舞城王太郎のレビュー一覧

  • 熊の場所

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    舞城王太郎に「人生を変えられた」と言っていた人がいた。
    その子とは20も(おそらく)歳は下だし、その若い女子の感性の鋭さと、それほど人に影響を与えることにその発言を聞いた時は嫉妬を覚えたが、口では「箸が転げても笑うような、過敏なアンテナ女子受けする、調子いいだけの作家ちゃうんけ」とバイアスだらけのガラパゴス価値観丸出しのことを言っていた。

    その発言からしばらく読めていなかったが、こっそり神保町でこれを見つけた。
    軽いタッチの地の文に、根源的なテーマ(友情、恐怖の克服、父の不確実性、性の不純性に対する反論)、そこにミステリがほんの少しエッセンスとして加わる。
    面白い。
    人生が変わるほどではない

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    2024年07月04日
  • 好き好き大好き超愛してる。

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    好きだから生きていて欲しい、君が君じゃなくなっても、どんな形であれ。愛とは時に自分勝手だ。
    正直理解できない箇所がありましたが、20年前の文章ですが新しく感じ不思議でした。

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    2024年03月26日
  • 煙か土か食い物

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    ネタバレ

    何とも形容しがたい作品。
    文体に関しては好意的なレビューが多いが、個人的にはあまり好きな文体ではない。改行が少なく登場人物の会話も続けて表現されているので正直読みにくく何度か挫折しかけた。自分の読解力がないせいもあるが・・・
    中盤~後半にかけて黒幕が判明したあたりもやや強引だった気がする。しかしテンポは良くなり最後はまずまず楽しめて読み終える事ができた。四郎の内面が想像以上に繊細であり、最期に救われたのは良かった。最初は★か★★であったが後半楽しめたことで★★★まで評価を上げた。
    初読み作家さんであったが次作を読むかどうかは正直微妙である

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    2024年02月13日
  • 阿修羅ガール(新潮文庫)

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    舞城王太郎は2冊目だけど、この人結構好きだ!
    書き方はティーン小説というか、ラノベのような感じ?
    背面のあらすじでファンタジーかな?と思ったけど、これはファンタジーだったのか…?
    終始何が何だかよく分からなかったけど、分からなくてつまらないではなく、分からなくてなんか面白いって感じだった。
    最後までよく分からないまま終わるのも良かったな〜

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    2024年01月13日
  • 煙か土か食い物

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    ネタバレ

    初舞城王太郎でしたが、吹っ飛んだキャラクターメイクでガンガン押し切る小説かと思いきや、福井の土臭い田舎に舞台はさっさと移動し、血の因果というべきか、血生臭い暴力の連鎖で過去から現在へと紡いでいき、それでも将来へと希望を繋げていくというストーリー。
    正直、間の過去編が長く、中だるみしてしまったし、ミステリー的な”ネタ”の部分も「ん?」という感じはしたのですが、純粋な読み物として不思議とドライブ感があって、楽しかったです。
    実は四郎の医者という経歴自体嘘なのでは?というどんでん返しも想像してましたが、そんなことはなかったです笑

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    2023年11月08日
  • 阿修羅ガール(新潮文庫)

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    なんか分からんけど、次の展開が気になるようなパワーを感じた
    だから三島由紀夫賞受賞したのだと思う
    それよりも一緒に併録された「川を泳いで渡る蛇」の方が個人的には刺さったかな

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    2023年11月06日
  • 獣の樹

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    成雄3部作のトリで、今までの舞城作品全部載せをやろうとしているようだがうまくまとまっていない。ちょうど真ん中辺りまで面白く、そこから初期作の雰囲気に移行しようとするが急に面白くなくなる。言葉だけがごちゃごちゃ多くて、中身がない。迷走を感じる。

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    2023年09月12日
  • 阿修羅ガール(新潮文庫)

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    そういえば読んだことないかも、と思って。
    なんか人間のイヤなところ、生臭いところを執拗に描いた作品で(そういうのを続けて読んでしまったのもあるが)少々胸やけがした。
    「川を泳いで渡る蛇」はちょっと好き…かな。

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    2023年08月26日
  • 煙か土か食い物

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    ネタバレ

    ドラえもんのくだり、いる?
    とか
    警察車両の細工は誰の何だったの?
    とかの諸々に、
    突っ込んだら負けなのだろう。

    個人的にはやや苦手だがハマる人にはハマる独特の書き口にも、一つ一つに大した意味はないのだろう。

    疾走するようにドバァーっとストーリーが展開していく中で、兄弟と父親に関する描写だけ丁寧に慈しみと悲しみを持って描かれていて、それが良かった。
    兄弟全員が、自分のこと以上に兄弟のことに心を深く傷つけたたまま強がって生きてて、良かった。

    ミステリー小説ではなく、もう何年も前に崩壊してしまった家族関係の再生と修復の物語。
    テーマが明確な分、個人的には阿修羅ガールより面白かった。


    ただ

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    2023年08月23日
  • スクールアタック・シンドローム

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    短編三作品を収録しています。

    「スクールアタック・シンドローム」は、30歳の父親と15歳の息子の物語。精神を病んでしまったことを理由に、ソファで日がな一日すごしている三田村は、家のなかに入ってきた知らない男と乱闘になり、彼の耳をかみ切りますが、やがてそのことが暴力の連鎖の一コマを占めていたことが明かされます。一方、別居中の元妻の恭子から、息子の崇史が学校を襲撃する計画のノートを記していたことがつたえられます。三田村は、親として崇史との心のつながりを得ることができないものの、崇史の振る舞いもまた、暴力の連鎖の一コマであったことがわかり、親子のきずなとはべつの共感が生まれたことが示唆されます。

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    2023年08月13日
  • 好き好き大好き超愛してる。

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    恋愛とはそういうものなのだ。
    結果としてどうなったかではなく、ほんの一瞬でも気持ちが通じ合ったかどうかなのだ。

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    2023年08月09日
  • 熊の場所

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    それぞれのエピソードでテーマらしきものがあるが、どれもあんまり私には刺さらなかった。各エピソードのテーマは「怖いことのあった場所にはすぐに戻るべし」「弱者が弱者として維持されているシステムが世界にはある」「自身の選択によって世界を変えられる」みたいな感じだろうか。
    最後の「ピコーン!」は、胡乱な殺人事件と謎解き、と純粋性と愛といったテーマがあり、初期の舞城作品とその後の舞城作品の架け橋になる作品ではあったと思う。

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    2023年07月24日
  • 煙か土か食い物

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    ネタバレ

    延々と続くモノローグ。改行を忘れたのかと思わせる脳内の垂れ流し。なるほどこんなスタイルかと受け入れる。対数螺旋曲線やドラえもんやら出てきて、ちょっとミステリーっぽい。
    ずっとこの調子だとしんどいかなと思ったが、TENの二郎の章になったところで様子がガラリ一変。暴力の応酬。酒鬼薔薇聖斗みたいのも出てきてデスメタルのよう。容赦無い暴力描写が続くが、あまりに続くのでそのうち平然と読めるようになってくる。
    人は死んだら煙か土か食いもの。

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    2023年05月20日
  • バイオーグ・トリニティ 3

    無料版購入済み

    舞城氏の他作品を連想

    無限連鎖で中に入って、というテーマはTVアニメで見た「ID〜」にも通じるものなのでしょうね。これ、先が見えない戦いになっていますね。

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    2023年05月01日
  • バイオーグ・トリニティ 2

    ネタバレ 無料版購入済み

    融合し続けたらどうなる?

    主人公のお2人、早い段階で一心同体みたいになってしまって、これを繰り返すと、どうなるのでしょうね。無理矢理剥がせないので、ずっと一緒にいるのでしょうが……

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    2023年05月01日
  • バイオーグ・トリニティ 1

    無料版購入済み

    吹き出しが読みにくいです

    単純な話、書き文字とかは縦書きもあるのに、吹き出し内が横書きなのに、右から左へのページ構成はそのままなので、読みづらいですね。敢えての効果も、あまりなかったですよ。
    画力はだいぶ上がっているだけに……

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    2023年05月01日
  • 好き好き大好き超愛してる。

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    ネタバレ

    「タイトルを見ただけでうんざりした」
    うーん、もったいない。このタイトルがぴったりなのに、この小説。と思うとやっぱりタイトルで合わないなら本文も合わないのかな。
    タイトル込みで私は大好きな作品です。
    「♥♥♥UI♥U!」副題もかわいいし、直球。

    「主人公」が、「好きな子」を失ってしまう話が続く短編集なのでちょっと気が重くなります。ちょっとというかだいぶ。でも切々と語られるのが文学的と言うよりも割と生々しい表現だったり、(言い方悪いですけど)軽めの語感なので文字に起こしてあるものを読むというよりも気持ちがじかに脳みそに流れ込んでくる感じ。感情そのままをぶつけられる感じ。
    だだだだだっと流し込ま

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    2023年02月15日
  • 好き好き大好き超愛してる。

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    「愛は先立たれて永遠になる」

    亡くなった命を愛する気持ちは、よく分かります。亡くなった大切な人、もしくはペット。私は今でも好きです。
    彼らに一言伝えられるなら、やはりこう言うのでしょう。
    「好き好き大好き超愛してる」

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    2023年01月19日
  • 煙か土か食い物

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    2001年デビュー作。出だしから最後まで凄まじく疾走。この感覚は経験したことがない。改行なく文字で埋め尽くされた頁に怯みますが口語基調なので読みやすい。文字の密度が主人公から次々に湧き出てくる想いと同調して、こちらの読むスピードも加速していきます。

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    2022年11月26日
  • されど私の可愛い檸檬

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    いろいろな人の人生を覗き見した感じで面白かった。

    「幸福とはそれを感じる人間のものであって、他人が観察するものは全て偽物なのだ。」

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    2022年09月25日