橋本治のレビュー一覧
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もっと早くに読んでいればよかったと後悔した本。
流石は橋本治、現代の経済社会を解りやすく解説。特に室町幕府末期の状況と現代を重ねるあたりが、非常に納得。
また冒頭で、勝ち組・負け組の流行における、プロセスを紹介。勝ち組・負け組とは、単なる意識の変化にとどまらず、表現の平等性を揺るがす危険な社会の側面をあらわすという意見は慧眼!
2005年に書かれたものとは思えないくらい、小泉改革に対する冷静な分析も非常に鋭いところを突いている。
今後の中国経済におけるバブルとバブル崩壊の予想も、あたりそうで怖い。
もしかして・・・。
経済学初心者には、かなりオススメです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ職員室に呼ばれて、先生に「来たよ」と言うのか、「お召しによりまして参上仕りましてございます」と言うのか、どっちがどうなのかを考えましょうという本でした。
敬語は、人と人との「上下関係」や「距離」をしっかり認識し、TPOに応じて人間関係をスムーズに動かすためのものだと、改めて気づかされました。
「あなたとの上下関係はわかっていますよ」と示すのが尊敬語、謙譲語で、「あなたとは距離がありますよ」と示すのが丁寧語なのかなと感じました。
昔どおりに正しく使いすぎると時代劇みたいになりますが、社会人として重要な敬語。硬直的にならずに、現代版の敬語をスマートに使いこなしたいものです。 -
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ネタバレ三回目。自分の中で過渡期になると再読しだす本の一つ。
完全に自分の土俵での感想ですが…、
最近自分は「悲しい」とか「哀しい」という感情について気になっているのだけど、橋本さんは「孤独」についてどんなに言及しても「かなしい」という感情については言及しないんだなぁ…と思った。どことなく、「かなしい」と思うことを敗北のように捉えている気がする。
例えば、ラストに杜甫の詩について語っているのだけど、悲哀を感じさせるような言葉が語られてる部分を好きでは無さそうなところとか。
ただ、自分にとっては「かなしい」という気持ちと「美しい」という気持ちは不可分にひとしいようなところがあるので、逆にこ -
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ネタバレ「これから」をどう考えるか。3・11以降を生きる杖。
と、帯にあった通り、東日本大震災を経、これからをどう生きるかを9人が語っている。
養老孟:精神の復興需要が起きる
これを読みたくて買った一冊。いつもと違う養老センセ。スラスラとその思いのままに語り、面倒だから説明はヤメ、と突き放されるようないつもの文章よりも、ずっとずっと、静かでゆっくりとした口調で語られている。
「周りがうるさくなってくると静かにする。ブレーキをかける。そういう習性が身に付いているのです。」(本文より抜粋)という姿勢からきているのかもしれないが、意外なほどに、淡々と「これから」を語っていた。
「生きていれば、さまざま -
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ネタバレ[ 内容 ]
敬語ってむずかしいよね。
でも、その歴史や成り立ちがわかれば、いつのまにか大人の言葉が身についていく。
これさえ読めば、もう敬語なんかこわくない。
[ 目次 ]
「先生がいらっしゃった」と言いますか?
「ねェ、先生」はいけないのか?
敬語がはやらなくなったわけ
三種類の敬語
正しく使うとへんになる敬語
見上げれば尊いけど、見上げないと尊くない先生
「目上の人」ってどんな人?
「えらい人の世界」はたいへんだ
敬語ができあがった時代
尊敬したくない相手に「尊敬の敬語」を使う理由
えらい人はなぜ「先生」と呼ばれるのか
「えらい人」がえらそうなわけ
だれがだれやらわからない日本語
「え -
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捨てようと思って再読してしまったよ。改めて読むとめちゃくちゃ面白いなー。/以下適当なメモ。清少納言は、サブカル女子っぽい。自分に無駄な自信があり、うかれているかんじ。一方兼好法師は、サブカル女子が嫌いなオタ男子っぽい。知識としては、美しい物がわかってるんだけど、それをむやみやたらに好きとはいえないし、いう自信もない。なんで、まぁ自虐的に、どうせおれなんてとつぶやいている。/平安時代が、もう日本の文化の最高潮で、一番華やかで「美しい」ものを美しいと屈託なく言えた時代で、すでに鎌倉は、美しいを本当の意味で実感することはできないという意味では、ほぼ現代的だなぁとおもた。鎌倉リアリズムとはよくいったも
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ちょうど自分が生まれて2日後に行われた、池袋西武デパートでの講演をもとにした文章であるあたりに何か縁を感じないでもない。
・・・が、やはり普通に読んでいては、その理解の斜め上を行くので、ついていくのがなかなかキビしい。
だから、「この人は何を言いたいのか」という問いかけや、今まで自分が持ってきた偏見(らしきもの)その他もろもろはもはや捨て去って(捨て去ったつもりで)、感性を最大限にまで研ぎ澄ませて、でも友達と談笑してリラックスしている感じで読むのがよいかも。
僕はこれ都合二度手に取りましたが、二度目は読み方を変えてみました。
そうすれば何となくわかるかもしれません。
(あとがきにも書いてある