舞城王太郎のレビュー一覧
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誰とでもセックスしちゃうアホな女子高生の自分語りなので軽い印象だけど読み進めると濃い。疾走感がある文章なのに所々読みづらい。狙っているのか。
以前読んだ作品は死と愛がテーマだった。今回は人間の心の闇について書いている。
とある事件がきっかけになって発生した中学生狩りが大きくなって収拾つかなくなってアルマゲドンという更に大きな事件になっていく様がリアルだった。天の声という某掲示板に似た存在も真実味を作るうえで一役買っていた。
グッチ裕三がパパっていうありえない設定も普通に受け入れてるのが夢っぽい。
ビッグ・リボウスキ、ブシェーミ、ジョン・グッドマン、自分の好きな映画ネタが出てきて嬉しかっ -
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「孤独だからいいんだ。孤独だからこそ速くなれる。孤独だからこそ遠くまで行けるーーー。」
相変わらず文章のスピード感が駿足で滑る滑る早い早い爽快感!クールワード!
『山ん中の獅見朋成雄』、『獣の樹』とループしてる。楡?楠夏?も成雄と一緒に登場していて個人的にニヤニヤしている。作品の前後関係バラバラだけど。
「僕が登場するまで皆が壁を破れなかったのは、それが無理だと思ってたからだ。壁を破ってみせたら、結構ついてくる人間も出てきた。人の意識は自分の身体にブレーキをかけるのだ。無理だと思えば無理になる。できると思えばできるようになる。
では他人の意識はどうだろう?他人の意識は自分の身体にブレーキを -
Posted by ブクログ
ネタバレ全七編の短編で構成されるお話。
全篇を通して主人公は成雄という少年であり、登場人物も変わらない。
しかし、パラレルワールド的な作りになっており、それぞれの話で主人公・成雄の立ち位置や他の人物との関係性はがらりとかわってくる。
どのお話でも、成雄は一貫して「速さ」を求めて行動する。
走って走って走って。遂には音速に到達する。
そうして手に入れた速さで成雄は何を得たのか。
終始荒唐無稽な世界観が展開されており、なんだこりゃと思う間もなく、主人公は次の行動に移っている。
それはそれで面白いんだけど、七編にわけるんじゃなくて、やっぱり長編で読みたいなと思った。
章が変わるたびに主人公の立場が変わるた -
Posted by ブクログ
「目を覚ますと、隣で姉の体がだいたい十五センチくらい浮いている。」という、冒頭から前触れもなくいきなり舞城節炸裂でうごごごごごごごごごごおおおおおー!ってアドレナリン勝手に燃焼。全体のスピード感も相変わらずはやいはやいはやいはやい。個人的に『阿修羅ガール』やら『ビッチマグネット』やらに似た女性一人称スタイルをキープしていて、テーマはやはり「家族愛」に落ち着くんだろう。もちろん読めばわかるけど、そんじょそこらの家族愛の枠にははまらないだろう強烈な家族愛だけど。「にゃ~だ~。はわ~ん枇杷ちゃんにゃだ~、にゃだよ~。もう~にゃ~だ~~」とせがむ朝ちゃんの猫語がめっちゃ可愛い!「Dead for Go
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『熊の場所』
『バット男』
『ピコーン!』
の3本でお届けされたこの短編集
尻尾を切られた猫は結局
まー君にとってのバット男だったのだろうか。
それとも素直な好奇心の行方だったのだろうか。
舞城作品で繰り返される暴力は
弱者へと弱者へと向けられ
伝染していく
弱者はそれに甘んじていては本当にいけないんだろう
それはどちらにとっても悪影響しかない
けれど、人間が未熟である限り
はけ口はどうしても必要なんだろう
そしてそのはけ口の一つが暴力で
その行方がバット男になってしまう
頭さえ良ければな
持っているIQフル稼働させて
ピコーン!と閃いて
みんな自分の問題を解決できればいいんだけど
自分にと -
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子供探し専門探偵、ディスコ・ウェンズデイはある事件から梢という8歳の女の子を引き取ることになった。ある日、梢の体に異変が起きるようになった。突然体が17歳になり、自分は未来の梢だと言い始めたのだった。
全国で起こった、少女たちが昏睡状態に陥るパンダラヴァー事件。推理小説家の死から続く名探偵連続殺人事件、そして梢の魂の行方が事態を加速させて行く。
舞城王太郎の本は初めて読んだのだが、非常に読みにくい。行替えがほとんどない、セリフの鍵カッコが連続して誰がしゃべってるかわからない、トリックもよくわからない。
それでも、解決したかと思いきや、何も解決できていませんでしたというラストの引き。
中