瀬戸内寂聴のレビュー一覧
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源氏物語はザックリ有名なところを知っている程度で、大和和紀さんの「あさきゆめみし」を数年前に読んでストーリーの複雑さと面白さを知りました。
原文で読むのはとうてい無理そうなので、瀬戸内寂聴さんが訳した「源氏物語」を読んでみたいと思いながら何年もたち、偶然本屋さんで「寂聴と読む源氏物語」と出会いました。
「あさきよめみし」を思い出しながら紫式部と登場人物の生きた時代背景や心情のイメージを丁寧に解説をしてもらっているように楽しく読めました。
私は今を生きる女性なので源氏に絶対惚れないし許せないだろうな~と思いながら、こういう時代にこういう恋愛をした雅な人たちがいたのだろうと想像すると興味深く読 -
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ネタバレ「これから」をどう考えるか。3・11以降を生きる杖。
と、帯にあった通り、東日本大震災を経、これからをどう生きるかを9人が語っている。
養老孟:精神の復興需要が起きる
これを読みたくて買った一冊。いつもと違う養老センセ。スラスラとその思いのままに語り、面倒だから説明はヤメ、と突き放されるようないつもの文章よりも、ずっとずっと、静かでゆっくりとした口調で語られている。
「周りがうるさくなってくると静かにする。ブレーキをかける。そういう習性が身に付いているのです。」(本文より抜粋)という姿勢からきているのかもしれないが、意外なほどに、淡々と「これから」を語っていた。
「生きていれば、さまざま -
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なんかで知って読みたくなった本。母親が寂聴さんの本読んでた気がして少し気になる人だったし、43版とあってベストセラーじゃんと思ってね。
この人の生涯には全然触れてない本だけど、いろいろな恋愛をして、51歳で出家した方。(出家であってるか不安…)
人間は、産まれるときも死ぬときも一人とはよく言うけれど、やっぱそうなんだろうね。
みんなといても孤独、一人でいても孤独。
あなたはその孤独にどう向き合いますかという問いかけ本。たくさんの、寂聴さんの元に届くお手紙をもとに進められる気付きの本です。
友達が、二人で立ってると思ってたけど、一人で立ってたって気付いちゃったんだよね、って言ってた。
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瀬戸内寂聴さんの「花芯」という小説は1958年に三笠書房から出版されている。当時は本名の瀬戸内晴美という名を名乗っていたのだが、とは云いつつもおいらは全く知らないのだが、当時の文壇からは非常に冷たい仕打ちを受けることになっていたようなのだ。この作品を初めて読んだのである。
「美は乱調にあり」にて綿密にフィールドワークされた作品世界の中には、大胆な想像力を羽ばたかせて描写されたドラマが見てとれているのだが、「花芯」にとってはそんな「大胆な想像力を羽ばたかせて描写されたドラマ」の想像力が一段と鮮明に息衝いている。36歳というときに執筆された寂聴さんの「花芯」は、云わば「女性の女性による女性のため -
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たった今読み終わったので新鮮な気分。ヘッセの「シッダルタ」も読んだが、瀬戸内流の方に惹かれた。つまるところ私たちは世尊の実態には迫れない。漫画も含め色々な解釈を見聞きしても、そうだなと思ったり、なんとなく違うなと思ったりしても、そう思うだけで実態に近づけるわけではない。
今回瀬戸内さんの釈迦は、従者アーナンダの視点で描かれている。おかげで、私たちの中の崇高なものに近づきたいけど近づきがたい気分と、語り手の視点とがマッチして丁度良い距離感になっている。
だが物語の中に、世尊を理解するヒントがちりばめられていないかというとそうではない。世尊は孤独だと言ったデーヴァダッタ、死ねずに永遠に生きる方