橋本治のレビュー一覧

  • ぼくらのSEX

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    橋本治の性愛論ですが、中高生向けのきちんとした性教育の本です。「セックスは恥ずかしいことではない」というごまかしがないところに好感が持てます。

    「男」として、あるいは「女」として、身体が成熟し、性的な関心を持つようになるプロセスを、「恋愛」や「性愛」という形で相手との関係を築いていくプロセスとして解説しています。

    ただ、自分が中高生のときにこの本を読んだとして、きちんと理解できただろうかと考えると、首を傾げざるをえませんが。やっぱり、とつぜん自分の身体の中に生じた「性欲」というものを、「自分」の問題としてしか理解しようとしていなかったなあ、と思ってしまいます。

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    2014年02月12日
  • 恋愛論

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    表題作の「恋愛論」のほか、3つのエッセイを収録し、カバー・デザインを手がけ、さらに「解説」まで著者本人が書いています。

    「気むずかしい赤胴鈴之助」は、ヒーローに憧れた少年時代の回想、「誰が彼女を殺したか?」は有吉佐和子論、「セーター騒動顛末紀」は『橋本治の手トリ足トリ男の編み物』を出版したことをめぐって、技術を自分の知識の中に上手く位置づけられないインテリに対して、身体を甘く見ているのではないかと批判したもの。

    そして表題作の「恋愛論」は、1985年の講演で、著者が自身の初恋(同性愛)を赤裸々に語っています。本書を読むまで、この人ほど人間が見えてしまっている人に、いったい恋愛ができるのだろ

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    2014年02月12日
  • 初夏の色

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    橋本治さんの著書はいつも難しくて理解し切れていない気がするが、この震災後の短編集はその描写が的確で吸い込まれ、わかる気がした。

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    2014年02月09日
  • 人はなぜ「美しい」がわかるのか

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    もう一度読み返したい本。
    よくわからないが、なんとなくわかる、と言った感じ。後半に行くに連れておもしろくなる。

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    2014年01月09日
  • これで古典がよくわかる

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    民族の思想のルーツは、その国の文字や「話し言葉」に現れるということから、このごろ古典の重要さを感じるようになった。言語学者や民俗学者の本を1冊読むのも骨が折れるのに、この入門書はサクサク読める。
     対象がこれから古典を学ぶ中高生向けだと思うので平易に書かれているのだけれど、その中でも『漢字しかない中国で、日常に起きたことをそのまま表現する日記のような文章を書き記すのは大変なことで、どうしても表現が「白髪三千丈」みたいに極端になってしまう』など、言葉の違いが根本的な考え方の違いに繋がるような本質的な筆者の指摘が新鮮だ。
     古典で和歌がらみになると途端に点が取れなくなった自分は、和歌の根本的な意義

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    2013年12月31日
  • 巡礼(新潮文庫)

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    「昔はあんな人じゃなかったよ」
    ゴミ屋敷に住む老人の一生。

    ゴミ集めが「無意味」な事は判っている。が、その無意味を指摘されたくなかった。

    自分が巡るあてもない場所を巡り歩いていた事。 会いたい人に会いたい。 そう思いながらの生涯はとても判る気がする。

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    2013年12月21日
  • 失楽園の向こう側(小学館文庫)

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    相変わらず目からウロコな洞察。
    「自分とは余りであり、自由とは2つの義務とセットとして存在する。友人の重要さは義務の中にある許しであり、自由の容認である。」というのを、愛のために2つか3つの丸を書いてみようとか肩の力を抜きながらもズバッと言ってのける。

    すごく共感したのは、「自己主張」についての言及。自己主張とは、他人の存在する日常の中で、相手に侵略されたり自分を埋没させないために行われる、「地道な」ものだということ。日本人は普段から自己主張することに慣れていないので、自己主張の「度合い」もわからない。ちょうどいい自己主張には「美意識」が必要で、その美意識を育てるには自己主張がノーマルに存在

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    2013年12月18日
  • これで古典がよくわかる

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    日本語の成り立ちについて言及してあり、なるほどと思った。
    物事を大づかみにとらえ、その骨格を浮き彫りにするのが上手い人。
    ほとんどの内容について納得したが、『源氏物語』の「いとやむごとなき際にはあらぬが」の「が」を同格でなく逆説でとらえているのが気になった。

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    2013年11月21日
  • 「わからない」という方法

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    こないだ読んだ『わかりあえないことから』に引き続き、
    「わからない」がどう方法になりえるのか、
    興味を持って読んだが、それはわからなかったのだ。

    しかし、新書を読みながらこんなにくすくす笑ったのは初めてだった。
    途中からの内容は、正直よくわからないことが多かったが、
    出だしから著者の脱力した文体に引きこまれて、最後まで一気に読んだ。

    「わからなくて、これでいいのだ」
    的な脱力感には、老子に通じる居心地の良さを感じた。

    あとがきにあるように、著者はからだを使って思考する人である。
    現代は多分に脳化しすぎていて、「俺には全てわかっている」という前提で話す人が多すぎる。
    そしてそういう人の話は

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    2015年03月03日
  • これで古典がよくわかる

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    ネタバレ

    これで古典が分かったか?と言われれば「?」ではあるが、
    古典の成り立ち、日本語の成り立ちなど、
    文学史の要素が大きい本であった。

    奈良時代には中国から伝来した『漢字』のみで文章、つまり漢文を書かなければならなくて、
    古事記や日本書紀は漢字のみ、万葉集も万葉がなが使われていたが、漢字のみ。
    どうしても堅苦しい感じが否めないし、読みづらい。

    そこから、万葉がなが変化していく中でひらがなが生まれ、
    分かりづらい漢文を読みやすくしようと、当時の学生が漢字の一部分を切り取ったことでカタカナが生まれ、
    それを補助的に用いた漢文書き下し文が生まれた。

    平安時代には漢文だけの文章とひらがなだけの文章が対

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    2013年11月13日
  • 初夏の色

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    「震災後」の小説。どれもすとんと腑に落ちた。震災後撒き散らされた粗雑で空疎な言葉に嫌悪感を抱いてきたが、言葉にはまだ力があると再確認できるような、心を潤してくれる1冊だった。

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    2013年11月11日
  • 大江戸歌舞伎はこんなもの

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    なんだかよくわからなかったけど面白かった。
    後書きを読むと、まさに「よくわからないけど魅力的」でありたいと著者も思っていたようなので、これでいいのか。

    *語り口はあまり整然としていない。
    *豆知識的に、素直に「へ~」と思えることもたくさんあった。
    *江戸時代と今とでは、根本的にものの考え方とか、そりゃあ違うよなあ、と再認識。そして、今の歌舞伎(観賞)の常識とされていることが、明治以降の常識でしかなかったりすることも、まあそりゃそうかあと認識。
    *例えば、江戸時代には自我という意識がないから客観という視点もなくて、江戸の町人たちは、歴史というものを英雄たちのエピソード群として把握している、とか

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    2013年10月11日
  • 上司は思いつきでものを言う

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    仕事人間になって早10年以上が過ぎ、知らぬ間に上司と呼ばれることも出てくる立場になってきた。こればかりは、なりたくないからといって回避できる訳でもなく、誰しもが否が応にも“上司”になっていく。でもやっぱりまだまだ上に文句言ってたいと思う自分と、それじゃダメ、しっかり下を引っ張れるようにならなきゃと思う自分と。上司になる前には上司じゃなかった自分がいた訳で、そのときの感覚を忘れないように上司を演じていけば、それなりにいいんじゃないか、と思います。ってこれ、この本の感想じゃないかも(苦笑)

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    2013年10月06日
  • 橋本治と内田樹

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    ネタバレ

    天才橋本治について、内田センセイが尋常ならざる興味を持って切り込んでいく、という体の対談。したがってこのタイトルはちょっとヘンだな、と思う。内田樹ミーツ橋本治なのである。どちらも世の常識からすると相当ヘンな人なのだが、やはり橋本治という人はどこか超越してしまっているような風格がある。人を食ったような、でもこれ天然なのかな?とかよくわからない。それでいてその言葉がしばしば本質を鋭く突いているように感じるから始末が悪い。データで説得しない説得力の最たるものではないだろうか。

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    2013年08月28日
  • 「三島由紀夫」とはなにものだったのか(新潮文庫)

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    三島由紀夫が死んだ時、それまで明確に信じられていた自己達成の道は、消え行く光を放つ不思議な幻想となり変わった。
    自分の想定した人生を認識することーこれこそが、三島由紀夫にとっての生きるだった。
    三島由紀夫はどこかで、自分の作品、そして自分の人生が、観念だけで作られた細工物のようだと感じていたのである。

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    2013年08月13日
  • 古事記

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    面白かったというより、興味深かったです。古事記を読むのは初めてだったけど、なんとも人間味溢れる神様たちにびっくりしました。なるほどなーと思うところもあれば、えっ?!と思わず読み返してしまうところもあり…笑
    もっと詳しく読み深めてみたいなと思わせるお話でした。
    でも神様の名前はどうしてあんなに長いのか…(T_T)

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    2013年07月23日
  • ちゃんと話すための敬語の本

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    正しい敬語とは何か?と考えるために必要な道具を教えてくれる本。
    著者が考えまくる人だと伝わって来る。
    敬語に限らず、考え方の本としても優秀。

    以下、書の内容と、私の解釈が混ざり合ったレビュー。

    教科書に載っている正しい敬語。
    今の世界で、その正しい敬語を使う。
    それは果たして正しいのか。
    おかしいに決まってる。
    「お召しによりまして
    参上仕りましてございます。」

    敬語は道具だ。
    敬語は、離れた距離にいる人・モノとを繋ぐ。
    距離を感じて選べば良い。

    偉い人と尊敬できる人は違う。
    敬語とは、偉い人には使わないといけないものなんだ。
    例え、尊敬していなくても。


    尊敬している人→

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    2013年07月21日
  • 双調平家物語3 近江の巻

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    不比等の興隆と天皇家。

    サラリーマン小説とも、企業小説とも読める。
    この時代に、日本人の感性の原形が出来たのかな。

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    2013年06月02日
  • 双調平家物語1 序の巻 飛鳥の巻

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    壮大な歴史絵巻、開幕の書。

    権力と栄華にとりつかれた人間の物語。
    期待を持たせる第一巻。この先の展開が楽しみ。

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    2013年06月02日
  • 窯変 源氏物語1

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    気障でいけすかない源氏。ほぼ中二病です。橋本源氏は源氏の一人語りでお話が進行しますが、文末全てに「フッ、参っちゃうよなァー!」を付け足して読むのがお約束。

    危うさを感じさせる程の美貌、全ての才に秀で、帝の子でありながら愛ゆえに臣下に降された境遇。潔癖だった思春期には、最低野郎としか思えなかった光の君ですが、今読むとなかなかに痛くて宜しい。

    なにより、当時の「通い婚」文化が案外魅力的に思えてくるから不思議。
    この巻には桐壺、帚木、空蝉、夕顔が収録されております。源氏出生から17歳まで。

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    2013年08月16日