橋本治のレビュー一覧

  • 上司は思いつきでものを言う

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    サラリーマンが言う愚痴の代表格である「上司が思いつきでものを言い、自分たちは振り回されている」というところに着目して書かれた本。面白いです。

    面白すぎて第一章など数秒で読んでしまったのではないかと思うほどでした(そんなわけはないのですが)。
    何がこんなに面白いのだろう? と考えてみて思い至ったのは、語り口でしょうか。(良い意味で言っているのですが)まるで落語を聞いているかのように、”文章”という感覚なくするすると読み進めることが出来る本なのです。

    内容はいろいろなところへ二転三転しながら、日本のサラリーマンを取り巻く状況や今に至る歴史など、様々な角度から「サラリーマンというもの」を見ていま

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    2020年11月12日
  • 父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない

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    日々報道され「その言い訳は通るの???」と思う数々のできごと

    それが起こってしまう日本の体質
    しみついているものは制度が変わっても実質変わらず、一部が変わった場合様々な齟齬を引き起こす

    その体質が解き明かされるようで面白い

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    2020年11月12日
  • 思いつきで世界は進む ──「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと

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    ネタバレ

    筑摩書房のPR誌に掲載された時評集
    2014年7月から50回分

    ニュースなんか見ていてちんまりしてしまう事象について「ああ、そんなもんか」と思わせてくれる
    知性っていいな、と思う

    橋本治、最高
    この方が亡くなられたのは本当に惜しまれる

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    2020年10月20日
  • 知性のテン覆 日本人がバカになってしまう構造

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    すごい本を読んだ。【いろいろなところに入口を持つ迷路の道の一つで、そのゴールは「知性」という中央広場】という箇所が最も全体をあらわしているのではないか。「難解」という感想に落ち着きそうになるが決してそれだけではない。手の届く「解る」から「なんとなく解る」「解りそうでわからない」「さっぱり解らない」までが順不同に訪れるのだ。こういう本が読まれる世の中であって欲しい。

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    2020年09月22日
  • 九十八歳になった私

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    ネタバレ

    大笑いしながら読んでいます
    デイサービスで働いていますが利用者さんの心のうちを類推したりして
    年重ねるのが怖くなくなります

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    2020年09月20日
  • いちばんさいしょの算数1 ──たし算とかけ算

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    昔「桃尻語」で話題になった橋本治さんの算数の本なのだから、まぁフツーじゃないだろう(ゴメンナサイ)と思って読んだら、まぁ面白い。そしてわかりやすい。大人にもオススメ、と私は思います。

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    2020年09月16日
  • 思いつきで世界は進む ──「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと

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    ネタバレ

    橋本治先生の「知」のあり方、世界を見る視点は勉強になる。読み手に考えさせることで、自分がさも考えているような錯覚になるけど、これは橋本先生に誘導されとるのだろうな――と思ったりする。

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    2020年05月29日
  • 橋本治と内田樹

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    ネタバレ

    橋本治と内田樹の2004~2005年の対談本。「私的なところがなく」「自分のことなんかどうでもいいと思っている」(ただし自己犠牲的な意味では全くなくて)とにかく天才としかいいようのない橋本治の魅力が浮き上がる内容になっている。早世といってもいい年齢での逝去が惜しい。

    興味深い対話がたくさんあったが、今読んで特筆だなぁと思うのは、能力を必要とする「参考にする」という行為がだんだんできなくなり「参加」するしかなくなってきて、「全員参加型社会になる」という兆しを指摘している点。15年後のいま、まさに参加する/しないの二択しかないかのような世の中になっているが、中間である縁側を設けてそこに身を置き、

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    2020年05月10日
  • 橋本治のかけこみ人生相談

    ネタバレ 購入済み

    気持ちが楽になりました。

    色々な悩みに、どの悩み相談にも的確にユーモアのある回答で楽しく読めました。
    そもそも、人は悩むのが好きなんでしょうね。解決する事など少なく、また、解決しても次の悩みが出てくる。あとがきにあった通り、解決しない事は悩まない、バカになって楽しむのが一番と言うのが正しい気がします。
    下手な考え休むに似たり、ですね。参考になりました。

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    2020年02月24日
  • これも男の生きる道

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    仕事も含めて、「できないのは、わからないから」「わからないのは知らないから」と著者は説く。それは、人間関係も含めて。
    素直にできない、わからない、知らないを認めて、一旦落ち着くことを提唱する。出来ないことを認めるとは、すぐに出来るようになきゃならないというのも違うと言う言説に、少し安心。
    家庭も、会社も社会も、人間の作るもの、どこかにとっかかりがあると信じて、恐れず、逃避せずに、一人前への道を粛々と歩みましょう。

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    2020年01月02日
  • 生きる歓び

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    短編9編を収録しています。

    著者はみずから執筆している「解説」のなかで、本書に収録されている作品についての発言を引用するという手の込んだことをおこなっているのですが、そこで著者は「人生の断片は、それ自体が美しい断片であってしかるべきだと、私は思うんですね」と語っています。本書に収められているのは、まさに市井に暮らすごくふつうの人びとの人生の一コマを拾いあげて、そこに映されている輝きをていねいにえがいた物語です。

    いずれの物語も、登場人物がヴァラエティに富んでおり、作品の内容も一つひとつが異なる印象をのこすものでありながら、どれもが総タイトルである「生きる歓び」を感じさせる内容になっています

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    2024年10月22日
  • 宗教なんかこわくない!

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    氏は、宗教は、もう日本人には、あまり必要とされてないと言う。自立して考えればいいじゃんと、もうとっくに、そういう時代だよと言う。
    日本人が自分自身に対してプリンシプルを持たない、持てないというのは、今だからこそ、より深刻な問題として日本を覆っている。何が良いのか、悪いのは、他人をキョロキョロ見ないと、自分の行動を決められないのは、近代をとっくに過ぎても、日本人に重くのしかかっている。

    現状は、ますます日本人は、自立した思考、行動、立場をはっきりさせず、存在全てを何かに依存させている。氏の問題提起は、旧くて新しいが、オウム以後でも、日本人は、変わっておらず、何かにすがり付きたい態度が、社会を蝕

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    2019年12月14日
  • 思いつきで世界は進む ──「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと

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    ○○ロスという言葉がありますが、
    以前は、何が○○ロスだよと、引き気味の視点で見ていました。
    ただ、ふと、ああ、もうこの世界に橋本治っていないんだな、、、と思うと、寂しくなりました。

    この本は、橋本治氏のweb連載の時評ですが、もう二度と、新たに更新されないんだなと思うと、
    残念でなりません。

    橋本治氏の著作は、毒にも薬にもならないものがたくさんありますが、
    語り口が、とにかく愛を感じさせるんですよね。
    どうして、ここまで、人間のこと、社会のことを、説明できるんだろうと、、、、。
    その説明が、なんというか、カラダ全体で考えているんだろうな、何か、大きなものを、
    背負って説明しているんだろう

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    2019年12月02日
  • 国家を考えてみよう

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    橋本治氏の本は、不思議なもので、参考文献をほぼ明記していない。
    これは、自身が語る内容に、よほど自信があるか、
    周囲がそれでも良いと認めているか、どちらかだ。

    私は、後者だと思う。
    固定ファンがいるのもそうだが、誰も氏に対して、
    批判できないほど、橋本氏は、「他者の人」である。

    この本で引用されてる文献も、
    福沢諭吉の『学問ノススメ』だけである。
    これだけの文献で、国家を語れる人は、そう多くない。
    たぶん、現存する日本の知識人では、両手に数えられるぐらいだろう。
    また、氏は、徹底的に権威というものに興味を示さなかった人で、
    もし示した人ならば、大学教授になり、テレビのコメンテーターになり、

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    2019年12月02日
  • これで古典がよくわかる

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    世界価値観調査によると、日本人の世俗性は世界トップクラスです。
    世俗性というのは、言い換えると、ミーハー(新しいモノ好き、古いものはダサいと思う)で、
    また、物事に対して、損か得かの判断をとても重視するということです。

    この特性からいうと、古典を学ぼう、学びなおそうという人は、
    確実に少数派になります。
    それでもなぜ学ぶのか?

    ①試験・受験に必要だから
    ②面白いから
    ③強制的に学ばされているから

    毎年、何万点も書籍は出版されていますが、
    その中で10年後、価値あると言われる本は1%もありません。
    20年後、30年後になると、0.01%以下になります。
    古典と呼ばれるものになると100年の

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    2019年12月02日
  • これで古典がよくわかる

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    高校生の頃出合っていたかったなぁ。
    なんで古典が読みにくいかが分かる。
    橋本治さんは、噛み砕くように説明してくれるし、例えも面白い。いつかどこかで出会う、過去の私みたいな誰かに勧めたい本。

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    2019年11月16日
  • いとも優雅な意地悪の教本

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    地域によって売れる本、並べられている本が違うので、旅先の本屋に立ち寄ることが多い。

    そんな矢先、本屋で見かけたのがこの本だ。

    自分の中で、「優雅」と「意地悪」は、随分とかけ離れたもの同士で、それらは両立しないものだと思っていたので、どんな本かと思い、購入。

    「意地悪」と「暴力」の違いという、対立構造から始まり、メリル・ストリープ、樋口一葉、夏目漱石と例を出し、意地悪の側面から紐解いていく。

    意地悪とは何かに関しては、はじめに語られているように、「完全犯罪」と同じで、自分の行為がいかにして相手に気付かれないか考えて実行に移すこと、としていて明快だ。

    『「意地悪」を考えるとなると、自分を

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    2019年09月26日
  • 福沢諭吉の『学問のすゝめ』

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    現代語訳と迷いましたが、こちらを選んで良かったのは、時代的背景も知れたと言うことです。
    著者のメッセージにも心動かされました。

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    2019年09月18日
  • 父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない

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    何もないくせに何故か偉そうで、やたら迷惑なオヤジ。彼らは一体何処から発生し、社会で何をしてきたのか?何処へいくのか?男のサポートという役割から飛び出した女の論理とは?
    映画の話なんかも交えながら軽妙に語られる、男社会の成り立ちと崩壊と。めちゃくちゃ面白かったです。
    腹立つことばかりの日本の社会や政治に対して、こういう語り方ができる人が亡くなってしまったことが悲しい。
    橋本さんなら、今の日本の韓国に対する外交、吉本の一連の騒動をどう書いたのかな?と思った。

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    2019年08月19日
  • いつまでも若いと思うなよ

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    始めにいきなり「老いとはまず他人事である」との命題が提示されるが、結局これが老いとは何か?に答える究極の結論なんだと気付いた。
    自分は昔から老けているので、実年齢が上がるとそれに応じて見た目の年齢と近づいて行くから歳を取るのは嬉しかったりする。それでも『老人』という響きにはやっぱり抵抗がある。それはどこまでも他人事なのだ。
    しかしこういう老いと死に関するテーマを著者の死後に読むのは複雑だ。読みながらつい余計な事を考えてしまう。

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    2019年07月24日