橋本治のレビュー一覧
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「相談なさる方の多くが、自分で、自分の悩みがどんなものか、理解なさっていることです。また、その悩みの多くが、対人関係にかかわるものです」
親子関係、兄弟関係、職場関係、友人関係。そういう悩みを選別しているからなのかどうかは分からないが、本書に書かれている悩みはすべからく対人関係である。
本書の秀逸な点は、質問文から、人となりを論理的に推測し、解決策を展開していくという点である。
例えば「43歳無職の弟。職探しをする気配もなく、家族でもてあましている」といった趣旨の質問に対して、
「弟さんは、“自分に欠点がある”ことを自覚しているのです。だから、“たわいもない会話には応じますが、肝心 -
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普段購読している新聞にも週に1回人生相談がある。複数の回答者がいるのだが、一読してその質に優劣があることがわかる。優秀な回答者は、(通常視野の狭くなっている)相談者が気づかない側面から新しい視点を提供し、「なるほど」と思わせる気付きを与える。そうでない回答者は表面的な回答に終始し何の役にも立たないアドバイスで締めくくる。
橋本氏の場合は明確に前者であり、「何でそんなことまで読み取れたの」というものが多い。この差はいったい何なんだろう。文章を編み出すことを職業としているから読解力はもちろん桁違いなのだろうが、それだけでもないような気もする。 -
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橋本治さんが亡くなり、内田先生が何度もその知性を褒めたたえるので、読んでみたくなったが、正直自分には対談本を読むだけでは知性のすばらしさがわからなかった。面白かったのは、官打・位打という言葉。これは初めて聞いた概念だが、とても面白かった。何かというと、武家が増長していった時代に、頭角を現すものをつぶす方法である。実力のある者に対して、明らかに不つり合いな大出世をさせる。しかし、不釣り合いな仕事をこなせるわけもなく、その人物は失墜するというエスタブリッシュを武器にした攻撃。後白河法皇の義経の猛プッシュは官打だったという。平安の貴族たち、和歌を詠んでるだけじゃなくて、なかなか手ごわい。。 -
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いつもなら橋本氏の著書を読むと新しい視野が開けてきて、「言われてみれば確かにそうだ!」と手を打つのだが、今回は納得感に乏しかった。
総論として言わんとするところは、「もう進歩を目指すのは止めようよ。地球も社会も壊れちゃって幸せになれないよ。」というもので、産業革命以前、それが難しければ1960年以前の生活に戻ろうという提案。その象徴として高層ビルを禁止し、大量生産して外国へ貿易戦争を仕掛けるのもやめようと説く。1960年から人口が3000万人も増えているのだから、1960年の生活に戻すには3000万人の日本人を国外追放するか抹殺しなければ収支が成立しないのだが、著者が言いたいのはそういう各論の -
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2010年~発行した同タイトルの全三巻の構成を二分冊に編集したもの。
まず本書は「評論」であって、日本の近代文学史を体系立てて理解するような近代文学史の本ではないし、近代に活躍した文豪の生い立ちなどがわかる評伝本でもない。
我々が近代文学史を学ぶと必ずぶつかるいくつかのテーマ、キーワードについて、橋本治がそれって本当のところはどうなの?その評価、理解は正しいの? …と橋本治なりの切り口で考察を加えていく評論本です。
論文風の格式張ったものではなく、まるで橋本治が目の前でおしゃべりをしながら考えを纏めているような書きぶりなので、同じ話が繰り返し出てきたりテーマが行きつ戻りつするので、読者は若干 -
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長く、枕元本として安眠のための導眠剤本としてころがっておりましたが、製本が独特で、ページが固いのが玉に瑕で、寝転がりあおむけ読書には向きません。寝てしまうと結構分厚い本が顔のうえに落ちてきますが、その際ページが自然に閉じて頭にこつんと当たるというわけです。
だからというか、仕方なくうつ伏せで読むことになりますが、両手で押さえておかないとページが閉まってしまうのです。布団の中で、ぬくぬくしながら読みたいにもかかわらず、肩から上が布団から出てしまいます。冬場には、少々つらいものがあります。
そこで、寝転がり読書用ブックスタンドの導入となったのですが、漸く読み終えました。何をくどくど書いている -
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橋本治は19世紀も、20世紀も、江戸も、あれこれみんな総括して見せて、たぶん、最近の新書では「平成」も総括していたと思うが、おしまいには借金も総括して逝ってしまった。さびしい。
1969年で終わるこの小説は、「昭和」というよりも、「戦後」を総括して見せているとぼくは思った。
しつこく低いアングルで撮り続けながら、延々とナレーションを入れていく。ここで解説を入れているのは誰だと思っていると、細目の笑顔の作家の顔が浮かんでくる。笑うしかないようなものだが、そうは言いながら、という気分で、その世界へ引きずり込まれてしまう。いつもの橋本治だ。
戦後史をこの角度で書いている人はそうはいない。小熊 -
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◇目次
○まえがき
○一:「古典」て、なんでしょう
○二:古典を読んでみましょう
○三:ちょっと意地悪な樋口一葉
○四:和文脈の文章と漢文脈の文章
○五:日本語は不思議に続いている
○六:はっきりとした説明をしない小野小町
○七:春はどうして「曙」なのか?
○八:分からないものを読んでもよく分からない
○九:亀の恩返し
○十:古典を読んだ方がいい理由
○十一:今とは違うこと
○十二:意外に今と同じこと
○十三:歴史はくるくると変わる
○十四:日本語が変わる時
○十五:人の声が言葉を作る
○十六:漢文の役割
○十七:『日本書紀』の読み方
○十八:王朝の物語を読んでみましょう
○あとがき
一般に