橋本治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
誰でも読める簡単な新書が実はめちゃくちゃ深い話だった。
敬語が好きか嫌いかで言うと自分は嫌いで別に無くてもいいのになと思って使ってはいます。ただ使い方がどうのこうのではなくなぜ敬語が存在するのか敬語そのものに焦点を当てた話になってます。結論から言えば敬語は古典の時代それこそ身分で分けられた時代からある言葉で人との心理的な距離感を演出しているのにすぎないのかなと思いました。尊敬しているからとか能力が高いから低いからなどの相手ベースではなく自分のために敬語を使うことができる、そんなメッセージ性の強いお話しでした。
敬語は相手のためではなく自分のために人間関係の効率化を図る道具だと思えたら少しは好 -
Posted by ブクログ
読んでいて自分は理解できているのか、わかって読んでいるのか、文字の羅列を追っているだけじゃないかと不安になった。途中で(芸能知識的に)わからない例が出てきてわかならいと思う部分があるなら他はわかってるのか、よかった。と思った。要するに、「知っているか知らないか」「知らないと判断できない」と言うところかと思う。人は全てを知らないくせに全てを知ったかのように何かを好きだと言う。判断材料が揃った思えるかどうかは人それぞれではあるが…。みたいなぐるぐるする思考回路を本にしたような読み物。よく言語化できたな…と驚く。国語の問題に話が面白かった。小学生の時から疑問だった。同じ事考えてる人がいて嬉しかった。
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Posted by ブクログ
上巻に続いて読む。すでに満腹なんだけど、上巻にあった話が更に深く掘り進められて個所もあり、やっぱり橋本さん凄いわ。
盛り沢山なんだけど、上巻と同じく自分の忘備録として箇条書きにする。
・夕霧に対する光について「自分のことは棚に上げて」と花散里に云わせておいて、「実は意外なほど何もおしゃらなかった」とある。つまり、光源氏は息子をよその女に取られたくなくてつまらない嫉妬をしている。その後、六条の院での女だけの演奏会に夕霧を臨席させる。橋本さんは息子に自分の妻を「許す」ような態度をとっていると読み解く。
・春夏秋冬の4つの町に女主がいる六条の院。しかし、端から見れば“やっかいな”骨董いじり“。華麗 -
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大河ドラマ「光る君へ」の関連本としてなのか、本屋に目立つように置いてあった。
橋本さんのファンだけど、正直シンドイだろうなと覚悟する。橋本さんのネチネチしたモノローグにつき合うのは結構疲れる。勿論、ムチャクチャ面白いことも分かっている。
以下、自分の忘備録として箇条書きにする。
・雨夜の品定め。紫式部は自分の所属する階層の男をバカにして、光源氏に黙殺させている。紫式部の“復讐”。
・源氏物語の男たちには性的飢餓がない。性的目覚めの頃にあてがわれているから、ひりつくような身体欲求がない
・平安時代にモラルはない。女房達は主人の不幸の噂話を本人の前で口にする。家司は主人の為に働こうとしない。
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Posted by ブクログ
ネタバレ憲法は歴史的には君主を制約するものであったが、国民主権となり権利を投票を通じて行使するとき選挙民は賢明な上に憲法精神遵守せねばならないと指摘。後半に、「首長と議会との対立」で「民意=投票行動は辞職して再選を目指す首長に傾きがち」とは橋下大阪知事→市長と府議会→市議会との対立を念頭に置いているのか(2016年刊)。「(不安定な民意の)選挙(あるいは議会を通じて間接選挙にて)で選ばれただけで(国の性質を規定する)憲法を変えていいだろうか?」すなわち代表者≡元首でいいだろうか「指導者とは社会主義用語で党の最高」
第1章「国家を考えない」では、はじめに「『大政奉還』と『王政復古』はイコールではない -
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本書をレビューするのは非常に難しい。読んでみてどうだった?と聞かれて、何かよく分からないが読み終わった後に清々しくもあり頭も痛くなる、というよく分からない状態に今私はなっている、思考は迷路だ。考えれば頭が痛くなるし顔面に熱を持っているのが解る。
本書は知性の顛覆というタイトルではあるが、知性とはそもそも何か、知性が無いとはどの様な状態なのかという議論から入る。いや、議論というよりはフリーディスカッションを筆者が議題を挙げて開始され、否応なしに読者である私が巻き込まれ、尚且ついつ質問してくるかわからないから、必死に頭の中で筆者の求める解答を探していく感覚に似ている。筆者が展開するロジックは非常に