堂場瞬一のレビュー一覧

  • キングの身代金〔新訳版〕

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     黒澤明監督作品「天国と地獄」の原作として有名な87分署シリーズ第10作を、警察小説の雄、堂場瞬一氏の新訳で復刊。
     作品の時代性を損なわぬ程度に、現代の言葉遣いに近い訳を心掛けたとのことで、とても読み易かった。舞台劇さながらの会話が面白く、イッキ読みしてしまった。

     警察小説の代表的作品ながら、刑事たちはあくまでも脇役で、キングの陥る道義的ジレンマを描くドラマ性が見事な異色作だ。
     人間の欲望と格差社会の問題を炙り出すストーリーは、今も尚色褪せない。

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    2024年12月30日
  • ポップ・フィクション

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    大正から昭和にかけて出版業界が活気づいた時代、「市民公論」編集部松川は主幹とぶつかり退社、人気作家菊谷が立ち上げた雑誌に加わるもまたも意見が合わず、別の会社の新雑誌立ち上げに加わり奔走していく。昔の出版業界や文壇の内幕や主人公の苦悩と熱い思いで読ませる作者さんには珍しいお仕事小説。

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    2024年12月29日
  • 小さき王たち 第二部:泥流

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    ネタバレ

    終始、田岡〜〜!と腹が立つけど面白かった
    先を知りたいという気持ちで読むスピードがはやくなった

    田岡の執念深さが恐ろしかった
    政治家としての情のものと個人的なもの
    奥様にも言われていたが馬鹿げてる
    そもそも自分のやり方の間違いから始まったと覚えてますか?と言いたくなる

    高樹一家頑張れ
    正義が勝ってほしい

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    2024年11月27日
  • 棘の街

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    主人公の刑事 上條が独りよがりで少しイラついた

    親父、息子のことを人のせいにして自分も逃げてたくせに〜
    友達にも警察仲間にも強くあたりすぎ!って思った

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    2024年11月13日
  • 小さき王たち 第一部:濁流

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    ネタバレ

    堂場先生の経験がしているからなのか
    リアリティがあって面白い

    幼馴染から
    『事実』を書く新聞記者と
    『総理大臣になる』私設秘書へと成長して
    2人の感情の揺れ動く様子と取り巻く環境が対比のようで面白い

    堂場先生の作品の焦土の刑事を思い出させる感じがした

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    2024年11月01日
  • ポップ・フィクション

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    訳の分からない(読む前は)表題だが著者名によって購入。期待せず読み始めたが、これが非常に面白い。1日で一気読み。
    主人公は実在の人物かどうか不明だが、日本初の雑誌百万部を実現したキング(本書ではエース)の物語。
    登場人物が実名と仮名とが混在している。実名で出てくるのが谷崎潤一郎。まあ端役でしかないからだろうか。仮名代表は菊池寛。こんなに存在感のある人物だったとは。芥川龍之介もすぐに分かる。まあこんな感じだったんだろうね。後はよく分からないがこれを調べるのも楽しいだろう。
    それにしても雑誌がメディアの中心だった時代。その熱気が素晴らしい。

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    2024年10月21日
  • 水を打つ(上)

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    ネタバレ

    オリンピックを目指す水泳選手たちと、水着メーカーの人たちの話。
    周りに敵しかいない小泉の今後がとても気になる。

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    2024年09月12日
  • 沈黙の終わり(下)

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     「新聞記者魂」の何たるかを教えられた作品でした。
     隠れたネタを掘り起こしたのは、一見偶然のように見えますが、記者の拘りと記者魂が引き寄せた必然であると思ったのは私だけでしょうか。
     定年退職前のベテラン記者松島と新鋭の古山に通じる信念に心が強く踊りました。

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    2024年09月10日
  • アナザーフェイス

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    王道の警察小説。シンプルだけどソコがまた良かった。2年前に妻を亡くし、小学2年の息子を育てるシングルファーザーのテツ。子育てのため、刑事としての一線を退いていたが、男児誘拐時間で一時的に復帰することに。息子と変わらない年齢の被害者とその親に寄り添う優しさと、かつて敏腕刑事と言われた鋭い洞察力で一度は取り逃した犯人を探し出す。イケメンだけどキャラクターとしてのインパクトは弱めなテツと、熱血刑事タイプの柴のコンビも良い。息子も大事だけど、刑事としての仕事も忘れられない。その板挟みに悩みながら、今後どんな子育てをしていくのか。そして、仕事の間の息子を託すクセあり義母との関係性など、楽しみなシリーズを

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    2024年09月09日
  • 水を打つ(下)

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    ネタバレ

    堂場さんの本は希望の持てる終わり方をするのでとてもよい。
    小泉が最後の最後でリレーメンバーに打ち解けた場面は涙が出てしまった。

    2011年に東京オリンピックのことを書いている。
    まさか、その当時、東京オリンピックが緊急事態宣言下で行われるだなんて想像もしなかっただろう。
    コロナが無ければ、この本のようなにぎやかな大会になったんだろうな。

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    2024年09月08日
  • 沃野の刑事

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    2024.07.26
    1970年生まれ、現在53歳の私にとっていろいろ考えさせられる一冊。
    まず自分の生まれたころについて「いま」読むことが新鮮。
    例えば、タバコの立ち込める煙と匂いが全編に漂っている社会、家庭、組織は2024年のいま完全に遠くなった。
    例えば、土曜日の位置付け。
    半ドンは私にはわかるが週休2日が当たり前の世代には?だろうなあと思う。
    例えば、定年は55歳、だから、53歳の主人公たちには、ゴールはすぐそこに。
    今は65歳、それまで年金もでないから働かざるをえない。
    次に53歳のときに「考える」ことについて非常に考えさせられる。これまでに属してきた組織、自分のいずれについても「あ

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    2024年07月26日
  • 20

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     ノーヒットノーランを20人の視点で描いた小説ですが、一人ひとりに違うドラマがあり大変読み応えのある面白い小説でした。また、「焔TheFlame」に登場した人物の人生の歩みが感じられ、現実のような特別な思いに浸ってしまいました。続編「21」、「22」があれば読みたいものです。

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    2024年07月13日
  • ヒート

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    仕組まれたマラソンレースに歯向かう2人のアスリート。一人は天才ランナー山城。もう一人は安定した力はあるが、優勝するまでの力はない甲本。甲本は山城のかませ犬となるべくペースメーカーとなることを承諾する。この2人を取り巻く陸上界の暗部も描かれる一方、人情論的浪花節的な監督・コーチも控え、人間関係がたまらなく魅力あるものとなっている。
    「チーム」シリーズを読み、「キング」を読んだ最後にこの小説を読んだ。学連選抜のチームメートも説得役として出てきており、オールスター勢揃いといったところ。
    もともと箱根駅伝関連の小説を読もうと思ったのがきっかけでズルズルハマってしまった。
    駅伝を愛する者、スポーツを愛す

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    2024年07月01日
  • ヒート

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    ネタバレ

     天才ランナー山城に世界記録を出させるという目的のためだけに新設された東海道マラソン。
     それに反発し途中棄権してやろうと目論む山城。
     ペースメーカーとして雇われたことに鬱屈している甲本。
     そんな二人が、30キロ地点を過ぎても走りをやめなかったことから展開されていく熱血ドラマ。
     山城が求めていたのは、風よけでも電子掲示板でもスピードコース(彼にとってはぜんぶムダな甘やかし)でもなく、底力を振り絞って本気で競い合えるライバルだったのだ、て構図がたまらなく(・∀・)イイネ!!
     その意味では汚れ役に徹した音無も(結果として)最高の仕事をしたわけだ。最後の最後に途轍もないご褒美を二人から受け取

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    2024年06月25日
  • 10 -ten- 俺たちのキックオフ 堂場瞬一スポーツ小説コレクション

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    (2015/10/1)
    2009年に出版されたラグビー小説が、文庫になって登場。
    舞台は大学ラグビー。
    リーグ戦3連覇中の大学の監督が突然倒れた。
    監督の息子は4年でSOでキャプテンで日本代表。
    その監督の高校時代の教え子がHCから次の監督に。

    元監督の息子と新監督がラグビーに対する考え方で闘う。
    息子は父の戦い方を踏襲したつもりだったが、
    新監督は元監督が本当にやりたいラグビーを知っていた、、、。

    というところだろうか。

    2009年のラグビーはこんなに古かっただろうか。
    敵陣に入ったペナルティでハイパントを選ぶ。
    今はそんなラグビーは考えられない。
    タッチに蹴出すか、PGを狙う。そのど

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    2024年06月18日
  • 沈黙の終わり(下)

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    女児殺害・行方不明事件を軸に、男の友情、先輩後輩の絆、男の生き様、権力との戦いなど、多くの要素が詰め込まれていた。事件の謎を解きつつ、それに関わる人間模様が秀逸だった。最初からずっと、先が気になって読むことを止められないほどおもしろかった。

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    2024年06月13日
  • 沈黙の終わり(上)

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    著者の作品が多く出版されているため、どれかを読みたいと思いつつも、どれがおすすめなのかがわからずにいた。
    書店で、「二十年掛けて築き上げたことが、ここで一つの形となった」と記載されている帯がついた本作品を見つけ、これは間違いないだろうと推測し、購入にいたった。
    実際内容は当たりであった。多くの「点」が散りばめられ、それが「線」となっていく。上巻だけでは、まだまだ話が進んでいないので、下巻を読むのが楽しみである。

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    2024年06月08日
  • 沈黙の終わり(下)

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    と、最後はこうなりますよねー^_^小説の世界、ミステリーの世界、現実の世界、あらゆるどこの世界でも政治家はクズばかりです^_^警察までもが信用をなくしちゃいます。ほんとに政治家は、クズ以外なにものでもない。
    最後の1ページがよかった…
    僕も定年まで、現場で頑張ろうと再確認した一冊でした^_^

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    2024年05月23日
  • 罪の年輪 ラストライン6

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    ネタバレ

    面白かった!

    普段はストップをかけるガンさんが自分の思考にハマっていくのが珍しい。

    加害者に同情してしまう結末だった。
    学生運動で騙され、家族を辱められ、ずっと苦しかっただろう。
    被害者が殺されて良かったとは思わないが、穏やかな最期は迎えられなくて当然だとは思う。
    気持ち悪い嗜好で理解できない。

    このシリーズ通して描かれるガンさんの人生。
    以前の作品の感想でも書いた気がするが、こんなにも作中の人物が生きている感覚になる作品はないと思う。

    あと10年。楽しみ。

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    2024年05月10日
  • 闇の叫び アナザーフェイス9

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    ネタバレ

    大友さんと優斗君2人の人生を見せてもらったシリーズで、完結の寂しさと2人の絆に胸がいっぱいになった。

    優斗君は子供と思えないくらいの器量があって
    溢すことなく父からの愛を受け取って
    大友さん自身も同僚・上司・義母皆に愛されつつ、彼の変わらない芯の強さが大友家を築いていたと思うと素敵な家族で、心からこの家族の幸せを願いたくなった。

    父親からの虐待を受けて育った男が教師となり、虐待を受ける子供からの相談に乗り、制裁を加える。

    自己を裁きを与える者と思い込んだ悲しい生い立ちの男の話。

    大友さんは自分と重ねて考えており、感情的な面もあったが人間らしくてよかった。
    人間が崩壊する紙一重を感じる作

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    2024年04月27日