あらすじ
君も賢くなれる、と諭吉は言った――。で結局、何を学ぶのか?
いまだにベストセラー!!(当時20万部、岩波文庫71万部)
感動!興奮!泣ける!! 橋本治の熱血講義
全十七編のうち「初編」(冒頭たった10ページ)だけ読めばいい。
超有名なのに、みんな実は内容をよく知らない、
『学問のすゝめ』の魅力とは―
自由とは? 平等とは? 明治政府って何やるの? 天皇ってどんな人? 藩と国はどう違う…? まだ庶民が江戸脳だった明治5年に出版され、当時20万部の大ベストセラーとなった『学問のすゝめ』。列強侵略の脅威を一旦は免れたものの、その真の恐ろしさや近代化のなんたるかが全然わかっていない日本人に、諭吉は何を学べと言い、彼らを熱狂させたのか? 当時の時代背景や、ことばの意味、諭吉の思考回路もおりこんだ新感覚の解説本。そしてなぜ現代人も、時代の節目節目に、この本を繰り返し読んでしまうのか、その理由も明らかに! 蒙【バカ】が大嫌いな福沢諭吉の、蒙【バカ】への愛まで伝わってくる、感動の講義録。
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Posted by ブクログ
福沢諭吉にとって、政府という主体は存在しません。それは代理として仮に存在するもので、主体というのは、政府でなくて人民の側にあるのです。このことを、福沢諭吉は、読者である人民に向かって言っているのですが、このことに耳を傾けなければいけないのは、もちろん、人民ではなくて、政府の方です。
ところが困ったことに、政府の方はいつでも選挙に勝ったから国民の信任をえた!もうやりたい放題だ!の方向に行ってしまいがちです。でも残念ながら、政府は国民の代理なのです。それを忘れて政府の私事に走ったら、もうおしまいです。もうおしまいだということを、今から百四十年間以上も昔に、福沢諭吉は言っているのです。
Posted by ブクログ
読んで字の如し、学問をしろと勧めている学問のすすめの解説。
啓蒙の考えが勉強になった。
日本は基本的に無宗教国家なので馴染みがないが、今まで絶対的な宗教及びその集団が市民の考えを支配していたが、一人ひとりが啓蒙することで、経験を伴い自分で考えるようになる。
いわば啓蒙は敵と戦う手段のような側面があったということですね。日本には敵がいなかったので、勉強しろ、と言ってるだけってことになりますが。
他人が作ったガイドラインに沿って生きるのではなく、自分で考えて自分で決める。それこそ生きてるってことだと思うし、精神的な革命とも言えるかも。
古代ローマのアテネから民主主義が始まる。
民衆がバカ、衆愚政治。
民衆が勉強すれば変わる?
Posted by ブクログ
橋本治の解釈全開の学問のすゝめ。
白雷記を読んで福沢諭吉に興味を持ち、読んでみたが、これだけでは橋本治の主張が強すぎてよくわからんな。という感想。
バカが大嫌いなのは橋本治なのでは?
ともかく、橋本解釈によれば、福沢諭吉が現代にいたら、バカが率いるバカの衆愚政治だと一刀両断だろうね。
読んでると、明治維新の頃の蒙状態から、民衆は変わらないということにゲンナリした。しかも、日本だけでなく、至る所で。反知性主義についても最後の方に書かれてたけど、時代の過渡期にはバカが大活躍するらしいから、今がその時なのかな。みんなもっと学問をした方がいいよなぁ。
福沢諭吉の政治から距離をとりつつ(政治家もバカばっかりだから)上から目線で啓蒙するしんどさ、みたいなことも深掘りしてて、なかなか興味深い1冊ではあった。