堂場瞬一のレビュー一覧
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“愛こそすべて”
主人公鷲見正輝、なんてストレートなんだ。
スゥエーデンなどの警察も、CIAもラガーンも、日本の外交官すら右往左往。
なんだかわからないうちに世界を股にかけ、派手なアクションにも必死で喰らいつく。そこに政治的な意図がないだけに単純明快で、興味は「バビロン文書」に集約される。
もう少し古代バビロニアの情景を描いてほしかったが、それでこの疾走感が損なわれるのなら、要らない。
何年か前、真保裕一の「アマルフィ」シリーズが映画化された。これも、と思うが、現在の映画界事情では無理だろうなぁ(netf××ならできる?)
ともかく、目まぐるしいほどの読書でした。 -
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誰かのために頑張る。それは美しく、思いもよらぬパワーを生む。苦しい時に「誰か」を思い浮かべると踏ん張ることができ、嬉しい時には「誰か」と一緒にその感情を共有できる。
自分のために頑張る。それは当たり前なことで、誰もが備えている考えだ。しかし、それだけでは出力に限界があり、独りよがりと蔑まれることもある。苦しい時には自分の心が折れれば終わり。一瞬でそうなる可能性があるからこそ、恐怖に変わることも往々にしてある。嬉しい時には自分でしか感情を捉えることができないため、どうしてもその大きさには限界がある。
だが、「自分のために頑張る」を突き詰めた先に、「誰かのために頑張る」が待っている。「自分」を -
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鷹の飛翔、読み終わりました。
この物語では定年退職を目前に控えた高峰と海老沢が、刑事・公安、さらには警備にまたがる事件に向かい、解決に至ります。お話の筋立ては僕の下手くそな要約を晒さずとも読んでいただければと思います。この物語、僕は自身の年齢的なことから、職種・業界は全く違うけれど、まるで自分のことのように没入しながら読みました。
個人的なことですが、この物語を読み終わった今日(2025/09/06)から約1年半余で僕自身、定年退職を迎えます。この残りの日々で、僕ができること、やり残したことはなんだろうと考えています。考えているよりも日々目の前にある課題を解決していくことが大事なのかもしれ -
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『コーチ』堂場瞬一
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1. 物語のあらすじ
この小説の舞台は警察です。
キャリアや経験、年齢も異なる3人の警察官が、それぞれ仕事で壁にぶつかっています。
* 女性刑事:女性初の管理職を目指すも、理想と現実のギャップに苦しんでいる。
* 若手刑事: 尾行中にターゲットを見失うことが増え、己の衰えを感じている。
* 若手刑事: 取り調べに苦手意識があり、捜査に行き詰まっている。
そんな彼らの前に現れたのが、本庁の人事課から派遣された、通称**“コーチ”**と呼ばれる警察官です。
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2. 本作の読みどころ
コーチは、3人の悩みや強 -
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鷹の惑い、読み終わりました。
仕事上の立場の違いのためにどうしても打ち解けられないでいる海老沢、事件解決のためになら立場なんて乗り越えてしまえと思っている節のある高峰、2人がつかず離れず繰り広げていく物語、とても面白かったです。前作(鷹の系譜)と同じように最終幕が2人のサシ飲みというのがいい後味を残してくれています。
物語は「公安事件」と「刑事事件」の2つが絡み合って複雑になっていくのだけれど、その背景に「公安」の組織防衛を画策する動きが絡んで複雑になっていました。昭和のシリーズにもあったエピソードが、平成のこのシリーズにも描かれるというのは、それほどに「公安警察」を取り巻く状況には危機的 -
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「日本の警察」昭和編三部作を読み終わり、年齢的にみて高峰と海老沢の2人の物語はこの辺りで終わるのだろうと思っていたけれど、続編とも言える「平成ミレニアム編」があると知り、3冊揃って連続で読めるタイミングを見計らいつつ、この週明けから読み始めました。高峰と海老沢の2人の息子が出会い、お互いの父親同士の関係を知らずに始まるこのシリーズ、どんなふうに2人はそれぞれの父親の付き合いのことを知るのか…父親同士の付き合いを知らないで始まった息子2人の間柄がとても面白く感じました。
物語の登場人物がそれほど多いわけではないけれど、それぞれの関係、間柄が複雑にみえて、お話の筋は結構入り組んでいたような気がし -
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ネタバレ沈黙の終わり、下巻を一気に読み切りました。もう本当にね、めちゃめちゃ面白かった!
まずはとにかく、きっちりと記事が世に出て良かった!あの最後のオンライン会議で、熱くなる古山と、実にあっさりと引いた松島。いったいこの先どんなどんでん返しをしてくれることかとワクワクしました。そうか、そういう展開でしたか…地位、権力を失って手のひら返しをする奴らの醜悪ささえもすっきり気持ちよくおさまる見事な展開でした。
それから松島が膵臓がんの手術を無事に終わって良かったなぁ、と(同世代だから余計に!)思った。佐野との間柄は親密ではないけれど疎遠でなく、喧嘩別れではない終わり方も嬉しいような気がします。
「な -
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上下巻の上巻を読み終わったところで感想というのも中途半端なのかもしれないけれど。
転勤前日で終わる上巻は、この先古山がどんな出来事に遭遇してどんなふうに物語が流れていくのか、とても期待させてくれます。古山が新しい職場でどんな仕事をすることになるのか、そしてここまで自分が発掘して記事に書いた事件がどうなっていくのか。自分の手を離れた事件にこの先どんなふうに関わっていくことになるのか。関わりがないわけはないだろうから、そこは下巻を楽しみにします。
そしてもう1人の中心人物である松島がどうなっていくのかがとても気になります。「もう1人も死なせない」という決意はこの先の松島の行動にどう現れていくの -
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大手新聞社に勤務していた戸倉は新聞業界の不安もあり、父親が社主のローカル新聞の前崎日報へ入社する。
新しい環境と幼い頃から新聞に親しんだ戸倉は事件を追う充実感を得ていた。
ネットより手間のかかるオールドメディアと自認しながらも紙の媒体に拘る戸倉の葛藤は、弱小地方紙の人員不足もあり心身を疲労させる。
そんな時に小沼市長が3度も襲われるが…。
相変わらず新聞業界を舞台にした堂場瞬一作品にハズレなし。
新聞が持つ矜持と新聞発行の凋落による経営的逼迫は、新聞の行末に暗澹たるものを感じさせる。
戸倉が下した決断の後、彼の身の振り方に切ない思いを寄せてしまった。 -
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目次を見て、2011年が終章だったので、もしかしてこの作品にもあの大震災が関わってくるのだろうか?と思いつつ、読み終わって、そうきたか、と思ったのでした。
物語の初めに犯人がわかってしまっているので、誰が犯人なのか?わからないでドキドキするということはありませんでした。でも、果たして誰が犯人だったのかが明らかにされるのだろうか?というドキドキ感はなかなか新鮮でした。追求し切ってもらいたいような気持ちと、追求・公表してどうなるっていうんだ?という気持ちの両方が、読んでいる自分の中にあって、読み終わってから、どっちが良かったかなぁ?と考えてしまいました。