橋本治のレビュー一覧

  • 性のタブーのない日本

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    「まぐあう」は「目交う」で視線が合うこと。昔は家族以外で、男女が顔を合わせることはなく、目が合うことは性交渉を意味した。p.39

    闇の中で性交渉するのは平気だが、顔を見られるのは嫌という女。p.143

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    2024年05月03日
  • 大江戸歌舞伎はこんなもの

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    江戸時代の歌舞伎について、著者ならではの観点から解説をおこなっている本です。

    著者は、「定式という、いつもおんなじであるような決まった道具を使うことによって、それをいろいろ組み合わせて変えていく」ことで、さまざまな表現が可能になっていることに目を向けます。こうした理解にもとづいて、歌舞伎がたんなる「教養」に終わらず、一定のルールのもとで娯楽としての可能性を追求していたと説明します。

    ただし「娯楽」といっても、江戸時代におけるそれは、現代のわれわれになじみの深い「娯楽」の理解とかならずしも同一ではありません。そのことは、「時代」と「世話」にまつわる著者の立ち入った解説によっても知ることができ

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    2024年04月26日
  • 知性のテン覆 日本人がバカになってしまう構造

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    個人的には、アメリカで起きた事は10年先の日本でも起きるという“格言”があって、この本の出された2017年から7年、書かれ始めた2015年から9年で、そろそろ日本でもと思うわけじゃなくて、2024年のアメリカではまだトランプへの支持が多く、いったいこんな状態がいつまで続くんだよとの思いでうんざりしているわけです。
    snsでの荒れ方もまだこれから本番って事?って思うと、じゃぁいいやと撤退しているんだけど、大衆は明らかに知性を必要とせずに現状を肯定する御神託を求めているのがイヤ。
    今後10年も同じような状況じゃ橋本治も草葉の陰で何だかなぁと思ってんじゃないのかな。

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    2024年03月27日
  • 窯変 源氏物語1

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    「美とは、この貴族社会をも揺るがす力にございます」ってグ伝の光源氏が言ってた!
    しかし13巻もあるのか。

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    2024年02月15日
  • そして、みんなバカになった

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    橋本さんのイメージは編み物オジサン~戦後豊かになって人はバカな方向へ。読書って好きじゃないけど、読み込みが必要なときは編み物しながら。純文学って私小説のことで、エンタメだけの読み物だけで十分。1989に昭和天皇が亡くなってバブルが弾けたことにも皆気づかず、日本人らしい生き方を失った。歳を取るって捨象していくことだけど、実態は解らない。難病になって体力が落ちたことに気付いた。勉強嫌いの変な子で、勤めたこともないけど、サラリーマンの世界と律令制は似たもんだと気づいて、上司は思いつきでものをいうとタイトルに読者は飛びついた~勉強嫌いだけど、出来て、絵では食えないと、東大に行って、駒場祭のあの有名なポ

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    2024年01月14日
  • 九十八歳になった私

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    2018年の作品。当時70歳になろうとしていた橋本治が、その約30年後、2046年頃の世の中を舞台に、98歳になろうとしている自分自身を語り部として独り語りをする異色の小説。

    東京大震災で首都圏は壊滅し、科学者の暴走により甦らされたプテラノドンが野生化していることを除けば、社会のありようは今とそれほど変わっていない。この辺の設定は近未来っぽくって絶妙。

    主人公は、社会や若者(といっても「ゆとり世代」が50歳くらいになっているのだが)に対して毒づき、思うようにならない自身の身体、記憶力の低下、至るところの不調に悩まされながら、それでもなかなか死ねないという境遇を愚痴りまくる。

    このあたりは

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    2023年12月06日
  • 大江戸歌舞伎はこんなもの

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     読み進めていってもさっぱりわからなかったが、あとがきで作者が、江戸の歌舞伎というのはなんだかわからないものなのだ、と書いていて少し安心した。
     そのなんだかわからないものに橋本はせまろうとしているわけだが、こちらは数えるほどしか歌舞伎を見ておらず、理解はしにくい。

    p70:曾我兄弟は関東の人間なので江戸ではポピュラーだった。
    94:11月には顔見世興行(契約が変わる)
     1月「二の替わり」
    上方と江戸の違い。
     

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    2022年12月25日
  • 「三島由紀夫」とはなにものだったのか(新潮文庫)

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    代表作ぐらいは読み込んでおかないと、この本を味わうことはできない。当然。
    それにしても著者の聡明ぶりが伝わってくる。

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    2022年12月17日
  • 人はなぜ「美しい」がわかるのか

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    『枕草子』を書いた清少納言が「時代の中に生きた美の冒険者」であるのに対して、『徒然草』を書いた兼好法師が、「時代の中に生きなかった美の傍観者」であるという違いです。
     だから、兼好法師は出家してしまう。
    →徒然草=「隠者の文学」はつまんねぇ

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    『徒然草』は「王朝の美学」を語ることに挫折した男による、日本で最初の「人間世界」を語るエッセイ集です。気がつけば「王朝の美学」はもう遠くに去っていて、自分の目の前には「美」を欠いた雑な「人間世界」があった。つまり、「現実に目を向けた」です。
    →出家=世を捨てることの意味

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    批評に必要なのは、「終わってしまった領域の確定」で、だから

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    2022年10月28日
  • これで古典がよくわかる

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    これで古典がよくわかったかは???だけど、「和漢混淆文とはなんで、それはどのようにしてうまれたか」ということは何となく理解できた。「古典をわかるうえで必要なのは教養をつけるためではなく、行き当たりばったりで"へ〜"と言って感心していることだ」というのは共感できた。月を見てせつないな、花を見て綺麗だな、と自分の中に眠っている『感情の豊かさ』をしっかりみつめていけたらいいな。

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    2022年10月22日
  • 古事記

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    初めてちゃんと読んでみた。知っている話も多かったが、なかなか面白かった。このシリーズを読破しようと思う。

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    2022年10月20日
  • 上司は思いつきでものを言う

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    本所自体が思いつきで書かれているような印象で、理路が整然じゃないので読みにくい。またデータや調査があるわけではないので鵜呑みにするのもアレ。
    たまにハッとするようなことが書いてあるんだけどいかんせん読み続けるのがしんどくてもったいないような気がした。
     上司をバカにせず、馬鹿な可能性を踏まえて、提案する。バカな上司には慈悲の心を持つ。上司は何か言わずにはいられない。思いつきを言われたらそうですかと話を聞く。新しい提案は今までを否定する文脈を持つ。みたいなことが面白かったです。

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    2022年05月21日
  • 性のタブーのない日本

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    まぐわうって、目合うで、目が合うとそれは性交するという日本の古代に、タブー謎なかった。それは、ただの自然な生理で過ぎなかったわけで。
    ただしフリーではなく、モラルやルールはあったというのを、古典や絵画から描き出す。
    源氏物語なんか凄いな。これ、よく子供たち読ませようてって思う。当時の女流文革なんか、少女コミックスみたいなもんだってのは、いや、きっとその通りなんだろ思った。
    そんな国に、性的差別なんかあったわけなかろう。

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    2022年05月12日
  • マルメロ草紙 -edition courante-

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    19世紀のパリ。金持ちの夫と見初められたうぶな田舎娘の妻、女優を夢見る妻の妹、欲と愛情、矜恃が芸術の花開く舞台で繰り広げられる。幸せや真実は置き去りにして。めくるめく耽美の世界。

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    2022年03月08日
  • 草薙の剣(新潮文庫)

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    長さを測るのに定規を使う。長さは同じでも起点が違えば、同じ長さのところにある位置は変わる。これは透明の紙に生まれてから死ぬまでのイベントを書いて、年表に載せて作られた小説である。定規の役割を担う年表はセンチや尺やインチみたいに、微妙にメモリが異なっている。あらすじみたいを書き連ねた細切れな小説を、定規に積み重ねていくと思わぬ模様が連なる織物となっていく。昭生だの豊生だの夢生だの、似たような名前で読者を混乱させつつ、世界とはこうしたものかと読者を思わせていく。

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    2022年02月18日
  • 上司は思いつきでものを言う

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    この不景気(賃金引き上げがない、税金が増える、諸物価が高くなる)状況では、まさに上司は「思いつきで物を言う」が散漫するはずだ。現代、55歳以上は日本の景気が良い時に育ち、何もしなくとも(語弊があるかもしれないが)会社を大きくできた。だが、昨今の「利潤追求」「コスト削減」が支流で、「不況」経験のない上司にアイデア等を求めても出るはずがないと悟ることだ。だから、奇抜で意外性を突いたアイデアを提言するのも一手かもしれない。

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    2022年02月04日
  • 乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない(橋本治流ビジネス書)

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    自分の持つ「欲望」は幻想かもしれない。
    不要な物を必要と感じさせ、欲望を喚起させることが果たして本当に求められているのか?
    消費活動によってしか自己を表現できないような生き方はしたくない。

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    2021年12月28日
  • 草薙の剣(新潮文庫)

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    夫は「ああ、そうだな」、妻は「がんばりなさい」しか言わず、子供は何をがんばればいいかわからないままゲームばかりしている。そんな描写が、すごく真実をとらえているなと。

    多くの人物が戦前から順に登場するが、名前が憶えられないようなクセのある書き方をしている。

    人物相関図を書こうかと思ったが、面倒なのであきらめた。
    それでも最後まで読めた。そう人物相関図は不要。親子関係だけでOK。

    時代を生きる人々の生活と苦悩が淡々と書かれている。
    近代社会のドキュメンタリー。

    ただ、近年の猟奇的な殺人事件などが書かれているが、昭和の時代にもあったので、そこが書かれていないのが物足りない。

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    2021年12月25日
  • 橋本治のかけこみ人生相談

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    ウェブマガジン「幻冬舎plus」で著者に寄せられた人生相談に対する回答をまとめた本です。

    著者はかつて『青空人生相談所』(ちくま文庫)という本を刊行しており、そこで同様の企画をおこなっていたのですが、本書はその約三十年後におこなわれた企画で、年をかさねて以前より多少はやさしくなった著者の回答を読むことができます。といっても、「ストレートに言ってしまうと、あなたのご主人は「他人のことなんかよく分からないスポーツバカ」です」といったように、遠慮のないことばが記されています。ただそのばあいでも、相談者の文面を読めば、相談者自身がたしかにそのように考えているであろうことが浮かびあがってくるので、まず

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    2021年11月18日
  • いま私たちが考えるべきこと(新潮文庫)

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    「自分の頭でじぶんなりに考えるということ」をめぐって、著者特有の堂々めぐりをつづける議論を展開している本です。

    著者は、「“自分のことを考える”がそのまま“自分のことを考える”になる人」と、「“自分のことを考える”が不思議にも“他人のことを考える”になってしまう人」という二つの類型を立てたうえで、前者が「近代」、後者が「前近代」に相当すると主張します。そのうえで、現代において「不幸な女の子を救ってあげたい」と考える男の恋愛の問題性や、西洋にならって近代化をめざすも組織の論理が根強く存在する日本社会の性格についての考察など、さまざまなテーマに著者の筆はおよんでいきます。

    さらに著者は、上の二

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    2021年11月02日