瀬戸内寂聴のレビュー一覧
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姫君たちが抱いていたプライドをテーマに源氏物語を解釈した一冊。NHKの番組がきっかけで源氏物語に興味を持ち取り寄せたが、思った以上に面白かった。何度か展開される紫式部不美人論は説得力がある。
・一方不美人の事を書きますと、なぜか事細かく書く(笑)。(中略)そこにリアリティーがあるのです。私は、それは自分の要望に対するコンプレックスの裏返しではないかと思います。41
・愚かな恋を繰り返し、過ちを繰り返し、しかし、そのたびに悲しみと同時に愛する喜びも味わうことのできた人生の方が、より豊かな人生といえるのではないかと私は考えます。71
・この時代は、前にも話しましたように、貴族たちは、男を産むより女を産むことを望む75後宮へ入れ天皇の子を孕めばラッキー。
・紫式部は、空蝉の中に自分を投入していると思う。これは円地さんの見解です。111
・やきもちを全くやかないというのは、男にとってはやっぱりつまらないのです。やきもちはこんがりとやく。キツネ色にやくのがいいんです。129
・紫の上に子どもを産ませなかったというのは、紫式部の大変な計算だと思いますし、その計算が成功していると思います。139
・本当の貴族とは、末摘花のような、人を疑わない人のことをいうのではないかと思います。 -
Posted by ブクログ
出家前の晴美と、得度後の寂聴の往復書簡という珍しい形をとった、性を切り口に自身の半生を振り返り綴られたエッセイ。女性として、また作家として、そして尼僧として、僕とは全く異なる性体験をして来られた女史の性愛に対する考えが強く出た文章は非常に興味深く読めた。
『花芯』で「子宮作家」というレッテルを貼ってきた批評家をインポ呼ばわりして5年間文壇を干された過去があるというのは知らなかった。
・子どもはどんな乱読をさせても、その為、品性を害されたり、性格が歪んだりすることは決してありません。漫画追放などといって、眉を逆立てるPTAのオバタリアンなどは、このことわりを知らないのだと思います。48
・男の性は精液の放出を以て一応完了するのは原則ですが、老人になると、適当に相手を愛撫して放出前に中止しても十分なる満足が得られるのです。134
・蓮華色尼ですが、森の庵で犯された後の仏陀との問答で、鉄で焼かれたようという表現は、もしかしたら、彼女が修行尼となって何年もの歳月がたった後、彼女の器官が退化していて受入れ不可能になっていたのを無理に犯された痛みを表現したものではなかったでしょうか。161
・女の苦悶の表情は、性の極りの歓喜の表情と重りあうものでした。苦痛と甘美な快楽が同じ表情だということは劫罰か恩寵か私にはわかりません。あなたなら、どうお答えになりますか。255
・十代や二十代の女を男はいくつになっても欲しがるようですが、十代や二十代の女の性なんて、場末の洋食屋のデザートか、肉の少いカレーライスくらいのもので、味もそっ気もないが、ただ飢餓感が一時なだめられるという程度じゃないですか。女の性の味は、自分の舌が肥えるのもまさに四十代、食べられて美味しくなるのも四十代と断言していいと思います。
ところが今の日本では四十代の主婦がほとんど亭主に寝てもらえないという奇なる社会現象がおこっているようです。262
・私はどっちかというと、銀座の高級バーあたりより、ゲイバーの方がすきです。彼等の中にはほんとに頭のいい人が多く、会話の回転の速さが小気味いいし、みんないい器量だし、サービス精神に徹しています。280
・女は一人めの子どもを産んだ後が一番美しいとか。299 -
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今まで私が読んできた瀬戸内さんの文章は、寂聴になってからの随筆がほとんどで、ずっと彼女の小説(特に晴美時代の)を読みたいと思っていました。
発表当時センセーションを巻き起こしたという「花芯」は気になっていたのだけれど、こうして読んでみると、本当にこれがン十年も前の作品なのかとビックリします。
当時の批評では「子宮」という言葉が多用されていると書かれたそうですが、読んでいるとそんなに気にならない。というか、それがキーワードになって作品の形をなしているように思います。
ただ、私が主人公の気持ちに共感できるか?というと、うーん、まだしっくりしませんね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ波乱の帖。
源氏の兄の朱雀院の娘である女三宮が、源氏の元に嫁いできた(こんなプレイボーイの弟に愛娘を託すなんて…)。晩年になって夫が新しい妻を迎えたことに紫の上は動転し(そりゃそうよね)、どんどん身体を壊していく。源氏は幼妻である女三宮に満足できずにいる(周囲の人はだいたいそうなると思ってたと思うよ)。
一方、かねてから女三宮に好意を寄せていた柏木は、仕方なく彼女の姉の女二宮と結婚している(かわいそうな姉…)。でも、ついに恋心を抑えきれなくなってストーカー行為の末、女三宮に子どもを宿してしまう(犯罪者!!!)。
もちろん子どもは源氏との子、ということになっているのだが、源氏も薄々事実に気づく(っていうか、昔同じようなこと、あなたもしたでしょ?)。柏木はなんてバカなことをしたのだろうと後悔し、こちらも身体を壊していく(本当にバカな男!!)。
と、突っ込みどころ満載のエキサイティングな一冊に仕上がっている。
源氏物語はこんなに長いのに、きちんと伏線が張られており、そこが物語に重厚感を出している。また、紫の上の感情の起伏の様子は現代の女性にも通じるところがあると思った。 -
Posted by ブクログ
源氏物語はザックリ有名なところを知っている程度で、大和和紀さんの「あさきゆめみし」を数年前に読んでストーリーの複雑さと面白さを知りました。
原文で読むのはとうてい無理そうなので、瀬戸内寂聴さんが訳した「源氏物語」を読んでみたいと思いながら何年もたち、偶然本屋さんで「寂聴と読む源氏物語」と出会いました。
「あさきよめみし」を思い出しながら紫式部と登場人物の生きた時代背景や心情のイメージを丁寧に解説をしてもらっているように楽しく読めました。
私は今を生きる女性なので源氏に絶対惚れないし許せないだろうな~と思いながら、こういう時代にこういう恋愛をした雅な人たちがいたのだろうと想像すると興味深く読めます。
なんとか瀬戸内寂聴さんの源氏物語を読んでみたいなと思います。