中村文則のレビュー一覧
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著者の作品を読むのは久しぶりで『掏摸』『去年の冬、きみと別れ』に続いて三作目だけれど、毎日新聞連載の「つぶやき」を読んでいるのでそのつもりで読み始めたら(当たり前だけど)全然テイストが違う。信仰の禍々しさ、嫌悪感で眩暈がしそうな描写に辟易しながらもページをめくる手が止まらない。
本書が「すばる」に連載されていた時期(第一部2012年5月〜2013年6月、第二部2013年8月〜2014年9月)を考えると、今年7月に亡くなった安倍氏が自民党総裁として返り咲く直前から政権奪還して最高にイケイケの時にカルトと政治の関係をこの視点で描いていたことにも驚く。
読み終えてもため息しか出ないが、2014年にノ -
Posted by ブクログ
少し前の新聞に中村文則の「掏摸」が紹介されていた。中村さんは今や海外でも名を知られた作家だが、そのきっかけになったのが大江健三郎賞を受賞した本作が、賞の特典として翻訳されたからだ、という内容だった。
大江健三郎賞は聞いたことがあったが、選考委員は大江健三郎さんひとりで、賞金の代わりに海外に翻訳されて紹介される、賞は八年続いて既に終了しているということも知らなかった。
で、その賞の始めから終わりまでの受賞作の紹介とそれぞれの著者との対談を収録されているのが本作。
なかなか手ごわい本だったがおもしろかった。
受賞作のどれも読んだことが無いが、長島有の本は読んでみたいと思った。対談も一番楽しかった。 -
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ネタバレ単行本だが170ページで読むのにそんなに手間のかかるものではなかった。ただ前に読んだ「去年の冬きみとわかれ」もそうだったが、何かに優れていたり、異常になにかにとり憑かれた人を書くという作家なのか、日常生活には見られない主人公や周りの生き方が少し分かりにくくもあった。
分かるというよりも、まぁどんなテーマでも読み手の想像で筋をたどるのだが、読んでいてこういう世界もあるのかという感想だった。
恵まれない孤独な境遇の青年が、スリで生活している。
スリの手際もよく、効率のいい裕福そうな人を狙って、生き延びている。
底辺の法外の生活者、アウトローなので縛られる何物も持たない。ただ一時関係があった -
購入済み
映画化するの…
残り1/3くらいからかな、色んなものが繋がって「あぁ、そうだったんだ」ってなります。
だから、そこからはもうノンストップで読み終わらずにはいられませんでした。
映画化されるということで読みましたが、あのキャスティングでいいのか…
映画は見ないと思います。 -
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中村文則が評価される理由って、多くの場合は
* 人間の破壊衝動
* 支配と被支配
* 執着
* 孤独
* 死への誘惑
* 善悪では割り切れない暗い感情
を、異常なほど生々しく言語化するところにある。
あなたが最初に衝撃を受けた『土の中の子供』なんかはまさにそれで、ストーリーよりも「人間の暗部をどう描くか」が中心にある。
『教団X』も良くも悪くもそっち側。
だから、
登場人物の持つ、何か特定のものや感情への依存、狂気に、その言語化や文章力に、とても衝撃を受けました。
という感想は、中村文則を好きになる人の典型的な入り方だと思う。
一方で『去年の冬、きみと別れ』はかなり「エンタメ寄 -
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あなたのマイルールは?っていう質問が出演者にたいして投げかけられるのだけど、これが面白い。とても一般的なことを答える方もいれば、え?それってどういうこと?と答えるような内容もある。ただ、どの回答も、よくよく話を聞くと、なるほどそうか。と思う内容で、上っ面でなくきちんと腹に落としたマイルールがあることがすごいなと。
こうしたルールは最初からあるのではなくて、インタビューや内省の過程で形作られているんだろうけれど、きっと作家さんというのはそういう過程をごく自然なこととして普段からされているんだろうな感じたし、その過程と表出した事柄が、私の関心ごとなんだな。って気づけた。 -
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ネタバレ2人の女性を焼き殺した罪に問われている木原坂雄大と、その事件を本にしようとしている主人公のやり取りを軸に、取材の様子が主人公の一人称で語られていき、随所に木原坂からの手紙や被害者のTwitter文面が資料として挿入されていく。読者は読み進めるに従って徐々に真相に近づいていくが、主人公の文章はあくまで取材記録の体を成しているため、主人公の心情を通してではなく、読者も資料を見て事件の真相に気づくというのが面白い試みだと思った。結局、この構成自体が、木原坂に全て暴露するための本そのものだったという大きな仕掛けがあったのだが、現実の小説をも物語の中の小道具の一つにしてしまう手法には感心した。木原坂は主
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