橋本治のレビュー一覧

  • 知性のテン覆 日本人がバカになってしまう構造

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    もうこうなると哲学書のようだ。しかもかなり難解の。
    反知性主義が蔓延する理由を緻密な構成で考察しているのだが、正直よく理解できない。自分にはそんなに難しい話でなくて、経済成長による中流化で従来存在感のなかった大衆が『ヤンキー』に成り上がり、さらにネットの出現で彼らが自己主張を始めて目立つようになっただけではないのか?

    橋本治風に言うと最後まで「よくわからない」だったので、自分としては異例なことに3回繰り返し読んでみた。そうしたら上記の事がちゃんとそう書いてありました。
    3回も読むと一つの概念が形を変えて重層的に示されていることに気付くが、極めて複雑な立体図形を分解して「こういう構造になっていたのか」と驚く感覚。なんか、深すぎるね。

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    2018年01月20日
  • いとも優雅な意地悪の教本

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    この人の書いた新書だからと、気楽な調子で読み始めましたが、期待を裏切る意地悪さで面白かったです。気の抜けた様子で書かれていて、「あれ?」とよく理解できなかったところを読み返すと結構考えさせられることが書いてあります。相当意地悪な本です。著者が書かれている通りに「内容がない」のか、わかっていないのか、一度読んだだけの今は分かりません。でももう一回読んでおかないといけないと思わされるような、何かが書かれています。たぶん。
    日本人と西洋人とは、悪の捉え方が違っていて、それゆえに世間一般の悪の考え方が、日本では違うニュアンスになっていると思います。そういうことや、悪を公然と行う「暴力」を行えない人たちは、意地悪を行う。そのためには頭が良くないといけない。頭が良い人はマイノリティだから、暴力という手段を取ることができないので意地悪を行う。といったような思考の迷路にはまりこんでしまうような本です。

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    2017年12月02日
  • 「わからない」という方法

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     すぐ「わからん」という奴はただの卑怯者だとずーっと思い続けてきたが、本書を読み、改めようと・・・。氏独特の思想と思考が非常に身に染みた。氏のレベルを大きく下げると自分の発想に近い気がした。よってそこは都合良く解釈し、今の傾向をブラッシュアップしたい。ただし、深さが全然足りないので、時間をかける。これがつらい。すぐ次に行ったり、結論を求めてしまう。そうではないということを本書は指示している、と捉えた。何度も読み、深めよう。

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    2017年11月26日
  • 知性のテン覆 日本人がバカになってしまう構造

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    本物の知性について、深く検討するものとみました。わかりやすく説いているようにみえて、さすがに深いですね。

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    2017年10月29日
  • たとえ世界が終わっても その先の日本を生きる君たちへ

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    俺なんかもバブルの時になんか変だな、嫌な感じと思ってたから、そうだったんだぁ~!て膝を打てるけど、その頃ちっちゃかったり、まだ生まれてない人も今や大勢いるから、実感湧かない人もさらにもっといるんだろうな。
    人ってやってる最中は何やってんのかよくわからないことのほうが多い。特に状況がそうなっててその状況に対応する時なんてそうだと思う。だから、後になって、あれはそういうことだったのか!となる。でも、必ずそうなるわけじゃなくて「あれは一体何だったのだろう?」と自分で問いを立てないとおそらく永遠になんだかわからないまま終わるでしょう。それで、無事に人生終えるならそれはそれでおめでたいことではある。
    でも、なんだか気になる人は、橋本さんの本を読んでみたらいいと思う。
    もう、ほとんどエマニュエル・トッドさんとおっしゃることが一緒なので人間の知性は普遍的だなぁ~と感じた。

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    2017年10月27日
  • 知性のテン覆 日本人がバカになってしまう構造

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    橋本治氏の俯瞰した社会を見つめ、語る文体が心地よいです。彼の生き方自体もマイノリティ側にあるのだろう。身構えずに、その語りに素直に心を傾けることができる。そして、何よりも分かりやすい。至極まっとうなことを言っているのに、あまり社会の中では触れることのない視点からの世の中の姿を言葉で映し出してくれる。
    本のタイトルの『知性の転覆』の「知性」という言葉が実際の社会の中でどのように存在しているかを分かりやすく描いた初まりの「ヤンキーの定義」の箇所を引用します。
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    ヤンキーの定義「自分の経験した事だけ」で、その範囲を超えたものは「よく分からない」という判断保留の状態になり、知識を得ることによって自分の判断基準を広げるということをしない。なぜしないかと言えば、それをする必要を感じないからである。

    その反対に「経験値を用いずに、全てを知識だけでジャッジする人」で、「経験値に用いる」ことをしないのは、そもそも「経験値」に値するようなものを持ち合わせていないからなのか、あるいは「自分の経験値」を知識に変換する習慣を持たないのかの、どちらかだろう。
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    別に「知性とは何か」を説明しようとして語った言葉ではないけれども、「知性」という存在が「ヤンキー」と「オタク」のあいだをフワフワと浮かんでいる情景が想像できて、「知性」という存在を目にしたように感じられた。
    このような世の中を観る視点やそれを伝える言葉を感じるだけでも凄く楽しい読書になります。
    おそらく、この本を読み終えたころには、その幾つかは自分のなかにも芽を出し始めているかもしれない。
    せっかくだから、私が線を引いた幾つかを紹介します。
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    *「不良」というものにはあまり知性がない。だから、平気で「社会から逸脱する」ができてしまうのだが、ということは、知性とは「人が社会から逸脱しないように繋ぎとめておく力」であったりもする。知性の持つそういう一面は、今となっては忘れられたにも等しい状態になって入るけれど、かつて知性はモラルと重なる言葉でもあった。
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    *「自分の頭で納得できるような考え方をしてもいいのだ」ということに出会った人間は、こういう風な爆発をする。
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    近代教育を受けた人間は、ことの必然として「自我」というものを持ってしまった。中央集権体制では、「自我」というものは上の方にいる人間だけが持っていればいいものである。しかし、地の中央集権体制が生み出した。
    教育は、末端まで「自我」をら教え込んでしまった。
    崩れた知の中央集権体制は、小さくなって各自の中に収まってしまった。「自我」というのは、「中央集権体制的に自分を操ろうとする主体」なのだ。
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    ☆EUの建前としての均一は、時として一部に対して「つらい義務」になる。

    初めは「一つの大きな経済圏を作って金儲けをする」というはずだったが、「それほど豊かでない国」を仲間に入れて大きくなっていくうちに、EUは「困った国を助ける互助会」のような性質をら持ってしまう。

    支援を受ける側は、支援と引き換えに、望んでもいない「自分達のあり方」とは違う(みんなのあり方」を受け入れる。支援をする側は、「自分のあり方」とは直接に関係ない「みんなのあり方」をら守るために金を出す。「みんなのあり方」な「みんなのあり方」であって、それに関わるどの国の「あり方」とも、直接には関係がない。
    どうして話がこんな風にすれ違ってグルグル回りするのかと言えば、それは「自分もその一員である“みんな”のあり方を維持することは、一時的に自分の損にはなっても、結局は自分にとっての得となって返ってくる」(情けは人のためならず)の単純な理解が欠けているからだ。
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    「自分達とは直接関係のないものに目を向けて、それに関してなんらかの意思表明をする」というのは、人間の知性のなせる技だが、だからと言ってそれができない人間を「知性がない」とは言えない。
    それは「知性がない」ではなくて、「知識がない」というだけで、そういう状況が存在するということを知らなかったら、「そこに目を向ける」ということは起こらない。自分の経験値だけでその外側にある「知識」というものを持たなかったら、世界は自分が「知っている」と思える手探りの範囲内にしか存在せず、その外側は「何も無い暗黒」と同じだ。
    愚かなのはイギリス国民がEUからの離脱を選択したことではなくて、「離脱に賛成」の票を入れた後で、「ところでEUって何に?」と言ってしまう国民がいるということだ。(自分がどういうシステムの上に乗っかっているのかを理解していないーーそういう知識を持たない人間をそのままにして、彼等に決断を委ねてしまうということだ。
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    ★アニー・サリヴァンのモノローグ
    『言葉さえあれば、人間は暗闇から抜け出せる』『言葉の光に照らせば五千年の昔を見ることも出来る』
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    「労働者のあり方」という観点からしたら、近代工業社会は、生まれ続ける失業者をすくい上げるために「新しい産業」を作ってきたという面もある。つまり、労働者の安定が帝国主義の発展を支えてきたという一面もあるけれど、でもその「発展の形態」は飽和状態に来た。
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    ★★人が「需要」と考えるものは往々にして「欲望」のことで、「人の欲望が無限である以上、需要もまた無限に存在して、であればこそ“物”を作り出す産業も不滅だ」と考えられていた。それは、実は、「物が足りなくて困ることがある」という「それ以前の時代」の考え方で、「物が余ってしまう未来」のことを頭に置いていない。だから、「人の需要は無限に存在し続けて、マーケットもまた無限に近く続いて広大だ」ということが、うっかり信じられてしまう。

    産業は、「需要」と向かい合うもので、「飢餓」とは向かい合わない。「無限の需要」を習慣的に夢見てしまう産業は、知らない間に「物が余ってしまう社会」を作り出してしまう。
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    また、いつか橋本治氏の本を読みに戻ってくる。それまでは、より多くの人の視点から世の中を観る旅をしてこよう。そうしたらまた違った橋本治氏の魅力を感じられることだろう。

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    2017年09月12日
  • たとえ世界が終わっても その先の日本を生きる君たちへ

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    心のない論理や心の論理で生きる人たちは、自分が絶対に正しいと思っている。でも、心のある論理の人は、自分の正しさを相手に認めさせたい訳でもない。

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    2017年07月12日
  • 上司は思いつきでものを言う

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    反論せずにあきれろ
    上司をバカにせず、バカかもしれないということを考慮する(親も同じ)
    日本は特殊なことをしているから、国際○○に、簡単にルール変更されてだめになってしまう。

    上司は、部下の建設的な意見を却下する権利はないが、部下が単にバカで建設的な意見を言っていない場合も多々あるので、鵜呑みにして上司がバカだからしょうがないといっていたら成長できないだろう。

    本全体としては、日本国や儒教の話まで広がって、話が散らかっていた感じはあった。

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    2017年06月10日
  • 失楽園の向こう側(小学館文庫)

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    私は、人生に行き詰まったら、この本を読んでいます。
    平易なエッセーですが、日本の問題点とその本質を見事に語っているような気がします。

    この本は決して「ああしろ」「こうしろ」という指南本、マニュアルではありません。

    「いや、もう日本ってこれから先何も良い事ないよ、でも生きていこうね」
    と、さらりと言っているようです。

    しかし、氏のスタンスには、厳しさと、そして、優しさがあります。
    それらの混ざり具合が、私なんかは、絶妙というか天才的だなと感じています。

     「人それぞれ」、「あなたには関係ない」、これらの言葉が巷に溢れているような気がします。
    今の社会状態は、相当な病を抱えていると思います。

     「俺に、この本を書く理由なんてないけど、仕事って他人の需要に応えることでしょ?、
    だから、書いているの、働くってそういうことでしょ?、だから関係ないわけないじゃん」(筆者想像)

     という理由で、この本を書いているような気がします。正直、読んでも、何も解決できませんが、
    この社会と人と、そして、自分と、どのように接すればいいのか?ヒントはくれているような気がします。
    そして、毎度、毎度、橋本氏は、「後は、自分で考えてね」と、読者にボールを投げます。

     そのボールをしっかり、受け取ろうと思った瞬間、まぁ、生きていこうかなと思える、不思議な本です。
    是非、一読を!

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    2017年06月06日
  • たとえ世界が終わっても その先の日本を生きる君たちへ

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    最近、「話す」人が増えて、「聞く」人が減った。
    「聞く」人は、「話す」人の話しを、ニーズだと思うようになった。
    自分にとって、利益があるか、ないか、その功利性が、「話し手」と「聞き手」、
    「私」と「他人」の境界を分ける要素となった。

     橋本氏は、本当に不思議な人で、「まぁ、とりあえず、俺の話しを聞いてよ、意味ないと思うけど」
    と相手に予め言っておいて、相手のために、自分に与えれた知性と獲得した知性をフル活用して、
    聞き手や読み手に、贈り物をしてくれる。
    その贈り物は、お金を儲ける方法とか人間関係を解決する方法ではなくて、
    人間のあり方から生まれる「心のある論理(五章参照)」である。

     こういう語り手は、今は絶滅品種だと思う。日本の知識人の中では、おそらく両手に数えられるぐらいだと思う。
    他人のために行動していると思っている人の多くは、自分のためだけにやっている。
    橋本氏は、この点、本当に無私だと思う。「自分のため」だけにやったり、「読者のため」にやっていては、
    40年に渡って作品を残し続けることは、できないと思う。

     この本の評論をするには、橋本氏並みの知性が必要となると思う。
    よって、不可能。だって、「大きなものの終焉」と言われて、それがイギリスのEU離脱につながり、
    ソ連の崩壊のきっかけになり、バブル崩壊の根本原因となって、今現在のアメリカの暴走につながるなんて、、、
    あまりに問題把握の射程が大きすぎる。

     個人的には、第五章が、面白かった。「心のない論理」と「心のある論理」と「心の論理」を論じる章である。
    「心のない論理」を頭だけで考えただろう官僚的論理(政治家もそう)、「心の論理」とは、「不倫はやめた方がいいですよ、
    相手が傷つくから!」という昨今のマスメディアが大好きな、視聴者に(一応)寄り添うことを
    主軸にした態度と理想論(中身は、基本空洞)、そして、心のある論理、これが、橋本氏の使っている論理だろう。

    (以下引用)
    「心のない論理」や「心の論理」で生きる人たちは、自分が絶対に正しいと思っているんだよ。
    でも、「心のある論理」の人は、自分の正しさを相手に認めさせたいわけでもないんだ。

    「心のない論理」と「心の論理」側が、全く通じ合わない。
    だから、「心のある論理」の人が、繋げ役をして、なんとか、
    社会を維持するようにする。それが、現代では難しくなったんだろう。
    大きく考えれば、確かに、もうこの社会は、終わっているのかもしれない。
    それを認めたくないから、終わった後の世界を生きていけないんだろう。

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    2017年06月06日
  • 「わからない」という方法

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    私が、何度も読み返してしまう本です。
    出版されて結構年数が経ちましたが、内容は全く古びてありません。

    それは、読者に対して、橋本氏の一連の著作のメッセージが、「現在の自分は、どこにいるか?」を
    考えさせるものだからだと思います。

    橋本氏は、この本できっぱりと、「正解がある時代は、終わったよ」とさらり言っています。
    これは、私自身を振りかえっても、痛い一言です。
    なぜなら、どこかに「正解」があると思って、
    「ノウハウ」や「理論」や「考え方」を、私自身が探しているからです。

    橋本氏は、「そんなのないよ」と言ってのける。
    もちろん、橋本氏は、根拠がなく言っているわけではありません。
    日本そして過去の歴史を振り返り、説得力ある言葉で読者に語りかける。
    以下、こんな感じです(筆者推測)

    君は、今どういう状況にいるの?それを正しく認識しているの?
    俺はこう思うけど、じゃあ、仮に、君の認識が正しいと仮定して、君が本当にいたい状況って、
    どういう感じ?それは、今の君の状態と同じ?違うなら、その状態を自分で「建設」しているみるのはどう?

    結局は、自分の人生は、自分自身で建設するんだよと、何か理論とか、ノウハウとか、
    どこどこの会社とか、国とか、そんなものを探したって、そして、すがったって、
    自分は建設できない。

    これを、橋本氏は、この著作ならびに、80年代後半に言ってのける。
    橋本氏のエッセー、評論は、たくさんありますが、
    今でも、時代の風化に耐えているのは、人が生きる上で、
    大切なことは、何かを語っているからでしょう。

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    2017年06月06日
  • これも男の生きる道

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    私が何回も定期的に読み返してしまう本です。
    男はどう生きるべきか、という「生き方」に関しての本ですが、
    「生き方」自体が、ほぼ死語となっている中で、
    こういうテーマで書けること自体が凄いことです。

    橋本治氏のような「知性」が、もっと日本にいたらいいのにと、
    個人的には思いますが、後にも先にも、出てこないでしょう。

    出版されたのは20年前以上も前ですが、
    今見ても、全く遜色ありません。
    また、氏の著作の多くは、今見ても、
    なるほどな、思わせます。
    『貧乏は正しい!』など、90年代初頭の作品で
    もうすでに、資本主義は終わりましたと指摘していますから、
    その慧眼には脱帽です。
    20年以上の未来の世界並びに日本の姿を予測していた、、、、
    嘘はったりではなく、自分の知性のみにたよって、、、
    こんな芸当ができる人間がこの世界にいることが、
    奇跡でなりません。

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    2017年06月06日
  • 貧乏は正しい!(1)(小学館文庫)

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    個人的には、橋本治氏は、業績に比べて、
    日本で一番過小評価されている作家だと思います。
    作家という枠に、入れてしまうのも、どうかなと思うぐらい、
    創造的仕事をしています。
     この『貧乏は正しい!』も91年に書かれたとは、
    思えないほど、氏の日本に対する批評は当たっています。
    この一連の著作では、氏は「資本主義という制度は終わった」と、
    昭和が終わって平成になる時に言及しています。

     昭和64年そして平成元年と言えば、プラザ合意からバブル崩壊までの間の、
    ちょうど絶頂期です。その時期に「資本主義はもう終わってる」と言うこと自体
    並外れた知性と分析力、そして創造性を持っていると思います。
    出版されて30年近く経とうとしますが、今読んでも、
    面白いと思います。脱帽すること必須です。

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    2017年06月06日
  • 知性のテン覆 日本人がバカになってしまう構造

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    反知性をヤンキーのくくりで考えると、なるほど比較的すっきりくる訳ですね。作者があとがきで書いているように、論旨があちこちに飛んでいくから、なかなか捉えどころのないように感じつつ読み進めていたけど、なるほど最後2章くらいで、だいぶ理解がまとまりました。読みながら思い浮かんだのは”ぼくらの民主主義~”で、共通している部分としては、小さい声にも耳を澄ませようよ、ってこと。ヘイトスピーチに限らず、どうしても幅を効かせがちなのは大きな声なんだけど、自分の知性不足を思い知らされて腹が立つから、声も大きくなるんですね。でもそもそも知性がなければ発言は控えるべきなんですね。せめて無知の知くらいが備わっていれば、もう少し品性のある発現が増えるかもしれないですね。そんなことをつらつら考えてました。

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    2017年06月02日
  • 失楽園の向こう側(小学館文庫)

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     10年以上前の橋本氏の本。雑誌に連載されていたのは記憶にあったが、文庫になってたので入手。一種の哲学書のように思えてきた。人生の指針の書、というわけではないが、中年になって読むとまた心が痛むところ多し。ただ、某書評と同じく、何となく前向きになれる、という意味はわかった気がする。全体的にぼんやり感が残るが、氏独自の記述のせいかもしれない。いかに自ら咀嚼するか、が強く問われている。難しい。

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    2017年03月16日
  • 恋愛論 完全版

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    ネタバレ

    けっこう前にスタンダールの『恋愛論』を読みましたが、
    それとはまた違ってネイキッドなところのこころを扱った恋愛論です。

    話の中心は、著者の初恋です。
    それがまた、純真だなあと思った。
    実は僕って「純粋」っていうのはあんまり好きではないし、
    それにそれは今回のこの事象にたいしては違うと思って考えたら、
    純真という言葉が出てきた。
    それも、しおしおしたりもするんだけれど、
    全体として「陽」に感じた。

    読んでいて、これは僕は敬遠してきた領域だという自覚が出てきた。
    わかるんですよ、わかるんだけれど、
    社会通念上いけないことだとかなり早い段階で意識しちゃうんですよ。
    そこを飛び越えちゃってるのが、
    橋本さんの純真なところだと思いました。

    愛とか恋愛とかの根っこの部分をじいっと見つめ、
    それも早熟とさえいえる慧眼ぶりでわかってしまっていた著者。
    ある意味それによって、恋愛意識が先鋭化しているのでは、とも疑った。
    ある程度バカなほうがうまくいくというか。
    でも、バカゆえにケンカ別れだとかするんですよね。
    そして、わかっちゃっていても、恋愛感情のほうに重きをおく著者ですから、
    そこらへんで硬直はしないようなんです。

    感動して、それを自分で噛みしめて、
    受けとめることができるひとが恋愛に向いているという。
    感動してすぐそれを言葉にして書き留めたりしゃべったりするのは、
    感動を受け止めきれていないということらしい。

    加えて、恋愛には陶酔意識が必要だという。
    これには覚えがあって、
    ぼくは20歳頃に友達数人と大学の談話室みたいなところで話をしていて、
    「俺は好きなひとに盲目的になれないんだよ」と言ったんだった。
    陶酔できないからそうなる。
    社会から外れることができなかったんだね、その頃は。

    とまあ、序盤のあたりからの感想はこんなところなんですが、
    やはり著者がさらけだしてくれた「恋愛体験」からみえるのは、
    根本の恋愛感情なんです。
    社会ってものをとっぱらって、
    人間として裸の状態での「恋愛感情」がつぶさに見える。
    そして、男が男を好きになる初恋が語られて、
    たとえば、「男が男に恋する」という単調な字ずらだけをみるならば、
    「えーー?!」と退く男は多いと思うのだけれど(ぼくだってそうだ)、
    そこで壁を作らずに、とにかく話を聞いてみようという気で読むと、
    男が男を好きになることだって妙なことじゃないってわかってくるんですよ。
    「ああ、そうか、そういう形だってある」とわかるし、
    案外、自然なんです。

    ホモセクシャルだとかレズビアンだとか、LGBTって言われますけども、
    本書を読むと、そんなマイノリティとして認識されて、
    敬遠されがちなひとたちや意識が、
    あたたかな隣人として身近に感じられるようになると思います。
    そういう、誤解を解けるようなくだけた告白に本書はなっていて、
    LGBTはまったく自分たちと違うひとなんかじゃない!って
    わかり始めると思いますよ。

    ぼくはけっこうおかまのひとって怖いんですよ。
    なんの影響かわかりませんが、
    なんか、気に入られると、
    力ずくで好きなようにされそうなイメージを持ってしまって、
    それでこわいのです。
    でも、それって、女の子が男に対してもつ怖さと同じであるし、
    実際に、そういう男もいるけれどやさしい男も大勢いるってことで、
    それはおかまのひとにも通じることでしょう。

    付録の三篇のエッセイも面白かったです。
    橋本さんの本は数冊読みましたが、
    やっぱりよい目を持っているなあという印象を今回も持ちました。

    あと、著者が聞いた言葉ですが、こんなのがありました。
    TVの仕事の話で、
    「下手なヤツほど、セリフで理屈を言わせるんだ」って
    ベテランの役者がいうのには、おおー!って思った。
    理屈っぽい登場人物っていうのもいることはいるけどねー。

    というわけで、ぜひぜひおすすめの本でした。

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    2017年01月27日
  • 福沢諭吉の『学問のすゝめ』

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    福沢諭吉にとって、政府という主体は存在しません。それは代理として仮に存在するもので、主体というのは、政府でなくて人民の側にあるのです。このことを、福沢諭吉は、読者である人民に向かって言っているのですが、このことに耳を傾けなければいけないのは、もちろん、人民ではなくて、政府の方です。
    ところが困ったことに、政府の方はいつでも選挙に勝ったから国民の信任をえた!もうやりたい放題だ!の方向に行ってしまいがちです。でも残念ながら、政府は国民の代理なのです。それを忘れて政府の私事に走ったら、もうおしまいです。もうおしまいだということを、今から百四十年間以上も昔に、福沢諭吉は言っているのです。

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    2016年12月19日
  • 乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない(橋本治流ビジネス書)

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    知らなかったが、過去に読んだ「上司は思いつきでものを言う」「「わからない」という方法」を合わせて三部作なのだということ(著者曰く、何の三部作かはわからない)。
    この人の本は「わかりそうでわからない」「わからなそうでわかる」のが特徴だけど、読み進めながら薄々その理由がわかってきた。
    自分の理解をいうと、この人は複雑な話をいくつかのセグメントに分けている。そのわけられたセグメントの一つ一つの話は単純なので理解しやすい。しかし、そのセグメントを集めてきた話はいくつもの要素が重なり合っているので難しい。
    しかし、複雑な話をする時にはこういう方法をとるしかないと思う。複雑な話を単純にして「まあ、要は金の問題なのです」というのは簡単だが、複雑な話はそう簡単に単純化できないから複雑なわけで、単純化を図ることは複雑な話を説明することの責任を回避しているといえる。
    以前村上龍だったかがインタビュアーに新作のことについて「で、この本で言いたいことを一言で言うと何ですか?」と聞かれて、「それが言えたらこんな長い話を書いていない」と言っていた。結局そういうことだと思う。
    橋本治が偉いのは複雑な話を「ちゃんと」噛み砕いてくれるからだと思う。

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    2016年11月28日
  • 性のタブーのない日本

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    いろいろ雑な感じはあるが、
    単純に面白かった‼︎
    読みながらいろいろ笑ってしまった。
    小柴垣草子は初見ながら
    なんか予想外にリアルで笑えた。
    つまり、性はそんなもんでいいんじゃないかと。
    確かにそのものの動詞がないことも納得。

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    2016年07月09日
  • その未来はどうなの?

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    ちょっと斜めの視点から入っていくが、最後には必ず"確かにそうだね”とうならせる切り口になって行くのは見事だ。取り上げた話題も軽いものが多いのに、どう言うわけか内容は軽くない。これもいつもながら不思議。知的な刺激満載で面白い。

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    2016年04月09日