橋本治のレビュー一覧

  • ちゃんと話すための敬語の本

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    敬語の成り立ちの説明が、とても「腑に落ち」てしまった。なぁるほど・・・という感じ。だからどうすれば使いこなせるのか、というのではないけれど、日常生活で悩まされる敬語というのは、実はこんなヘンなものだったんだということがよくわかった。で、私たちはいつまでこのヘンな敬語をつかいつづけるのだろう。と思う。これも「文化」といえば、そうなのかもしれないけれど。

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    2012年12月12日
  • 「わからない」という方法

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    当たり前だけど、ただ分からないといえばいい、という主張でなく、分かると勘違いもしくは分かったふりなどはせずに、分からない部分を確実に自覚しながら、それを分かるための手段を考える内容。丸暗記は確かに非常に非生産的な行為で、その都度自分の血肉にする=身体が覚える、ってのがあるべき姿だと思う。それをしてこなかった後悔ってのもかなりあるし。作者はそれを実践してきたからこそ、体が頭がいい、って言えるのですね。

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    2012年12月01日
  • いま私たちが考えるべきこと(新潮文庫)

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    「自分の頭でじぶんなりに考えるということが結構難しい、何故なら人間が他人に育てられるからである。」

     自分で考えないことは孤独でない、自分の事をかんがえろといわれて”自分のことを考える人”は孤独である。自分を考える為には全体から孤独になる(切り離す)覚悟が必要。

    「人の理解というものは、あるとき一挙に理解へと至る。」

    「個性とは一般性の先で破綻するという形でしか訪れない」
    「破綻はいきなりやってくるものではなく、じわじわと湧き出るものでもある」

    「一般的な達成を得てしまった人間は、いっぺんその達成をぶち壊さなければ個性への道を辿れない。」

    「私と他人、私と私たちの問題では、メビウスの

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    2012年11月14日
  • 浄瑠璃を読もう

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    三大浄瑠璃を始めとする義太夫の名曲を、作曲された時代背景や作者・それを受け入れた町人の感覚等を踏まえて読み解いていく。恐らく「橋本節」とも言うのであろう、脇道に逸れたり遡ったりしつつであり、学問的に正しい読みかは不明だが、興味深い記述。

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    2012年11月07日
  • 上司は思いつきでものを言う

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    ややこしいことをさらにややこしく語る手法は好きですね。これで着地できる著者はかなりの文章上手だと思います。

    「儒教というものは現代では完全になくなった」と思っていましたが、まったくそんなことはなく、意識すらできないかのようなレベルにまで内面化しているのだな、というのがわかります。そういうあることすらわからない呪いとか洗脳的なことって、周りに相当数あると思うのですが、そのうちの一つを認識させてくれる本です。「あるんだ」とわかるだけでも違うんじゃないかなあ。

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    2012年12月16日
  • 日本の女帝の物語 あまりにも現代的な古代の六人の女帝達

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    日本の古代史では、多数の女帝が登場し、この時期に天皇は絶対権力を握る。それぞれの女帝の果たした役割や位置づけが、わかりやすい語り口で手際よく紹介される。実行力のある女帝や方向性を定めた女帝を再発見できた。天武系の血筋を消し、天智系に皇統繋いでいくという解釈は新鮮だった。

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    2012年09月30日
  • 「三島由紀夫」とはなにものだったのか(新潮文庫)

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    「小林秀雄の恵み」同様、なかなか、難しい課題に、橋本は、良く挑戦したものである。それにしても、良くも、これ程、膨大な三島の著作を、読み返したものである。こちらは、全部が、全部、読破したモノではないから、その論旨が、果たして、どうなのかは、自分が読んだことのある著作に関しては、ある程度、理解出来るが、そうでない部分は、とりわけ、同性愛的な部分に関しては、確固たる意見が持てないのも、事実である。その辺が消化不良を犯すことになるが、「戦後」という時代を考え直す時には、どうしても、この人物の著作と死に様が、余りにショッキングだったので、避けては通ることが出来ないことも、又、事実であろう。
    未だ、学生だ

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    2012年09月26日
  • 浄瑠璃を読もう

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    著者の「大江戸歌舞伎はこんなもの」は以前読んで、随分感心した。
    期待大で、手に取る。

    本書の最初は仮名手本忠臣蔵。こんな面白い本って暫く無かったと思う。官能的と云っていいほど脳味噌に刺激を受ける。昔の日本語は、ともかくつながっていれば良い、とか忠臣蔵の主題は仇討ではなく、お軽勘平のように自ら悲劇を呼んでしまう傍系の人々だとか、驚かされる記述満載。こういう文章が書きたいという著者は、天守物語を薩摩琵琶の語りのための台本(?)を書いていたりもする。この人でなきゃ、これほど浄瑠璃を語れないだろう。
    しかし、義経千本桜、菅原伝授手習鑑と進んで、当方の頭の回路がショートして、しんどくなった。
    たぶん、

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    2015年12月28日
  • 巡礼(新潮文庫)

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    分かり合えない存在は確かにいる。それなのに、ぼくは知らないうちに分かり合える大変狭い世界で生きている。まるで分かり合えないものなど存在し得ないというように。

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    2012年09月15日
  • 浄瑠璃を読もう

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    浄瑠璃をユニークな視点で解説している。
    ちょっと理屈っぽいけど、おもしろい。
    文楽のお姫さんは恋をするために生きているとの視点には笑ってしまった。この次の文楽公演が楽しみになる。ちなみに11月公演は『仮名手本忠臣蔵』の通し狂言ですよ。

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    2023年10月23日
  • その未来はどうなの?

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    最新刊!
    患っておられるとのことで、心配…。
    今、脳を活性化というか、読んで次々に色んなことを考えてしまう本としてこの方の本に勝るものなし。
    あかん、日曜の夜やのに…。

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    2012年09月03日
  • その未来はどうなの?

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    分からないことを分かろうとして、橋本さんの本を読むと、分からないということが、さらに分かって、分からなくなるんだ。でも、その分からないという状態が嫌いじゃないんだなぁ。

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    2012年09月01日
  • 美男へのレッスン(上)

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    相変わらず一筋縄では行かない橋本評論です。「美男」について、さらに後半では「美女」についてまで考察を広げています。こんなに入り組んだ考え方していたら男でも女でも地獄だよー生きにくいよーと叫びたくなります。ジェンダーって難しい。自分の顔を自覚して生きて行くのって大変。最初のレッスンのほうでの洋画の引用は正直解らなかったです。洋画見ないんだもん…。後半の美術史の講義が個人的にはものすごく面白く読めました。下巻にも期待。

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    2012年08月24日
  • その未来はどうなの?

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    ネタバレ

    「「わからない」という方法 」から10年。リーマンショック、東日本大震災、原発事故、筆者自身の大病を経た、「未来」への指南書。

     橋本治とは、膨大な知識に裏打ちされた歴史認識と、独特の視点および想像力による批評が真骨頂である。まずは、目次を眺める。
    第一章 テレビの未来はどうなの?
    第二章 ドラマの未来はどうなの?
    第三章 出版の未来はどうなの?
    第四章 シャッター商店街と結婚の未来はどうなの?
    第五章 男の未来と女の未来はどうなの?
    第六章 歴史の未来はどうなの?
    第七章 TPP後の未来はどうなの?
    第八章 経済の未来はどうなの?
    第九章 民主主義の未来はどうなの?

    さすが、思索は多岐に

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    2012年08月20日
  • 橋本治と内田樹

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    有意義な雑談って感じですね。内田樹さんを知らなかったのですが、内田さん「私は性格悪いから」と繰り返し対談で語られてましたが、橋本治と比べるとかなり普通のおじさんに感じてしまいます。内田さんの聞き上手ぶりが冴えてる不思議な一冊だと思いました。橋本さん、借金は返せたのだろうか…(余計なお世話)。

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    2012年07月31日
  • 青春つーのはなに?

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    エッセイかな…?長い独語?口調がかなりダイレクト(遠慮がない…たまにキレてるのかなというくらい。)なので、ちょっと面食らう。けど言ってることはやっぱすごいわぁー
    ある程度橋本ファンじゃないと、読み通すことは難しい。語尾に♪とかもキツイし…んで、いつも思うけど題名がへん。

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    2012年06月08日
  • これも男の生きる道

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    橋本治の本は、いつも目からウロコな記述ばっかでほんとビックリする。当たり前と思って見聞き逃してたことが、げっ本当だ、すごいってなる。このこと、なんで誰も言わなかったんだろ。って。

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    2012年06月03日
  • 小林秀雄の恵み(新潮文庫)

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    橋本 治、「小林秀雄の恵み」を読みながら、考える。
    毎年、桜を、色々な場所で、微妙な開花する時間の違いにより、愉しむのを習慣にしているが、今年は、色々なことが、気に懸かった。というのも、一方で、大道寺将嗣の全句集、「棺一基」を、読みながら、他方で、この分厚い本を併読していたからだろうか、なかなか、時間が掛かかり、捗らない。俳句の中で、謳われている様々な情景は、記憶が、ますます、先鋭に、甦りながら、忘却ではなくて、逆に、どろどろとしたものが、クリアに結晶化してゆくところの果てのものなのであろうか?それとも、「美しい”花“がある。”花“の美しさというようなものはない。」、「美しい美がある、美の美し

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    2012年05月31日
  • 人はなぜ「美しい」がわかるのか

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    美しいとは、判断基準が自己にあるもの。他者との関係において発生するもの。幸福を知って孤独を感じるから、気付くもの。夕焼けのキラキラを、月を美しいと思う時、私のそれはそれは幸せの思い出と繋がっている。相変わらず、橋本治の本は難しくて、何度戻っては読み直し、やっと自分の中に言葉は入ってくる。時間がかかるが面白い。時をおいて再読したい本。

    夕焼けはなぜ美しいか?清少納言にわかって兼好法師にわからない理由。夕焼けは近代社会のもの。キラキラ輝くものが美しい理由。愛情とは介入しないこと。美しいとはある種の学習の結果。孤独(家制度からの逸脱)は、罪破綻を意味していたから、前近代に孤独はなかった。
    途中、橋

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    2012年05月19日
  • 双調平家物語11 平家の巻(承前)

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    ようやく清盛の時代へ。

    野心を出すと拒否され、出さないとあれよあれよと力が集まってくる。清盛の時代になるのは、時代の要請だったのか。

    自覚を持ち出した時が衰退の兆しなのは、今までの権力者と同じなのだろうなぁ。

    あと四巻、がんばろうっと。

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    2012年02月14日