瀬戸内寂聴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この巻で、印象に残ったのは、光源氏の愛した女たちのなかでただひとりブサイクで読者に強い印象を残す(?)「末摘花」。源氏にずっと忘れられていたのに、いつか思い出してもらえるはずと信じて、貧乏になって家は草ぼうぼうに荒れはて、そばに仕える者もいなくなっていっても、ただひたすら源氏を待っている。たまたま通りかかった源氏に思い出してもらえて、以後は面倒を見てもらえる(でも愛してはもらえない)ようになる。この末摘花という女、不器量なだけでなくて変わり者というか意固地というか、折々のお手紙なんかを出したりもしないから友人知人もいなくなって忘れられ、頼れる身内もなく、自分から楽しみや慰めを見つけるわけでもな
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Posted by ブクログ
いやいや、瀬戸内氏の文体のせいか、物語にも勢いがついてきたのか、流れるようにつるつる読めて快感を覚えるほど! 読みやすいうえに、風雅な感じもすごく出ていて、季節のうつろいや行事の華やかさなんかも目に浮かんで楽しいー。それと、前も書いたけど、やはりこれは大河小説なんだなーとまたまた感じる。どうも漫画「あさきゆめみし」の印象が強くて、女性のエピソードごとに一話完結っぽく覚えているのだけど、あくまで続きものであって、源氏が一度かかわった女性はまたあとでも出てきて、少しずつ源氏との関係が変わっていったり、のちのちまさかこんなふうになるとはということがあったり、うまく伏線がはられているというか布石が打た
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Posted by ブクログ
源氏物語では「若菜」の帖がいちばん読みごたえがある、というのをどこかで読んだので、ひとまずそこを、と巻一の次に巻六を読んでみることに。これまで、源氏物語って、光源氏がかかわった女たちを描いた一話完結のドラマのような気がしていたのだけれど、なんだかはじめて、これは大河ドラマのようなひとつの物語なのだ、っていうことがよーーくわかった気がする。源氏が十代、二十代でかかわった女たちが、源氏が四十歳になったこの巻でも登場して、それぞれ年をとり、いろいろ立場も変わったりしていて、そういうことを源氏が思い起こしたりして、興味深い。あたりまえといえばあたりまえなのだけれど、話がつながっているので、それで次はど
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Posted by ブクログ
仲良しの女友達を見送り、自分のこれから先をみつめながら一番心に掛かっているのは幼い頃に置いて家を出てきた娘のこと。今ではお互いにいい大人だから干渉もしないけれど一体娘は自分のことをどう思っているのだろう。怨んで憎んでいるのではないだろうか。
娘は娘でそんなことは過去のことと思いながらも自分の結婚もうまくいかなかった。それはトラウマからなのか、自分の「女」が結婚に向かなかっただけなのかよくわからない。娘はやがてガンを患い、偶然であった男に看病をしてもらう。娘もそのおとこの芸術家としての力を伸ばしてやろうと尽力する。しかし、その男には妻がいたのだった。娘は彼をあきらめるのか、それとも妻から奪うのか -