【感想・ネタバレ】大江戸歌舞伎はこんなもののレビュー

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Posted by ブクログ 2020年10月11日

江戸の歌舞伎には、自分の人生を悩む孤独な男というのが、一人も出て来ません。なんで出て来ないのかと言えば、そんなもんに出て来られてもお話にならないからです。
悩む代わりに、すべては行動によって解決するという、単純なる身体主義だけがあります。ゴチャゴチャした構造の江戸の歌舞伎が、実はその一方でとてもいさ...続きを読むぎいいということを知って、大好きです。どうでもいいやですませてしまうのが、まず今日はこれぎりで終わってしまう江戸の歌舞伎、そういう決着のつけ方があるのかとショックでした。

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Posted by ブクログ 2017年02月23日

歌舞伎だけでなく、「物語」を考える上で重要ですね。『江戸にフランス革命を』と共に考察したいがところですね。著者の作品に通していえることですが、読んでいる時は、わかった気がするのですが、深いので何回も読まないと残ってこないのが、現在の素直な感想ですね。知識、知見があればなとつくづく反省しますよ。

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Posted by ブクログ 2013年10月11日

なんだかよくわからなかったけど面白かった。
後書きを読むと、まさに「よくわからないけど魅力的」でありたいと著者も思っていたようなので、これでいいのか。

*語り口はあまり整然としていない。
*豆知識的に、素直に「へ~」と思えることもたくさんあった。
*江戸時代と今とでは、根本的にものの考え方とか、そ...続きを読むりゃあ違うよなあ、と再認識。そして、今の歌舞伎(観賞)の常識とされていることが、明治以降の常識でしかなかったりすることも、まあそりゃそうかあと認識。
*例えば、江戸時代には自我という意識がないから客観という視点もなくて、江戸の町人たちは、歴史というものを英雄たちのエピソード群として把握している、とか。
*例えば、江戸時代の「創作」とは全く新しいものを創造することではなく、パロディ万歳、エピゴーネン(真似)であることを全く恐れないものであった、とか。太平記の時代に置き換えた「忠臣蔵」を、曽我兄弟の鎌倉時代初期の世界にさらに置き換えちゃって、それで上手くハマるかどうかが腕の見せどころ、という職人的な仕事なのである、とか。

歌舞伎に関して、「江戸の昔からこうでした!」みたいなことをうっかり語っちゃいけないな、と思いました。歌舞伎でなくても、「古式ゆかしき伝統だと思っていたけど意外と歴史は浅い」ものってある。
そしてその「意外と浅い歴史」の出発点で何が起こったのか、どのような経緯の結果を自分は「伝統」だと思い込んでいるのか、も知っておきたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年06月16日

歌舞伎の入門書のつもりで読み始めたら、とんでもない専門領域を扱っている本でした。著者もあとがきで「この本は私の中で一番読者を限定する本です」と書いています。
現代歌舞伎ではなく、誰も観た事のない江戸時代の歌舞伎論で、歌舞伎の知識のない私には、部分的には面白い処もありましたが、全体には掴みどころのない...続きを読む本でした。
歌舞伎が大好きで、書いてある場面をすぐに思い浮かべる事が出来ないと、読破するのが、大変です。

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Posted by ブクログ 2024年04月26日

江戸時代の歌舞伎について、著者ならではの観点から解説をおこなっている本です。

著者は、「定式という、いつもおんなじであるような決まった道具を使うことによって、それをいろいろ組み合わせて変えていく」ことで、さまざまな表現が可能になっていることに目を向けます。こうした理解にもとづいて、歌舞伎がたんなる...続きを読む「教養」に終わらず、一定のルールのもとで娯楽としての可能性を追求していたと説明します。

ただし「娯楽」といっても、江戸時代におけるそれは、現代のわれわれになじみの深い「娯楽」の理解とかならずしも同一ではありません。そのことは、「時代」と「世話」にまつわる著者の立ち入った解説によっても知ることができます。著者はこれらの概念について独自の解釈を展開しており、江戸の町人の時間感覚がアナクロニズムを前提にするものであったと述べています。近代劇のドラマトゥルギーになじんでいるわれわれにとって江戸の歌舞伎の内容やその受容の実態がわかりにくいのは、町人を中心とする遠近法のなかで時間感覚が成り立っているからだと述べています。そうした江戸の町人の時間感覚は、彼らの置かれていた社会的条件と密接にかかわるものであり、現代のわれわれにとっては合理性を欠くものに見えてしまうのです。

こうした著者の解釈が、江戸の歌舞伎の本質をどれほど正確にとらえたものなのかということは、わたくしには判断ができないのですが、「近世のドラマとは、結局何も起こらないものである」という見かたを押し出すことで、それと対比される近代のドラマの特異さについても考えさせられる内容だったように思います。

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Posted by ブクログ 2022年12月25日

 読み進めていってもさっぱりわからなかったが、あとがきで作者が、江戸の歌舞伎というのはなんだかわからないものなのだ、と書いていて少し安心した。
 そのなんだかわからないものに橋本はせまろうとしているわけだが、こちらは数えるほどしか歌舞伎を見ておらず、理解はしにくい。

p70:曾我兄弟は関東の人間な...続きを読むので江戸ではポピュラーだった。
94:11月には顔見世興行(契約が変わる)
 1月「二の替わり」
上方と江戸の違い。
 

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Posted by ブクログ 2013年05月15日

≪目次≫
第1章  歌舞伎の定式
第2章  江戸歌舞伎の専門用語
第3章  江戸歌舞伎と曽我兄弟
第4章  東と西と
第5章  江戸の時制ー時代世話
第6章  歌舞伎の時代錯誤と時代世話
第7章  顔見世狂言とは何か
第8章  顔見世狂言の定式
第9章  江戸歌舞伎と≪世界≫
第10章 江戸歌舞伎の...続きを読む反逆者達
第11章 江戸のウーマンリブ
第12章 江戸の予定調和

≪内容≫
本人も言う通り、とても難解です。ただ、わかったこと。歌舞伎は形=定式がすべてで、「見栄」を斬る=感情の爆発、である。かな?

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