中村文則のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ2日で読破。中村文則ワールドに魅力された。
ジャンルの総括でいうと文学ミステリーとでもいうのだろうか。なんとも形容し難いがやはり中村文則さんの文章には毎度魅力される。
最終的に最後の章以外「僕」と「編集者」で作り上げられた資料を挟む形の小説を読まされていたのだと気づく形で落ちる。そしてそれは写真家と元恋人へ贈られるものだとも。
「僕」「きみ」という人称の乱用や時系列の乱れ、資料は誰宛に送られたものかなど振り返りながら本を読み進めたが、そうしていくうちにどっぷりと世界観に浸かった感覚に陥った。亜希子のいう「自分の人生の時間を、何かの中に浸らせる」行為であったと思う。
文句なしの星五だと思い -
Posted by ブクログ
何が善で何が悪か
何千年も前から持ちかけられるこの問いに正解はないんじゃないか ふと思ってしまった。
試験などもありまとまった読む時間取れず
約1週間で読破
私は常に逸脱“は”しないようにという指針で生きてきたので全く持ち得ない価値観の物語であった。
これを読まずに生きていくと一生持ち得ない価値基準であっただろう。
誰かの人生を掌握する快感 自分の行動が日の目を浴びる快感 失敗できない緊張から得る快感
少しわかってしまうのが怖く、のめり込むようになった。
少年からして主人公は生きる術•居場所•優しさを教えてくれた人であるが彼が公的に世の中に出る時は極悪犯となるだろう。そこに生まれる齟齬が -
Posted by ブクログ
ずっと積読状態だったので、読んでみた。
主人公は天才スリ師。
身なりのいい人間をターゲットに、息をするように財布を盗み、中身のお金を抜き取る。
目的も生き甲斐もなくスリをし続けるだけの生活をしていく中、木嶋という謎の男に目をつけられる。
木嶋は、目的を果たさなければ自分を〇すという。
絶体絶命の中、彼は生き延びることができるのか?
あらすじだけみると大層派手な展開を期待しますが、作風はどちらかというと静かです。
スリの動作一つ一つや、その瞬間瞬間の心の揺れがとても具体的に描かれて、派手では無いけど読んでいて緊張感があり、肩に力が入りました。
木嶋という男が、世の中の底が見えない闇のような存在 -
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大きな物語の途中からの話を読んでいるようだった。しきりに女の人の名前(忘れちゃった)のことを思い浮かべながら自分の現在の言動について向き合ってる描写があった。あとがきにあったように16章が物語の中核になっていたみたい。あの「塔」の存在は大人になってからはその女の人と照らし合わせていたのかな。「光が目に入って仕方ないなら、それとは反対へ降りていけばいい」割り切った生き方、だけど生きることへの強い渇望を感じた。掏摸に特化しているが、この主人公はきっと頭が切れるし器用で非常に優秀な人なんだと思う。その方向性が「反対へ降りていけばいい」にとことんなんだと思う。木崎?が言っていたように、強盗にも位があっ
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スリをしながら生きる主人公が、過去に、ある男達の強盗の補助をする
その時の元締め木崎に3つの仕事をするよう脅される
孤独な主人公が行くつく先はー破滅か
主人公にとって生きている世界は硬く強固で、縛りのあるもののようで、他人の物を盗む行為だけが周囲を流れるあらゆるものから自由になれる、暖かで確かな温度をもったものだった
スリをしながら退廃的に生き、自分の人生において消えてほしくないものがあり、消えてほしくない人間のことを想っている
主人公の心の中に現れていた塔
あらゆる価値を否定し、あらゆる縛りを虐げる行為の象徴
「全身の力を使い、コインを指で挟んだ。遠くには、高く立つ、霞んだ塔があ -
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テスカトリポカを読んだ時も感じたけど、残虐な行いの背景に「神」だとか「運命」だとか書かれていると、不思議と神秘的な思いにとらわれ、善悪の境界があいまいになる。
今回も木崎のセリフでそのように思った。
スリは犯罪と重々承知だが、スリの技法の部分がとてもスリルがあって楽しかった。
失敗するかもしれない時、「僕」がとっさの判断で相手にスキを与え、結果スリに成功する描写がとてもワクワクした。「僕」は天才スリ。土壇場にどう切り抜けるかの引き出しを沢山持っているのだろう。
そもそもの主題「運命とは?」に関しては、全くピンとこない。あの少年を守りたくて木崎の要求を飲まざるを得ず、木崎が想定以上のワルで単に騙 -
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硬軟織り交ざったエッセイと、新聞雑誌等に寄せてきたさまざまな政治・社会批評が集められたもの。中村文則はあとがきを書く方なので、各作品に込められた想いだったり、特に初期作品では著者自身の何かを濃厚に抽出していたりするので、本人の内面を含めて想像している部分がたくさんあったが、やはりエッセイという形はよりその人の色々な側面や感性を知ることができて面白い。若い頃に太宰、ドストエフスキーにガツンとやられたという点は私も同じなので共感するところも多かった。
文学とは何か、という問いに対する答えとして、
「そこに書かれた言葉の意味の全体で、その全体以上のものを表現しているのが文学」
という定義は、昔 -
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掏摸か…漢字読めんかったけど(^◇^;)
ほぼ両利きとは、掏摸の為に生まれたような…
しかし…
そんな世界にずっと生きてきて、なにを思うんやろうな…
それも、モロに一匹狼みたいな。
仲間いた時代もあるにせよ。
どこにも、属さないのは、どこからも、左右されないことで、自由なんかなぁ…
でも、属さないのは、利用もされやすい。
この人の人生は、何やったんかな?
一匹狼みたいで、結局、属さない世界からの掌コロコロみたいな。
もっと生への執着ないかと思ってだけど、やはり、人との繋がりが…
最後の500円の効果(硬貨やない)が、あったらええかな…
これ描く前に、「旧約聖書」読んでたみたい。それか -
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死刑判決を受けたカメラマンの取材のお話
以下、公式のあらすじ
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「僕はあなたについての本を書くと決めたのです」
ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。事件の全貌及び被告の素顔をあぶり出し、ノンフィクション作品として刊行することを出版社から依頼されたからだ。
被告の職業はカメラマン。その才能は海外からも高く評価されるほどのものだが、被写体への異常なまでの執着が乗り移ったかのような彼の写真は、見る物の心をざわつかせた。
彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けている。だが、何かがおかしい。調べを進めるほど、事件への違和感は -
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