悪くないから、奈良時代の女帝、藤原家の成り立ち、壬申の乱以降の天智、天武の末裔達まで全てを解説。非常に分かり易い本。

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    2014年09月01日