堂場瞬一のレビュー一覧
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本作の主要視点人物は「安宅真」(あたかしん)という男だ。現在は40代に差し掛かっているが、10年程前までは警察官だった。「国連による選挙監視」というようなことで東南アジア某国に派遣される任務に在ったが、現地で爆弾テロ事件の只中に身を置く羽目になった。帰国から暫く経って、「一線を退いたら…」と思い描いていた喫茶店の主になる機会が在って、神田神保町で<フリーバード>という店を営んでいる。店は小さな2階建ての一戸建てで、1階が店舗で2階に住んでいる…
という主要視点人物だが…「在りそうで無い」というようでもあり、「無さそうで在る」というようでもある。如何にも「小説の主人公」という感の人物が活躍する物 -
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大沢在昌、藤田宜永、堂場瞬一、井上夢人 今野敏、月村了衛、東山彰良『激動 東京五輪 1964』講談社文庫。
昭和39年。東京オリンピック開催に沸く東京を舞台にした7人の作家によるミステリー・アンソロジー。古き善き時代の香りの中に描かれる様々な形のミステリーとピカレスクはいずれも秀逸。
2020年の東京オリンピック開催を記念しての刊行かと思うが、新型コロナウイルス感染拡大の非常事態により東京オリンピックは2021年に延期されてしまった。延期ならまだしも、2021年に開催できるかどうかすら怪しい状況である。自分は中止になると見ているが……『アンダーコントロール』『復興五輪』という日本の総理大臣 -
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神奈川県知事の「世界最高が欲しい。しかも日本人が取るべきだ」。
鶴の一声で計画された「東海道マラソン」。これらの企画立案やすべての責任が神奈川県教育局スポーツ課の単なる職員である音無太志にのしかかった。
しかも「東海道マラソン」の目玉として,日本マラソン界の至宝,山城悟を出場させ,世界最高記録で優勝させようというのだ。
個人主義,他者に阿る気は更々ないであろう山城を,この大会に出場させられるのか。
音無自身,大学四年のときに箱根駅伝には出たが,八区で区間最下位,大学で陸上は引退して一県職員として勤めていたのに,青天の霹靂とも言えるビッグプロジェクトを進めていくことになる。
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“追跡捜査係”というのは、警視庁の捜査一課の係で、捜査が詰まってしまっている未解決事案を調べるというものである。激情家と見られ、動き回らなければ気が済まない沖田刑事と、捜査資料を丹念に読み込みながら丁寧に情報を整理して事件解決を図ろうとする西川刑事は同期の仲間である他方、本人達は仲が良いとも思っていない面が在りながらも、この“追跡調査係”の中核を担っている捜査員である。この2人の他、若い庄田刑事、庄田刑事に近い世代で女性の三井刑事、極端に無口で少し風変わりな大竹刑事、そして西川刑事が「あの人は?少し頼りない…」としている鳩山係長が“追跡捜査係”で活動している…
物語は沖田刑事が動く辺りから起こ -
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元新聞記者の堂場さんは、モデルなしで人物を書きさりげないディテール(細部)を連ねてリアリティを固めていると「あとがき」の解説されている。確かに表現は登場人物の個性をうまく生かして躍動的かつ泥臭い部分まで書かれているのです。
物語は、新聞ではあまり取り上げて報道しない「自殺」をテーマに上げている。
取材対象は、ビニール袋集団自殺で練炭や硫化水素を使った自殺と違って、他人を危険に巻き込んでもいないのだから、いずれ話題にも上がらなくなるだろうと、主人公の一人で若手の東日新聞記者・長妻は考えていた。
長妻は元々長野支局で五年過ごし、かつての同支局の大先輩である本社社会部の市川から声をかけられ取 -
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警察小説も含めてドーバー作品は20冊くらい読んできたけど、本書がいちばんおもしろかった( ´ ▽ ` )ノ
ああだこうだ考え自分を失っていった主人公・沢崎がライバル・神宮寺との交流により覚醒、すべてを吹っ切り焔と化して以降はまさに圧巻( ´ ▽ ` )ノ
周囲の人間もことごとく延焼、偽りの仮面が燃え落ちて、本来の自分を奪還( ´ ▽ ` )ノ
最もその影響を受けた代理人・藍川が、自分では決してそれを認めず虚勢を張りつつ動揺してるとこがゆかい( ´ ▽ ` )ノ
ま、いちおう彼のようなシニカルな視点も描いておかないと、こういう展開の話はオールキャラクターハイ(? ええじゃないか的な)