舞城王太郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
究極の「愛」の小説!
冒頭の『愛は祈りだ。』からはじまり、とにかく愛が詰まったお話だと感じました!
でも、この小説を読むと「愛」と一言でまとめるのはどうなのか…と考えてしまう。それほどに深く深く「愛」について書かれていました。
主人公の小説家が恋人を亡くしたお話です。そして、小説家の作中作も挟まれています。ファンタジー要素も強く、全部を理解しきれたわけではないですが、想いの強さは受け取った気がします。
ASMAのお話とアダムとイブのお話が印象的でした!
慶喜くんの「メタ化された友達」についてもちょっと共感してしまった。友情からくる行動か、友達という役割からくる行動か…、何だか友達関係について考えさせられました。
舞城さんの作品は初めて読みましたが他の作品も気になる。ちょっとクセが強い作風だけど読んでみたいです。
-
Posted by ブクログ
過剰な程に強調された「好き」が溢れるタイトルは、決して過剰では無いと同時に過剰である。過剰である事が唯一の愛情の反映であるからこそ、それは過剰で無いと言えてしまう。
私は本書を最強の「恋愛小説」であると思う。本書は「恋愛の小説」であると同時に、「恋愛と小説」であるから。それは大きな挑戦であったと思うが、見事なまでに成功を果たし、恋愛と小説を嘗てないほどの強いイコールで結び出して見せた。
語りかけるようでいて、大人びていない真っ直ぐな文体は心地良い。恋愛を描く上で、人と人の複雑な接触は避けられないだろうけども、その絡みでさえも軽々しくも、重厚に感じさせたのだと思う。人間が抱く、矛盾したような二面性の気持ちが至る所に姿を見せて、それは物語の中だけでなく、読者である自分たちにも同じ様に感じさせる技術は素晴らしい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ独特のリズムと速度で、目玉が文章に運ばれていくような感覚に陥る。そして、倫理観が結構ぶっ飛んでいる。過去も現在も暴力が蔓延っているので、読んでいて麻痺してくるというか。犯人が奈津川家に乗り込んでくるシーンのインパクトが少し薄まった気さえする。
前述した暴力の連鎖には、(世間的には?)名家が家庭内に抱える不和が根本原因にあり、ミステリにはお約束の舞台となっている。
異様な形で曰く付きの蔵から姿を消した次男、招かれた名探偵、目的不明の連続襲撃事件など、こう書き出してみると本格ミステリ的要素がてんこ盛りなのだが、先の展開が読めないまま、もの凄いスピードで話が進むのが一番の特徴かと。
ただ、二郎が失踪するまでの経緯は他の場面と雰囲気が違い、丹念に描かれていた気がして、一番ひきこまれた部分だった。
事件自体というより、事件を通して自分と家族に向き合って蟠りを解くお話だったと考えると、納得がいった。
-
Posted by ブクログ
2016年第6回Twitter文学賞第1位受賞作
怪奇で不条理な三つの物語から構成されるホラー作品です。
「中島さおり」「堀江果歩」「中村悟堂」と、それぞれ主人公を変えながら、日常がふと怪異へと切り替わる瞬間を描いています。
私が最も印象に残ったのは、「堀江果歩」の章でした。漫画家となった果歩は、自分では描いた覚えのない登場人物が作品に現れていることに気づきます。
昭和のアイドルが、多忙すぎて当時の記憶がほとんどないと語る話を耳にすることがありますが、極限状態では、自分でも意識しないまま何かを生み出してしまうことは、案外現実にも起こり得るのかもしれない。
それぞれの物語は、怪異やホラーとして「そこを突いてくるのか」と思わせる面白さがあります。
一方で、会話の比重が大きく、また地の文の語り口が私には少し馴染みませんでした。舞城王太郎らしい文体なのだと思いますが、そのリズムに乗り切れず、作品世界へ深く入り込めなかったのが少し残念です。文体との相性が合えば、さらに面白く読める作品なのだろうと思います。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ友達が選書してくれた本
知らない作者知らない本!だと思っていたけど、『代替』の書き出し、「ろくでもない人間がいる。お前である。」は、バキ童チャンネルで紹介されていて知っていた。
不思議なお話が7編収録されており、どれもわりかしハッピーエンド
「代替」と「雷撃」が好きだった
「雷撃」は、小さい頃拾ってきた大きな石が、どこに捨てても自分の元へ戻ってくるお話。
いじめられたりすると石が成敗してくれたり、それが理由で友達と疎遠になったりとちょっと怖くなりそう。
でも人形とかじゃなく石だから、全然恐怖はない感じとかが不思議な読書体験だた -
Posted by ブクログ
清涼院流水のコズミック・ジョーカーを読んでからの舞城王太郎の九十九十九を読む私。
幻影城や鴉城 蒼司が出てくるが、全くの別物だ。美しすぎて相手が失神する所だけが同じ。舞城のエログロが辛い。
第二話、第三話と読んでいくと、「ん?違う世界線?」
となって引き込まれる。大爆笑カレーが登場。
だんだん、本当の九十九十九が描かれる。のだけど、首が三つとか、醜いとか。オリジナルの世界の九十九十九と第七話の九十九十九と第六話の九十九十九……。ほぅ……。辛すぎる舞城の世界。
これがメタ小説というものか!と今までわからなかったメタをかなり理解できた気がした!
その一瞬の永遠の中で、僕というアキレスは先を行く亀に追いつけない。
哲学だけど、かっこいい!
舞城はもちろんだけど、清涼院流水の先駆者としての存在が、私の神だ。 -
Posted by ブクログ
重い。母親という存在が嫌いになりそうな描写。特に「ドナドナ不要論」の出てくるお母さんみんな結構嫌いに思えた。嫁のお母さんは死に値する意地悪さを持ってるしwママ友も連絡しろよな!
嫁も。わかるよ、自分が一番しんどい時に大切にされなかったと呪う気持ちはさ!綺麗事じゃない、人って、そういう事言っちゃう時ある。自分が大事、が根底にしっかりあっちゃう。修正する事ができるかどうかも大事だよね。
「トロフィーワイフ」は、八方美人だと言われてきた自分にも、棚子が少し分かるかもと思う部分もあって。だから扉子が正論なのだろうが、よくわからない。
「されど私の可愛い檸檬」はもっとわからなくて。ただ、嫌な気持ちになった事。
はじめて舞城で合わない本と出会ったが、これも舞城。舞城はそういう気持ちや考えがあるんだね、って。また知れた。良い悪いはない。