あらすじ
捜査一課から失踪課に来た協力要請。情報提供して消えた目撃者捜しだという。筋違いと主張する高城を制し、阿比留は法月と明神に捜査を命じる。時を同じくして、少女が失踪。友人が訴え出るものの、中学生からの捜索願は受理できない。だが、少女の家族の態度に違和感を感じた高城は、醍醐と共に非公式に調べ始めるが……。
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シリーズ作品の第1作に出逢って気に入ったとして、既に多数の作品が送り出されているという状況の場合には、即座に次の作品を手にすることが叶うことになる。シリーズ第1作が気に入ったので即座に手にしたシリーズ第2作なのだが、少し夢中になった。
警視庁の架空の部署に所属して活動する警察官が主要視点人物となり、一人称の語りのように綴られている本作は、探偵が活躍する所謂“ハードボイルド”を想起させる雰囲気も漂う。そういうのもかなり気に入っている。
主要視点人物となる高城賢吾警部はかなり「訳アリ」な人物だ。その身に降り掛かってしまった事件を乗り越え切れなかったような面が在り、酒浸りのようになってしまい、幾つかの所轄を異動し続けていた経過が在る。現在でも酒は止められず、序にヘビースモーカーである。そして渋谷中央警察署に間借りしている失踪課第三方面分室へ配属された。
失踪課は、設置当時の都知事の孫であった予備校生が姿を眩ませて程無く遺体で発見されたという事件を踏まえ、失踪者捜索の願いに関する聴取を真摯に行い、必要に応じて捜査を行うということで設置された部署である。が、失踪者については「家出」という状況も多く、結果的に「訴えている失踪者の関係者の話しを聴いた」というアリバイづくりのような、本流を外れた閑職という雰囲気が漂っている部署でもあった。そういうことで、何処か「訳アリ」な者達や、人事の偶然で配置されたというような者が集まっている場所だった。
本作の物語である。3月下旬の出来事となっている。
捜査一課の管理官からの協力要請という話しに高城は憤りを禁じ得なかった。傷害致死事件の情報提供をしたいと申し出る者から連絡を受けたが会うことが出来ず、本人を特定して見付け出す情報も殆ど無い中、失踪課で探して欲しいということなのだ。筋違いで、捜査一課のやり方も杜撰だと高城は憤る。
そういう様子であったが、室長はこの要請を受けると決めた。定年間近の大ベテラン捜査員であるが、心臓を患った経過で失踪課に異動となった「オヤジさん」こと法月と、“玉突き人事”で不本意な形で失踪課に異動している女性捜査員の明神がこの事案を担当することになった。
高城には別な役目が巡って来た。失踪課第三方面分室を訪ねて来た相談者が在るので対応ということになったのだが、現れたのは新年度から高校に入学するという中学生の少年だ。友人の女子生徒が行方不明なのだという。高城は少年の話しを聴いた。
少年が言うには、仲の好い仲間で出掛ける約束の日に件の女生徒は姿を見せず、連絡も付かなかったのだが、その連絡が付かない状態が数日続き、誰も姿を見ていないので、警察に相談して捜してもらうべきだという相談になり、仲間を代表して少年が相談に現れたということであった。保護者による捜索願というようなことでもなければ公式の事案ということにもならないのだが、高城は非公式に少し調べるということにした。
高城は女生徒の母親と電話で話そうとしたが、父親に訊けの一辺倒で話しにならず、会社を経営しているという父親と話してみれば娘が時々家出をしていて、今般もそれであるので何の問題も無いと冷淡であった。相談に訪れた少年以外の友人に会って訪ねれば、女生徒は「学校が始まって以来の」と言われる程に学業成績が優秀で家族仲も悪くない筈で、女生徒は家出をしそうな感じでもないという話しであった。高城は女生徒の件が非常に気になる。
やがて高城は、元野球選手という少し変わった警察官であり、子育ての都合で住まいに近く通勤し易ければ何でも構わないと失踪課第三方面分室に在る醍醐を相方として女生徒の一件、その父親の会社に纏わる事柄等を調べるのである。
こうして失踪課の面々が向き合う事態が意外な結び付きを見せ始める。人間関係を丁寧に解き明かし、緊迫する状況や、捜査員達の奮戦という場面も在る。やがてほろ苦い幕引きだ。
「友人を案じる少年の願いに向き合う、少し風変わりなおじさん」という風で、同時に執念深く関係者に食い下がりながら事態を明らかにする高城の活躍が非常に面白い。本作と共に在った短い時間が非常に充実していた。御薦めである。
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【警視庁失踪課シリーズ第2作目】
今回は捜査一課の管理官から通り魔事件で目撃情報を提供した人物が行方不明になったから探せとの依頼がある。
高城は依頼を断ろうとしたが、真弓は明神と法月に捜査を命じる。
高城はその間、失踪課にいて、訪れた春休み中の男子中学生から友人の女の子が行方不明だと依頼される。不審感を抱いた高城は醍醐と捜査を始める。
女の子の両親は、娘がいなくなったというのに動揺もせず、非協力的。父親が社長をつとめる会社も怪しく見えてくる。どうやら兄弟での問題もあったよう。
いろいろつながってくると読み進められずにはいられない。
存在感がなかった森田の射撃の腕前には驚かされた。こういうのいい。
さすが堂場さんの刑事物シリーズ。登場人物多いけど、2作目ですでに失踪課のメンバーと顔なじみのように読み進められる。
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学校の友達が失踪したので探して欲しいと、同じ中学生が依頼してきます。
中学生の失踪なので、家出しているのかもしれない。ということで、その中学生の親を訪ねるのですが、自分の子供が居なくなったというのに、通常通りの親を不審に思い、調査を開始します。
前回同様、他の課が捜索していた事件と一緒になるのですが、この事件と繋がっているとわかると、なぜかよし、繋がったと思い、ページをめくる手が止まらなくなります。
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面白い面白い。
軽めに入った動線が、ガンガン膨らんでいき
最後の謎解きまでまっしぐら。
話のテンポ、ストーリーの展開、読みやすさといい、
文句なく面白いっ。
TVシリーズが気になる....。
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警視庁失踪課・高城賢吾シリーズ2冊目です。
捜査一課から情報提供者が消えたと協力要請がある。
時を同じに同級生が行方知れずだと友人から捜査依頼が来る。親族以外からの捜査願いは受理出来ないのだが、行方が知れない娘を心配していない様な、何か隠しているような両親に違和感を感じ高城は調べ始める。
失踪課のメンバーの抱えている事も少しづつ分かって来て、これからの展開も楽しみです。
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シリーズ2作目。今回の相棒は前回のツン女子じゃなくて体育会系男子。でもこいつも最後までめちゃ打ち解けはしないし、ツンだよな。どうにも捜査の展開が前作同様棚ぼた的で、腑に落ちない。面白いんだけどね。捜査が実ってる感じがない。失踪課だからそうせざるを得ないのかなあ?他の課員も気になるから続編あるなら続けて読むけどね。
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失踪課高城シリーズ2巻。
少女の失踪と、捜査一課からの目撃者の捜索。
一見、関連性のない二つの案件が、捜査を継続していくうちに少しずつつながりを見せ…
華族のあり方に悩む捜査チームの苦悩も描かれる。
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最近、2か月くらい本を読めてなくて、
その反動からなのか、すごく面白く感じた。
前作を読めてないけど、それなりにストーリーは理解できた。鳴沢了シリーズもよかったがこちらもなかなか。
主人公に共感できるし、続編も読むことにする。
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捜査一課から失踪課に来た協力要請。情報提供して消えた目撃者捜しだという。筋違いと主張する高城を制し、阿比留は法月と明神に捜査を命じる。時を同じくして、少女が失踪。だが、少女の家族の態度に違和感を感じた高城は、醍醐と共に非公式に調べ始めるが…。
シリーズ2作目。堂場瞬一らしい読みやすさに釣られ、スイスイ読み進める。数多の警察小説と違う本作の魅力は、主人公の警察官が父親としてのトラウマを抱えていたり、アルコール依存症だったりするなど、全くヒーローっぽくないところ。シリーズの続編も読むことにした。
(B)
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捜査一課から依頼された失踪人捜査と、少年が友達の行方を捜してほしいと失踪課を訪ねてきた2つの失踪事件は何か複雑に絡み合っているようで…。今回は高城さんは明神さんと離れ醍醐さんと組むことに。醍醐の過去も少し解り、一段と失踪課のメンバーとのチームワークができてくる。
明神が相棒じゃないのはちょっとショックだったけど、醍醐との組み合わせも面白い。他にも、色々な人と組んでいくのかな。楽しみ。
Posted by ブクログ
警視庁失踪課・高城賢吾シリーズの第2弾
今回、失踪するのは中学生の少女「望」
しかし、その家族はすぐに帰ってくると、警察を拒絶。
両親の態度に違和感を覚えた高城が醍醐と捜査を開始するが
なかなか望の背中が見えない・・・
両親が警察を拒絶する理由や同じ課の法月たちが当たっていた捜査と
繋がっていく過程はおもしろかった
高城が少女探しに異様に固執する理由は第1弾の「蝕罪」で分かります
今回は、醍醐の過去や人となりが分かり、また少し、失踪課に
親近感が湧きました。
望の母親の存在感が全くないのと犯人の人物像が薄いのが
少し物足りない感じがしましたが
ストーリー展開はおもしろかったです。
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シリーズ2作目
消えた中学生
依頼してきたのも中学生で
ふわっとしたスタートに
親の兄弟、父と叔父の派手な兄弟喧嘩と
設定がなんとも言えない話だった。
面白くない訳ではないが、兄弟喧嘩がそこまで発展するのか…と飛躍した話だと感じてしまった。
身内の話で終わってしまい、依頼者である中学生らが置き去りになっているのも気になった。
失踪課が目立ち邪魔者として扱われていくのと比例して、失踪課が打ち解けていくのが良い
Posted by ブクログ
希が親に愛されていて良かった!
1作目に続き、誰かのために。が理由にになっているのが、本当に切ない。
今回は組むメンバーが変わって新鮮だったのと、ますます他のメンバーの素性が知りたくなったのとで、早く次が読みたくなってしまった。
あと高城さん、喉に悪いから薬は水で飲んで!
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警視庁失踪課・高城賢吾シリーズの第2弾となる本作。
ある失踪した少女の捜索を端を発して、二つの事件が絡み合うストーリーは警察小説の王道ではあるが、本作を通して話の軸にある親兄弟家族の関係は、読み手の心に少なからず何かを考えさせるのではないかと思う。
血を分けた兄弟の確執、それに絡んでくるそれぞれの配偶者の影響、思春期の難しい親と子の関係など、決して他人事ではないものを感じる。
読後にそれなりのカタルシスは感じるが、腹の底に何となくじんわりと鈍痛が残る作品。
Posted by ブクログ
長年に渡る兄弟の確執(とはいえ、悪いのは完全に弟のほうだろう)がついに事件となってしまったという話。解決までに死者がひとりも出ないというのはこの手のものでは珍しいのではないか。そこに救いがあると感じる。
関係ないと思われた2つの事件がリンクするも、主人公が当初から探している人物の行方は一向に分からないという展開で最後まで楽しく読んだ。
僕も頭痛持ちなので、頭痛薬をミントタブレットのように消費する主人公に親近感がわいたが、さすがに午前中に10錠という経験はない。いわゆる金パブ依存(市販薬依存)ではないか。
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警視庁失踪課・高城賢吾 シリーズ第2弾。
書き下ろしです。
今回は失踪した同級生からの依頼を受け、捜査を開始する。
同じくして杉並での傷害事件の目撃者が失踪し、その捜査を押しつけられた失踪課。
この2つの事件が徐々に繋がっていきます。
徐々に事件が解明していく展開は妙技ですが、あまり派手さがない分、少し間延びした感は否めないかな。
続編が続くならば、高城の娘がどうなるのかが気がかりです。
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鳴沢了シリーズは、シティハンターを想像し、高城賢吾シリーズは何故か、ジャック・バウアーを想像してしまう。堂場さんの作品は結構地元山梨の地名が出て来るのも好き。
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捜査一課から失踪課に来た協力要請。情報提供して消えた目撃者捜しだという。筋違いと主張する高城を制し、阿比留は法月と明神に捜査を命じる。時を同じくして、少女が失踪。友人が訴え出るものの、親族以外からの捜索願は受理できない。だが、少女の家族の態度に違和感を感じた高城は、醍醐と共に非公式に調べ始めるが…。
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失踪課シリーズ第2弾。
主人公以外にも、失踪課の各メンバーがそれぞれユニークなキャラであり、今後遭遇する事件に、各課員がどんな対応をするかが、このシリーズの魅力と言ってもいい。
第2弾は、何等かの過去がありそうな元野球部員という課員が相棒となって活躍する。
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警視庁失踪課・高城賢吾シリーズ第2作。
中学生が友人を探してほしいと訴えてきた。非公式に捜査を始めた高城警部は、姿の見えなくなった少女の両親に不信感をおぼえる。
高城の今回の相棒は、元プロ野球選手という異色の経歴の持ち主、醍醐塁巡査部長。いつになく元気のない彼を励ましながら、なぞを解き明かしていく高城の手腕が冴える。
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大学理事長が失踪したと捜索願が出された。しかし捜査を始めると母親の態度は一変、非協力的に。大学関係者も言を左右し、状況は遅々として掴めない。一方、女性の遺体が仙台で見つかり、法月の担当していた大学職員の失踪者だと判明した。胸に爆弾を抱えながら、自分を苛めるように捜査する法月を気遣う高城だが…。
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シリーズ二弾目。
前作よりも失踪課メンバーとの絡みが多くて
今作の方が楽しめました。
まだまだ気になる人達が沢山。
今後も期待です。
ちょっとやりすぎて臭ってきそうだけれど、
堂場作品は男臭くて好き。
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父から借りたもの15
前作とは違って、高城とコンビを組むのは醍醐塁。
こういうシリーズ物って、ずっと同じコンビだと思ってたから意外。
親は子供を守るためなら、なんでもするんだね、やっぱり。
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1巻よりはややのめりこみ度が落ちたかな、の2巻。
高城刑事が本格始動で刑事として復活した感じでもありますが、いかんせん失踪人捜索課が窓際なので・・・ちょっとフラストレーションのたまりそうな感じですね。でも地道に捜査していく姿と、今回の捜索人である高校生の少女を、外からゆっくり埋めていく手法は想像力を刺激してくれます。
いったいどんなすごい子なのかと思えば、普通の、父親を信じている少女でした。
森田君の射撃の腕が初披露。
おどおどした態度と拳銃を握る腕の的確さが相反している、というような記述に彼の話も深く掘り下げてほしいと思いました。
あと、舞ちゃんも何かあるのかなぁ。
この話までは実家積んであったのだけど、さて、次は買わねば。
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捜査一課より失踪課に消えた目撃者捜し。
一方、高城刑事は失踪した中学三年生の少女を探して欲しいとその同級生より依頼を受ける。
本来なら親族以外からの依頼は受理出来ないが、少女の両親の頑なに警察を拒否する態度に違和感を持ち捜査を実行。
失踪課の意地とプライドをかけた高城とその仲間たちのやり取りも人間味が溢れていて微笑ましい一面もあった。
2012.8.19
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捜査一課(長岡管理管)が傷害事件(被害者:安岡卓美)の目撃者(堀)が行方不明の捜査依頼(非公式)と同時刻に、川村拓也(高校生)が級友の里田希が行方不明だと相談に来る
高城が希の調査を行っていくうちに、堀(同性?!だが同一人物かは不確定)という名前が出てくる。そして、事件究明へ、
個人メモ
高城賢吾・・・失踪課。娘が行方不明の事件から捜査一課から外れる
(人生を降りかける:酒びたる)
明神・・・失踪課
阿比留真弓・・・失踪課、室長
法月・・・失踪課。心臓病を患い捜査一課から外れる。
醍醐・・・元プロ野球選手。故障でリタイア。家庭(子供)のことを考えて失踪課希望
森田・・・失踪課。この編では詳細情報なし。ライフルの腕前はいい。