【感想・ネタバレ】恋愛論 完全版のレビュー

あらすじ

1986年刊行の名著が「完全版」で復活!
糸井重里氏推薦!「若いときにも泣いたけど、いまでもやっぱり泣いてしまう。」

今こそ読みたい人生と恋愛のバイブル!「愛は一般論で語れるが、恋愛は一般論では語れない。それは、恋愛というものが非常に個人的なことだから」著者自身の初恋の体験をテキストとし、色褪せることない普遍的な恋愛哲学を展開した名著『恋愛論』が「完全版」となって復活!本書は1985年に作家・保坂和志氏(当時、西武百貨店コミュニティ・カレッジに在籍)が企画しておこなわれた講演「恋愛論」がベースになっています。表題作「恋愛論」のほか、「気むずかしい赤胴鈴之助」、「誰が彼女を殺したか?」、「セーター騒動顛末記」、直筆マンガ「意味と無意味の大戦争」、本人による解説「巨大なナメクジ」を収録。さらに、「最後のあとがき」を新たに収録。

【目次】
恋愛論
気むずかしい赤胴鈴之助
誰が彼女を殺したか?
セーター騒動顛末記
講談社文庫版あとがき
解説 巨大なナメクジ
付録マンガ 意味と無意味の大戦争
SB文庫版あとがき
最後のあとがき
解説 二村ヒトシ

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Posted by ブクログ

ネタバレ

けっこう前にスタンダールの『恋愛論』を読みましたが、
それとはまた違ってネイキッドなところのこころを扱った恋愛論です。

話の中心は、著者の初恋です。
それがまた、純真だなあと思った。
実は僕って「純粋」っていうのはあんまり好きではないし、
それにそれは今回のこの事象にたいしては違うと思って考えたら
純真という言葉が出てきた。
それも、しおしおしたりもするんだけれど、
全体として「陽」に感じた。

読んでいて、これは僕は敬遠してきた領域だという自覚が出てきた。
わかるんですよ、わかるんだけれど、
社会通念上いけないことだとかなり早い段階で意識しちゃうんですよ。
そこを飛び越えちゃってるのが、
橋本さんの純真なところだと思いました。

愛とか恋愛とかの根っこの部分をじいっと見つめ、
それも早熟とさえいえる慧眼ぶりでわかってしまっていた著者。
ある意味それによって、恋愛意識が先鋭化しているのでは、とも疑った。
ある程度バカなほうがうまくいくというか。
でも、バカゆえにケンカ別れだとかするんですよね。
そして、わかっちゃっていても、恋愛感情のほうに重きをおく著者ですから、
そこらへんで硬直はしないようなんです。

感動して、それを自分で噛みしめて、
受けとめることができるひとが恋愛に向いているという。
感動してすぐそれを言葉にして書き留めたりしゃべったりするのは、
感動を受け止めきれていないということらしい。

加えて、恋愛には陶酔意識が必要だという。
これには覚えがあって、
ぼくは20歳頃に友達数人と大学の談話室みたいなところで話をしていて、
「俺は好きなひとに盲目的になれないんだよ」と言ったんだった。
陶酔できないからそうなる。
社会から外れることができなかったんだね、その頃は。

とまあ、序盤のあたりからの感想はこんなところなんですが、
やはり著者がさらけだしてくれた「恋愛体験」からみえるのは、
根本の恋愛感情なんです。
社会ってものをとっぱらって、
人間として裸の状態での「恋愛感情」がつぶさに見える。
そして、男が男を好きになる初恋が語られて、
たとえば、「男が男に恋する」という単調な字ずらだけをみるならば、
「えーー?!」と退く男は多いと思うのだけれど(ぼくだってそうだ)、
そこで壁を作らずに、とにかく話を聞いてみようという気で読むと、
男が男を好きになることだって妙なことじゃないってわかってくるんですよ。
「ああ、そうか、そういう形だってある」とわかるし、
案外、自然なんです。

ホモセクシャルだとかレズビアンだとか、LGBTって言われますけども、
本書を読むと、そんなマイノリティとして認識されて、
敬遠されがちなひとたちや意識が、
あたたかな隣人として身近に感じられるようになると思います。
そういう、誤解を解けるようなくだけた告白に本書はなっていて、
LGBTはまったく自分たちと違うひとなんかじゃない!って
わかり始めると思いますよ。

ぼくはけっこうおかまのひとって怖いんですよ。
なんの影響かわかりませんが、
なんか、気に入られると、
力ずくで好きなようにされそうなイメージを持ってしまって、
それでこわいのです。
でも、それって、女の子が男に対してもつ怖さと同じであるし、
実際に、そういう男もいるけれどやさしい男も大勢いるってことで、
それはおかまのひとにも通じることでしょう。

付録の三篇のエッセイも面白かったです。
橋本さんの本は数冊読みましたが、
やっぱりよい目を持っているなあという印象を今回も持ちました。

あと、著者が聞いた言葉ですが、こんなのがありました。
TVの仕事の話で、
「下手なヤツほど、セリフで理屈を言わせるんだ」って
ベテランの役者がいうのには、おおー!って思った。
理屈っぽい登場人物っていうのもいることはいるけどねー。

というわけで、ぜひぜひおすすめの本でした。

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2017年01月27日

Posted by ブクログ

もともと古い本というのもあって、ちょっと読みにくかったけど、恋愛で惹かれるのは似たところと似てないところがあって〜という話は分かりやすかったし腹落ちした。あと男性の方がピュアなんだなというのも感じる。実体験と重なり納得するところもあった。

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2023年02月06日

Posted by ブクログ

1986年当時の彼女に進められて読んだ覚えがある。
この年になって、ふと当時自分が何を思い何を考えていたんだろうって思ったときに、この本のことが頭に浮かんだ。

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2019年12月04日

Posted by ブクログ

男性と女性を超えた存在、橋本治さんの恋愛論。自身の体験から、恋とは何かを語っています。恋愛はやっぱり個人的なものだと思うので、共感できたりできなかったりですが、ひとりの人の考え方が赤裸々に見えて、こういう考えもあるのかと興味深く読めます。男性でも女性でも書けなくて、橋本治にしか書けないであろう、恋愛論。

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2015年03月01日

Posted by ブクログ

同名の作家さんと間違えて購入。だが、面白かった。この人の作品また読んでみたい。有吉佐和子さんのことを書いた、誰が彼女を殺したか?が、特に面白かった。

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2014年08月28日

Posted by ブクログ

本屋さんで特集されてたから買った。独特!バブルのときにすごい流行った本らしいけど、新鮮だった。女性的な語りだった。

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2015年11月14日

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