堂場瞬一のレビュー一覧
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『コーチ』堂場瞬一
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1. 物語のあらすじ
この小説の舞台は警察です。
キャリアや経験、年齢も異なる3人の警察官が、それぞれ仕事で壁にぶつかっています。
* 女性刑事:女性初の管理職を目指すも、理想と現実のギャップに苦しんでいる。
* 若手刑事: 尾行中にターゲットを見失うことが増え、己の衰えを感じている。
* 若手刑事: 取り調べに苦手意識があり、捜査に行き詰まっている。
そんな彼らの前に現れたのが、本庁の人事課から派遣された、通称**“コーチ”**と呼ばれる警察官です。
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2. 本作の読みどころ
コーチは、3人の悩みや強 -
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鷹の惑い、読み終わりました。
仕事上の立場の違いのためにどうしても打ち解けられないでいる海老沢、事件解決のためになら立場なんて乗り越えてしまえと思っている節のある高峰、2人がつかず離れず繰り広げていく物語、とても面白かったです。前作(鷹の系譜)と同じように最終幕が2人のサシ飲みというのがいい後味を残してくれています。
物語は「公安事件」と「刑事事件」の2つが絡み合って複雑になっていくのだけれど、その背景に「公安」の組織防衛を画策する動きが絡んで複雑になっていました。昭和のシリーズにもあったエピソードが、平成のこのシリーズにも描かれるというのは、それほどに「公安警察」を取り巻く状況には危機的 -
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「日本の警察」昭和編三部作を読み終わり、年齢的にみて高峰と海老沢の2人の物語はこの辺りで終わるのだろうと思っていたけれど、続編とも言える「平成ミレニアム編」があると知り、3冊揃って連続で読めるタイミングを見計らいつつ、この週明けから読み始めました。高峰と海老沢の2人の息子が出会い、お互いの父親同士の関係を知らずに始まるこのシリーズ、どんなふうに2人はそれぞれの父親の付き合いのことを知るのか…父親同士の付き合いを知らないで始まった息子2人の間柄がとても面白く感じました。
物語の登場人物がそれほど多いわけではないけれど、それぞれの関係、間柄が複雑にみえて、お話の筋は結構入り組んでいたような気がし -
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ネタバレ沈黙の終わり、下巻を一気に読み切りました。もう本当にね、めちゃめちゃ面白かった!
まずはとにかく、きっちりと記事が世に出て良かった!あの最後のオンライン会議で、熱くなる古山と、実にあっさりと引いた松島。いったいこの先どんなどんでん返しをしてくれることかとワクワクしました。そうか、そういう展開でしたか…地位、権力を失って手のひら返しをする奴らの醜悪ささえもすっきり気持ちよくおさまる見事な展開でした。
それから松島が膵臓がんの手術を無事に終わって良かったなぁ、と(同世代だから余計に!)思った。佐野との間柄は親密ではないけれど疎遠でなく、喧嘩別れではない終わり方も嬉しいような気がします。
「な -
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上下巻の上巻を読み終わったところで感想というのも中途半端なのかもしれないけれど。
転勤前日で終わる上巻は、この先古山がどんな出来事に遭遇してどんなふうに物語が流れていくのか、とても期待させてくれます。古山が新しい職場でどんな仕事をすることになるのか、そしてここまで自分が発掘して記事に書いた事件がどうなっていくのか。自分の手を離れた事件にこの先どんなふうに関わっていくことになるのか。関わりがないわけはないだろうから、そこは下巻を楽しみにします。
そしてもう1人の中心人物である松島がどうなっていくのかがとても気になります。「もう1人も死なせない」という決意はこの先の松島の行動にどう現れていくの -
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大手新聞社に勤務していた戸倉は新聞業界の不安もあり、父親が社主のローカル新聞の前崎日報へ入社する。
新しい環境と幼い頃から新聞に親しんだ戸倉は事件を追う充実感を得ていた。
ネットより手間のかかるオールドメディアと自認しながらも紙の媒体に拘る戸倉の葛藤は、弱小地方紙の人員不足もあり心身を疲労させる。
そんな時に小沼市長が3度も襲われるが…。
相変わらず新聞業界を舞台にした堂場瞬一作品にハズレなし。
新聞が持つ矜持と新聞発行の凋落による経営的逼迫は、新聞の行末に暗澹たるものを感じさせる。
戸倉が下した決断の後、彼の身の振り方に切ない思いを寄せてしまった。 -
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目次を見て、2011年が終章だったので、もしかしてこの作品にもあの大震災が関わってくるのだろうか?と思いつつ、読み終わって、そうきたか、と思ったのでした。
物語の初めに犯人がわかってしまっているので、誰が犯人なのか?わからないでドキドキするということはありませんでした。でも、果たして誰が犯人だったのかが明らかにされるのだろうか?というドキドキ感はなかなか新鮮でした。追求し切ってもらいたいような気持ちと、追求・公表してどうなるっていうんだ?という気持ちの両方が、読んでいる自分の中にあって、読み終わってから、どっちが良かったかなぁ?と考えてしまいました。 -
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一気に読み切ってしまった…なんだかね、堂場瞬一さんの描く人物って、「ちょっと不器用な男」ほど人を惹きつける何かを持っているような気がするのでした。不器用という言葉で括るのは正確じゃないかもしれないけれど、「要領よく世渡りするタイプ」は堂場瞬一さんの作品にはあまり登場しないか脇役か、または「嫌な奴」として描かれているんじゃないだろうか?
僕の勝手な思い込みかもしれない。でも結局僕は堂場瞬一さんの描く「ちょっと不器用な男」の物語が気に入っているのかもしれないなぁ、と、このお話を読み終わって思ったのでした。
甲斐昭人、設楽真琴の新聞記者コンビ(?)、神奈川県警の女性刑事・浅羽祥子の活躍を他の作品 -
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鳴沢了シリーズ、雪虫から始まってこの久遠まで、一気に、と言って良い勢いで読み切りました。
実はたまたま「帰郷」だけ、先に読んでしまっていたのですが、読み終わってから、「これはいかん!ちゃんと全部順番に読まなければ!」と激しく思いました。前後のつながりはもちろん大切だし、読めば読むほどにこのお話の前のエピソードに引きずられる感じが強くあったので…まあ、シリーズものを読むならそれは当たり前ですよね。
堂場瞬一さんの作品は、どのシリーズも前後のつながりがとても大切だなぁ、と感じています。まあ、シリーズものはそういうものだとは思うのですが、ことさらこの前後のつながりが大切なんじゃないかと強く感じま -
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上手い!
参議院選挙が間近になったこの時期に読んだことで、国政や選挙のあり方など舞台設定はフィクションでも説得力ある小説だった。
国民による直接選挙での首相選挙を舞台に、現政権の新日本党の候補大曽根麻弥、前政権の民自連の首相候補の岩下安晴、インフルエンサーの城山拓己が有力候補てなる。
物語は候補者を支える新日本党のスタッフ深井珠希と、民自連の選挙局長の田代浩介をメインに話が進むので、選挙スタッフの裏側の視点から描かれるので実に興味深い策謀が繰り広げられる。
物語の帰結も納得できるものであり、堂場瞬一の政治小説の面白さを満喫した。
元首相の宮川英子の暗躍 -
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捜査が間違った方向に行きそうになった時、ストップをかける「ラストラインを守る男」
定年まであと10年のベテラン刑事・ガンさんこと岩倉剛が主人公の警察小説。
今この時点で8作品が刊行されていて、テレビドラマ化もされている人気シリーズ。
堂場瞬一の他のシリーズと比べると特徴がない気がしていた。しかし、それはただの先入観で、読み終えて間違っていたことに気付いた。
ベテラン刑事が地道に捜査をしていく姿が丁寧に描かれていて、警察小説として引き込まれる。行く先々で事件を呼ぶ刑事という設定も良い。新人女性刑事・伊東彩香とのコンビは、教育係として捜査のイロハが描かれていてなかなか面白い。
ストーリーは