橋本治のレビュー一覧

  • いつまでも若いと思うなよ

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    なんだかとりとめのない語りだなあと思って気乗りせずに読んでいたら、第六章「老いの貧苦」が驚きの内容。「余は如何にして貧となりしか」と題して億単位の借金を抱えることになった経緯が記されている。これだけでもすごいのだが、さらに、第七章「病気になる」では、免疫系の難病を発症し、それでもなお借金返済のために入退院を繰り返しながら働いていることが綴られていて、なんともまあ壮絶である。あるのだが、しかし、そこが橋本治であって、あっけらかんと、というか、飄々と、というか、形容に困るのだけれど独特の語り口なので、あらまあそうなの?という感じで読まされてしまう。

    自分より十歳ほど年上の、いわゆる団塊の世代の方

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    2016年02月07日
  • ふたりの平成

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    1991年におこなわれた、橋本治と中野翠の対談。昭和天皇の崩御から始まって、「昭和」という時代とそれを支えてきた世代に対する批評が展開されています。

    本書の読み方は二つあって、一つは、中野の考えに橋本がえんえんと注釈をつけた本として読むやり方、もう一つは、橋本のえんえんと続く議論の結論を中野がスパーン! と明快に(若干キレ気味に)取り出して見せた本として読むやり方でしょう。個人的には、中野翠という人については「林真理子の亜流」というくらいの認識しかなかったので、橋本の手引きによる「中野翠入門」として読みました。

    読者の目を引くポイントとしては、今の男の子の通過儀礼は「やっぱり男と寝るしかな

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    2019年12月01日
  • 上司は思いつきでものを言う

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    タイトルに惹かれて読んだ。

    なるほどと思いつつも、話があちらこちらに飛んで、結局訳分からないメチャクチャな印象もある。ここまで頭がこんがらがるような本は、初めて読んだかもしれない。

    ・下=現場。上=会社
    ・会社は現場を収奪する。現場を痩せさせる。
    会社は利潤を追求するために存在する組織。
    現場と出会えなければ、会社は簡単に枯れる。
    ・最前線=現場=下からの風。
    上司=組織のピラミッドの一部=下に部下、上に上司=現場と隔離=上からの風。
    最大の問題は、現場と会社の分裂。最初は現場と会社は分裂していない。分裂すればするほど、官僚的な組織になる。
    ・会社には二つの風が吹

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    2015年03月31日
  • 上司は思いつきでものを言う

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    上司が思いつきでもの言っているのではないか、というのはたまにある経験だが、この本に書かれている構造がベースになっているとは感じたことはなかった。ただ、現場をよく知らないだけではないかと。この本に書かれている構造が当てはまるか否かにかかわらず、「部下は先輩としての上司に純粋に助言を求めている」ということは意識したいものだ。

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    2015年01月25日
  • これも男の生きる道

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    著者の体験をふまえて世の野郎共に「男とは?」をつらつら200ページも語っているが、
    「自分のやるべきことへの覚悟」
    「できないこと、わからないこと、知らないことを認めること」
    「それらを当たり前にやって一人前になること」
    男の生きる道とはそういうことのようです。

    当たり前のことを当たり前にやるのって難しいよね。

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    2015年01月20日
  • 恋愛論 完全版

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    同名の作家さんと間違えて購入。だが、面白かった。この人の作品また読んでみたい。有吉佐和子さんのことを書いた、誰が彼女を殺したか?が、特に面白かった。

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    2014年08月28日
  • 橋本治と内田樹

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    あとがき(by橋本治)より
    「今をときめく内田樹が橋本治と対談をしているのである。なにも知らない人がこれを聞いたら、「きっと、すごく重要なことを縦横無尽に語っているのだ」と勘違いしてしまうかもしれないが、この本には「重要なこと」なんかろくにない。なにしろ、この対談集の主たるテーマは、「橋本治」だからである。」

    まさにそう、そう勘違いしてしまっていました。
    基本的には、橋本治の盛大な自分語りの本。橋本治を大好きな内田樹に促されるままに、語る語る。そのための本だから良いんだけど、これを享受できるだけの橋本治愛は、いまの私にはまだなかった。読んだことのあるいくつかの本は全てとても面白かったのだけれ

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    2014年08月17日
  • 恋愛論 完全版

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    本屋さんで特集されてたから買った。独特!バブルのときにすごい流行った本らしいけど、新鮮だった。女性的な語りだった。

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    2015年11月14日
  • 古典を読んでみましょう

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    漢文=難解なため知識階級
    ひらがな=貴族女性文化
    で、平安時代の衰退で武家社会になっていき、戦争ばっかりで漢文を解するがいなくなっちゃったから、仕方なくなく和漢混淆文が生まれた、と。論理的な文字である漢字を混ぜることで、比較的論理的な現代語に近づいたのね。平安時代の多義的で曖昧な仮名文化のまま発展しなくてよかったよ。

    枕草子は現代的。
    ファッション、上下あり。袴に。上は単衣、うちぎ、上着を着るもの。裾を出すのは最先端、今と同じ。それが、袴がなくなって、着流しとなる。

    和漢混淆文は、愚管抄と平家物語から。平曲語りを言葉に直す。その分詳細が曖昧。勢い任せ。

    和歌は多義性こそが重要。何を言いた

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    2014年08月13日
  • 人はなぜ「美しい」がわかるのか

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    ネタバレ

    「美しい」と思う感覚はどこから来るのか。著者によると、「美しい」を感じるには「リラックスを実現させる人間関係」と、自分の所属するもの以上にいいものがあるという「外への憧れ」が必要とのこと。なんとなく分かる。そして、どういうわけか日本では「美しいが分かる人」は敗者との位置づけらしい。そうであれば、圧倒的な敗者にこそなりたいものだ。
    橋本治はあまり読んだことがないので分からないのだけど、うねるような、伸縮するような文章が特徴なのか、思考の流れをそのまま文章にしたような感じと、言葉を多義的に使ったりしている部分とが少し読みにくかった。

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    2014年07月25日
  • 古典を読んでみましょう

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    授業のレポート用に一読。文がとにかくわかりやすいが、古文そのものに触れるきっかけというよりかは、著者の文章に頼ってしまう。

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    2014年07月24日
  • 古典を読んでみましょう

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    「まえがき」を読む限りでは、古典嫌いの学生に向けた、古典ってこんな魅力があるよー!という入門書に思えたのだが。(プリマーだし)

    内容を読んでいると、一つのことを深めるというよりは、様々語りたいことが出てくるタイプ。軽い語りに慣れていると、いきなり専門的な所に食い込んできたりもして、バランスが取れていないように感じる。

    更に「めんどくさい」「わかりにくい」「そんなもんだ、仕方ない」という前提条件が、私は好きではない。

    古典って苦手、わかりにくいと思っている人が、これなら?と思って読んだ結果、果たして好きになるだろうか。

    知識の並べ方は、面白い。
    けれど、学生に向けた入門書としては、やや魅

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    2014年07月21日
  • 極楽迄ハ何哩(電子復刻版)

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    1970年代末頃に書かれた著者のエッセイをまとめた本です。

    中森明夫が「解説」の筆を取っているというのも時代を感じさせますが、そこで中森は、「80年安保」についての意見が橋本と一致したというエピソードを紹介しています。中森は、「80年初頭、物質的豊穣さと精神的寂漠さの間で現実の理性の抑圧をすり抜け感性のプレイグラウンドで遊ぶ一群の少年少女たち」が築いた、「不可視の感性のバリケード」ということばによって、そのことを表現しています。

    たとえば著者は、なぜ『現代詩手帖』や『現代思想』、『ユリイカ』といった雑誌で「特集・杉良太郎」という企画がおこなわれないのか、という問いを立てて見せます。そこには

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    2014年07月08日
  • その未来はどうなの?

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    「20世紀は理論の時代だったが、それはもう終わってしまった。」
    つまりは、いまや世の中のことは、体系立てて整然と解き明かして
    説明できるものではなくなったということです。
    そして、そのわからない状態に加えて、
    どうわからないのかもわからないくらいややこしさを増している。
    そんな世界になって、それをどうでもいいとするか、
    それとも少しはわかりたいとするか。
    本書の態度は後者で、その未来はどうなんだ?という形式にあてはめて
    論じていくものとなっています。

    著者の橋本治さんはこの本を書き始める前からご病気になり、
    どうにも集中力の続かない「頭の停止した」状態からこれ以上回復しないのではないか、

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    2014年05月23日
  • ちゃんと話すための敬語の本

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    敬語の使い方をそのまんま教えてくれる本では無いです。
    敬語の成り立ちを歴史的経緯から学べます。
    10代前半が対象なので、とても分かりやすいです。

    敬語の本質を知った上で、それをどう運用するかは、
    読者の良識に委ねられます。

    その辺が著者の本らしいところです。

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    2014年04月28日
  • 貧乏は正しい! ぼくらの資本論(小学館文庫)

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    大宝律令の時代から平安時代、鎌倉時代、江戸時代まで日本は土地私有は無かった事を丁寧に解説。明治以降の土地私有と家と相続税、或いは鎌倉時代の一族という価値観、昭和の会社という制度を縦横無尽に語り、果てはバブル期に1億8000万円のマンション購入の顛末記へ。さすが、橋本治です。

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    2014年04月14日
  • あなたの苦手な彼女について

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    高度成長を迎えた1970年代にウーマン・リブの運動が起こり、フェミニズムが男性による女性の差別を告発してから40年が経った現在から振り返って、なぜ男女をめぐる問題はこのような状況に立ち至ったのかを考察している本です。

    著者はまず、男性は「自分の恋愛の対象になる女」と「自分の恋愛の対象にならない女」を選別しており、前者だけが「女」で後者は「どうでもいい」と思っていることを指摘します。そして、男性にとってフェミニズムは、「どうでもいい」女が、何を「女」とするかは私たちが決める、と主張している運動だったと言います。「どうでもいい」女が、従来の社会の男性優位を告発し、女性の社会参加や社会進出を口にし

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    2014年04月13日
  • 日本の行く道

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    いじめ問題や格差問題、環境問題や経済問題など、さまざまな題材の周りをめぐりつつ、「日本の行く道」について著者が論じた本です。

    「いじめ」問題が「学校化社会」の閉塞感によって深刻化しているという指摘は、とくに目新しいものではありません。ただ著者の議論のおもしろいところは、こうした問題を格差社会の問題に結びつけているところです。

    著者は、現在の日本が「格差があるから格差社会だ」という同語反復の中に閉じこもっていると指摘しています。「このままでは生きていけない」という崖っぷちに立たされている人びとへの想像力を、「格差」という言葉が隠蔽してしまっているというのが、著者の着眼点です。そして、「さっさ

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    2014年04月11日
  • 乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない(橋本治流ビジネス書)

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    「勝ち組」「負け組」という二分法が、経済的な勝利だけを唯一の指標とする考え方を前提としていると著者は指摘し、その前提の外側の世界があるということを疑うことさえしない怠惰な知性を批判しています。

    著者は、「経済」という語が「経世斉民」に由来することを指摘して、「生きることが幸福でありたいという感情。これこそが経済という人間行為の本質ではなかろうか」と述べています。とはいえ、竹中平蔵でさえ「エコノミー」がギリシア語の「オイコノミア」に由来する語だということに触れつつ、経済学がほんらい人びとの幸福の実現をめざす学問だということを語っており、著者の指摘にそれほど目新しいものはないように思います。

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    2014年04月11日
  • ちゃんと話すための敬語の本

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    著者は、「敬語は人と人とのあいだにある距離を認める言葉だ」と指摘します。それから、歴史を遡り、かつて日本には「身分のある人」と「身分のない人」がおり、「身分のある人」の話の中ではお互いの身分関係によって複雑な敬語が用いられていたのに対して、「身分のない人」どうしの横の関係に関しては、決まった言葉遣いがないと言います。

    だから、私たちの人間関係には「自分よりえらい人」と「命令口調ですませられる人」の二種類しかなく、「えらいとかえらくないとかとは関係ない、親しい人」というのがいないと著者は述べています。そのことは、英語のYouのようなニュートラルな二人称がないことに現われています。

    しかし著者

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    2014年04月10日