あらすじ
ユーモア溢れる日常のものからシリアスなもの、物語の誕生秘話から文学論、政治思想まで。中村文則・22年の「思考回路」がこの1冊に! 文庫版オリジナル&書き下ろしを収録。
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Posted by ブクログ
文庫版発売後すぐに購入したのだけど、大切に大切に読んでいたので気付いたら飲み始めてから2年経っていた。びっくり。
ゲラゲラ笑って笑い疲れて本を閉じる日もあったし、唸るほど考えて本を閉じて、それでもまだ考え続けるような日もあった。
P.280
小説には大抵、主人公がいる。
僕達は主人公に同化し、時に客観視しながら小説を 読むけど、「個人」に着目して読んでいることに変わりない。
テレビなどでは人間を「 外側」から見るけど、小説の多くは「内面」から見ることになる。
人間の内面描写に最も適しているメディアは、小説であると僕は思っている。
そして、小説を読む、つまり個人の内面を見、それに寄り添う習慣を持っている人は、排外主義者や、差別主義者などにはなり得ない。人を外側から一方的に見るのではなく、個人の内面に寄り添う想像力が、小説を読む人には養われていることが多いからだ。
という言葉に救われた。
そうだったらいいな。そんな人間になれていたら、いいな。
Posted by ブクログ
読書の道の方は
中村さんの作品に触れてから自由思考を読まれ、ほっとするのかもしれません
読書の入り口にいらっしゃる方は
中村さんの作品に興味をもって買ってしまうだろうし
読書があまり得意でない方も楽しめるエッセイ集
なのではと思います。
Posted by ブクログ
硬軟織り交ざったエッセイと、新聞雑誌等に寄せてきたさまざまな政治・社会批評が集められたもの。中村文則はあとがきを書く方なので、各作品に込められた想いだったり、特に初期作品では著者自身の何かを濃厚に抽出していたりするので、本人の内面を含めて想像している部分がたくさんあったが、やはりエッセイという形はよりその人の色々な側面や感性を知ることができて面白い。若い頃に太宰、ドストエフスキーにガツンとやられたという点は私も同じなので共感するところも多かった。
文学とは何か、という問いに対する答えとして、
「そこに書かれた言葉の意味の全体で、その全体以上のものを表現しているのが文学」
という定義は、昔社会学を学んでいるときに「社会とは単に人が集まったというだけではなく、人の集合に何かがプラスアルファされているものであり、そのプラスアルファが何かを研究するのが社会学である(だから家族社会学、教育社会学、犯罪社会学など◯◯社会学とはプラスアルファを◯◯の視点から捉えようとするものといえる)」と説明していた先生がいてわかりやすくて印象に残っていたが、それと並ぶ簡潔さ。忘れなさそう。
中村文則作品、まだまだ未読作品多いので読み進めていきたい。
Posted by ブクログ
クスッと笑えるエッセイも入っていて良いのだが、なんというか自分の経験から笑えるエピソードを真面目に実直に書き出しているという感じがする。
時にアダルトビデオの話題まで出しつつ、でもそれが自分の下品な部分を曝け出している感じでは必ずしもなく、クスッと笑えるエッセイとして素材を真面目に提供して書いているという印象を受ける。良くも悪くも器用でない感じに。そういうところが好きかもしれない。
政治スタンスについても明確。これまた良くも悪くも。エッセイとして読んで面白いわけではないけど、そういうスタンスを自分なりに持って、作品の中にもこめている。そういう姿勢自体が、やっぱり真面目でいいな、と感じた。
Posted by ブクログ
中村文則さんは講演会を聴きに行ったことがあるのですが、その時のお話がとても面白かったので、エッセイも面白いだろうなと思って手に取ったのですが、とても読みやすい文体で内容も軽い日常のものから、文学論や政治の話まで広くカバーされていて、とても面白く読むことができました。