橋本治のレビュー一覧

  • 巡礼(新潮文庫)

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    一人の男性の人生を通して、時代とは、家族とは、発展とは何かを問うた作品。正直「こんな締めなの?」と思いました。でも、そういうものかも知れません。人生って。

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    2013年04月26日
  • 橋本治と内田樹

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    ネタバレ

    読む人を選ぶ本である。五十歳代の男性なら、共感できるところが多いだろう。対談集だが、どちらかと言えば、橋本治が主で、内田樹が控えに回っているところが面白い。内田樹といえば、今や飛ぶ鳥を落とす勢いで、次々と本を出しまくっている超売れっ子である。

    一方、橋本治はといえば、「背中の銀杏が泣いている。止めてくれるなおっかさん。」のポスターで売り出したことを知っている人が今どれだけいるだろうか。それよりも、『桃尻娘』や、その桃尻語で訳した『枕草子』に始まる日本の古典の現代語訳シリーズのほうが今では有名かも知れない。美術、歌舞伎にも造詣が深いマルチ・タレントとして異彩を放つ。

    ではあるが、橋本の本はま

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    2013年03月06日
  • 巡礼(新潮文庫)

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    ゴミ屋敷の住人忠市。戦後の好景気を迎える日本で、まっとうに生きてきたはずなのに、何故ゴミにすがる晩年に落ちぶれたのか。
    人間の生き方の難しさを知る。完璧な人生などない。有り得ない。いつ災いが降りかかるか解らない。マニュアルなどない。
    最後の眠りに就くとき、自らの魂が安寧の地に向かうことができるのか?少し不安に感じた。

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    2013年03月03日
  • リア家の人々(新潮文庫)

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     スピーディな語りと、めまぐるしく変わる語り手。ある男を中心とした家族の戦中戦後昭和史を怒涛の勢いで読まされた気持ちです。すごい!
     そういえば私この人の源氏物語すごく好きだった。

     章のはじめに「リア王」からの引用があるのですが、シェイクスピアの方を知っていればもっと思うことがあったかなあ?とはいえ読むには敷居高い。「あらすじでわかるシェイクスピア」とかどっかにありませんかね(怠惰!)

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    2013年02月22日
  • 日本の女帝の物語 あまりにも現代的な古代の六人の女帝達

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    橋本治の言うことに納得させられてしまうことが多いのだが、これもそうだった。
    個々の事柄はすでに知っていることでも(実際この本でも、日本書紀と続日本紀という基本中の基本文献に拠って論を展開している)、ちょっと違う視点から照射してみせることで、目から鱗の思いを抱かせる。
    女帝は中継ぎなんかじゃない論は結構あるが、天皇の役割を果たせるからこそ中継ぎとして登用されたんだ、と言われて、確かに…(本命が若年で役割を果たせないからすぐに即位させられなかったんだもんね)。
    蘇我氏の力が最大の時になぜ蘇我氏と血縁のない舒明の即位を認めたかとか、なぜ天智がなかなか天皇にならなかったかとか、通説などではモヤモヤして

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    2013年02月08日
  • その未来はどうなの?

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    あとがきを読んで驚いた。
    橋本さん、面倒な病気で長く患っているらしい。
    地に足のついた並じゃない知性とまっとうさをもった、
    日本の知的財産と言ってもイイ人が
    「気力が続かなくて物が書けない」というのは尋常じゃない。
    その中でぽつぽつと書きすすめたこの本は、分量としては少ないが、
    橋本治らしく、たくさんの示唆と、物を考え直すきっかけに溢れている。
    「美人は権利になった」
    「日本は結論ありきでスタートし、どうするの?ではなくどうなるの?で考える」
    「民主主義という究極の政治形態が行き渡り、
    何事も簡単に決まらないのは当然の流れ。
    力でねじ伏せるこれまでの長い歴史の前提は崩れ、
    強いリーダー不在→待

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    2013年02月06日
  • 橋本治という立ち止まり方 on the street where you live

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    日本の病院には幽霊がでる
    高度経済成長を支えた団塊の世代のエラソーな幽霊が。

    なんて書き出しの小説が書けそうな闘病記

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    2013年01月27日
  • 橋本治という立ち止まり方 on the street where you live

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    賢い人だなぁ
    と 思ってしまう

    「わからない」ということを
    これほど「わかりやすく」書けてしまう
    その柔軟な思考力と筆力に
    そりゃ そうだ と
    何度も 頷いてしまう

    読んでいて
    一緒に 思考ができる
    作家のお一人です

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    2013年01月23日
  • リア家の人々(新潮文庫)

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    橋本治は実ははじめて読んだのだけれど、すっごく読みやすくて、おもしろかった。
    敗戦後から60年代まで、三人の娘と父親、ごく一般的な家族が、昭和の歴史とともに描かれていて、読みごたえがあった。「公職追放」とかはじめて知った。そういう知らなかった歴史や、あと、大学紛争とかなんとなく知ってる歴史についてもすごく興味深く読んだ。
    年代的には、娘たちがわたしの親世代くらいなんだろうけど、ここで描かれている昭和の家族の感じがなんだかすごくよくわかって。父親との距離とか、親戚との関係とか。今とは家族ってものが全然違うような気もするのだけれど。今の若い人が読んだらどう思うのかなあ。
    戦後の家族とはいっても、三

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    2013年01月19日
  • リア家の人々(新潮文庫)

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    戦後の昭和史を通して家族一人一人のモノの感じ方、思惑を丁寧に描いた作品。
    昭和は激動の時代だったと思うけど、
    その空気をどう感じるかは人それぞれで、
    個々人が色々な事を考えながら生活している家族の在り方は今も昔も同じだと思った。

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    2013年01月17日
  • 大不況には本を読む

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    中途半端な豊かさは、すべてを失う。

    豊かさに慣れてしまう。

    書かれていないことを読む。

    書かれたことを読んで、書かれていないことを読む。

    過去を拒絶して、時代はただ若くなる。

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    2013年01月08日
  • ちゃんと話すための敬語の本

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    敬語の成り立ちの説明が、とても「腑に落ち」てしまった。なぁるほど・・・という感じ。だからどうすれば使いこなせるのか、というのではないけれど、日常生活で悩まされる敬語というのは、実はこんなヘンなものだったんだということがよくわかった。で、私たちはいつまでこのヘンな敬語をつかいつづけるのだろう。と思う。これも「文化」といえば、そうなのかもしれないけれど。

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    2012年12月12日
  • 「わからない」という方法

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    当たり前だけど、ただ分からないといえばいい、という主張でなく、分かると勘違いもしくは分かったふりなどはせずに、分からない部分を確実に自覚しながら、それを分かるための手段を考える内容。丸暗記は確かに非常に非生産的な行為で、その都度自分の血肉にする=身体が覚える、ってのがあるべき姿だと思う。それをしてこなかった後悔ってのもかなりあるし。作者はそれを実践してきたからこそ、体が頭がいい、って言えるのですね。

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    2012年12月01日
  • いま私たちが考えるべきこと(新潮文庫)

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    「自分の頭でじぶんなりに考えるということが結構難しい、何故なら人間が他人に育てられるからである。」

     自分で考えないことは孤独でない、自分の事をかんがえろといわれて”自分のことを考える人”は孤独である。自分を考える為には全体から孤独になる(切り離す)覚悟が必要。

    「人の理解というものは、あるとき一挙に理解へと至る。」

    「個性とは一般性の先で破綻するという形でしか訪れない」
    「破綻はいきなりやってくるものではなく、じわじわと湧き出るものでもある」

    「一般的な達成を得てしまった人間は、いっぺんその達成をぶち壊さなければ個性への道を辿れない。」

    「私と他人、私と私たちの問題では、メビウスの

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    2012年11月14日
  • 浄瑠璃を読もう

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    三大浄瑠璃を始めとする義太夫の名曲を、作曲された時代背景や作者・それを受け入れた町人の感覚等を踏まえて読み解いていく。恐らく「橋本節」とも言うのであろう、脇道に逸れたり遡ったりしつつであり、学問的に正しい読みかは不明だが、興味深い記述。

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    2012年11月07日
  • 上司は思いつきでものを言う

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    ややこしいことをさらにややこしく語る手法は好きですね。これで着地できる著者はかなりの文章上手だと思います。

    「儒教というものは現代では完全になくなった」と思っていましたが、まったくそんなことはなく、意識すらできないかのようなレベルにまで内面化しているのだな、というのがわかります。そういうあることすらわからない呪いとか洗脳的なことって、周りに相当数あると思うのですが、そのうちの一つを認識させてくれる本です。「あるんだ」とわかるだけでも違うんじゃないかなあ。

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    2012年12月16日
  • 日本の女帝の物語 あまりにも現代的な古代の六人の女帝達

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    日本の古代史では、多数の女帝が登場し、この時期に天皇は絶対権力を握る。それぞれの女帝の果たした役割や位置づけが、わかりやすい語り口で手際よく紹介される。実行力のある女帝や方向性を定めた女帝を再発見できた。天武系の血筋を消し、天智系に皇統繋いでいくという解釈は新鮮だった。

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    2012年09月30日
  • 「三島由紀夫」とはなにものだったのか(新潮文庫)

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    「小林秀雄の恵み」同様、なかなか、難しい課題に、橋本は、良く挑戦したものである。それにしても、良くも、これ程、膨大な三島の著作を、読み返したものである。こちらは、全部が、全部、読破したモノではないから、その論旨が、果たして、どうなのかは、自分が読んだことのある著作に関しては、ある程度、理解出来るが、そうでない部分は、とりわけ、同性愛的な部分に関しては、確固たる意見が持てないのも、事実である。その辺が消化不良を犯すことになるが、「戦後」という時代を考え直す時には、どうしても、この人物の著作と死に様が、余りにショッキングだったので、避けては通ることが出来ないことも、又、事実であろう。
    未だ、学生だ

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    2012年09月26日
  • 浄瑠璃を読もう

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    著者の「大江戸歌舞伎はこんなもの」は以前読んで、随分感心した。
    期待大で、手に取る。

    本書の最初は仮名手本忠臣蔵。こんな面白い本って暫く無かったと思う。官能的と云っていいほど脳味噌に刺激を受ける。昔の日本語は、ともかくつながっていれば良い、とか忠臣蔵の主題は仇討ではなく、お軽勘平のように自ら悲劇を呼んでしまう傍系の人々だとか、驚かされる記述満載。こういう文章が書きたいという著者は、天守物語を薩摩琵琶の語りのための台本(?)を書いていたりもする。この人でなきゃ、これほど浄瑠璃を語れないだろう。
    しかし、義経千本桜、菅原伝授手習鑑と進んで、当方の頭の回路がショートして、しんどくなった。
    たぶん、

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    2015年12月28日
  • 巡礼(新潮文庫)

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    分かり合えない存在は確かにいる。それなのに、ぼくは知らないうちに分かり合える大変狭い世界で生きている。まるで分かり合えないものなど存在し得ないというように。

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    2012年09月15日