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瀬戸内寂聴さんが、お会いした皆さんに優しく語りかける姿が想像できた。
人間は皆、心のどこかに「孤独」があるのだと思った。
それとうまく付き合っていける人間になりたい。
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【レビュー】孤独という概念についての仏教的な視点が、具体例を交えて分り易く表現されていたように感じた。仏陀の言葉の中には、とても詩的で鋭い言葉が多々あり、唸った。
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「人間は生まれて死ぬまで孤独な動物だというのが,七十年生きてきた私のゆるがない乾燥です。」
このような出だしではじまります。
人生すべてに孤独がつきまとい,人間は悩む。
そんな人生の儚さについて僧侶的な発想で書かれています。
その孤独とどのように向き合うか。
孤独を楽しみ,飼いならすすべも述べられているので,人生の節目でまた読みたいと思える本でした。
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いま現在どうしようもなく孤独感に苛まれて身も心もずたずたになっているという方と、近い将来にその予兆がありそうな方にこそ読まれるべき本です。
それほど具体的な処方箋が書いてある訳ではありませんが、あらかじめ参考のためにとか、面白そうだからという読み方は推奨できません。
寂聴さんは、ご自分の肌を切って傷口を押えもせず、血の吹き出る中で血文字で語っていますから、生半可な読み方ではこちらが怪我をしてしまうのです。
あまりにも出来すぎですけれど、ちょうど今、部屋の中にはビリー・ホリディの「ソリチュード(孤独)」が流れています。・・・好きな曲ですが、必要以上に孤独感が増します。
孤独に上下高低のあるはずはありませんが、従来の観念的な局面以外に、まさしく今の高齢化社会時代に相応しい、人為的に作られた新たな窮極の孤独というものが現出しているのです。
そう、また犠牲者を出してしまいました。あの屈託のない明るい笑顔が似合う清水由貴子さんが、4月20日午後5時頃、静岡県の冨士霊園の父親の墓前で硫化水素を吸って自殺してしまいました。母親の介護に疲れてというものです。
今年になって介護に関連した自殺がすでに20件以上とか。そうとう深刻な事態に踏み込んでいることは明らかです。彼女の自殺は、この事態を一身に背負ったものとして象徴的なものと感じます。
介護切り捨てではなく、今こそ社会をあげて介護に対して、費用の面でも、自宅介護に携わる人に対する精神的ケアに及んでも、金銭的無料化はもちろん、物理的精神的負担軽減に向けて、国家的レベルで先導して最大限の援護体制を構築すべきなのに、事態はまったく正反対の方向へ進んでいることへのアンチ・テーゼ、あるいは焼身自殺に近いメッセージ性のあるものとして、受け止めるべきだと思います。
この本を読んで私自身の様々なことを考えましたが、そんなことはすべて観念的な他愛のないもので、吹っ飛んでしまうほど、彼女の死が強く迫って来ます。
父親のお墓の前で、心中しようとしたけれど躊躇した挙句できないで母親を残して、黒いビニール袋をかぶって、硫化水素で自殺するなどということが、人生最大の孤独でないと誰がいえるでしょうか。
この感想へのコメント
1.船橋胡同 (2009/04/27)
感銘を受ける感想文ありがとう。納得できる論理です。
この文章にアンダーラインをつけたいです。
最後のところは、思うところあります。
瀬戸内 寂聴の生き方は激しいですね。訓話や人生案内は、
弱い私のような男には、圧倒されて反対に相談したくなくなります。
2.anokeno (2009/04/29)
さっきも介護職の31歳の男性がテレビに出ていました。とても感じのよい有能そうな人でしたが同期の11人のうち8人が辞めてしまったという話や低い報酬になんとかならないのかとつくづく思いました。
3.薔薇★魑魅魍魎 (2009/04/30)
助平で果てしなく淫乱で愛欲に溺れたご自分の人生を出家という超越した形でご破算にされた寂聴師匠は、だからこそ全身全霊で私たちの煩悩解決に尽くそうとされているのですが確かに生気を吸い取られそうな感じにならなくもないですね。でも実物は菩薩のような人です。
それから過酷な介護の報酬が子供2人いて手取り13万円は幾らなんでもひど過ぎますし2千万で施設へというのも馬鹿にしてます。もう政権交代官僚追放以外ないですね。
4.anokeno (2009/05/16)
お話をじかに聞いてみたいです。元気をもらえそう
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全ての方におすすめできるわけではありませんが、個人的に響いた言葉がいくつかありました。
人間は生まれて死ぬまで孤独な動物
愛があっても孤独、群れていても孤独、若くても、老いても孤独
ひとりひとりが自分の孤独に対決し、それを凝視してその性質を掴み、それを飼い馴らす方法を発見していくしかありません。
"孤独に甘えるなかれ"
人は自分を孤独だと思うとすぐ感傷的になります。
自分の不幸に溺れ込んで、まわりの人々に訴え、慰めてもらうのが当然のようにふるまう人があります。それはたいへんな見当違いで、孤独というものは自分ひとりで背負わなければならないお荷物なのです。人に片棒をかついでもらえるものではありません。
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普段はこういった本は読まないのだけれど、瀬戸内寂聴の書く「孤独」とはどんなものかと手にとってみた。
人は孤独である。お金があっても家族や友人がいても、結局はひとりで生まれ、ひとりで死んでいく。当たり前のことだけれども、日常生活ではなるべく背を向けてきた事実が淡々と書かれている。
切っても切れない縁なのだから、やはり孤独は飼いならすしかあるまい。では、それをどうやって終生の友とするか。
この本が気になったということは、ワタシも孤独とのつきあい方を考える年齢になったのだろう。明確な答えが書かれているわけではないけれど、読んでちょっと楽になる部分があったかな。
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孤独と自由は同義、という素晴らしい内容が書かれた本。世の中には自由の意味を履き違えている人が多すぎる(あの有名な「旅人」は、自由の本当の意味をよく分かっていると思う)。逆に、常に周りに人がいて騒がしい状況におかれても、修行と鍛錬により、孤独を保つことは可能だということだね。
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なんかで知って読みたくなった本。母親が寂聴さんの本読んでた気がして少し気になる人だったし、43版とあってベストセラーじゃんと思ってね。
この人の生涯には全然触れてない本だけど、いろいろな恋愛をして、51歳で出家した方。(出家であってるか不安…)
人間は、産まれるときも死ぬときも一人とはよく言うけれど、やっぱそうなんだろうね。
みんなといても孤独、一人でいても孤独。
あなたはその孤独にどう向き合いますかという問いかけ本。たくさんの、寂聴さんの元に届くお手紙をもとに進められる気付きの本です。
友達が、二人で立ってると思ってたけど、一人で立ってたって気付いちゃったんだよね、って言ってた。
真理です。
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「本当の愛は人を謙虚にします。」
「愛したら執着し、執着したら独占欲が生まれます。すると苦しみが生まれます。」
「たいていの場合、欠点は美点で、美点は欠点にもなりうるのです。」
など名言が多かった。
未熟者には勉強になりました。
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2010/04/07
語り口調に馴染むのに、慣れないと少し時間はかかりますが、
読み進めていくうちに、ぐっと胸に染み入る一冊です。
病床の良寛に、貞心尼が寄り添って看護する様を書いた
小説の抜粋には、かなりじんとくるものがあります。
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いろいろな種類の孤独をとりあげ、最後には誰もが逃れられない老いの孤独で締めくくり。
途中で寂聴節炸裂してたけど。仏陀や一遍上人、西行などの残した、孤独を突き詰めた果ての孤独についての言葉が印象深いです。
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少し気分を変えたくて手にした一冊です。
ズバリテーマは「孤独」。
まさに私にピッタリのテーマ。
生老病死、釈迦が言われた人としての四苦。
人はひとりで生まれて、ひとりで死んでゆく。
そう、つまり「人」=「孤独」ということ。
常に孤独を感じている私にとって、孤独との上手な付き合い方を教示してくれたように思います。
合掌
説明
内容(「BOOK」データベースより)
人はひとりで生れ、ひとりで死んでゆく。恋人がいても、家族に囲れていても、しょせん孤独。群れていても、若くても、老いても孤独。ほんとうに自分が孤独だと感じたことがない人は、真に人も愛せない。孤独と向かい合い、飼い馴らし、新しい自分と出会える人だけが人生に輝く道を発見する。孤独を生ききるにはどうすればいいか。答えがこの本にある。
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瀬戸内寂聴の作品はあまり興味が起こりませんでしたが、「孤独」と言う言葉にひかれたのか読んでみたくなりました。
ハイ、確かに「孤独」がいっぱい書かれていました。
多くは満たされない女性の心についてです。
どうも私にはピンとこなかったです。
さびし過ぎるとと言うか、暗いというか、忍耐的に感じてしまいました。
なんででしょうかね。
それでも学べたことがあります。
「孤独でないとできない愉しみを思い出して下さい。それは読書です。…それから書くことです。・・・孤独になって気が付くのはこれまで人と一緒に過ごしてきた時間の何と粗雑だったかということです。」
孤独もまた愉し…ですね。
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素晴らしい作品です。
人は皆孤独である。孤独でない人は一人もいない。
生まれる時も一人、しぬ時も一人。
他人に理解してもらえることのほうが稀有なことなのだ。
だからこそ、心が通い合ったときはうれしいし、悪いところまで含めたあるがままの自分を受け止めてもらえたときには心が打ち震える。
孤独であることは悪しきことではない。
己が孤独であると知っている人こそ、他者を受け入れ、愛することができる。
これが大筋の話。
私は、寂聴さんが「性」という漢字を「「心を生かす」とも「心で生きる」とも「心を生む」とも読める」と表現したことにひどく感動を覚えました。
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ものすごく孤独を感じてた時に読んだ本…。当時色んな本を気を紛らわすかのように読み漁っていたので、内容を余り覚えていないのですが、中の一編の描写に、夜ホテルの窓から外を見ている作者の姿があり、それだけ覚えています…