舞城王太郎のレビュー一覧

  • 短篇五芒星

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    舞城王太郎という人の作品には、いつも
    甘えとかわがままとかいった、エゴの発達途中に生ずる必要悪
    みたいなものを肯定しなければならないとする思想が
    根底に置かれていて
    それはたしかに大事なことだなあ、と言いたいのはやはり
    それがきちんと自覚されなければ
    きちんと乗り越えることができないものだからであろう
    甘えとかわがままを自覚しないままに抑圧させてきた者は
    どこかで不満の爆発を起こしてしまい
    舞城作品にしばしば登場するような
    きちがい犯罪者になってしまうことも、これあるのだと思う
    「短編五芒星」には、そのようにならなかった人々
    危ないところに追い込まれながらも
    なんとか世界と折り合いをつけた人々の物語を集めている
    ただし、その折り合いのつけ方が正しいものかどうかはわからない
    「熊の場所」に戻るのではなく
    「熊の場所」に二度と近づかないことを心に誓ったものではないか?
    しかしとにかく人々は、自らの生を自らに許していく

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    2016年12月20日
  • 世界は密室でできている。

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    デビュー作よりはミステリの体裁が整ってる…ような気がする。
    そして相変わらずべらぼうに面白い。
    もうやだ。気づいたら『九十九十九』買ってた。
    怖いからしばらく舞城はお休み。

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    2016年11月06日
  • 阿修羅ガール(新潮文庫)

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    最初の章では若者言葉についていけず、嫌悪感。
    でも確かにこんな感じだろうって思う。
    BBSの書き込みってこんな感じだ。
    内面のあふれ出る心情の勢いが強くて、溺れそう。
    何だかダメな自分を魔界で見つめなおす物語?
    あまりに奇想天外なので、夢で見たことをつなげた物語??
    と思ってしまう。

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    2016年09月23日
  • 阿修羅ガール(新潮文庫)

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    キモチワルイ。覚せい剤キメた人の思考を覗いたような。
    ……………でも読み切れる。ふしぎ。気持ち悪い。



     どうせ自分もほかの読者と変わらないレビューを書いているのだろう。ということはこの本は成功だ。



    「人が人で足りえるのは社会性を持っているからである。
     だから本能丸出しの人間の行動や言動は気持ち悪くてしょうがない。なぜならそれは、人のカタチをした人ではない何かクリーチャーがうごめいて見えるから。」

     この文言を思い出したな。人なのに人じゃないから気持ち悪いんだな。よく表現できるな、むき出しの本能なんて。





     そしてこの本を読んですっきりしてしまった人は「赦し」を求めていたんだろうな。

     これを読み切れれば、すべてを受け入れられる気がする。

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    2016年09月22日
  • ビッチマグネット

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    ストーリーにすると特になんてことのない話だが、それを面白くするのがこの舞城。
    …まあ、そこまで面白くはないんだけどね。

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    2016年08月31日
  • 世界は密室でできている。

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    ここに言う密室とは、家庭のメタファーみたいなもんである
    核家族化の進んだ現代において
    それは確かに、世間の目から遮断された、密室内の営みと言えるんだ
    そしてそれゆえに、しばしば不健康なものとして
    立場の弱い子供たちを束縛する
    家庭の束縛と、タテマエ社会の自由とのあいだで板挟みにされ
    精神のつじつまが合わせられなくなってくると彼らは
    密室という茶番に反抗して無軌道に走ったり
    あまりにちっぽけな世界の支配者をわざと無視したり
    自分自身が別のところにつくった密室で、暴君になってしまったりする
    甚だしきに至っては
    家族関係にまつわる鬱屈を誰かにわかってほしいあまりに
    自己表現として、密室殺人を演出してしまったりするわけだ
    だけど俺らはそうはならずに、理想の愛を追い求めていこうな、ってのが
    まあこの作者のいつものアレなんだが
    もちろん僕だってその見解には大賛成なのさ
    しかしそれでもやはり
    母の死の巻き添えにされ、間一髪助け出された胎児の「今」が
    いちばん不幸であったとは、本人以外の誰にも断定できないのである
    誰もがルンババ12のような天才ではありえないし
    そのルンババだって
    奈津川一族にはまったく手も足も出ないまま敗れてしまうのだから

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    2016年05月11日
  • 熊の場所

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    舞城王太郎の作品としては割と普通かなって感じ。この人の雰囲気というか空気感をさくっと味わうという意味では「アリ」かもねっていうところでしょうか。

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    2016年04月12日
  • みんな元気。

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    ひとり語りの饒舌な文章
    独特の擬音

    好きな人にはたまらない世界なんだろうと思うけれど
    どうにも読んでてしんどかった!

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    2016年02月23日
  • 世界は密室でできている。

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    ネタバレ

    舞城王太郎さんは、覆面作家ということで、正体不詳の謎の人物でありますが、年齢は1973年生まれということみたいですが、ということは、平たく言いますと、ええ歳になったオジサン、という事ですよね。男性だったならば。

    そう考えますと、何故にこう、年齢を重ねても、こうも瑞々しい文章を書けるんかなあ?と思うのですよね。

    この小説の主人公は、中学生くらいの少年であり、その彼の一人称の形で話は進んでいくのですが、はあ、まるで自分が、中学生の少年であったかのように、あるかのように、舞城王太郎さんが、この地の文章を書く事ができるという心の若さ。それはどこから来るのだろう?どうして生み出せるのだろう。

    いやあ、言葉を綴るというのは、不思議だなあ。そう思いつつ、読み進めたのでした。

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    2016年02月22日
  • スクールアタック・シンドローム

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    ひきこもりのダメ親父と、学校襲撃を妄想する息子
    暴力は伝播する

    医学部受験を目指して何年も何年も落ち続ける夫と
    支える妻、娘

    何回でも生き返る力を持った少女と
    虐待する家族

    疾走する文体、救いがあるようなないような文章
    好きな人はものすごく好きかもしれないけれど
    私には無理でした(汗

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    2016年01月20日
  • バイオーグ・トリニティ 7

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    少し物語の進行が単純になりそうな予感。意味がわからなくなってきていたので個人的には良い兆しかも。コマ単位でみると全く意味がわからないコマもあるが。

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    2016年01月10日
  • SPEEDBOY!

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    「山ん中の獅見朋成雄」と設定は共通している部分が多いものの、キャラクターの印象も異なり、世界観も違う。ただ、この作品でも倫理観を飛び越えてしまう成雄くんが描かれている。前作よりもその超越感はより顕著になっており、それは彼の能力がよりわかりやすい形で表現されているためだろう。
    また、前作では彼自身が異様な世界(社会)に飛び込む展開だったが、こちらは逆で、日常的な世界で彼の異様な能力が浮き彫りにされている。同じような能力の仲間はいるものの、その中でも成雄くんの自我は一線を越えそうなのは、彼が他者の存在を必要としないためだろう。

    それでも最後の最後ではやはり他者とのコミュニケーションを求めるし、だからこそコミュニケーションの難しさにぶつかる成雄くんが愛しい。彼の暗中模索は続くだろうけど、手探りの未来が待っているのも悪くない。

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    2015年12月12日
  • ディスコ探偵水曜日(上)

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    結構、理解不能な箇所(奇抜過ぎて……)もあるがお話は面白い。梢ちゃん(6歳の方)が梢ちゃん(小)になったり、梢ちゃん(大)になったりと忙しい。

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    2015年12月02日
  • ビッチマグネット

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    単行本でも読んでいたんですけれども、今回もう一度読みたくなって文庫版買っちゃいました…。

    まあ、内容は知ってはいたんですけれども、うーん…そこまで、つまりは再読したくなるくらいの内容ではなかったかも…しれませんけれども、舞城氏の作品で女性主人公というのはなかなかに珍しいものがあると思われ、そこは興味深く読めたような…気が致します。

    ヽ(・ω・)/ズコー

    でもまあ、氏の純文学系の作品はやっぱしどことなく説教臭い感じがするんですよねぇ…でもまあ、笑えたからいいか、という気がします。

    確信犯かどうか分かりませんけれども、会話の応酬もなんか笑えるように書いてあるような気がするんですけれどもね…ラノベ的? とも言えるような…けれども、軽い口調の会話の中にもなんか人生の核心を突いたやうな! 一言とかがあって痺れましたねぇ…。

    という感じで実は割りと楽しめたかもしれないです…さようなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

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    2015年10月20日
  • 獣の樹

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    (*01)
    人がどのように成っているのかのプロセスについての考えが小説の中で模索され展開されている。言葉、名前、動物、植物、家族、こうしたもう既に自明であるような範疇を揺るがせ、そのマージナルな領域に主人公を泳がせている。この作家の特徴でもあるが、福井という地域にどのように新たな物語を根付かせていくかという苦闘の跡も見られる。実在の土地を媒介に、ファンタジーが土着的にふるまい、ミステリーが伝奇的に語られることで、神話(*02)が綴られていくようでもある。荒唐無稽なストーリーは神話の必然でもある。

    (*02)
    ふざけたような擬音(*03)もこの作家の特徴であるが、神話化に欠かせない要素でもある。こうした擬音により神話世界が生き生きと見えてきて、逆に世界の音がこのような擬音に異化され抽出されると神秘の一端に触れた気にすらなる。

    (*03)
    擬音と先の地域や神話の問題を合わせて考えた時、宮沢賢治の文学と比較して、この作者の作品群を語ってみてもよいのかもしれない。

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    2015年09月02日
  • ビッチマグネット

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    ネタバレ

    2015/6/20
    舞城節は好き。
    見開き2ページ改行なしで真っ黒とかゾクゾクする。
    内容も危うさがいい感じに効いてる。
    でも共感はできない。
    理屈っぽくうだうだ考えること自体は共感できる。

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    2015年06月21日
  • みんな元気。

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    なんだかぐちゃぐちゃ。破天荒といえば聞こえはいいがよくわからんというのが本音。表題作は途中まではクソかと思ってたけどラストが良かった。みんな元気。

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    2015年03月06日
  • 九十九十九

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    清涼院流水作品は未読。とにかく過剰のアクセル全開の上、グロいしメタだしで読んでいて疲れた。メタ度は『匣の中の失楽』以上と言っていいのではないか。
    しかし、私は舞城さんのしょーもないギャグになぜかけっこう笑ってしまうのだ。この作品でも、「名探偵大爆笑カレー」という名前が出てくるたびになぜかあははと思ってしまった。なぜだろうな。

    とはいえ、書いてあることは他の舞城作品と共通している。現実を認めること、自分で選ぶこと、そしてやっぱり家族愛。この人の愛情の書き方は、本当にドメスティックだなぁ。

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    2015年02月22日
  • ビッチマグネット

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    全体の1/4辺りまでは、ウウン……と思いながら読んでいたけど後半はけっこう面白かった。が、ラストにでかい文字で「キモッ!」が来た瞬間はやはり頭を抱えそうになった。
    舞城さんの作品を読むのはこれが初めてなので分からないのだが、こういう文体、手法を取っている書き手なのだろうか。それともこういう性格をした主人公だから?

    ストーリーにいろいろ盛り込みすぎな気もしたが、ラストに向かうにつれ、母や弟、そして主人公自身が変化、成長していく様を読むのはとても楽しかったし、上手いと思った。たまにハッとさせられるブロックがあって、なんだか憎めない作品だ。

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    2014年12月11日
  • スクールアタック・シンドローム

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    ネタバレ

    「スクールアタック・シンドローム」★★★
    「我が家のトトロ」★★★★
    「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」★★★

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    2019年09月10日