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榊原さんと磯村くんと木川田くんと一緒にやってきた青春大河小説「桃尻娘」シリーズもとうとう完結します。でも青春が終わったってことじゃなくて、いつだってそこにあるかもしれないってことなの。最後の主役は醒井さんねっていう橋本さんのとっても長いあとがきもあるので、ぜったい読んでくださいね。
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Posted by ブクログ
『桃尻娘』シリーズ(全6作)の完結編。1冊まるごと、温州蜜柑姫こと、醒井涼子だ。 結婚して子どものいる醒井涼子、30歳、誘拐をめぐる冒険活劇、これが第1話。第2話はお見合いで、26歳。第3・第4話はイギリス留学で、23歳。第5話は舞台が横浜・山下公園で、20歳。第1話から第5話へと、時間をさかのぼる...続きを読むという粋な構成。 なかでも第3話が読みどころ。舞台はイギリス。醒井涼子は上智大学英文科卒。度胸はあって、でもナイーブで、頑張り屋。実家はキャバレーチェーンを経営していて、裕福。彼女がオックスフォードに短期留学する。彼の地のディテールも彼女の心の機微も実にリアルに描かれている。橋本治はおそらく現地ロケを敢行したな。完全に醒井涼子になりきっているもんね。 なお、オックスフォードでの醒井涼子の足跡、しようと思えば追体験できる! 2021年11月、そんなとこに行くわけもない私も、ストリートビューで醒井涼子を追体験して楽しんだ♬ もちろん、前作までの登場人物たちも、ところどころに顔を出す。本書がシリーズ最初の人も、簡単な注釈が入るので、十分楽しめるはず。 (この文庫版の「あとがき」には、『桃尻娘』シリーズ誕生・完結の経緯が書かれている。ファンにはたまらないかも。)
本棚整理中につき再読 137 意識的なところなんかカケラもなくて、トンチンカンな失敗ばかりしていて、女の中の女というようなドロドロした部分を平気で露呈していて、しかも、日本の民主主義的な中産階級とは無縁の〝金持ちの娘〝である醒井凉子を表現するのに〝うっとりするような美しいトンチンカン〟、これほど適切...続きを読むな言葉があるだろうか。 第1部から読み進めるうちに、だんだん好きになってしまった。実際、存在したら仲良くはなれないと思うけど…。
シリーズ最終巻。今回の主人公は醒井凉子で、彼女の人生を逆にたどることによって、「自由」を求めて格闘する彼女の「青春」がえがかれています。 第2章は、26歳の凉子がお見合いで高階悠吉という男性に出会い、一目見たときから彼に強く魅かれながらも、母親の縫子によってセッティングされたお見合いという様式のも...続きを読むとで人生の一大事である結婚相手をきめてしまうことへの葛藤をおぼえる凉子の姿がえがかれます。 第3章は、23歳の凉子がイギリスのオックスフォードに留学し、デビッド・ブラウニングという男性に出会うとともに、大学で学ぶことが自分にとってどのような意味をもつのかという問いに直面する凉子の苦闘が示されています。 第5章は、20歳の凉子がかつて滝上くんをめぐって恋敵となった木川田くんに出会い、二人で横浜のデートをする話です。滝上くんのことを好きになってしまった二人が、その呪縛から自由になっていくプロセスがたどられています。 本書の大きなテーマは、凉子が自分自身の「自由」にめざめていくことにあると言えるように思われます。ところが、第1章では三歳になる娘の聡子が誘拐事件に巻き込まれる事件があつかわれており、そこでは凉子自身が母親の縫子が娘に対しておこなった教育を反復しているかのように見える叙述もあって、三代にわたる女性たちが陥ってしまった問題を放擲することが、とほうもなくむずかしいものであることが示されています。著者は「あとがき」で、登場人物たちに対して愛着をいだいていることを告白していますが、それにもかかわらず著者は、彼らを見舞うことになる困難な運命をえがくことに容赦しません。同時に、それだけいっそう、彼女たちの歩んできた「青春」は、読者に強い印象をのこすものになっているようにも感じられます。
これにて終了。だってレナちゃんも大学なんかとっくに出てて30なんだから、青春小説の、青春がどこに行ったんだか。温州ミカン姫子と、醒ヶ井さんが主役で、大河青春ドラマも幕を閉じるのでした。だって、買おうにも、講談社文庫とかあるのかな?ところで、表紙を高野文子が書いてるんだよね。まあ、これも、過去の人か?
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