中村文則のレビュー一覧

  • 教団X

    おそらく好みは別れるが

    重厚で淫靡で暴力的でいて、人間の業をこれでもかと叩きつけてくる。
    難解なテーマにも関わらず一気に読了したのは、
    素晴らしい筆力の賜物。

    少しオトナになれた方は是非読むべき。

    #ドキドキハラハラ #ダーク #シュール

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    2021年05月15日
  • 大江健三郎賞8年の軌跡 「文学の言葉」を恢復させる

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    少し前の新聞に中村文則の「掏摸」が紹介されていた。中村さんは今や海外でも名を知られた作家だが、そのきっかけになったのが大江健三郎賞を受賞した本作が、賞の特典として翻訳されたからだ、という内容だった。
    大江健三郎賞は聞いたことがあったが、選考委員は大江健三郎さんひとりで、賞金の代わりに海外に翻訳されて紹介される、賞は八年続いて既に終了しているということも知らなかった。
    で、その賞の始めから終わりまでの受賞作の紹介とそれぞれの著者との対談を収録されているのが本作。
    なかなか手ごわい本だったがおもしろかった。
    受賞作のどれも読んだことが無いが、長島有の本は読んでみたいと思った。対談も一番楽しかった。

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    2020年07月24日
  • 教団X

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    安保法制、特定秘密などの日本の右傾化に対する危機感を考えさせる事がこの本のメッセージの一つかなと思いました(出版時期的にも)。個人的には、素粒子論が面白くて、松尾正太郎の話は楽しめました。

    May. 7, 2019

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    2019年05月07日
  • 教団X

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    ★異常と異常の狭間★運命とはという議論をするとどこかに嵌ってしまい、個人は揺らぎを止められない。新興宗教を通じて、その先のわずかな明るさを描いたのだろう。
     深淵そうな教祖のエロ話、神を信じるのではなく知ろうとして虚無に飲み込まれた別の教祖、傷つくことをどこかで求め続けている女性。重い話だがストーリーテラーとしての技術が高いのだろう。説教臭さにとどまらずに引き込まれる。
     しかし最先端の科学が数千年前の宗教の知見と合致する、という言い回しは注意しないといけない。科学で分かることはこの先も変わるのだから。

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    2019年04月27日
  • 男性作家が選ぶ太宰治

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    女性作家が選んだものとはまた違う感覚の作品も多く、未読作品が多かったのでとても楽しめた。餐応夫人がすき。この作家さんはこういう作品を選ぶんだなぁ…って部分でも楽しめてなんだかお得。

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    2018年03月16日
  • 去年の冬、きみと別れ

    購入済み

    映画化するの…

    残り1/3くらいからかな、色んなものが繋がって「あぁ、そうだったんだ」ってなります。
    だから、そこからはもうノンストップで読み終わらずにはいられませんでした。

    映画化されるということで読みましたが、あのキャスティングでいいのか…
    映画は見ないと思います。

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    2018年02月12日
  • 去年の冬、きみと別れ

    購入済み

    去年の冬、きみと別れ

    サスペンスだけれど、読みやすかった。

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    2017年08月15日
  • 教団X

    購入済み

    ナンカイ

    何回も読みなおした
    何回か本を閉じた
    難解だった

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    2015年08月16日
  • 掏摸

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    アメトーク読書芸人をみて中村文則を知る。早速、こちらを手にして読んでみた。全編に渡る緊張感がたまらなくよい、平成の村上春樹と呼ばれていると下記レビューにあるったが今後、注目して読んでいこう。それと、もう一人、西加奈子もおすすめらしい。

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    2025年11月16日
  • 掏摸

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    ネタバレ

    今までの自分の読者傾向をもとに、チャットgpt から強烈におすすめされて本だったが、微妙だった。確かに、木嶋とその組織の正体が謎である終わり方もいいと思うし、むしろこの小説にミステリー要素を求めるのはナンセンスなのだろうが、それは読んだ後にわかることで、若くて刺激を求めてしまう自分にはどうしても物足りなかった。やっぱり、主人公の過去、組織の正体、社会体制、構造反転など壮大なものを期待してしまった。この小説の冒頭の私小説的な件も「しゃべり始めたな」と正直思ってしまった。あとがきも真っ直ぐな言い訳を聞かされているようで惹かれなかった。自分は寡黙の美学のようなものを作者や芸術に求めてしまうのかもしれ

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    2025年11月19日
  • 去年の冬、きみと別れ

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    ほんまに中村文則ってやばい。
    完全に人生を間違えてしまった我々のことも思い出して欲しい。> <
    最初からオチが読めたりはしないけど分かりやすい

    教団Xみたいな完璧で美しい狂人みたいな人は意外と出てこなかった、。

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    2025年11月12日
  • ご本、出しときますね?

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    村田沙耶香さんのインタビューを読み漁っていたところこの番組を知り、当方リトルトゥースでもあるので是非観てみたいと思い、映像を探していたら書籍化されてるとの事で読みました。
    若林さんと仲の良い西加奈子さんや朝井リョウさんのインタビューも載っていてとても面白かったです。

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    2025年11月09日
  • 掏摸

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    ネタバレ

    普通に面白かった。
    スリを覚えて実行して、結局は木崎に刺されてどうなったのかな?助かった?あの子供は施設に行けたのかな??
    続きがあるみたいなので読まなければ。

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    2025年10月18日
  • 教団X

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    ネタバレ

    前半は官能小説のような感じでした。性行為を重んじる宗教が2つある。松尾の宗教と、沢渡の宗教。結局は、国家がアピールをするために悪者とされている沢渡の教団Xにに攻め入ろうとするが、教団Xはほとんど悪いことをしていない。先に攻めたのは国家である。どうしても国家は教団Xを悪者に仕立て上げたいがために、テロを起こすように仕向ける。結局テロは起こらず、国家が信頼を落とすという結末。宗教の話には、政治が絡むんだなと思った。

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    2025年09月21日
  • 掏摸

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    中村文則の作品の中では物足りない感覚。『遮光』や『何もかも憂鬱な夜に』の方が、考えさせられるものや、心にくる衝撃が多かった。
    中村文則は、闇の底を体験させることで、日常の光の部分に気づかせようとしているのだと思う。

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    2025年09月20日
  • 掏摸

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    木崎という男に運命を握られた天才スリ師である西村のストーリー。

    快感を求めてスリを実行し、命を奪われないために犯罪の駒となった西村。
    他人の人生を動かすことを最上の快楽と捉え、ゲームのように犯罪を計画立案していく木崎。
    どちらも犯罪者という面では同じだが、圧倒的な本質の差を感じた。

    奪われるものが何もない人を「最強の人」というが、命を奪うことを何とも思わない木崎も最強の人である。

    他人を暴力で支配してコントロールし、それを「運命」という木崎に対して、西村の最後の抵抗は爽快。
    登場人物が掏摸、恐喝、殺人などの犯罪者とネグレクトの親子なのに対して、読後感は良かった。

    兄妹篇の『王国』も読ん

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    2025年08月21日
  • 教団X

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    殺伐としていて、面白くはないけれど
    変に重たいリアリティがある。
    作者が見ている、この世界の形がくっきり描かれている。
    宇宙論、宗教論、世界を支配する仕組み。
    陰謀論めいているけれど、きっと現実世界に近いのだろうと感じる。
    そうでないほうが、絶対にいいけれど。
    恐ろしい世界に対抗するには、飲み込まれないようにするには、
    松尾さんみたいに考えること。生きること。

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    2025年08月12日
  • 去年の冬、きみと別れ

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    読書からてんで離れていたから、比較的文庫本が薄くすぐに読めるんじゃないかと思い手に取ってみた。
    全く分からなかった。
    静かな環境で読んでいないということもあり、最後の方が集中できてなかったのも一理あると思う。

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    2025年07月30日
  • 去年の冬、きみと別れ

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    狂気と化け物たちの物語…そんな印象を受ける作品でした、初めて中村文則作品を読ませてもらいましたが登場人物と語り手の視点が複数あるコトに後半気付かされ、気付いたところから大きく展開が変わっていく流れは引き込まれてしまいます。

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    2025年07月18日
  • 掏摸

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    ネタバレ

    どんよりした雲が漂ってそうな雰囲気があった。
    読後感が良かったのと、文章量も多くないし読みやすかった。
    主人公の生活を遠いところからに盗み見しているような感覚。淡々と物語が進んでいき、あっけなく終わる(死んだかわからないが)のが妙に現実味があって面白かった。
    スリの描写が上手かった。
    最後のところも気になるけど明かされないのも良いと思った

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    2025年07月08日