舞城王太郎のレビュー一覧
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舞城王太郎に「人生を変えられた」と言っていた人がいた。
その子とは20も(おそらく)歳は下だし、その若い女子の感性の鋭さと、それほど人に影響を与えることにその発言を聞いた時は嫉妬を覚えたが、口では「箸が転げても笑うような、過敏なアンテナ女子受けする、調子いいだけの作家ちゃうんけ」とバイアスだらけのガラパゴス価値観丸出しのことを言っていた。
その発言からしばらく読めていなかったが、こっそり神保町でこれを見つけた。
軽いタッチの地の文に、根源的なテーマ(友情、恐怖の克服、父の不確実性、性の不純性に対する反論)、そこにミステリがほんの少しエッセンスとして加わる。
面白い。
人生が変わるほどではない -
Posted by ブクログ
ネタバレ何とも形容しがたい作品。
文体に関しては好意的なレビューが多いが、個人的にはあまり好きな文体ではない。改行が少なく登場人物の会話も続けて表現されているので正直読みにくく何度か挫折しかけた。自分の読解力がないせいもあるが・・・
中盤~後半にかけて黒幕が判明したあたりもやや強引だった気がする。しかしテンポは良くなり最後はまずまず楽しめて読み終える事ができた。四郎の内面が想像以上に繊細であり、最期に救われたのは良かった。最初は★か★★であったが後半楽しめたことで★★★まで評価を上げた。
初読み作家さんであったが次作を読むかどうかは正直微妙である -
Posted by ブクログ
ネタバレドラえもんのくだり、いる?
とか
警察車両の細工は誰の何だったの?
とかの諸々に、
突っ込んだら負けなのだろう。
個人的にはやや苦手だがハマる人にはハマる独特の書き口にも、一つ一つに大した意味はないのだろう。
疾走するようにドバァーっとストーリーが展開していく中で、兄弟と父親に関する描写だけ丁寧に慈しみと悲しみを持って描かれていて、それが良かった。
兄弟全員が、自分のこと以上に兄弟のことに心を深く傷つけたたまま強がって生きてて、良かった。
ミステリー小説ではなく、もう何年も前に崩壊してしまった家族関係の再生と修復の物語。
テーマが明確な分、個人的には阿修羅ガールより面白かった。
ただ -
Posted by ブクログ
短編三作品を収録しています。
「スクールアタック・シンドローム」は、30歳の父親と15歳の息子の物語。精神を病んでしまったことを理由に、ソファで日がな一日すごしている三田村は、家のなかに入ってきた知らない男と乱闘になり、彼の耳をかみ切りますが、やがてそのことが暴力の連鎖の一コマを占めていたことが明かされます。一方、別居中の元妻の恭子から、息子の崇史が学校を襲撃する計画のノートを記していたことがつたえられます。三田村は、親として崇史との心のつながりを得ることができないものの、崇史の振る舞いもまた、暴力の連鎖の一コマであったことがわかり、親子のきずなとはべつの共感が生まれたことが示唆されます。
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舞城氏の他作品を連想
無限連鎖で中に入って、というテーマはTVアニメで見た「ID〜」にも通じるものなのでしょうね。これ、先が見えない戦いになっていますね。
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融合し続けたらどうなる?
主人公のお2人、早い段階で一心同体みたいになってしまって、これを繰り返すと、どうなるのでしょうね。無理矢理剥がせないので、ずっと一緒にいるのでしょうが……
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無料版購入済み
吹き出しが読みにくいです
単純な話、書き文字とかは縦書きもあるのに、吹き出し内が横書きなのに、右から左へのページ構成はそのままなので、読みづらいですね。敢えての効果も、あまりなかったですよ。
画力はだいぶ上がっているだけに…… -
Posted by ブクログ
ネタバレ「タイトルを見ただけでうんざりした」
うーん、もったいない。このタイトルがぴったりなのに、この小説。と思うとやっぱりタイトルで合わないなら本文も合わないのかな。
タイトル込みで私は大好きな作品です。
「♥♥♥UI♥U!」副題もかわいいし、直球。
「主人公」が、「好きな子」を失ってしまう話が続く短編集なのでちょっと気が重くなります。ちょっとというかだいぶ。でも切々と語られるのが文学的と言うよりも割と生々しい表現だったり、(言い方悪いですけど)軽めの語感なので文字に起こしてあるものを読むというよりも気持ちがじかに脳みそに流れ込んでくる感じ。感情そのままをぶつけられる感じ。
だだだだだっと流し込ま