中村文則のレビュー一覧

  • ご本、出しときますね?

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    オードリー若林さんと作家さんの対談のような感じで進むテレビ番組の書籍化。 作家さんってなかなか面白い人がたくさんいるものだなと感じられるし、心の中はちょっと黒い人が多いのかなと。 そして、意外と作家さん同士って交流あるものなんだなと。

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    2023年04月16日
  • ご本、出しときますね?

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    同名のテレビ番組の書籍版。対談番組なので普通の対談本として読める。内容は若林×小説家2人の対談。読んだことない人も多かったけどどの人も面白くてみんな読んでみたくなったし、小説家の皆さんのとがり方は自分とは違くて自分はやっぱ作家ではないな、とも思った。

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    2022年12月04日
  • ご本、出しときますね?

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    面白すぎてあっという間に完読。
    物書きの皆さんは日々何を考えてるんだろうって気になって仕方なかったので、得にしかならない!と鼻息荒めで読んだ。
    勉強になったのは、森鴎外の行き着いた哲学が
    【諦め】ということ。
    対談されていた作家さんの本や、処方された本など読みたい本が増えたので何を読んだらいいかわからない人にもオススメ。
    若林くん、佐久間さん、素晴らしい企画をありがとうございます。

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    2022年11月08日
  • 教団X

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    ネタバレ

    めちゃめちゃ面白かった。
    話の流れがまだ見えてこない前半に仏教哲学っぽい話がかなり長く続いたが、興味深い内容で飽きることなく読めた。この内容が後半の沢渡の過去編にリンクしていて、沢渡は手術のシーンで意識が脳を超えた(=神になった?)と思う。「人間は素粒子に過ぎない」が、素粒子で表せない意識こそが言語化できない神の領域なのではないか、みたいな話に説得力があった。
    世界の出来事は全て化学反応式なのだから、生まれた瞬間に全ての運命が決まっている、我々の意識はその観客に過ぎない、という内容があったけど、これは自分もたまに思っていたことで、この考えを踏まえて「全てがどうでも良くなった」沢渡と、気楽に生き

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    2022年02月07日
  • 教団X

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    引用で成り立っている。小難しく思える社会問題、化学、宗教、政治、などを織り交ぜながらも読みやすく、サスペンスやアクションの要素を含んだエンタメ小説でした。
    量子力学や宗教のことに興味はあるけど、学術書を読むのはしんどいなと思ってる人には丁度いいかもしれない。逆に専門家が読めば、そんなことは知ってるよ!と言いたくなるような浅い部分をなぞっただけなんだろうなとも思いながら読みました。

    教祖の奇妙な話 Ⅳ にドフトエフスキーの未成年から引用された文章があります。
    思想は時にその個人の全存在を拘束してしまうことがある。そういう思想に芯から飲み込まれてしまった人間は、感情で頭が硬化し、反対の思想をいく

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    2019年08月18日
  • 去年の冬、きみと別れ

    購入済み

    独特の雰囲気に呑み込まれ一気読みできる作品。
    個人的には、内容も良かったですが、何よりもタイトルが洒落ていて、言葉のセンスが素晴らしいなと思いました。

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    2019年03月28日
  • 教団X

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    兎に角、壮絶で、残酷で、希望に満ちている。

    行き着く先は結局ここなのかと。絶望でもなく、諦めでもなく、安堵かもしれない。
    小説というよりも、悲鳴とか、嗚咽に近い。
    読み物として成立しているのが不思議なくらい。
    正直小説としての楽しみ方は分からなかったが、世界を変えようともがく一人の人間の全てが詰まっている。

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    2019年03月10日
  • 教団X

    mnt

    購入済み

    壮大な作品

     久々にスケールの大きい作品を読んだと思った。又吉氏が勧めているから気軽に手を出す人が多いようで、レビューを見ていると過激な性描写に嫌悪を抱く読者が見られたが、この作品はそんな一点に立ち止まって評価すべきではない。描写や教団の異質性にばかりに囚われず、作中にひしめき合う複数の群像や視点やテーマに心を向けて読んでみるといいと思う。エンターテイメント作品というよりも、これは壮大な哲学・文学作品だ。
     生きるとはなにか。平和とはなにか。安保に揺れる渦中の今、一層私の心には多くのものが飛び込んできたように思った。多くの人に読んで欲しい傑作。

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    2015年10月09日
  • 男性作家が選ぶ太宰治

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    さすがは並みいる男性作家が選んだ作品集である。全部面白い。
    「ちょっとちょっと…」と傍で話しかけられるような親しげな語り口と
    抜群のリズム感が心地いい。特に気に入ったものを少し…。

    「道化の華」
    ラスト3行でいきなり視界がぱあっと広がり、ぞくっと怖くなる。
    視点のトリックで読者を驚かせるのが上手い。
    「彼は昔の彼ならず」
    心の本質が似通った人間が近くにいると、お互いに感応してしまうのだろう。
    口先三寸のペテン師のような男を非難している主人公の男もまた、
    親の遺産で遊び暮らす怠け者。
    才能ある芸術家のパトロンになりたいという、
    彼の下心を見透かしたペテン師の作戦勝ち。

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    2015年06月05日
  • 掏摸

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    ネタバレ

    木崎のような権力者、命令に従うしかない主人公、そして守られなければ生きられない子供。作中に並ぶ三者は、世界に埋め込まれた見えない階層を象徴しているように感じられた。生まれた場所で人生の輪郭が決まり、抗う術も与えられない世界。その冷たさの中で、人はどこまで「自分の意思」を保ち、貫けるのか──という物語だと思った。
    あの子供には良い人生を送って欲しいな、、

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    2025年11月29日
  • 掏摸

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    大きな物語の途中からの話を読んでいるようだった。しきりに女の人の名前(忘れちゃった)のことを思い浮かべながら自分の現在の言動について向き合ってる描写があった。あとがきにあったように16章が物語の中核になっていたみたい。あの「塔」の存在は大人になってからはその女の人と照らし合わせていたのかな。「光が目に入って仕方ないなら、それとは反対へ降りていけばいい」割り切った生き方、だけど生きることへの強い渇望を感じた。掏摸に特化しているが、この主人公はきっと頭が切れるし器用で非常に優秀な人なんだと思う。その方向性が「反対へ降りていけばいい」にとことんなんだと思う。木崎?が言っていたように、強盗にも位があっ

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    2025年11月15日
  • 掏摸

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    スリをしながら生きる主人公が、過去に、ある男達の強盗の補助をする 
    その時の元締め木崎に3つの仕事をするよう脅される

    孤独な主人公が行くつく先はー破滅か

    主人公にとって生きている世界は硬く強固で、縛りのあるもののようで、他人の物を盗む行為だけが周囲を流れるあらゆるものから自由になれる、暖かで確かな温度をもったものだった

    スリをしながら退廃的に生き、自分の人生において消えてほしくないものがあり、消えてほしくない人間のことを想っている

    主人公の心の中に現れていた塔
    あらゆる価値を否定し、あらゆる縛りを虐げる行為の象徴

    「全身の力を使い、コインを指で挟んだ。遠くには、高く立つ、霞んだ塔があ

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    2025年11月05日
  • 掏摸

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    テスカトリポカを読んだ時も感じたけど、残虐な行いの背景に「神」だとか「運命」だとか書かれていると、不思議と神秘的な思いにとらわれ、善悪の境界があいまいになる。
    今回も木崎のセリフでそのように思った。
    スリは犯罪と重々承知だが、スリの技法の部分がとてもスリルがあって楽しかった。
    失敗するかもしれない時、「僕」がとっさの判断で相手にスキを与え、結果スリに成功する描写がとてもワクワクした。「僕」は天才スリ。土壇場にどう切り抜けるかの引き出しを沢山持っているのだろう。
    そもそもの主題「運命とは?」に関しては、全くピンとこない。あの少年を守りたくて木崎の要求を飲まざるを得ず、木崎が想定以上のワルで単に騙

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    2025年10月25日
  • 掏摸

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    「銃」に続いて中村文則
    これも一気読み

    やはり好きな文体ではあるので、もう少し他の作品にも手を出さざるを得なくなった

    主人公の過去はもう少し掘り下げて欲しかった
    貴族と運命、のあたりは既読感があった
    点をマイナスして星4つ

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    2025年09月27日
  • 自由思考

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    硬軟織り交ざったエッセイと、新聞雑誌等に寄せてきたさまざまな政治・社会批評が集められたもの。中村文則はあとがきを書く方なので、各作品に込められた想いだったり、特に初期作品では著者自身の何かを濃厚に抽出していたりするので、本人の内面を含めて想像している部分がたくさんあったが、やはりエッセイという形はよりその人の色々な側面や感性を知ることができて面白い。若い頃に太宰、ドストエフスキーにガツンとやられたという点は私も同じなので共感するところも多かった。

    文学とは何か、という問いに対する答えとして、

    「そこに書かれた言葉の意味の全体で、その全体以上のものを表現しているのが文学」

    という定義は、昔

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    2025年09月17日
  • 掏摸

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    掏摸か…漢字読めんかったけど(^◇^;)

    ほぼ両利きとは、掏摸の為に生まれたような…
    しかし…
    そんな世界にずっと生きてきて、なにを思うんやろうな…
    それも、モロに一匹狼みたいな。
    仲間いた時代もあるにせよ。
    どこにも、属さないのは、どこからも、左右されないことで、自由なんかなぁ…

    でも、属さないのは、利用もされやすい。
    この人の人生は、何やったんかな?
    一匹狼みたいで、結局、属さない世界からの掌コロコロみたいな。

    もっと生への執着ないかと思ってだけど、やはり、人との繋がりが…

    最後の500円の効果(硬貨やない)が、あったらええかな…

    これ描く前に、「旧約聖書」読んでたみたい。それか

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    2025年06月15日
  • 去年の冬、きみと別れ

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    死刑判決を受けたカメラマンの取材のお話

    以下、公式のあらすじ
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    「僕はあなたについての本を書くと決めたのです」
    ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。事件の全貌及び被告の素顔をあぶり出し、ノンフィクション作品として刊行することを出版社から依頼されたからだ。
    被告の職業はカメラマン。その才能は海外からも高く評価されるほどのものだが、被写体への異常なまでの執着が乗り移ったかのような彼の写真は、見る物の心をざわつかせた。
    彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けている。だが、何かがおかしい。調べを進めるほど、事件への違和感は

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    2025年05月23日
  • ご本、出しときますね?

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    2016年~2017年に BS で放送されていた番組を書籍化したもの。オードリー若林氏が各回2人の作家をゲストに迎えて行う鼎談集である。もともと知り合いの方も多いようで、堅苦しい話も小難しい話もなく、気軽に読める。

    小説を読んだだけでは分からない作家さんの側面が見られて楽しいし、読んだことのない作家さんも、話がおもしろい方の本は読んでみたくなる。また、毎回の鼎談の最後に紹介される本も、興味をひかれるものが多かった。

    読書の幅を広げたい方に。

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    2025年05月19日
  • 掏摸

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    何だったんだろう。
    最近読んだ本も。
    終わりがあんまり好きじゃない
    死んだかどうかも不明。
    モヤモヤしますね。
    ただ、途中途中はスリルがあって良かった。     

    追記:読んでからだいぶ経って、ふと思い出すとやっぱり怖い。最後が特に。

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    2025年05月01日
  • 掏摸

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    192ページというコンパクトな分量ながら、長編を読んだかのような重厚感のあるストーリーだった。スリ師の話で犯罪に関わっている人たちしかほとんど出てこないため、終始ダークな雰囲気が醸し出されている。主人公は世間からはみ出てしまって自分の人生に希望も持てずにいて、ある日最悪な男と再会して犯罪に加担していくことになる。心の中の葛藤もよく描かれていて、ストーリーもテンポよく展開されているため飽きずに最後まで読むことが出来た。

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    2025年04月30日