橋本治のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ内田樹の「私の身体は頭がいい」つながりで読んでみた。本人が言うように確かに話がくどいが、結論はオイラの期待を裏切らないものだったのでホッとした。でも、まさか最後のページでまとめてくるとは思わなかった。下手したら結論はあとがきになるところだったのではないだろうか。身体と経験と友人。なるほどである。
脳味噌を過大評価しちゃいけないね。情報収集は全部身体がしてるんだし、現場のことは身体がいちばんよくわかっているというのは面白い。職場を例えにしたところも納得だ。
桃尻娘シリーズをきっかけにファンになったけど、もう30年くらい前のことだ。テレビドラマにもなっていたけど、もう一度観たいなぁ。ビデオに残して残しておかなかったのがとても残念。相築あきこが可愛かったんだよなぁ。 -
Posted by ブクログ
ひさびさの橋本治。相変わらずのらりくらり話と話をつなげていきます。テーマは反知性主義について。BREXIT、トランプ大統領、フランス大統領選、そして東京の都民ファーストの会の大勝…世界中そこかしこに溢れ出る傾向を主義主張ではなくて「かつて持っていた自分の優越を崩されたことによる不機嫌さ」という「気分」なのである、と指摘します。戦後昭和平成21世紀の時の流れに著者自身の実感を重ね合わせつつ思いつくままに話題を飛躍させながら、でも極めて誠実に論を積み上げてその気分を捕まえようとする試みが本書です。とても平明なのにかなり難解な本で「いま起こっていることはそういうことなんだろうな…」というやっぱり気分が残る感じ。このモヤモヤ感が橋本節だったような…
-
Posted by ブクログ
ネタバレ民主主義の政治は、国民の頭のレベルをまともでかなり高いものと想定して、前提にしている。つまり、民主主義の社会に「バカな国民」は一人もいないことになっている。「その国の政治のレベルは、国民のレベルの反映」、愚かな政治家を選ぶのは国民の責任である。
「国家には二段階の歴史がある」
○国家を英訳 → 「nation」「state」
・「nation」(=国民)が表すのは、「国民国家」、すなわち「近代国家」。
・「state」(=「領土」) 国家は「領土の確保によって出来上がる」
○漢字でいうと
「國」… 「領地をぶきで守って、さらにこれを城壁で固める」 国防重視? -
Posted by ブクログ
女の側からの視点で、
男の背中を描いた短篇集。
女性の側の心理がわからなくては、
この小説群は書けないです。
そして、愛憎が絡んでいるから、
なお、難しい表現なのでは?と思ってしまいますが、
著者の橋本さんはそんな苦労を一言もあとがきで発していない。
やっぱりこの小説を書いた50代の半ばになって、
わかることなのか、それとももっと若いころから
「わかっていた」ことなのか。
知りたいのはそのあたりでしたが、ようわかりまへん。
橋本さんは若い頃に『恋愛論』という本も書かれていて、
ぼくの本棚ににもたぶん復刻版なのかな、
それが積読になっています。
それを読めば、この謎は解き明かされるような気がする。
つまり、若いころからもう女性の心理は喝破していた、という。
本書の最後の章は、なんとゲイ話。
うげえと思って、最初は気色悪いな、
なんて感じて読んだのですが、
読んでいくうちにちゃんと読めていく。
一度休止して再度読み返すと、またうげえと思うのですが、
また読み進めるとちゃんと読める。
不思議なもので、
ぼくのなかにも同性愛気質みたいなものがあるんでしょうね。
共感まではいきませんでしたが、想像はできてしまう。
三人称で進んでいきますが、
それでも心理描写は見事で、
それでこそ、浮き彫りになった男の後ろ姿が生きてくる。
おもしろいものだなあと思った小説でした。