瀬戸内寂聴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
鎌倉時代の皇室に仕えていた女官の生々しい日記文学。
十四歳で後深草院天皇の愛人にさせられて、十五歳くらいで早くも初産。ほかにもかねてからの恋人、西園寺実兼との密通、妊娠までしてしまうし。性助法親王(後深草院の四歳年下の異母弟)には猛烈に言い寄られて、またも密通し、この間柄は後深草院にばれちゃうけど、それも受け入れられて二度も出産。四度も出産して、結局最後の一人の子どもは手元で育てたようなんだが、その行く末も本には書いていない。育児からは遠い身分の人みたい。後半の旅の話は抄訳になっているのだが、そっちもそれなりに面白いのではないかなと思ったりする。 -
Posted by ブクログ
素晴らしい作品です。
人は皆孤独である。孤独でない人は一人もいない。
生まれる時も一人、しぬ時も一人。
他人に理解してもらえることのほうが稀有なことなのだ。
だからこそ、心が通い合ったときはうれしいし、悪いところまで含めたあるがままの自分を受け止めてもらえたときには心が打ち震える。
孤独であることは悪しきことではない。
己が孤独であると知っている人こそ、他者を受け入れ、愛することができる。
これが大筋の話。
私は、寂聴さんが「性」という漢字を「「心を生かす」とも「心で生きる」とも「心を生む」とも読める」と表現したことにひどく感動を覚えました。
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Posted by ブクログ
寂聴が晴美だったって事くらい知っていた。なんとも情熱的な血のにおいのする小説を書いていることも当然知っていた。あの笑顔と心温まる説法の裏に、髪を剃らなければならないほどの何かがあったのであろうことも知っていた。乳飲み子を置いて年下の恋人の元に走る、それは世間では許されないこと。新聞や週刊誌そしてテレビのワイドショーの格好のエサなる恋愛沙汰。簡単に言えば 「不倫」。けれど何が彼女をその「場所」へと導いたのか。電車の中で出会った幼児に自分の子供を重ね一旦は戻った彼女を何がそこへと連れ出したのか。オンナとして妻として母として 私と彼女の違いはいったい何だったのか。笑顔の奥に隠した痛みを垣間見た気がし