堂場瞬一のレビュー一覧
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「汐灘サーガ」三部作最終章。
上巻に続き、弁護士川上は汐灘での手伝いに入った事件で動いていたが、真野もまた汐灘で少女を探しているということが気に掛かり、何故なのか誰なのか?知り合いの刑事に尋ねていた。
被害者と加害者、双方の息子がいつどのような場面で顔を合わすことになるのだろうかと気を揉みながら2人の行動を目で追うことになる。
因縁のある汐灘で、嫌な思いをしながら何度も少女を探すのを諦めようとする真野だったが、店に戻れば常連の警察官である石田に途中で諦めるなと言われ、汐灘のかつては刑事だった安西までもが動いてくれるのを見るとやはり動かないではいられなかった。
やっと手がかりが掴めたと確信したとき、川上も別方向で動いていて、同時に2人は顔を合わせることに…。
なんとも手に汗握る局面での事故に肝を冷やすが、少女が誰なのかわかったことは、良かっただけでは済まされない20年だったように思う。
川上と真野が対面して話すことで、何かが変わり2人のなかで色のなかった世界から彩りのある世界へと移ったのではないかと感じた。
汐灘の全てが描かれた、とても濃い過去と現代の事件だった。
刑事たちの密やかな応援もあって救われたのではないかと思う。(かつて、いろいろな小説でお目にかかった刑事もちらほら登場するのも嬉しくもありとても満足できた)
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Posted by ブクログ
“愛こそすべて”
主人公鷲見正輝、なんてストレートなんだ。
スゥエーデンなどの警察も、CIAもラガーンも、日本の外交官すら右往左往。
なんだかわからないうちに世界を股にかけ、派手なアクションにも必死で喰らいつく。そこに政治的な意図がないだけに単純明快で、興味は「バビロン文書」に集約される。
もう少し古代バビロニアの情景を描いてほしかったが、それでこの疾走感が損なわれるのなら、要らない。
何年か前、真保裕一の「アマルフィ」シリーズが映画化された。これも、と思うが、現在の映画界事情では無理だろうなぁ(netf××ならできる?)
ともかく、目まぐるしいほどの読書でした。 -
Posted by ブクログ
誰かのために頑張る。それは美しく、思いもよらぬパワーを生む。苦しい時に「誰か」を思い浮かべると踏ん張ることができ、嬉しい時には「誰か」と一緒にその感情を共有できる。
自分のために頑張る。それは当たり前なことで、誰もが備えている考えだ。しかし、それだけでは出力に限界があり、独りよがりと蔑まれることもある。苦しい時には自分の心が折れれば終わり。一瞬でそうなる可能性があるからこそ、恐怖に変わることも往々にしてある。嬉しい時には自分でしか感情を捉えることができないため、どうしてもその大きさには限界がある。
だが、「自分のために頑張る」を突き詰めた先に、「誰かのために頑張る」が待っている。「自分」を超えて「誰か」に繋がった時、それは「誰かのために頑張る」を最初から選択している時よりも大きな力になるのだ。
「頑張る」の原動力のあり方を、箱根駅伝で予選落ちした学校から寄せ集められた関東大学選抜チームを描いた本作品から学ぶことができた。いや、正確にはその一端なのかもしれないが。