橋本治のレビュー一覧

  • たとえ世界が終わっても その先の日本を生きる君たちへ
    心のない論理や心の論理で生きる人たちは、自分が絶対に正しいと思っている。でも、心のある論理の人は、自分の正しさを相手に認めさせたい訳でもない。
  • 上司は思いつきでものを言う
    反論せずにあきれろ
    上司をバカにせず、バカかもしれないということを考慮する(親も同じ)
    日本は特殊なことをしているから、国際○○に、簡単にルール変更されてだめになってしまう。

    上司は、部下の建設的な意見を却下する権利はないが、部下が単にバカで建設的な意見を言っていない場合も多々あるので、鵜呑みにし...続きを読む
  • たとえ世界が終わっても その先の日本を生きる君たちへ
    最近、「話す」人が増えて、「聞く」人が減った。
    「聞く」人は、「話す」人の話しを、ニーズだと思うようになった。
    自分にとって、利益があるか、ないか、その功利性が、「話し手」と「聞き手」、
    「私」と「他人」の境界を分ける要素となった。

     橋本氏は、本当に不思議な人で、「まぁ、とりあえず、俺の話しを聞...続きを読む
  • 「わからない」という方法
    私が、何度も読み返してしまう本です。
    出版されて結構年数が経ちましたが、内容は全く古びてありません。

    それは、読者に対して、橋本氏の一連の著作のメッセージが、「現在の自分は、どこにいるか?」を
    考えさせるものだからだと思います。

    橋本氏は、この本できっぱりと、「正解がある時代は、終わったよ」とさ...続きを読む
  • 失楽園の向こう側(小学館文庫)
    私は、人生に行き詰まったら、この本を読んでいます。
    平易なエッセーですが、日本の問題点とその本質を見事に語っているような気がします。

    この本は決して「ああしろ」「こうしろ」という指南本、マニュアルではありません。

    「いや、もう日本ってこれから先何も良い事ないよ、でも生きていこうね」
    と、さらりと...続きを読む
  • これも男の生きる道
    私が何回も定期的に読み返してしまう本です。
    男はどう生きるべきか、という「生き方」に関しての本ですが、
    「生き方」自体が、ほぼ死語となっている中で、
    こういうテーマで書けること自体が凄いことです。

    橋本治氏のような「知性」が、もっと日本にいたらいいのにと、
    個人的には思いますが、後にも先にも、出て...続きを読む
  • 貧乏は正しい!(1)(小学館文庫)
    個人的には、橋本治氏は、業績に比べて、
    日本で一番過小評価されている作家だと思います。
    作家という枠に、入れてしまうのも、どうかなと思うぐらい、
    創造的仕事をしています。
     この『貧乏は正しい!』も91年に書かれたとは、
    思えないほど、氏の日本に対する批評は当たっています。
    この一連の著作では、氏は...続きを読む
  • 知性のテン覆 日本人がバカになってしまう構造
    反知性をヤンキーのくくりで考えると、なるほど比較的すっきりくる訳ですね。作者があとがきで書いているように、論旨があちこちに飛んでいくから、なかなか捉えどころのないように感じつつ読み進めていたけど、なるほど最後2章くらいで、だいぶ理解がまとまりました。読みながら思い浮かんだのは”ぼくらの民主主義~”で...続きを読む
  • 失楽園の向こう側(小学館文庫)
     10年以上前の橋本氏の本。雑誌に連載されていたのは記憶にあったが、文庫になってたので入手。一種の哲学書のように思えてきた。人生の指針の書、というわけではないが、中年になって読むとまた心が痛むところ多し。ただ、某書評と同じく、何となく前向きになれる、という意味はわかった気がする。全体的にぼんやり感が...続きを読む
  • 恋愛論 完全版
    話の中心は、著者の初恋です。それがまた、純真だなあと思った。実は僕って「純粋」っていうのはあんまり好きではないし、それにそれは今回のこの事象にたいしては違うと思って考えたら、純真という言葉が出てきた。それも、しおしおしたりもするんだけれど、全体として「陽」に感じた。とまあ、序盤のあたりからの感想はこ...続きを読む
  • 福沢諭吉の『学問のすゝめ』
    福沢諭吉にとって、政府という主体は存在しません。それは代理として仮に存在するもので、主体というのは、政府でなくて人民の側にあるのです。このことを、福沢諭吉は、読者である人民に向かって言っているのですが、このことに耳を傾けなければいけないのは、もちろん、人民ではなくて、政府の方です。
    ところが困ったこ...続きを読む
  • 乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない(橋本治流ビジネス書)
    知らなかったが、過去に読んだ「上司は思いつきでものを言う」「「わからない」という方法」を合わせて三部作なのだということ(著者曰く、何の三部作かはわからない)。
    この人の本は「わかりそうでわからない」「わからなそうでわかる」のが特徴だけど、読み進めながら薄々その理由がわかってきた。
    自分の理解をいうと...続きを読む
  • 性のタブーのない日本
    いろいろ雑な感じはあるが、
    単純に面白かった‼︎
    読みながらいろいろ笑ってしまった。
    小柴垣草子は初見ながら
    なんか予想外にリアルで笑えた。
    つまり、性はそんなもんでいいんじゃないかと。
    確かにそのものの動詞がないことも納得。
  • その未来はどうなの?
    ちょっと斜めの視点から入っていくが、最後には必ず"確かにそうだね”とうならせる切り口になって行くのは見事だ。取り上げた話題も軽いものが多いのに、どう言うわけか内容は軽くない。これもいつもながら不思議。知的な刺激満載で面白い。
  • 小林秀雄の恵み(新潮文庫)
    古典をよくわかっている橋本治が、結局のところ古典を理解できていない近代人である小林秀雄を、その痛々しい本居宣長への自己投影に満ちた”読み込み”を解読していく。
    この人のエッセイは、自分の言いたいことを徒然草よろしくのらりくらりと語っていくものが多いのだが、この本は小林秀雄の『本居宣長』という読み込む...続きを読む
  • 乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない(橋本治流ビジネス書)
    「大不況には本を読む」もそうだったが、主題は「もう経済成長を続けようとしても無理があるのだから、皆が主体的に不便さを選択して成長しない社会(=必要のみに基づく暮らし)を楽しもうよ。」と言う事だと理解した。それが「市場原理は嘘」に端的に表れている。確かにこうやって回りくどく説諭されるとそんな気にもなる...続きを読む
  • これで古典がよくわかる
    万葉がな、ひらがな、カタカナ…それぞれの成り立ちは聞いたことがあったけど、こんな風に変遷してきたとは知らなかったし、意識したこともなかった。いまの日本語の文章が読みやすいのは、昔から試行錯誤を続けてきた結果なんだな。

    『方丈記』は漢字+ひらがなの文章で読むと無常観を感じる。しかし原文は漢字+カタカ...続きを読む
  • これで古典がよくわかる
    日本語だと思ってかかると痛い目にあい、外国語だと思ってもとっつきにくい古典の複雑さがの原因がよくわかりました。
    ひとくくりに古典といっても、漢文に万葉仮名、ひらがな、漢文の書き下し文等いろいろあって、現代に近い和漢混淆文が出てくるのは鎌倉時代から。
    読めても、当時の常識分かっていないとネタが分からず...続きを読む
  • 大不況には本を読む
    「不景気にする」という能動的な手の打ち方だってあるのです。
    「保護貿易」と「自由貿易」という二つの言葉が対になって並んでいると、この二つが同時に生まれたようにも思いますが、そんなことはありません。「自由貿易」が先で、「保護貿易」が後です。

    平易で深い。日本人と資本主義の精神。次男の僻み。
  • これで古典がよくわかる
    「ものごとを分かりやすく説明する事の天才」と内田樹氏が絶賛する橋本治氏による古典の読みかた。「窯変源氏物語」など、古典の超現代語訳に取り組んだ筆者ならではの、独特な視点からの古典文学の腑分けが実に面白い。
    歳を取ってから、なんども古典を読み直そうと試みている。何十年ぶりかで古語辞典を買い、「徒然草」...続きを読む