橋本治のレビュー一覧
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なんだかよくわからなかったけど面白かった。
後書きを読むと、まさに「よくわからないけど魅力的」でありたいと著者も思っていたようなので、これでいいのか。
*語り口はあまり整然としていない。
*豆知識的に、素直に「へ~」と思えることもたくさんあった。
*江戸時代と今とでは、根本的にものの考え方とか、そりゃあ違うよなあ、と再認識。そして、今の歌舞伎(観賞)の常識とされていることが、明治以降の常識でしかなかったりすることも、まあそりゃそうかあと認識。
*例えば、江戸時代には自我という意識がないから客観という視点もなくて、江戸の町人たちは、歴史というものを英雄たちのエピソード群として把握している、とか -
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正しい敬語とは何か?と考えるために必要な道具を教えてくれる本。
著者が考えまくる人だと伝わって来る。
敬語に限らず、考え方の本としても優秀。
以下、書の内容と、私の解釈が混ざり合ったレビュー。
教科書に載っている正しい敬語。
今の世界で、その正しい敬語を使う。
それは果たして正しいのか。
おかしいに決まってる。
「お召しによりまして
参上仕りましてございます。」
敬語は道具だ。
敬語は、離れた距離にいる人・モノとを繋ぐ。
距離を感じて選べば良い。
偉い人と尊敬できる人は違う。
敬語とは、偉い人には使わないといけないものなんだ。
例え、尊敬していなくても。
尊敬している人→
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Posted by ブクログ
ネタバレ読む人を選ぶ本である。五十歳代の男性なら、共感できるところが多いだろう。対談集だが、どちらかと言えば、橋本治が主で、内田樹が控えに回っているところが面白い。内田樹といえば、今や飛ぶ鳥を落とす勢いで、次々と本を出しまくっている超売れっ子である。
一方、橋本治はといえば、「背中の銀杏が泣いている。止めてくれるなおっかさん。」のポスターで売り出したことを知っている人が今どれだけいるだろうか。それよりも、『桃尻娘』や、その桃尻語で訳した『枕草子』に始まる日本の古典の現代語訳シリーズのほうが今では有名かも知れない。美術、歌舞伎にも造詣が深いマルチ・タレントとして異彩を放つ。
ではあるが、橋本の本はま -
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橋本治の言うことに納得させられてしまうことが多いのだが、これもそうだった。
個々の事柄はすでに知っていることでも(実際この本でも、日本書紀と続日本紀という基本中の基本文献に拠って論を展開している)、ちょっと違う視点から照射してみせることで、目から鱗の思いを抱かせる。
女帝は中継ぎなんかじゃない論は結構あるが、天皇の役割を果たせるからこそ中継ぎとして登用されたんだ、と言われて、確かに…(本命が若年で役割を果たせないからすぐに即位させられなかったんだもんね)。
蘇我氏の力が最大の時になぜ蘇我氏と血縁のない舒明の即位を認めたかとか、なぜ天智がなかなか天皇にならなかったかとか、通説などではモヤモヤして -
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あとがきを読んで驚いた。
橋本さん、面倒な病気で長く患っているらしい。
地に足のついた並じゃない知性とまっとうさをもった、
日本の知的財産と言ってもイイ人が
「気力が続かなくて物が書けない」というのは尋常じゃない。
その中でぽつぽつと書きすすめたこの本は、分量としては少ないが、
橋本治らしく、たくさんの示唆と、物を考え直すきっかけに溢れている。
「美人は権利になった」
「日本は結論ありきでスタートし、どうするの?ではなくどうなるの?で考える」
「民主主義という究極の政治形態が行き渡り、
何事も簡単に決まらないのは当然の流れ。
力でねじ伏せるこれまでの長い歴史の前提は崩れ、
強いリーダー不在→待 -
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橋本治は実ははじめて読んだのだけれど、すっごく読みやすくて、おもしろかった。
敗戦後から60年代まで、三人の娘と父親、ごく一般的な家族が、昭和の歴史とともに描かれていて、読みごたえがあった。「公職追放」とかはじめて知った。そういう知らなかった歴史や、あと、大学紛争とかなんとなく知ってる歴史についてもすごく興味深く読んだ。
年代的には、娘たちがわたしの親世代くらいなんだろうけど、ここで描かれている昭和の家族の感じがなんだかすごくよくわかって。父親との距離とか、親戚との関係とか。今とは家族ってものが全然違うような気もするのだけれど。今の若い人が読んだらどう思うのかなあ。
戦後の家族とはいっても、三